🗨️「ハザードマップの「浸水継続時間」は、水が完全になくなる日数?」
違います。洪水の地図では、原則として水深0.5メートル以上が続く時間を示します。0.5メートルを下回っても道路や住宅の水がすべて引く意味ではありません。浸水深と継続時間を別々に見て、上階で水・食料・薬・トイレが足りるか判断します。
[災害] この記事の要点
2026年9月23日 発表
- 洪水ハザードマップで浸水想定区域に住む人
- マンション上階で在宅避難を考える人
- 水・薬・介護用品・トイレの備蓄を決める家族
「深さ」と「水が引くまで」は別の地図
洪水ハザードマップの色には、少なくとも2種類の読み方があります。浸水深は、想定される洪水でその場所が最も深くなったときの高さ。浸水継続時間は、その場所で一定以上の水深が続く時間です。同じ住所でも、深さは浅いのに水が長く残る場合があります。逆に深くても、地形や排水条件によって短い場合もあります。
家の2階が水面より高いことと、そこで何日も生活できることは別の問題です。国土交通省と内閣府は、屋内安全確保を判断するときに浸水深と継続時間を両方見るよう示しています。

| 地図の項目 | 読み取れること | 誤解しやすい点 |
|---|---|---|
| 最大浸水深 | 最も深いときの想定水深 | その深さが何日も続くとは限らない |
| 浸水継続時間 | 原則0.5m以上となる時間の区分 | 完全に乾くまでの日数ではない |
| 現在の浸水情報 | 自治体などが確認した現況 | 想定図では分からない |
「3日と書いてあるから、3日後には帰れる」わけではありません。地図は事前の避難計画の材料です。実際の帰宅可能時期は、その災害の浸水・道路・建物設備の状況で変わります。
必要量から逆算してそろえるもの
早見表の数字をそのまま買い物に落とすと、こうなります。全部を今そろえる必要はなく、水とトイレの2つが先です。
飲料水は1人1日3L。4人家族の1週間分で84L=2Lボトル42本なので、6本入りだと7ケースぶんです。5年保存タイプなら入れ替えの手間が減ります。
水は1L=1kgです。20Lタンクは20kgになって手では運べません。小さい袋に分けて何回かに分けるほうが、実際には水を確保できます。
ボンベ1本で約60〜90分。4人家族の1週間分でおよそ6本が目安です。多めに持ってローリングストックにすると、鍋物などで日常的に消費できます。
災害時に多いつまずきが「ケーブルが見つからない・端子が合わない」です。本体にケーブルが付いている型だとそこで止まりません。20000mAhでスマホ数回分。
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「浸水継続時間」は0.5メートル以上の時間
国の洪水浸水想定区域図で使う継続時間は、原則として浸水深0.5メートル以上の状態が続く時間です。0.5メートルは、歩いて避難することが困難になり、孤立する可能性のある深さとして使われています。地図に「1日〜3日」とあれば、0.5メートル以上の水がその区分の時間続く想定です。
これは「3日後に水が一滴もなくなる」という意味ではありません。0.5メートルを下回っても、道路の低い場所、床下、排水設備には水が残りえます。さらに、通行規制や電気設備の点検は水位が下がった後も続くことがあります。帰宅の判断は自治体・道路管理者・建物管理者の発表で確認します。
凡例は12時間から、1日・3日・1週間へ
国土交通省の資料では、12時間未満、12時間〜1日、1〜3日、3日〜1週間、1〜2週間、2〜4週間、4週間以上などに分けて表示する例が示されています。実際の凡例は自治体や河川の地図で異なるため、色だけを記憶せず、開いた地図の凡例を読みます。
例えば荒川右岸低地を対象とした国の想定には、2週間以上の浸水が続く地域があります。これは今日どこかが2週間浸かっているという意味ではなく、想定最大規模の洪水を前提にしたシミュレーションです。現在の浸水状況を知るときは自治体の災害情報を見ます。

同じ住所で2枚の地図を開く
ハザードマップポータルで住所を入力し、「洪水浸水想定区域(想定最大規模)」で深さを見ます。次に「浸水継続時間(想定最大規模)」に切り替えます。さらに市町村の水害ハザードマップで、避難所と道路、対象河川を確かめます。国の重ねる地図にデータがない場合もあるので、白色だけで継続時間ゼロと決めつけません。
同じ地点に複数の川の想定がある場合、どの川のシナリオを見ているか確認してください。地図の「最大」は、ある一つの洪水が必ずその深さと日数を同時に起こす予言ではありません。避難計画の安全側の目安として使います。
上階で暮らせるかを3条件で決める
内閣府は屋内安全確保に必要な条件を3つ挙げています。家屋倒壊等氾濫想定区域の外にあること、浸水しない居室があること、浸水中の生活上の支障を許容できることです。最後の条件には水、食料、薬、電気、ガス、水道、トイレが含まれます。長期浸水が想定されるなら、上階が無事でも区域外への立ち退きを基本に考えます。
水や食料の備蓄日数だけでなく、処方薬、乳幼児のミルク、介護用品、携帯電話の電源、簡易トイレも数えます。共同住宅ではエレベーターや給水ポンプの停止も想定します。停電中に上階から水を運べるか、階段で出入りできるかまで確認しておくと、在宅避難の現実性が見えます。
水が引く前に戻らない
雨が止み、水面が低くなっても、河川の上流からさらに水が下り、再び上がることがあります。道路では側溝やマンホールが見えず、家では濡れた電気設備に触れる危険があります。帰宅や車の移動は、避難情報の解除と通行規制の状況を確かめてからにします。
浸水継続時間の数字は、家にとどまるか、早めに区域外へ出るかを考えるためのものです。水が何日で完全に消えるかを保証する時刻表ではありません。
生活・仕事にどう効くか
- 深さ:最大浸水深は最も深いときの想定。どの階まで水が来るかを読む。
- 時間:浸水継続時間は原則として0.5メートル以上が続く時間。排水や片づけが完了する日数ではない。
- 生活:上階が浸からなくても、電気・水道・トイレ・薬・食料が止まるなら屋内避難を続けにくい。
結局どうすればよいか
- 同じ住所で最大浸水深と浸水継続時間を別のレイヤーで見る
- 家族の水・食料・薬・簡易トイレを継続時間に照らして見積もる
- 長期浸水が想定されるなら冠水前に区域外へ立ち退く先を決める
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 国土交通省「浸水想定区域図データ電子化ガイドライン」
- 国土交通省「浸水継続時間の表示」
- 内閣府「避難行動について(屋内安全確保を行う上での条件)」
- 国土地理院「ハザードマップポータルサイト」
- 国土交通省 荒川下流河川事務所「洪水浸水想定区域」
更新履歴
- 2026年9月23日 気象庁・国土交通省・内閣府の一次資料を照合して初版を公開
※本記事は2026年9月23日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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