新規物件をポータルへ登録する作業には目が向きやすい一方、申込みや契約後の「掲載を止める作業」は後回しになりがちです。
しかし、契約済みなど実際には取引できない物件を削除せず、更新を繰り返した場合、おとり広告に該当するおそれがあります。更新ボタンを押す前に、現在も取引できる物件か確認する仕組みが必要です。

成約済み物件を載せ続けることが問題になる理由
不動産公正取引協議会連合会のおとり広告ガイドラインでは、新規掲載時には取引できたものの、掲載後に契約済みとなった物件を削除せず更新し続け、実際には取引できない状態となった例を挙げています。
インターネット広告は更新が容易であるため、一般消費者は掲載されている物件を取引できると認識するのが一般的です。「古い掲載が残っていただけ」という社内事情は、閲覧者には分かりません。
申込み・契約・成約を同じ状態として扱わない
物件状態が変わったときは、単に「申込みが入ったから全部削除」と機械的に判断するのではなく、現在も広告物件として取引可能か、社内の権限者や元付会社へ確認します。
- 申込み受付中か停止中か
- 二番手申込みを受け付けるか
- 契約締結済みか
- 再募集の可能性があるか
- 媒体ごとの掲載状態をどうするか
判断基準は会社・取引状況・媒体契約によって異なるため、入力担当者や外注先が独断で決めない体制にします。
おとり広告につながりやすい3つの状態

1.契約済み物件を更新し続ける
ポータルの更新期限だけを見て、募集状態を確認せず更新すると起こります。一括入稿元では停止したのに、一部媒体だけ残るケースにも注意が必要です。
2.当初から取引できない物件を新規登録する
古い物件リストを再利用した、広告許諾を確認していない、契約済み情報が営業から共有されていない、といった原因が考えられます。
3.管理できる件数を超えて掲載する
ガイドラインは、少人数で管理能力を超えた多数の物件を広告していることも発生原因として挙げています。掲載枠を埋めることより、正確に更新できる件数を維持することが重要です。
更新漏れを防ぐ実務フロー
- 申込み・契約・成約などの状態変化を営業担当が共有する
- 現在の取引可否と掲載方針を権限者が決める
- 対象ポータル、URL、処理期限を更新担当へ指示する
- 停止・修正後に公開ページを確認する
- 処理結果と確認日時を台帳へ残す
更新台帳に残したい項目

- 社内物件ID・物件名・住戸
- 元付会社・確認先
- 募集状態と変更日時
- 掲載ポータルと公開URL
- 停止・修正の指示者と作業者
- 実画面の確認日時
- 再確認が必要な日
よくある質問
申込みが入ったら必ず削除しますか?
申込み段階の取扱いは取引状況や会社方針によって異なります。現在も取引可能かを権限者に確認し、各媒体のルールに従って処理してください。
ポータルの更新期限まで掲載してもよいですか?
更新期限が残っていても、すでに取引できない状態なら期限だけを理由に掲載を続けるのは適切ではありません。
一括入稿システムで停止すれば確認不要ですか?
連動エラーや反映待ち、個別入力した媒体が残る可能性があります。実際の公開ページまで確認します。
まとめ
おとり広告防止は、広告表現のチェックだけでは足りません。営業情報、広告可否、ポータル作業、公開確認を一つの更新フローにつなげる必要があります。
広告転載許可の確認については、次の先物物件の広告転載許可の記事もあわせてご覧ください。
参考資料
※2026年7月23日時点の公開情報をもとに作成しています。個別の掲載停止判断は、所属する公取協、元付会社、各ポータルの最新ルール等をご確認ください。


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