2025年2Q〜2026年1Qの1年間の中古戸建て(1982年以降築)の成約中央値は、明石市が3,700万円(163件)、西宮市が5,200万円(266件)。同じ通勤圏の隣どうしでも1,500万円離れています。西宮市の相場ニュースを見て明石市の家に値付けをすると、その分だけ高く見積もって売れ残ります。逆もまた然りです。
これはポータルサイトの「売出価格」ではありません。国土交通省が取引当事者への調査で集めている実際に売買が成立した価格で、値引き後の本当の数字です。神戸市9区の第1回に続き、この連載では成約データを四半期ごとに同じ方法で集計して記録していきます(第2回)。
・明石市と西宮市の中古戸建てが、直近2年で実際にいくらで売れたか(四半期別)
・土地の坪単価中央値の実力差(明石市46.3万円/坪、西宮市112.4万円/坪)
・売出価格と成約価格を混同すると何が起きるか
四半期別:明石市は3,700万円前後、西宮市は5,200万円前後で推移
「中古戸建て」は1982年以降に建てられた家(今の耐震基準の家)だけを数えています。2つの市は市場が別物なので、合算せず市ごとに出します。
| 取引時期 | 明石市 中央値 |
件数 | 西宮市 中央値 |
件数 |
|---|---|---|---|---|
| 2024年4Q(10〜12月) | 3,800万円 | 51件 | 5,100万円 | 76件 |
| 2025年1Q(1〜3月) | 3,600万円 | 49件 | 5,900万円 | 77件 |
| 2025年2Q(4〜6月) | 3,600万円 | 43件 | 5,450万円 | 72件 |
| 2025年3Q(7〜9月) | 4,200万円 | 53件 | 5,300万円 | 79件 |
| 2025年4Q(10〜12月) | 3,600万円 | 56件 | 5,400万円 | 78件 |
| 2026年1Q(1〜3月) ※国の収録が途中 |
3,500万円 | 11件 | 4,300万円 | 37件 |
最新の2026年1Q(1〜3月)は、国の調査がまだ途中で件数が少なく、数字が振れやすい状態です。次回の更新で確定に近づきます。収録が確定に近い2025年4Q(10〜12月)を1年前の同じ時期と比べると、明石市は-5.3%で下がっています。西宮市は+5.9%で上がっています。
ここで大事なのは、この数字が売出価格ではなく成約価格だということです。ポータルサイトに並んでいる価格は「売主の希望」で、成約までに値引きが入ります。売出価格の相場観で自宅の値段を見積もると、その分だけ高く見積もることになります。
直近1年のまとめ:土地の坪単価は西宮市が112.4万円/坪
直近1年(2025年2Q〜2026年1Q)の市別サマリーです。件数とセットで見てください。
| 市 | 中古戸建て 中央値 |
件数 | 土地 坪単価中央値 |
件数 |
|---|---|---|---|---|
| 明石市 | 3,700万円 | 163件 | 46.3万円 | 152件 |
| 西宮市 | 5,200万円 | 266件 | 112.4万円 | 149件 |
戸建ての1,500万円差の主因は土地です。坪単価中央値は西宮市112.4万円/坪に対し明石市46.3万円/坪。同じ40坪の土地なら、それだけで2,645万円変わる計算です。
私はこう見ています
事実として、2025年4Q(10〜12月)の成約中央値の1年前比は明石市-5.3%、西宮市+5.9%です。
そのうえで私は、この2市の間で相場観を持ち回るのが一番危ないと見ています。西宮市の感覚で明石市の家を値付けすれば売れ残り、明石市の感覚で西宮市の家を安く手放せば数百万円を取り損ねる。市境をまたいだ瞬間に数字が変わることは、上の表が示すとおりです。
もう一つ。四半期ごとの中央値は50件前後の成約から出しているので、1四半期だけの上下に飛びつかないでください。売り時の判断は、少なくとも4四半期分の帯で見るのが安全です。
集計の方法(毎回同じ条件で更新します)
- 出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報(取引当事者アンケートに基づく成約価格)
- 対象:明石市・西宮市。中古戸建て=種類「宅地(土地と建物)」のうち1982年以降築、土地=種類「宅地(土地)」
- 数字:中央値(平均値は一部の高額取引に引っ張られるため使いません)
- 国の収録は取引から数か月遅れで追加されるため、直近の四半期は件数が増えていきます。過去の回の数字も最新データで再計算して更新します
この定点観測は、国の四半期データが更新されるたび(年4回)に同じ条件で続けます。回を重ねると「明石市・西宮市の家の値段が実際にどう動いたか」の記録がここに積み上がっていきます。


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