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マイソクの作り方|A4一枚に載せる項目と、書いてはいけない表現

マイソクを作るとき、時間がかかるのはレイアウトではありません。「この数字はどの資料を見れば載っているのか」と「この書き方をして大丈夫なのか」の二つです。

マイソクには法律で決められた様式がありません。ですから項目の並びやデザインは各社の自由です。一方で、マイソクは不動産広告なので、載せ方には規制がかかります。ここを知らずに作ると、ポータル入稿で差し戻されたり、最悪の場合は行政指導の対象になります。

この記事では、A4一枚に載せる項目を「どの資料から拾うか」とセットで一覧にしたうえで、実務でつまずきやすい表現のルールを整理します。

目次

マイソクに決まった様式はない。ただし広告規制は受ける

マイソク(販売図面・募集図面)は、物件概要・間取り図・写真・地図をA4一枚にまとめた資料です。買主に渡すこともあれば、他業者に流通させることもあります。

呼び方も様式も業界の慣習で、法令に「マイソクはこう作れ」という定めはありません。そのため「正解のフォーマット」を探しても見つかりません。自社で使いやすい型を決めて固定するのが正解です。

ただし、マイソクは物件を紹介する広告物です。次の二つが必ずかかってきます。

  1. 宅地建物取引業法(第34条の取引態様の明示など)
  2. 不動産の表示に関する公正競争規約(いわゆる表示規約。徒歩分数の計算方法や、使ってはいけない用語を定めています)

「社内資料だから」「他業者向けだから」という理由で外れるものではありません。作り方の自由度は高いのに、書き方の自由度は低い。これがマイソクの性格です。

A4一枚に載せる項目と、数字の出どころ

実務で使う項目を、どの資料を見れば分かるかとセットで並べます。「探す場所が決まっていない」ことが作業時間の大半を食うので、ここを社内で固定するだけで速くなります。

項目 内容 どの資料から拾うか
物件名称・所在地 地番と住居表示は別物 登記事項証明書(地番)/現地・役所(住居表示)
価格 消費税の扱いも明記 媒介契約書・売主からの資料
交通 最寄駅と徒歩分数 地図で道路距離を測る(80m=1分)
土地面積 公簿と実測が違うことがある 登記事項証明書(公簿)/確定測量図
建物面積 登記床面積と課税床面積は一致しないことがある 登記事項証明書
築年月 新築年月日 登記事項証明書(表題部)
構造・階数 木造/鉄骨造/RC造など 登記事項証明書
間取り 現況を優先 現地確認・売主資料・既存の図面
土地の権利 所有権か借地権か 登記事項証明書(権利部)
用途地域・建ぺい率・容積率 役所調査の基本 市区町村の都市計画担当
接道 道路種別と幅員、間口 役所の道路担当/公図
私道負担 有無と面積 公図・測量図・登記
現況・引渡時期 空家・居住中・賃貸中 売主への確認
設備 上下水道・ガスの種別 役所(埋設管図)・現地
取引態様 売主/代理/媒介の別 媒介契約書
備考 再建築不可・私道承諾など 調査結果全般

特に間違えやすい3つ

地番と住居表示は別の番号です。登記の地番をそのまま所在地に書くと、現地にたどり着けない資料になります。逆に、登記簿を取り寄せるときは住居表示では引けません。両方を控えておくのが実務です。

土地面積の公簿と実測は、古い物件ほどずれます。確定測量図がない物件で「実測◯㎡」と書いてしまうと、後で数字が動いたときに責任問題になります。根拠がない数字は載せないのが原則です。

登記床面積と課税床面積も一致しないことがあります。マンションの専有面積は特に、登記(内法)と販売時(壁芯)で数字が変わります。どちらの基準かを書き添えると事故が減ります。

数字の出どころを表にして管理する考え方は、賃貸のレントロールの作り方と同じです。物件資料は結局、「どの一次資料に書いてあるか」を追える形にしておくと強くなります。

書いてはいけない表現(ここで差し戻される)

表示規約は、使ってよい言葉と計算方法を細かく決めています。マイソクでつまずきやすいところを挙げます。

1. 最上級・断定の表現

「完全」「完ぺき」「絶対」「万全」、「日本一」「業界一」「抜群」、「特選」「厳選」、「最高」「最高級」といった言葉は、客観的な根拠を示せる場合を除いて使えません。「駅から一番近い」も、比較の対象と根拠が示せなければ同じ扱いです。

感覚的に強い言葉を使いたくなるところですが、根拠を書けないなら削るのが安全です。

2. 徒歩分数の切り上げ

道路距離80mを1分として計算し、1分未満の端数は切り上げます。240mなら3分、250mなら4分です。直線距離ではなく実際に歩く道路距離である点、そして信号や坂の時間は考慮しない点も決まっています。詳しくは徒歩○分の計算ルールにまとめています。

3. 「新築」と書ける条件

建築後1年未満で、かつ一度も人が住んでいないものが新築です。築1年を過ぎた未入居物件は「新築」ではなく「未入居」と書きます。ここは指摘されやすい代表格です。

4. リフォーム・リノベーションの表示

「リフォーム済」とだけ書くのは不十分です。いつ、どこを直したかを書きます。「2026年3月 キッチン・浴室交換」のように、時期と箇所を添える形にしてください。予定であれば「リフォーム予定」と、実施済みと区別できるようにします。

5. 成約済み物件を載せ続けない

取引できない物件を掲載し続けると、おとり広告と見なされます。故意でなくても、更新漏れは同じ結果になります。おとり広告と疑われないための表記ルール掲載停止フローを先に決めておくのが実務的です。

6. 二重価格表示

「◯◯万円→◯◯万円」のような値下げ表示は、過去の価格が実際に相当期間販売されていた価格であることなど、条件を満たす必要があります。値下げを演出するための架空の元値は使えません。

7. 制限を書かずに省略しない

再建築不可、接道義務を満たさない、市街化調整区域、私道の掘削承諾が未取得──こうした事情は、書かなければ有利に見えます。書かないことによる誤認も表示規約の対象です。備考欄は削る場所ではありません。

ポータル入稿時に差し戻される表現はSUUMO入稿で差し戻されやすい表現にもまとめています。マイソクとポータルで基準は基本的に同じです。

写真と間取り図で事故が起きるところ

写真の加工は、明るさや傾きの補正までが実務の常識的な範囲です。電線を消す、隣家を消す、曇天を晴天に差し替えるといった加工は、現況と違う印象を与えるため避けます。家具を合成する場合(バーチャルステージング)は、合成である旨を明記します。

他社が作った間取り図をそのまま使うのは、著作物の利用にあたる可能性があります。元付業者から預かった図面を流通させてよいかは、広告転載の許可を取って記録に残す手順で処理してください。口頭確認だけで進めると、後から止められたときに何も残りません。

間取り図の向きと寸法も確認します。方位マークが入っていない図面、寸法が現況と違う図面は、そのまま載せると質問対応が増えます。

作業時間を短くする順番

マイソク作成が遅い会社は、たいてい物件ごとに一から作っています。順番を固定すると速くなります。

  1. テンプレートを1種類に固定する(ロゴ・免許番号・会社情報・取引態様欄は最初から入れておく)
  2. 登記事項証明書と公図をまとめて取得する(物件ごとに都度取らない)
  3. 役所調査を一度で終わらせる(用途地域・道路・上下水道を同じ日に回る)
  4. 現地で写真と間取りを確認する(メジャーと方位磁針を持つ)
  5. テンプレートに流し込む
  6. 公開前チェックリストで見直す

1から4が終わっていれば、5は10分で終わります。逆に、5の途中で「用途地域が分からない」と気づくと、その日は終わりません。

公開前に確認する5項目

  1. 取引態様が書いてあるか(売主・代理・媒介の別)
  2. 徒歩分数が道路距離80m=1分・端数切り上げで計算されているか
  3. 面積の基準(公簿か実測か、内法か壁芯か)が分かるか
  4. 不利な条件(再建築不可・調整区域・私道負担・賃貸中)が書いてあるか
  5. 写真と間取り図が現況と一致しているか

この5つで、差し戻しの大半は防げます。

まとめ

マイソクに正解の様式はありませんが、書き方には明確なルールがあります。整理すると次の3点です。

  • 項目は「どの資料から拾うか」とセットで固定する。探す時間が作業時間の正体
  • 表現は表示規約に縛られる。最上級表現・徒歩分数・新築の定義・不利な条件の記載が要注意
  • 写真と図面は現況どおりに。加工と流用が一番事故になりやすい

弊社では、物件資料からのマイソク作成をお受けしています。項目の抜けと表現のチェックまで含めて仕上げますので、マイソク・募集図面作成をご覧ください。ポータルサイトへの入稿までまとめてご依頼いただく場合はポータルサイト入稿代行、料金は料金表にまとめています。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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