守谷市で大雨のときに水がたまるおそれがある道は、国と県の資料で3か所です。つくばエクスプレス守谷駅の下、国道294号との交差部、つくばエクスプレスの高架下。
そのうち2か所が、2026年9月7日から雨の前に閉める道になりました。茨城県が選んだ9か所のうち、2か所が守谷市です。
3か所の標高は13.6メートル、17.3メートル、20.7メートル。市内76の町丁目でいちばん低いのは野木崎(のぎさき)の5.5メートルです。冠水の3か所は、市内ではむしろ高いほうにあります。
この記事でわかること
- ✓ 市道3650号の1か所は規制に入りません。管理者は守谷市で、市のサイトにその道のページがありません
- ✓ 内水の地図は「水防法施行規則の規定に基づく地図ではありません」と市自身が書いています
- ✓ 内水の想定は1時間153ミリ。実際に降った最大は85.0ミリで、約1.8倍の開きがあります
箇所の数・道路種別・路線名・住所・管理者は、茨城県「道路冠水危険箇所一覧」(2026年9月11日更新)と、国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所」の茨城県分(地図から開ける一覧が31か所、県ごとのPDFが63か所)、および1か所ごとの説明表から取りました。雨の前に閉める規制は茨城県土木部の2026年9月7日の資料提供。内水の想定降雨・実測の雨量・宅地建物取引業者向けの作成状況は守谷市「内水ハザードマップ」(令和8年3月13日更新)と「宅地建物取引業者のかたへ」(令和8年5月28日更新)、洪水の決壊地点は国土交通省 関東地方整備局 利根川上流河川事務所「堤防決壊時の市区町別浸水特性 守谷市」(平成29年3月)から取りました。標高は国土地理院の標高データで、位置参照情報(大字・町丁目レベル)の代表点を引いた値です。
9月7日から、守谷市の2か所は雨の前に閉まります
茨城県土木部が2026年9月7日に、「冠水のおそれがある県管理道路のアンダーパス9箇所において、9月7日から予防的な事前通行規制を導入いたしました」と発表しました。きっかけは2026年8月の「令和8年8月千葉豪雨」で、「アンダーパスの冠水により人的被害等が発生したことを踏まえ」た措置です。
水がたまってから止めるのではなく、たまる前に閉める。9か所の内訳は日立市4、守谷市2、つくば市2、筑西市1です。

閉める条件は3つ。「次の(1)〜(3)のうち、いずれかに該当する場合 (1)レベル4の大雨危険警報が発表された場合 (2)1時間雨量が50mmに到達した場合(予測を含む) (3)県または県警が冠水の可能性があると判断した場合」。
2つ目には「予測を含む」が付きます。降り切ってからではなく、降る前に条件へ入るということです。守谷市の2か所は、県道野田牛久線がつくばエクスプレス守谷駅の下をくぐるところと、県道守谷流山線が国道294号と交わるところです。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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3つの資料で数えても、守谷市は3か所のままです
冠水しやすい道の一覧は、国と県がそれぞれ出しています。茨城県は国の地図から開ける一覧が31か所、県ごとのPDFが63か所、県の独自の一覧が33か所。同じ市でも数は食い違い、日立市は3か所・11か所・4か所とばらけます。守谷市はどれも3か所でした。TX(つくばエクスプレス)は、国の説明表がそのまま使っている表記です。
| 管理番号 | 名称 | 種別 | 路線名 | 説明表の住所 | 標高 | 地図 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 茨城県-02-004 | TX守谷駅下 | 県道 | (主)野田牛久線 | 守谷市百合ヶ丘二丁目 | 20.7m | 開く |
| 茨城県-02-005 | 国道294号交差部 | 県道 | (主)守谷流山線 | 守谷市本町 | 13.6m | 開く |
| 茨城県-02-027 | TX高架下 | 市道 | 市道3650号 | 守谷市ひがし野一丁目 | 17.3m | 開く |

地図の番号と同じ順です
① TX守谷駅下
県道 (主)野田牛久線
茨城県守谷市百合ヶ丘二丁目 / 標高20.7メートル
管理: 竜ヶ崎工事事務所(0297-65-1297) / 警察: 取手警察署 / 消防: 常総地方広域市町村圏事務組合消防本部
※ 一覧の地先名は「守谷市守谷」だが、説明表の住所は百合ヶ丘二丁目
② 国道294号交差部
県道 (主)守谷流山線
茨城県守谷市本町 / 標高13.6メートル
管理: 竜ヶ崎工事事務所(0297-65-1297) / 警察: 取手警察署 / 消防: 常総地方広域市町村圏事務組合消防本部
③ TX高架下
市道 市道3650号
茨城県守谷市ひがし野一丁目 / 標高17.3メートル
管理: 守谷市(0297-45-1111) / 警察: 取手警察署 / 消防: 常総地方広域市町村圏事務組合消防本部
Googleマップのリンクは、資料に書かれた住所を国土地理院の住所検索にかけた緯度経度で開きます。町丁目や街区の代表点なので、構造物そのものの位置とは数十メートルずれることがあります。現地の名前で検索し直すと、より正確な場所が出ます。
分かれ目は種別の欄です。TX守谷駅下と国道294号交差部は県道、TX高架下だけが市道3650号で、管理者の欄は守谷市。雨の前に閉める規制は県が管理する道路を対象にしているので、同じ市内の3か所のうち、2か所は雨の前に閉まり、1か所は閉まりません。
備考の欄は3か所とも空欄で、排水ポンプや水位計があるかは読み取れません。県の一覧でTX守谷駅下の地先名は「守谷市守谷」ですが、国の説明表の住所は百合ヶ丘二丁目です。
市のサイトに、道路冠水のページが見つかりません
市のサイトの「防災」と「災害情報」の下層を、一つずつ開きました。防災の下にあるのは防災訓練・備え、備蓄品、避難、防災計画・補助金の4つで、その下の16本の記事にも冠水・アンダーパス・通行止めのページはありません。災害情報に並ぶのは、弾道ミサイル、ホームページの代理掲載、切れた電線の3本だけでした。
市道3650号のページも、何センチで通行止めにするかの基準も、カメラや排水ポンプの説明もありません。県が市内2か所で始めた規制の告知も、市のサイトでは見つけられませんでした。全文検索が使えなかったので、「どこにも無い」とまでは言えません。
それでも内水ハザードマップのPDFを開くと、地図面の凡例に「アンダーパス」の記号があり、地図上に置かれています。市が出している道路冠水の情報は、この記号だけです。
内水の地図は、水防法施行規則に基づく地図ではありません
その内水ハザードマップのページに、市が自分で書いています。「守谷市の内水ハザードマップは水防法施行規則の規定に基づく地図ではありませんが、宅地又は建物の取引の際には……内水ハザードマップについての情報提供をお願いいたします。」
法律に基づく地図ではない。でも見せてほしい。別のページにある作成状況の表とも合っていて、洪水は「あり」、内水は「なし」、高潮は「なし」。土砂災害警戒区域と地震の揺れやすさは「あり」、液状化と津波は「なし」でした。
守谷市で家を買う人が重要事項説明で見せられるのは、洪水の地図だけです。紙にも差があります。全戸に配られた守谷市防災ガイドブックは令和5年5月の配布で「令和5年3月時点の情報」。内水ハザードマップの公表は令和8年3月で、手もとの冊子に内水の図は入っていません。
想定は1時間153ミリ、実際に降った最大は85.0ミリです
その図が前提にしている雨を、市は「おおむね1000年に1回の確率で発生する降雨」と説明しています。令和5年6月2〜3日に降った総降雨量310.5ミリ・1時間最大53.0ミリの降り方を引き伸ばして、総雨量410.5ミリ・1時間最大153ミリにしたものです。

1時間あたりの実際の最大は、市が同じ文の中に書いています。「守谷市郷州小学校で観測された令和3年7月11日降雨(総降雨量85.5ミリ、1時間最大雨量85.0ミリ、POTEKA観測)」。POTEKA(ポテカ)は市内に置かれた観測装置の名前です。
153ミリは、85.0ミリの約1.8倍です。1000年に1回と聞くと遠い話に感じますが、この市で起きた最大の雨の1.8倍という距離でしかありません。しかも85.0ミリのほうは総降雨量が85.5ミリで、ほとんど1時間に集中して降った雨です。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
洪水で危ない町と、冠水の3か所は逆を向いています
守谷市は利根川・鬼怒川・小貝川に三方を囲まれた台地の上にあります。国土交通省の「堤防決壊時の市区町別浸水特性 守谷市」が決壊地点として名指しするのは、「利根川左岸の守谷市野木崎地先(97.0k)〜守谷市野木崎地先(96.0k)」と「稲戸井調節池周囲堤の守谷市大柏地先(95.5k)〜取手市戸頭地先」です。大柏は「おおがしわ」と読みます。
この2つの町の標高は、野木崎が5.5メートル、大柏が6.1メートル。洪水で名前が挙がるのは、市内76町丁目でいちばん低い町と2番目に低い町です。決壊すると「直後に氾濫水が守谷市に到達する」こと、浸水深が5メートル以上になる区域と、浸水が7日以上続く可能性のある区域があることも書かれています。

いっぽう冠水の3か所は13.6・17.3・20.7メートル。守谷市の標高は野木崎の5.5メートルから小山の22.4メートルまでで、幅は16.9メートルしかありません。その狭い幅の中で、洪水は下から1番目と2番目、道路の冠水は上のほうという逆さまが起きています。
ただしこの標高は町丁目の代表点を1つ引いた値で、道路の底の高さではありません。周りの地面が20メートルあっても、掘り下げた道があれば水はそこへ集まります。洪水の資料も「概ね200年に一度の確率で発生する規模」が前提で、想定を上回る雨ではより広く・早くなると国自身が書いています。
守谷の冠水の実況は、市民の投稿のほうにあります
ここまでで、性格の違う資料が3つ出てきました。

1つ目は国と県の道路冠水注意箇所で、守谷市内は3か所。道路を管理する立場から登録した箇所で、全国どの県でも同じ形で公開されています。2つ目は市の内水ハザードマップで、1時間153ミリが降ったらどこが浸かるかを計算した想定の図。道の一覧ではありません。3つ目は、降りはじめたあとに出てくる情報です。
守谷市の3つ目は、市民の投稿でできています。市は「災害対応」のページに「Morinfo(もりインフォ)を利用し、リアルな災害状況を市民の皆さんから情報提供いただき、情報を即座に公開する」と書いています。投稿は災害用レポートマップとして地図で見られ、アプリを入れていなくてもウェブ版から開けます。大雨の夜に守谷の状況が集まるのは、行政のページではなくMorinfoの地図です。

いま降っている雨そのものはPOTEKAで見られます。郷州小学校や市役所など市内10か所の観測点が2キロほどの間隔で置かれていて、1時間50ミリという県の条件を守谷だけの粒度で追えます。県道2か所が実際に閉まったかは、茨城県の道路通行規制情報に出ます。
どの資料にも同じ但し書きが要ります。載っていない=安全、ではありません。国と県の一覧は道路管理者が把握している箇所で、水がたまる場所を全部集めたものではありません。守谷市が公表している浸水の実績は、見つかりませんでした。
水に入ってしまった車から出るまで

守谷市の3か所は、3か所ともほかの構造物の下をくぐる道です。手前から見ると水面は平らで、いちばん深い底は見えません。
JAF(ジャフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓で、フロントガラスは合わせガラスなので脱出用ハンマーでも割れません。
車が動かなくなったら110番と119番へ。ドアの高さの半分を超えると、内側からはほぼ開けられません。外に出られないときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 日立市 冠水 どこが危ないの?(茨城県) 同じ9か所のうち4か所。4か所ともJRの線路の下です
- 取手市 冠水 どこが危ないの?(茨城県) 7か所。市の記録430件のうち道路冠水が4分の3です
- 水戸市 冠水 どこが危ないの?(茨城県)
- 柏市 冠水 どこが危ないの?(千葉県) 守谷市と利根川をはさんだ隣です
この記事のまとめ
守谷市で大雨のときに水がたまるおそれがある道は3か所です。つくばエクスプレス守谷駅の下(県道野田牛久線・百合ヶ丘二丁目)、国道294号との交差部(県道守谷流山線・本町)、つくばエクスプレスの高架下(市道3650号・ひがし野一丁目)。県道の2か所は2026年9月7日から、レベル4の大雨危険警報か1時間50ミリへの到達などで雨の前に閉まります。市道の1か所は、この規制に入りません。
市のサイトを一つずつ開いても、道路冠水のページも、県が市内2か所で始めた規制の告知も見つかりませんでした。それでも内水ハザードマップの地図面には、アンダーパスが凡例つきの記号で落ちています。その図を市は「水防法施行規則の規定に基づく地図ではありません」と自分で書いていて、作成状況も洪水があり・内水なし・高潮なし。想定は1時間153ミリで、実際に降った最大85.0ミリの約1.8倍です。洪水で名前が挙がる野木崎と大柏は市内で最も低い2つ、冠水の3か所は市内では高いほう。大雨の夜に開くのは、Morinfoの災害用レポートマップとPOTEKAの雨量、茨城県の道路通行規制情報になります。
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