国の想定では、利根川があふれると、東京都葛飾区のお花茶屋一〜三丁目など22か所は、町・字の中心が2階も水没する5〜10mの区域に入ります。
利根川は東京を流れていませんが、国は、中下流で堤防が切れると水は「中川沿いの低地を流下して、埼玉県南部、東京都区部まで達し」と書いています。
先に結論
- ✓ 葛飾区は町・字の中心61か所で、0.5m以上の浸水が1〜2週間続く想定。群馬県邑楽郡板倉町は15か所で2〜4週間
- ✓ 1947年のカスリーン台風は、関東地方に戦後最大の被害をもたらした(江戸川河川事務所)。浸水した家屋は1都5県で303,160戸、死者は1,100人
- ✓ 2019年は上流の7ダムが約1億4,500万m³をため、八斗島(やったじま)の水位を約1m下げたと国が推定。ただ想定の雨(3日で491mm)は、このとき降った310mmより多い
利根川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は利根川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
町・字の中心がいちばん深い10〜20mの区域に入るのは9か所です。
野田市の関宿台町など3か所が最も多く、加須市の伊賀袋なども入ります。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
区域に入る町・字の中心は2,996か所で、足立区226か所、越谷市194か所、久喜市150か所の順に多くなります。足立区は5〜10mも7か所あります。
葛飾区は155か所のうち124か所が入り、3〜5mが63か所、5〜10mが22か所です。

2〜4週間続く町・字の中心は全体で86か所あり、板倉町のほかに東京都江戸川区17か所、加須市11か所などです。足立区は226か所のうち40か所が1〜2週間です。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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利根川の過去の水害と最近の大雨

カスリーン台風で利根川の堤防が切れたのは、1947年9月16日の午前0時20分です。ほぼ同じ時刻に、渡良瀬川の堤防も川辺村(今の加須市)で約380m切れました。
国の「日本の川」は、1958年から2007年までの出水を挙げ、「いずれも利根川の堤防が破堤をきたすような出水ではありませんでした」と書いています。
2015年9月の関東・東北豪雨でも、利根川の栗橋は氾濫注意水位を超えたところまででした。

今の水位を見る場所

東京の足立区・葛飾区・江戸川区に出る利根川の洪水予報は、群馬県伊勢崎市の八斗島と埼玉県久喜市の栗橋が基準地点です。
千葉県の野田市・流山市に出る洪水予報は、利根川中流部の芽吹橋(野田市)が基準地点です。
川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)では、2026年9月の台風第25号で、八斗島も栗橋も水防団待機水位に届いていません。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
2019年の東日本台風と八ッ場ダムの効き目
「八ッ場(やんば)ダムができたから利根川はもう氾濫しない」とは言い切れません。国の浸水想定は、八斗島より上流に72時間で491mmの雨が降る場合です。
2019年10月の東日本台風では、同じ範囲に3日間で310mmが降りました。国は「カスリーン台風に匹敵する大雨」と書いています。1947年は308.6mmでした。
このとき上流の7つのダムは約1億4,500万m³をため、八斗島の水位を約1m(速報値)下げたと国は推定しています。うち約7,500万m³は、試験湛水中だった八ッ場ダムです。
渡良瀬遊水地と田中・菅生・稲戸井の3つの調節池も、過去最大の合計約2.5億m³(東京ドーム約200杯)をためました。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む葛飾区 冠水 どこが危ないの? ›
あわせて読む足立区 冠水 どこが危ないの? ›
- 久喜市 冠水 どこが危ないの?
- 野田市 河川氾濫/利根川・江戸川と過去の洪水
- 柏市 河川氾濫/手賀沼と利根川の浸水想定
- 香取市 河川氾濫/利根川の北は2週間以上の浸水想定
- 成田市 河川氾濫/根木名川と北印旛沼
- 加須市 冠水 どこが危ないの?
- 古河市 冠水 どこが危ないの?
- 守谷市 冠水 どこが危ないの?
- 取手市 冠水 どこが危ないの?
- 我孫子市 冠水 どこが危ないの?
- 印西市の冠水|注意したい六軒ガード下
- 神栖市 冠水 どこが危ないの?
- 銚子市の冠水|注意したい三軒町立体交差
- 江戸川区 冠水 どこが危ないの?
- 行田市冠水 どこが危ないの?
- 熊谷市 冠水 どこが危ないの?
- 伊勢崎市の冠水|国の一覧は1か所だけ
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
ここで扱った浸水想定は、国が利根川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 利根川上流河川事務所「写真・動画でみるカスリーン台風」
- 関東地方整備局「カスリーン台風の被害」
- 国土交通省「日本の川 利根川 主な災害」
- 関東地方整備局「『平成27年9月関東・東北豪雨』に係る鬼怒川の洪水被害及び復旧状況等について」
- 利根川上流河川事務所「【出水速報 第2報】平成27年9月関東・東北豪雨」
- 利根川上流河川事務所「【出水速報 第2報】令和元年東日本台風(台風第19号)」
- 関東地方整備局「台風第19号における利根川上流ダム群の治水効果(速報)」
- 利根川上流河川事務所「洪水浸水想定区域図」利根川(想定最大規模)
- 利根川上流河川事務所「堤防決壊時の市区町別浸水特性の公表」
- 気象庁「指定河川洪水予報の河川予報区名及び基準観測所名」(東京都)
- 気象庁「指定河川洪水予報の河川予報区名及び基準観測所名」(千葉県)
- 江戸川河川事務所「もし、利根川や江戸川で水害が起きると…」
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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