さいたま市浦和区で中古マンションを探すと、1㎡あたり114.4万円の部屋と49.3万円の部屋が同じ検索結果に並びます。予算だけ先に決めて見始めると、値段の理由が分からないまま候補だけが増えていきます。
国土交通省が公表している浦和区の中古マンションの成約は165件(2024年4Q〜2025年4Q)。1㎡あたりの中央値は78.5万円です。ただしこの78.5万円がそのまま当てはまる部屋は限られます。築5年の部屋にも築38年の部屋にも、この数字は使えません。
値段を動かしているのは部屋の広さではありません。専有面積で分けると1㎡あたりは75.8万円から80.6万円に収まるのに、築年数で分けると49.3万円から114.4万円まで開きます。浦和区で最初に決めるのは広さではなく築年帯です。
先に結論
- 浦和区の中古マンションは1㎡あたり78.5万円(中央値・165件)。この数字が使える築年帯は限られます
- 築0〜10年は114.4万円、築41年以上は49.3万円。1㎡あたりの値段は築年数でここまで動きます
- 取引がいちばん多いのは築21〜30年の52件で1㎡あたり73.3万円。1996年から2005年に建った物件です
- 専有面積で分けると75.8万円から80.6万円。広さでは1㎡あたりの値段がほとんど動きません
- 築31〜40年は50.3万円、築41年以上は49.3万円。ただし築41年以上は8件しかない数字です
築年数ごとの1㎡あたりの値段。取引の中心は築21〜30年です
浦和区の中古マンション165件を、築年数の帯で分けて並べました。
さいたま市浦和区の中古マンション成約価格(専有面積1㎡あたりの中央値・2024年4Q〜2025年4Q・全165件)
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は浦和区全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため区全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
件数で見ると、浦和区の中古マンションは築21〜30年に集まっています。165件のうち52件がこの帯です。次が築11〜20年の41件、その次が築31〜40年の38件。築0〜10年は26件で、築41年以上は8件しかありません。
この築21〜30年は、1996年から2005年に建った物件です。築31〜40年なら1986年から1995年に建った物件になります。物件広告に「築27年」と書いてあれば、それは2000年前後の建物で、浦和区でいちばん売買されている帯だということです。
浦和区で売り出し価格が高いか安いかを判断する起点は、築21〜30年の1㎡あたり73.3万円です。 ここより新しければ高く、古ければ安い、という位置関係で他の帯を読むと迷いません。
新しい側と古い側の開きは大きいです。築0〜10年は1㎡あたり114.4万円、築31〜40年は50.3万円です。同じ浦和区の同じ1㎡でこれだけ違います。築0〜10年は26件あるので、数件の取引で入れ替わる数字ではありません。
築31〜40年と築41年以上は、1㎡あたりがほぼ同じです
帯を1つ古い側へ進めるたびに数字は下がっていきますが、いちばん古い側で動きが止まります。築31〜40年は50.3万円、築41年以上は49.3万円です。
ここで「浦和区の古いマンションは値下がりが止まる」と読むのは早すぎます。築41年以上は8件しかありません。1件の取引で順序が入れ替わる規模です。私は、この2つの帯が並ぶことを浦和区の性質として受け取るべきではないと考えています。
もうひとつ、この8件には年代の下限があります。築31〜40年が1986年から1995年なので、築41年以上はそれより前に建った物件です。ただし1982年より前の物件は元データの段階で除外されているため、8件は1982年から1985年ごろに建った、幅の狭い集まりです。浦和区で売られている古いマンションのすべてがここに入っているわけではありません。
それでも持ち帰れるものはあります。築年数が1年増えるごとに一定額ずつ下がる、という下がり方ではないということです。築42年の部屋を「築40年超だから安いはず」と決めてかかると、売り出し価格を見て驚くことになります。築40年を超える物件を最初から候補から外さない、という程度に使うのが安全です。
部屋の広さでは、1㎡あたりの値段がほとんど動きません
同じ165件を専有面積で分けると、築年数とは景色が変わります。
| 専有面積 | 件数 | 1㎡あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 30㎡未満 | 6件 | 79.8万円 |
| 30〜50㎡ | 14件 | 80.6万円 |
| 50〜70㎡ | 82件 | 75.8万円 |
| 70〜90㎡ | 59件 | 78.6万円 |
いちばん高いのが30〜50㎡の80.6万円、いちばん低いのが50〜70㎡の75.8万円です。広いほど1㎡あたりが高くなるという関係にも、狭いほど安くなるという関係にもなっていません。築年帯が49.3万円から114.4万円まで開いていたのと比べると、この4つの帯はほとんど横一線です。
浦和区では、部屋の広さは1㎡あたりの値段をほとんど動かしません。 私は、浦和区で「広さを1段落とせば単価が下がって割安に買える」という探し方は成立しないと見ています。単価を動かしたいなら、触るのは広さではなく築年帯です。
件数の偏りも見ておいてください。50〜70㎡が82件、70〜90㎡が59件で、取引はこの2つの帯に寄っています。30㎡未満は6件、30〜50㎡は14件。単身向けの広さを浦和区で買う場合、売り出し価格が相場から離れているかどうかを見比べる材料が足りません。
築年数の古い部屋は、工事費を足した総額で比べる
築31〜40年の50.3万円と築0〜10年の114.4万円を並べれば、古い部屋を選ぶ理由は分かりやすく見えます。ただし1986年から1995年に建った建物は、給湯や水まわりの設備も建物と同じだけ年を取っています。
内見で室内がきれいに使われていても、壁の内側の配管まで新しいわけではありません。物件価格だけで並べるかぎり、古い部屋はいつでも安く見えます。工事費を足した総額で並べ直したときに初めて、築21〜30年を買って軽く直す案と、築31〜40年を買って大きく直す案のどちらが安いかが決まります。
順番としては、候補を2つか3つに絞ってから見積もりを取るのが早いです。間取りと設備の状態で金額が変わるので、物件が決まっていない段階の概算はあまり使えません。
工事費が分かると、築年帯の違う部屋を総額で比べられます
マンションではなく戸建てや土地を見る場合の数字
浦和区は戸建ての取引もあります。中古戸建てが95件で延床1坪あたり172.6万円、新築戸建てが70件で178.1万円です。
ここで単位の話を挟みます。戸建てのこの坪単価は、成約総額を建物の延床面積の坪数で割った値です。マンションの1㎡あたりの単価とも、土地の坪単価とも分母が違います。並べて引き算はできません。比べてよいのは中古戸建てと新築戸建ての間だけです。
その中古と新築の間で見ると、中古戸建ての真ん中50%は141.1万円から207.2万円、新築戸建ては145.6万円から208.3万円に入っています。中古戸建ての75%地点207.2万円は、新築戸建ての25%地点145.6万円を上回ります。浦和区では、中古戸建ての高い側は新築の安い側と同じ価格帯で成約しているということです。
土地は81件で、坪単価の中央値は168.6万円。町別に見ると岸町(9件)が224.8万円、瀬ヶ崎(7件)が79.3万円で2.8倍の開きがあります。ただし区全体で81件と件数が少ないので、町ごとの数字は幅を持って読んでください。地価公示の住宅地は25地点で坪119.3万円、成約の168.6万円との差は+41.3%です。公示は住宅地の標準地、成約は実際に売れた土地で母集団が違うため、この差は値上がりや値下がりを示すものではありません。
賃貸の募集賃料は1㎡あたり2,712円(26,880件)です。買う案と借りる案を並べるときの材料になります。
1982年より前に建ったマンションは、この165件に入っていません
この記事の中古マンション165件は、1982年(新耐震基準)以降に建てられた物件だけを集めたものです。それより前の物件は元のデータの段階で除外されています。1982年より前の建物を検討している場合、この記事の数字はそのまま使えないと考えてください。
築年数の数え方も揃えておきます。この記事の築年帯は2026年を基準に数えたものです。物件広告に載っている築年数の表示とずれることがあります。広告で「築30年」とあっても、建築年が1995年なら築31〜40年の帯に入ります。
浦和区で中古マンションを見る前に決める3つのこと
1. 予算より先に築年帯を決める。 1㎡あたり114.4万円から49.3万円まで動きます。予算から入ると築年帯が定まらず、値段の理由が読めないまま候補だけが増えます。
2. 件数のある帯で比べる。 築21〜30年は52件、築11〜20年は41件、築31〜40年は38件。広さなら50〜70㎡の82件と70〜90㎡の59件です。ここに入る物件なら、売り出し価格が相場から離れているかを成約と見比べて判断できます。築41年以上の8件、30㎡未満の6件では材料が足りません。
3. 古い部屋は工事費まで足して比べる。 築31〜40年の50.3万円は物件価格の話で、住める状態にするまでの金額ではありません。総額で並べ直してから決めてください。
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この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。中古マンション165件、中古戸建て95件、新築戸建て70件、土地81件
- 中古マンションは1982年(新耐震基準)以降に建てられた物件に限定。単価は成約総額を専有面積(㎡)で割った値です
- 築年数は2026年を基準に数えています。築21〜30年は1996年から2005年、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です
- 築年帯・面積帯の中央値は帯ごとに別々に取った値です。全体の中央値である1㎡あたり78.5万円と足し引きしても一致しません
- 築41年以上は8件、30㎡未満は6件、30〜50㎡は14件と件数が少なく、1件の取引で動きやすい数字です。順序は幅を持って読んでください
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、成約総額を建物の延床坪数で割った値です。マンションの1㎡あたりの単価や土地の坪単価とは分母が違うので、そのまま比べることはできません
- 地価公示:住宅地25地点の坪単価の中央値。公示は標準地の評価額、成約は実際に売れた土地で母集団が異なります
- 賃貸:不動産情報ライブラリの賃貸募集情報から、1㎡あたりの募集賃料の中央値(26,880件)


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