🗨️「光電融合(CPO)って何? なぜAIの電力が減るの?」
光の配線を半導体チップのすぐ横まで引き込み、電気で信号を運ぶ距離を短くする技術です。NVIDIA(エヌビディア)の説明では、通信1か所あたり約30W使っていた電力が9Wまで下がります。ただし減るのは主に「通信」の電力で、AIが計算に使う電力そのものではありません。
[IT・ネット] この記事の要点
2026年10月6日 発表
- AIや半導体のニュース、株の話題で「光電融合」「CPO」を見かけた人
- データセンターの建設が地元で話題になっている地域の人
光電融合(CPO)とは
いまのデータセンターでは、計算するチップと光ファイバーのあいだを、まず電気の配線でつなぎます。機器の端に差し込んだ「光トランシーバー」で電気を光に変え、ほかの機器へ送る仕組みです。電気の信号は距離が延びるほど弱くなり、それを補うために電力を使います。
光電融合(CPO)は、電気を光に変える部品(光エンジン)をチップと同じパッケージに載せ、電気で走る距離を縮める技術です。NTT(エヌ・ティー・ティー)の説明では、光通信モジュールからチップまで約300mmあった距離を、約30mmまで縮めます。
| いまの方式 | 光電融合(CPO) | |
|---|---|---|
| 電気を光に変える場所 | 機器の端(差し込み式) | チップのすぐ横 |
| 電気で走る距離 | 約300mm | 約30mm(NTT) |
| 通信1か所の電力 | 約30W | 9Wまで(NVIDIA) |
| レーザーの数 | — | 4分の1(NVIDIA) |
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電力はどれだけ減るか
| 発表元 | 数字 | 何と比べたか |
|---|---|---|
| NVIDIA | 30W→9W | 通信の出入口1か所あたり |
| NVIDIA | 電力効率3.5倍 | 従来方式のネットワーク |
| Broadcom | 最大70%減 | 差し込み式の光トランシーバー |
| NTT | 50%減 | スイッチ単体 |
数字が記事ごとにばらばらに見えるのは、比べている範囲が違うからです。「70%減」と「50%減」はどちらが優れているという話ではありません。
AIは電力消費が激しいと聞いたのですが、どこのなんの電力を消費しているのですか??スパコン??
答えは「GPUなどのチップが計算に使う電力」と「チップどうしをつなぐ通信の電力」の両方です。光電融合が減らすのは、このうち通信のほう。AIの計算そのものに使う電力は、この技術では減りません。
データセンターの電力は2030年に倍
IEA(国際エネルギー機関)によると、世界のデータセンターが使った電力は2024年に約415TWh(テラワット時)で、世界の電力消費の約1.5%。2030年には約945TWhと2倍を超え、今の日本の総電力消費をやや上回る量になる見通しです。AIはその最大の要因とされています。
チップを何万個もつなぐAIのデータセンターでは、つなぐ通信の部分も大きくなります。光電融合が「AIを支える次世代インフラ」と呼ばれるのは、ここを削れるからです。
日本の動き
NTTは光電融合を次世代の通信基盤「IOWN(アイオン)」の柱にしています。光エンジンはNTTイノベーティブデバイス、チップはBroadcomが担当し、102.4Tbpsの光電融合スイッチを2026年のQ4に商用サンプルとして出す見込みです(2025年10月の発表時点)。
国も動いています。総務省の事業として、NTTドコモビジネスなど5社が2026年8月から2027年2月まで「ワット・ビット連携」の実証を行っています。三鷹・札幌・広島のデータセンターをネットワークでつなぎ、電力の状況に合わせてAIの処理を別の場所へ移す試みです。電気を減らす光電融合と、電気のある場所へ計算を動かすワット・ビット連携は、同じ電力不足に別の方向から手を打っています。
生活・仕事にどう効くか
- 家の電気代:すぐには変わらない。11月からの送配電料金の値上げ申請にも「データセンター」は出てこない(当サイト調べ)。効いてくるのは、データセンターの電力需要が膨らむこの先数年
- ニュースの数字を読むとき:「電力70%減」「3.5倍」「50%減」は、比べている相手が記事ごとに違う。通信部分だけの比較か、スイッチ全体の比較かを見る
結局どうすればよいか
- ひとことで説明するなら「光の配線をチップの横まで引き込み、電気で走る距離を縮める技術」
- 地元にデータセンターの計画があるなら、自治体の地区計画や説明会の資料で、電力と用地の計画を見ておく
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- TrendForce「NVIDIA and Broadcom ramp CPO switches」(2026年7月27日発表)
- NVIDIA技術ブログ「Scaling AI Factories with Co-Packaged Optics」(2025年8月18日発表)
- NVIDIA ニュースリリース「Spectrum-X Photonics」(2025年3月18日発表)
- INTERNET Watch「NTT、『IOWN 2.0』を発表」(2025年10月9日発表)
- IEA(国際エネルギー機関)「Energy and AI」(2025年4月10日発表)
- クラウドWatch「ワット・ビット連携の実証を開始」(2026年9月24日発表)
更新履歴
- 2026年10月6日 初版を公開
※本記事は2026年10月6日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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