都が管理する川の浸水想定を目黒川の周りで切り出すと、品川区の西五反田一丁目は、町・字の中心が2階まで浸水する3〜5mの区域に入ります。
ただし都の2017年の整備計画(原案)の主要水害記録で、目黒川が川からあふれた「溢水」とあるのは1989年8月の大雨が最後です。
先に結論
- ✓ 目黒川の周りで0.5m以上の浸水が続く区域に中心が入る町・字は27か所で、港区12・品川区11・目黒区3・渋谷区1。どれも12時間未満の想定
- ✓ 都の主要水害記録で最も大きいのは1981年7月の集中豪雨で、床上浸水1,074棟・床下浸水1,106棟
- ✓ 五反田の荏原調節池には1997年から2016年までに17回、川の水が流れ込んだ。ただ都の目標は1時間75mmの雨まで
目黒川の周りで浸水が想定される町

この地図は、重ねるハザードマップのうち東京都が管理する川の想定を目黒川の周りで切り出したもので、目黒川以外の川の想定も重なっています。下水があふれる浸水の想定を含む可能性もあります。国が管理する大きな川の想定は入れていません。色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。
重なっているのは、渋谷川・古川、立会川、呑川などの想定です。
都が2024年2月に指定した目黒川の洪水の想定では、流域の雨は1時間最大153mm・24時間総雨量690mmです。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
港区(32か所)は、目黒川が流れていない区です。
目黒川が流れる品川区は28か所で、3〜5mが西五反田一丁目の1か所、0.5〜3mが西五反田二丁目・大崎一丁目など15か所、0.5m未満が12か所です。
目黒区は20か所で、0.5〜3mが5か所、0.5m未満が15か所です。0.5〜3mのうち目黒川沿いは下目黒二丁目と目黒一丁目です。
緑が丘三丁目・柿の木坂三丁目・八雲二丁目は目黒川から離れた町で、ほかの川の想定か、下水の浸水を含む可能性のある分です。

港区の東の端には1日以上続く小さな区域がありますが、町・字の中心は入っていません。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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目黒川の過去の水害と最近の大雨

1981年の水害の後、都は上流部で河川激甚災害対策特別緊急事業を行い、1985年度に護岸の整備を終えました。
品川区の町丁別の浸水実績(区に報告があった分)では、1989年(平成元年)8月1日の床上浸水は西五反田一丁目193件、二丁目171件、三丁目57件です。
3つの丁目だけで421件と、立会川などの流域も含む品川区全体の590件の約7割でした。年表の582棟は、都が目黒川流域全体で数えた値です。
年表の2026年の行は、川の防災情報の速報値をart-piで集計したものです。

今の水位を見る場所

目黒川の洪水予報は東京都と気象庁が共同で出します。目黒区は、青葉台の観測所が避難判断水位を超えると、目黒川沿いの警報機からサイレンが鳴ると案内しています。
避難判断水位は川の防災情報に登録が無く、水位の図には入っていません。
川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)では、2026年9月21日の台風第25号で、青葉台の水位は14時30分からの80分で氾濫危険水位のすぐ手前まで上がりました。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
目黒川の氾濫対策と地下の調節池
「地下に調節池があるから目黒川はもうあふれない」とは言い切れません。都の目標は1時間75mmの雨までで、都が示す「河川の安全度達成率」は2024年度末で81%です。
1999年8月には目黒区三田で1時間に101ミリが降り、目黒川流域で1,069棟が浸水しました(都と気象庁の洪水予報のチラシ)。
都の水害記録では、このときの原因は下水があふれる内水です。
荏原調節池は、西五反田三丁目の荏原市場の跡地の地下に造った4層の箱で、ためられるのは20万m³です。
上には都営住宅や品川区の福祉施設が建っています。
上流の中目黒一丁目の船入場調節池(5.5万m³)は都内で最初の地下箱式で、1991年から2016年までに9回、水が流れ込みました。
洪水予報のチラシは、目黒川は水位の上昇が速いため「洪水予報発表後、短時間で河川がはん濫するおそれがあります」と書いています。

流域の町のページ
この記事の地図には、下水があふれる浸水の想定も重なっている場合があります。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む目黒区 冠水 どこが危ないの? ›
あわせて読む品川区 冠水 どこが危ないの? ›
ここで扱った浸水想定は、重ねるハザードマップのうち東京都が管理する川の想定を重ねたもので、目黒川だけの想定ではありません。国が管理する川の想定は入れていません。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 東京都建設局「目黒川流域」
- 東京都「目黒川流域河川整備計画(原案)」(平成29年9月)
- 品川区「町丁別浸水実績一覧(品川・大崎地区)」
- 東京都建設局「荏原調節池」
- 東京都建設局「船入場調節池」
- 東京都・気象庁「目黒川洪水予報」チラシ(目黒区掲載)
- 目黒区「目黒川洪水予報」
- 東京都建設局「城南地区河川流域浸水予想区域図」(洪水浸水想定区域図 令和6年2月15日指定)
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土地理院「重ねるハザードマップ」(洪水浸水想定区域・都道府県管理河川)
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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