関数の書き方を検索して、解説ページを3つ見比べて、それでも式が完成しないまま30分。集計のたびにこの時間を繰り返しているなら、そこはほぼゼロにできます。
ChatGPTは、やりたいことを日本語で書けば貼るだけで使える式を返し、ExcelやCSVのファイルごと渡せば集計からグラフ化までこなします。この記事では、この2つの使い方を手順つきで解説します。
先に結論
- 使い方は2通り。「式を日本語で作ってもらう」と「ファイルを渡して分析してもらう」
- 式を頼むコツは、どの列に何が入っているかと、1行目が見出しかどうかを伝えること
- ExcelやCSVをアップロードすると、集計・傾向の分析・グラフ化までできる(データ分析機能)
- ファイル添付は無料プランでも使えるが、2026年8月時点で1日3ファイルまで。有料プランのChatGPT Plusは大幅に多い
- 返ってきた式や数字は、元の表と突き合わせてから使う
この機能でできること
ChatGPTでExcel作業を楽にする方法は、大きく2つに分かれます。
| 使い方 | 渡すもの | 返ってくるもの | 向いている場面 |
|---|---|---|---|
| ①式を作ってもらう | やりたいことの日本語 | 貼るだけで使える式 | 表は自分の手元で操作したいとき |
| ②ファイルを渡して分析 | Excel・CSVファイル | 集計表・傾向の説明・グラフ | 表ごとまとめてほしいとき |
①は、Excelの画面は開いたまま、ChatGPTから式だけをもらう使い方です。関数の名前を知らなくても、やりたいことを日本語で書けば式が返ってきます。Googleスプレッドシートでも同じ要領で使えます。
②は、ファイルそのものをアップロードする使い方です。データ分析機能が働き、集計表・傾向の説明・グラフまで返ってきます。ファイル添付は無料プランでも使えますが、2026年8月時点で1日3ファイルまでという制限があり、日常の仕事で使うなら有料プランのChatGPT Plusが現実的です。
つまり、Excelが苦手でも、日本語を式に、ファイルを分析結果に翻訳してもらえばいいということです。翻訳の頼み方だけ、この先で覚えてください。
こんな仕事に便利
- 月次の売上表から、担当者別・商品別の集計表を作る(営業事務)
- 経費データを月ごとに集計し、増えた月だけ内訳を確かめる(経理)
- 物件一覧から、間取りごとの平均賃料を出す(不動産の事務)
- 仕入先から届いた商品リストの重複チェックと、分類ごとの点数集計(ネットショップの商品登録)
- 納品前のデータに空欄や重複がないかを確かめる(在宅ワークのデータ入力)
- アンケートの回答CSVから、選択肢ごとの割合を出す(企画・顧客対応)
共通するのは、作業そのものは単純なのに、関数やピボットテーブルの知識が壁になっていた仕事です。その壁をChatGPTに肩代わりさせます。
関数・数式を日本語で作ってもらう
まずは手軽な①からです。新しいチャットを開いて、次の3点を日本語で書くだけです。
- どの列(セル)に何が入っているか
- 1行目が見出しかどうか
- 何を出したいか
たとえば「B列に売上金額、C列に担当者名が入っています。1行目は見出しです。担当者が鈴木の行だけ売上を合計する式を教えてください」と書くと、=SUMIF(C:C,”鈴木”,B:B) のような式が、貼る場所の説明つきで返ってきます。
あとはコピーして、Excelのセルに貼るだけです。エラーが出たら、エラー表示ごと貼りつけて「この式を入れたらこう表示されました。原因を教えてください」と聞き返せば、直した式が返ってきます。
Googleスプレッドシートでも要領は同じです。関数の書き方が一部違うため、依頼文に「Googleスプレッドシートで使います」と書き添えてください。
関数を暗記する必要はありません。覚えるのは「列の場所と欲しい結果を日本語で書く」ことだけです。
実際にやってみる
ここからは②、ファイルを渡して分析してもらう手順です。例として、日付・商品分類・売上金額・担当者の4列が入った1年分の売上表を集計します。※画面は更新されることがあります。
STEP1 分析するファイルを用意する
ExcelファイルかCSVファイルを用意します。精度を上げるコツは、渡す前に表の形を整えておくことです。1行目を見出しに、2行目からデータを入れ、セル結合は外します。氏名や電話番号など、分析に使わない個人情報の列は、この段階で削除したコピーを作っておきます。
手元にあるのが紙をスキャンしたPDFの表だけなら、先にChatGPTにPDFを読み込ませる方法で中身を取り出してから進めてください。
STEP2 入力欄の+ボタンからファイルを添付する
ChatGPTの入力欄の左にある+(プラス)ボタンを押し、分析したいファイルを選んで添付します。
STEP3 してほしい分析を日本語で書く
ファイルを添付した状態で、指示を書きます。今回は「商品分類ごとに売上金額の合計と件数を表にしてください。1行目は見出しです」と頼みます。式の依頼と同じで、見出しの有無を伝えると結果が安定します。
STEP4 返ってきた集計表とグラフを確認する
集計表と、データから読み取れる傾向の説明が返ってきます。続けて「月ごとの推移を棒グラフにしてください」と頼めば、グラフも作られます。1回の指示で全部を求めず、結果を見ながら追加で頼むほうが、欲しい形に早くたどり着きます。
STEP5 元の表と突き合わせて検算する
返ってきた数字は、そのまま使わず検算します。元のExcelでオートSUMなどを使って合計を1か所出し、ChatGPTの合計と一致するかを見ます。行数(件数)も見比べます。ずれていたら、見出し行の扱いと対象の列を指定し直してください。
検算は合計1か所と行数だけでかまいません。この一手間で、報告書に載せられる数字になります。
コピペで使えるプロンプト
【 】の中を、あなたの表に合わせて書き換えてください。
条件つきの式を作ってもらう
コピーして使えるプロンプト
Excelで使う式を作ってください。
・B列:【売上金額】
・C列:【状況(「済」または「未」)】
・1行目は見出しです。
【C列が「済」の行だけ、B列の売上金額を合計する】式を教えてください。貼る場所の説明もお願いします。
式のエラーの原因を聞く
コピーして使えるプロンプト
Excelに次の式を入れたら【#N/A】と表示されました。
式:【=VLOOKUP(A2,D:E,2,FALSE)】
・A列:【商品コード】
・D列:【商品コード】、E列:【商品名】
原因として考えられるものと、直した式を教えてください。
アップロードしたファイルの集計を頼む
コピーして使えるプロンプト
添付したファイルを集計してください。
・1行目は見出しです。
・【商品分類】ごとに【売上金額】の合計と件数を表にしてください。
・合計の大きい順に並べてください。
・最後に、集計に使った行数を教えてください。
月ごとの推移を要約してもらう
コピーして使えるプロンプト
添付したファイルの【売上金額】を、【日付】の列を使って月ごとに集計してください。
・月ごとの合計を表とグラフにしてください。
・前の月から大きく増減した月があれば、その月の【商品分類】別の内訳も出してください。
実際の仕事での使用例
経理担当のAさんは、会計ソフトから書き出したCSVを毎月部門別に集計し直しています。これまではフィルタと電卓で1時間ほどかけていましたが、個人名の列を消したCSVをChatGPTに渡し、「部門ごとに月次合計と前月比を表にしてください」と頼む形に変えました。返ってきた表の合計1か所を自分のExcelでも出して照合し、いまは20分前後で終わっています。
不動産会社で事務をしているBさんは、物件一覧のExcelで、成約済みの行だけ件数と平均価格を出す作業が毎週ありました。関数が分からず目視で数えていましたが、「E列が成約の行だけ、D列の価格の平均を出す式」と頼んで式をもらってからは、シートに貼った式を毎週そのまま使い回しています。
よくある失敗
式を貼ったらエラーになった
いちばん目立つ原因は、列の場所を伝えていないことです。ChatGPTにはあなたの画面が見えていません。どの列に何が入っているかを書いていない依頼には、列を仮置きした式が返ってくるため、貼っても#REF!や#N/Aになります。エラーが出たら、依頼文とエラー表示をセットで貼り直して聞いてください。
1行目が見出しだと伝えていない
見出しの行がデータとして数えられ、件数が1件ずれたり、文字が混ざって集計が崩れたりします。式でもファイル分析でも、「1行目は見出しです」の一文を入れてください。セル結合が残った表も崩れのもとです。
返ってきた数字を検算せずに使った
データ分析機能の集計も間違うことがあります。そして間違いに気づけるのは、元の表を持っているあなただけです。STEP5の検算(合計1か所と行数)を通してから使ってください。
顧客リストをそのまま上げた
氏名・住所・電話番号が入ったファイルを、そのままアップロードしてしまう失敗です。集計に使うのは金額・日付・分類の列だけ、ということがほとんどです。個人情報の列を消したコピーを渡してください。詳しくは次の注意点で説明します。
注意点
仕事のデータで使う前に、この3つを確かめてください。
- 個人情報・社外秘を入れない。顧客名簿や人事データは、個人を特定できる列を消してから渡す。勤務先にAI利用のルールがあるかも先に確認する
- AIの回答は間違うことがある。数字と固有名詞は、元の資料と突き合わせてから使う
- 会社の資料を入れる前に、データの学習利用設定を確かめる。設定→データコントロールの画面で、入力内容を学習に使わせない設定にできる
まとめ
ChatGPTのExcel活用は、式を日本語で作ってもらう使い方と、ファイルを渡して分析してもらう使い方の2本立てです。式は列の場所と見出しの有無を伝えれば一発で返り、分析はファイルを添付して日本語で頼むだけです。仕上げの検算だけは省かず、合計1か所と行数を元の表と突き合わせてください。
毎月同じ集計を同じ形式で頼むなら、指示文と参照ファイルをひとつの場所にまとめられるChatGPTのプロジェクト機能の使い方もあわせてどうぞ。次回からは、プロジェクトを開いて頼むだけになります。
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