物件1件の入稿には、資料が揃っていても写真の枚数次第で30分から2時間かかります。営業担当の時給を2,000円とすれば、1件あたり1,000〜4,000円の人件費です。外注の相場は1件1,500〜5,000円なので、金額はほぼ同じ水準に並んでいます。
つまり比べるべきは金額ではなく「誰の時間を使うか」です。この記事では、入稿1件の中身を実務の工程どおりに分解し、外注の相場の実数と、外注で事故らないための依頼のコツを5つにまとめます。
入稿1件の中身(ATBB=アットホームの例)
当方が実際にATBBで通している工程です。順番に意味があります。
- 所在地の入力
- 地図上の位置確認(ここを飛ばすと、次の交通・周辺環境の候補が出ません)
- かんたん交通登録(最寄り駅と距離)
- かんたん周辺環境登録(スーパー・学校など。登録できるのは最大8件)
- 画像の投入(本体画像は16枠まで。17枚目からは別枠の「追加画像」に落ちます)
工程自体は難しくありませんが、「順番」「枠数の上限」「候補が出ないときの原因」のようなポータル側の仕様を知らないと、1つ引っかかるたびに調べ物で止まります。かかる時間の差は、不動産の知識ではなくこの仕様知識の差です。
外注の相場(2026年8月・ココナラ実測)
2026年8月時点で、ココナラの物件入稿・登録代行の出品を実際に見た結果です。
- 価格は1件あたり1,500円・3,000円・5,000円と、1,500〜5,000円のレンジに集まっています
- 販売実績が2桁ある出品も複数あり、外注先として成立している市場です
- 月に数件の入稿なら、専任を雇う・営業に回すのと比べて最も安い選択肢になります
事故らない依頼のコツ5つ
外注の失敗は「安い業者に当たった」よりも「渡し方」で起きます。当方が受ける側として実務で決めている段取りを、依頼者側の視点に直して書きます。
1. 資料一式を最初に揃えて渡す
図面(間取り図)のPDF、写真の元データ、物件概要、掲載先のアカウント情報。この4点が最初に揃っていれば1往復で終わります。後出しになるたびに1日ずつ延びます。
2. やり取りと受け渡しはプラットフォームの中で完結させる
ココナラなどのサービスは、外部のメールやLINEでの連絡が規約違反です。ログイン情報の受け渡しも取引画面の中で行います。これは規約の問題であると同時に、トラブル時に履歴が残る保険でもあります。
3. 「仮登録→スクショ確認→本登録」の2段階を求める
当方は必須項目に不明点があっても止めずに仮登録まで進め、判断で埋めた箇所のスクリーンショットを添えて確認を取り、返事をもらってから本登録します。この2段階を挟むと、誤掲載が公開前に止まります。依頼時に「公開前に確認画面をください」と一言入れるだけで成立します。
4. 距離・郵便番号はポータル側の算出値を使ってもらう
手書きの物件資料にある駅距離や郵便番号が、ポータルの算出値と食い違っていた実例が複数あります。この2つはシステムの算出値を正とする、と最初に合意しておくと、掲載後の訂正が減ります。
5. 周辺環境の学校は「一番近い学校」で選ばない
地図上で最も近い学校が、その住所の指定校(学区)と一致しないことがあります。学区の境界は直線距離では決まらないためです。周辺環境欄に学校を載せるときは、学区を確認したうえで載せる依頼先を選んでください。当サイトの全国学区検索でも無料で確認できます。
私の見方:入稿代行が数千円で成立する理由
私は、入稿代行が1件数千円で成立するのは「作業が簡単だから」ではなく、ポータル側の仕様が典型化されていて、仕様を知っている人間には迷いがないからだと見ています。
営業担当がやるには時給が高すぎ、専任を雇うには件数が少なすぎる。この中途半端な位置にある作業は、仕様を知っている外部に流すのが構造的に一番安い、というのが実務側からの結論です。
まとめ
- 入稿1件は30分〜2時間。営業の時給換算1,000〜4,000円と、外注相場1,500〜5,000円はほぼ同額です
- かかる時間の差は不動産知識ではなくポータルの仕様知識の差です
- 依頼時は「資料一式を最初に」「取引はプラットフォーム内で」「公開前の確認画面」の3つを一言ずつ入れると事故が消えます
- 距離・郵便番号は算出値を正に、学校は学区で確認。この2つは掲載後の訂正を防ぎます
入稿の依頼先
SUUMO・at-home対応。本記事の「仮登録→確認→本登録」の2段階で進めます
相場はココナラ上の2026年8月時点の実測で、変動します。掲載先の仕様(画像の枠数・入力項目・登録手順)は各ポータルの改定で変わることがあります。学区・通学区域は各市区町村の教育委員会が定めており、指定校の最終確認は自治体へお願いします。


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