富山県氷見市(ひみし)では、2026年8月27日の記録的な大雨で道や家が広く水につかりました。市の集計(9月21日終了時点)では、市全体で床上浸水183棟・床下浸水370棟。当サイトで床上と床下を足すと、加納(かのう)130棟、十二町(じゅうにちょう)90棟、上庄(かみしょう)79棟の3地区だけで半分を超えます。
国の「道路冠水想定箇所」に載る氷見市の9件(場所は8か所)は、どれも道路の下をくぐる箱形の通路(ボックス)でした。
この記事でわかること
- ✓ 富山県内の床上浸水186棟のうち183棟が氷見市(県の9月15日12時時点のまとめ)
- ✓ アメダス氷見の8月27日の降水量は300.0ミリ。1978年11月からの記録で1位です
- ✓ 国の一覧の市道8件のうち4件は「1m以上の冠水」が「有」です
大雨の日に、いま通れない道と川を見るページ
- 氷見市「大雨による市道の交通規制情報」(8月の大雨で被災した市道の通行止めの地図。9月16日18時時点)
- 富山県道路情報(地図)
- 富山県「県管理道路の通行規制状況」
- 富山県河川海岸カメラ・水位情報(川と海岸のカメラ・水位)
- 川の防災情報(国土交通省)
- 富山河川国道事務所(国道160号)
2026年8月27日、浸水した家が多かった地区
市の9月22日の資料では、21地区のうち20地区で住家の床上か床下の浸水がありました。住家の浸水が0棟なのは稲積(いなづみ)だけです。

床上浸水がいちばん多いのは上庄の47棟、次が加納の40棟です。床下を合わせると、4番目の窪(くぼ)60棟はすべて床下でした。宇波(うなみ)は床上21棟・床下15棟です。
| 地区 | 床上浸水 | 床下浸水 | 合計 |
|---|---|---|---|
| 加納 | 40棟 | 90棟 | 130棟 |
| 十二町 | 30棟 | 60棟 | 90棟 |
| 上庄 | 47棟 | 32棟 | 79棟 |
| 窪 | 0棟 | 60棟 | 60棟 |
| 東 | 1棟 | 48棟 | 49棟 |
| 宇波 | 21棟 | 15棟 | 36棟 |
| 阿尾(あお) | 4棟 | 14棟 | 18棟 |
| 神代(こうじろ) | 12棟 | 2棟 | 14棟 |
| 薮田(やぶた) | 2棟 | 12棟 | 14棟 |
| 仏生寺(ぶっしょうじ) | 1棟 | 13棟 | 14棟 |
| 八代 | 6棟 | 6棟 | 12棟 |
| 碁石 | 4棟 | 4棟 | 8棟 |
| 余川(よかわ) | 1棟 | 7棟 | 8棟 |
| 宮田(みやだ) | 7棟 | 0棟 | 7棟 |
| 久目(くめ) | 1棟 | 5棟 | 6棟 |
| 熊無(くまなし) | 3棟 | 0棟 | 3棟 |
| 布施(ふせ) | 2棟 | 0棟 | 2棟 |
| 朝日丘(あさひがおか) | 1棟 | 0棟 | 1棟 |
| 速川 | 0棟 | 1棟 | 1棟 |
| 女良 | 0棟 | 1棟 | 1棟 |
| 稲積 | 0棟 | 0棟 | 0棟 |
| 市全体 | 183棟 | 370棟 | 553棟 |
地区は市の資料の区分で、町名(大字)の範囲と同じとは限りません。合計は当サイトで床上と床下を足した数です。
県の資料によると、27日午前5時57分、十二町潟の排水機場について氷見市土地改良区から「水槽があふれるまで50cm程度、排水が追い付かない」と連絡が入りました。午前9時16分に富山河川国道事務所の、10時36分に北陸農政局の排水ポンプ車が着いて運転を始めました。通常の水位まで下がったのは29日の午後5時です。この排水機場と、まわりの地区の浸水との関係を書いた資料は見つかっていません。
読者
浸水した範囲を、地図で見ることはできますか?
市の資料は地区ごとの棟数で、範囲の地図は付いていません。国土地理院が公開したのも空中写真と斜面崩壊・土石流の分布図で、浸水した範囲の公式の地図は、当サイトが確かめた範囲では見つかりませんでした。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します(道路の冠水は出ません)
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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国の一覧に9件、県の一覧に12件。どれも「ボックス」
国土交通省北陸地方整備局の「道路冠水想定箇所」は富山県で167件、氷見市は9件です。
市道上泉(かみいずみ)7号線の説明表の備考に「国交省17と同じ箇所」とあり、国道160号の下田子(しもたこ)の1件と同じ場所なので、場所は8か所です。

地図の記号と同じ順です
A 諏訪野(すわの)道路横断ボックス
市道 加納南2号線(国の一覧 富山県-02-144)
地先名:氷見市加納
管理: 氷見市 道路課 / 警察: 氷見警察署
※ 冠水原因「周囲レベルより低く、溜まりやすい」/1m以上の冠水:無/排水ポンプ:無
B 朝日丘道路横断ボックス
市道 清水1号線(富山県-02-145)
地先名:氷見市朝日丘
管理: 氷見市 道路課 / 警察: 氷見警察署
※ 冠水原因「道路外雨水流入、ポンプ能力不足」/1m以上の冠水:有/排水ポンプ:有
C 上泉道路横断ボックス
市道 上泉6号線(富山県-02-146)
地先名:氷見市上泉
管理: 氷見市 道路課 / 警察: 氷見警察署
※ 冠水原因「道路外雨水流入、ポンプ能力不足」/1m以上の冠水:有/排水ポンプ:有
D 下田子1号ボックス(国の一覧に2件)
国道160号「下田子1号No.12ボックス」(富山県-02-017)=市道 上泉7号線「下田子1号道路横断ボックス」(富山県-02-147)
地先名:氷見市下田子(017)・氷見市上泉(147)
管理: 017は国土交通省 富山河川国道事務所 能越国道維持出張所。147は道路管理者が氷見市 道路課 / 警察: 氷見警察署
※ 147の欄:冠水原因「道路外雨水流入、ポンプ能力不足」/1m以上の冠水:有/排水ポンプ:有(備考「ポンプは国交省管理:国交省17と同じ箇所」)
E 下田子2号道路横断ボックス
市道 下田子3号線(富山県-02-149)
地先名:氷見市下田子
管理: 氷見市 道路課 / 警察: 氷見警察署
※ 冠水範囲・原因・1m以上・ポンプの欄は空欄
F 中大野道路横断ボックス
市道 沢紅谷線(富山県-02-148)
地先名:氷見市大野
管理: 氷見市 道路課 / 警察: 氷見警察署
※ 冠水原因「道路外雨水流入、ポンプ能力不足」/1m以上の冠水:有/排水ポンプ:有
G 阿尾2号道路横断ボックス
市道 阿尾4号線(富山県-02-164)
地先名:氷見市阿尾
管理: 氷見市 道路課 / 警察: 氷見警察署
※ 冠水原因「周囲レベルより低く、溜まりやすい」/1m以上の冠水:無/排水ポンプ:有
H 阿尾3号道路横断ボックス
市道 阿尾稲積線(富山県-02-165)
地先名:氷見市阿尾
管理: 氷見市 道路課 / 警察: 氷見警察署
※ 冠水原因「周囲レベルより低く、溜まりやすい」/1m以上の冠水:無/排水ポンプ:有
位置は、説明表の付近図を地理院地図とOpenStreetMap(オープンストリートマップ)に重ねて当サイトが合わせた点です(Hは手で置いた点)。箱の上を道路が通るため、標高は載せていません。
当サイトが地図に重ねると、8か所のうち7か所は国道160号の下、大野(おおの)のFは能越自動車道(のうえつじどうしゃどう)の下にありました。国道160号の下だと説明表の図に出ているのはDだけで、ほかは当サイトの読み取りです。
原因の欄は、朝日丘のB・上泉のC・下田子のD・大野のFが「道路外雨水流入、ポンプ能力不足」、諏訪野のAと阿尾のG・Hが「周囲レベルより低く、溜まりやすい」です。Eは欄が空いています。
富山県の一覧(2023年3月更新)は12件で、国の一覧に無い農耕用の道の箱が3つ(阿尾1号、氷見2など)入っています。8月27日の大雨について、県は9月15日時点のまとめに「アンダーパス8箇所(全箇所 冠水解消)(全て市管理)」と書き、人的被害は「なし」としています。どの8か所かは書かれていません。
読者
ボックスの中は、どれくらい深くなるんですか?
実際に何センチたまったかの記録は、一覧にありません。Dの説明表の写真には、入口の路面に「水深15cm」「水深30cm」「水深50cm」の目盛りと「冠水時通行禁止」の看板が写っています。水がたまった箱には入らないことです。
川があふれた場所、道が冠水した場所
NHKの8月27日の報道によると、富山県は同日午前8時までに、上庄川(かみしょうがわ)が泉地区の両岸、阿尾川(あおがわ)が指崎(さっさき)地区の右岸、宇波川(うなみがわ)が宇波地区の両岸で氾濫したことを確認したと発表しました(地図の1〜3)。北日本新聞の同日の記事によると、氷見土木事務所が確認した時刻は上庄川が午前7時半、阿尾川と宇波川が7時50分です。県の氾濫の発表そのものは、当サイトでは見つけられていません。
NHKは同日、午前7時半ごろに柳田(やないだ)で撮影された映像も伝えています。住宅が建ち並ぶ地域の道路が広く冠水し、複数の車が茶色い水につかっていました(地図の4)。
富山河川国道事務所の発表では、国道160号は27日、柳田(西)交差点から上泉(南)交差点までの約1.26kmで「道路冠水が発生中」とし、午前11時30分に通行の支障になる車を動かすための区間指定をしています(午後2時50分に廃止)。28日も午前4時30分に窪交差点〜上泉(南)交差点の1.66kmが冠水で通行止めになり、午前9時に解除されました。27日の通行止めが解除された時刻は、国の資料で確かめられていません。上泉は国の一覧のCとDの地先名でもありますが、同じ地点かどうかは書かれていません。
雨の量の規制で閉まった国道160号の別の区間が28日に開いた経過は、「氷見市の道はいつ直るの?」にまとめています。
市の27日午後3時の発表では、中央町(ちゅうおうまち)のいきいき元気館の付近で道路が冠水し、窓口と住民健診を休みました(地図の5)。9月22日の資料には、中央町のこども園の周りや、薮田の介護施設の駐車場の冠水も載っています。
アメダス氷見の雨は、1日で300.0ミリ
アメダス氷見は、氷見市大浦(おおうら)付近にあります。8月27日の降水量は300.0ミリで、1978年11月からの記録で1位でした。それまでの1位は2008年8月16日の190.0ミリで、その約1.6倍です(当サイトの計算)。

翌28日の未明にも強い雨が降り、この日の最大1時間降水量76.5ミリも、1978年11月からの記録で1位です。
市は、27日午前8時半までの12時間に317ミリ、午後8時半までの24時間に362ミリで、どちらも「氷見市での観測史上最大」だったとまとめています。どの観測所の値かは、市の資料に書かれていません。アメダス氷見は大浦付近の1地点で、上庄や加納で降った量ではありません。
ハザードマップで見られるもの、見られないもの
氷見市の洪水・土砂災害ハザードマップ(2021年11月更新)は、水防法と土砂災害防止法にもとづく地図です。
一方、下水道や水路からあふれる内水の区域図は、市のハザードマップのページにありません。国土地理院の「重ねるハザードマップ」に載る内水の浸水想定区域の一覧でも、富山県は富山市と魚津市だけです。
富山県は2026年2月25日に上庄川水系の3河川を含む54河川、3月27日に泉川を含む7河川で、洪水浸水想定区域を新しく指定しました。想定しうる最大規模の降雨(その規模を超える雨が1年に降る確率が1,000分の1程度)が前提です。
\川の洪水の想定を、自宅の住所で確かめる/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に入っているかを出します(道路の冠水・内水は出ません)
新しく指定された区域は、診断ツールの洪水データにまだ入っていないことがあります。県の「洪水浸水想定区域図について」でも確かめてください。
よくある質問
国の一覧に載っていない道なら安全ですか
いいえ。8月27日は、国の一覧に地先名が無い柳田や中央町でも、道路の冠水が伝えられています。
冠水したボックスを見つけたら、どこに連絡しますか
説明表では、市道のボックスは市の道路課0766-74-8071(夜間0766-74-8100)、国道160号として載るD(017)は富山河川国道事務所 能越国道維持出張所0766-23-6776です。
富山県のほかの記事
- 道路冠水マップ どこで見られるの?(全国の一覧と、市区ごとの記事のまとめ)
- 富山市 冠水 どこが危ないの? 県の一覧は64か所です
公式出典
- 氷見市「市内の被害及び支援状況について」(2026年9月22日 第23回災害対策本部会議資料。住家被害は9月21日終了時点)/同「市内の被害状況等について」(8月27日午後3時現在)。いずれも「令和8年8月大雨に関する情報【まとめ】」に掲載
- 氷見市「大雨による市道の交通規制情報」/氷見市「洪水・土砂災害ハザードマップ」(2021年11月更新)
- 国土交通省 北陸地方整備局「道路冠水想定箇所」富山県(一覧と1か所ごとの説明表)
- 富山県「冠水が想定される箇所(氷見市)」(2023年3月13日更新)/富山県「令和8年8月記録的大雨に係る県内被害状況」(9月15日12時時点)/富山県「洪水浸水想定区域図について」(令和8年2月25日・3月27日の指定を含む)
- 気象庁「観測史上1〜10位の値」氷見・過去の気象データ(日別・1時間ごとの値)
- 国土地理院「令和8年(2026年)8月27日からの大雨に関する情報」/同「重ねるハザードマップ 内水(雨水出水)浸水想定区域 掲載状況一覧」
- 国土交通省 富山河川国道事務所「記者発表」(2026年8月27日「国道160号 災害対策基本法に基づく道路区間指定について」・同「廃止」について、8月28日「国道160号氷見市柳田地先(上泉交差点付近)の通行止めについて」・同「解除について」)
- 国土交通省「令和8年8月27日からの大雨による被害状況等について」第1報(8月27日11時00分現在)・第2報(同17時00分現在)
- NHK「氷見市内の川で氾濫を確認 安全な場所に避難を」(2026年8月27日)/NHK「富山 氷見市柳田で冠水 複数の車が水につかる様子も」(2026年8月27日)/北日本新聞「上庄川、阿尾川、宇波川(氷見)が氾濫、県内各地で氾濫危険水位に」(2026年8月27日)
- 国土地理院 地理院タイル(地図)・地理院地図(注記の読み)/ボックスの位置:OpenStreetMap(オープンストリートマップ/© OpenStreetMap contributors)
この記事の数値は公表資料を集計したものです(2026年9月24日取得)。避難や通行の判断は、必ず氷見市と富山県の最新の発表を確認してください。
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