🗨️「病院でもらう湿布、保険がきかなくなるの?」
保険から外れるのではなく、薬剤費の4分の1だけを別に払う形になります。令和9年(2027年)3月からで、対象はOTC(オーティーシー)医薬品と成分・投与経路が同じ医療用医薬品の77成分です。こども・がん患者・難病患者・低所得者・入院患者などは別途の負担を求めない配慮があります。
[暮らし] この記事の要点
2026年9月19日 発表
- 腰痛・肩こりで湿布を処方してもらっている人
- 鼻炎・胃薬・解熱鎮痛薬を長く続けている人
- アトピー性皮膚炎でステロイド外用薬を使っている人
OTC(オーティーシー)類似薬とは何か
市販薬と同じ成分の、病院で出る薬のことです。今回の見直しはこのグループが対象になります。
「保険から外れる」ではなく「4分の1だけ別に払う」
19日の午前、Xのトレンドに「ロキソニン湿布」が入っていました。来年から湿布が保険適用外になる、という話が回っています。ただ厚生労働省の資料を読むと、外れるのではありません。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 名前 | 一部保険外療養(健康保険法等の一部を改正する法律・令和8年法律第31号で創設) |
| いつから | 令和9年(2027年)3月 |
| 対象 | 市販薬と成分・投与経路が同じで、一日最大用量も同じ医療用医薬品(77成分) |
| いくら | 薬剤費の4分の1を保険外の別途の負担として支払う |
つまり残り4分の3は、これまでどおり保険がききます。全額が市販価格になるわけではありません。ただし「ぜんぶ自腹」と「4分の1だけ上乗せ」では話がまったく違うので、ここを取り違えたまま受診をやめてしまうと損をします。
処方箋の様式も変わり、「一部保険外療養」の欄が追加されます。対象の薬が出るときは、その場で別料金が示される形です。
払わなくていい人が、はっきり書いてある
資料には、別途の負担を求めない配慮の対象が並んでいます。
引き続き必要な医療が確保されるよう、こども、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患を抱えている方、低所得者、入院患者、医師が対象医薬品の長期使用等が医療上必要と考える方等に対しては、別途の負担を求めない配慮を行うこと
わかりにくいのが最後の「長期使用」です。9月16日の部会では、この線がひとつ動きました。もとの案は「年間処方日数がおおむね50週(1年)」でしたが、患者団体の委員から「処方日数だけで決めず、治療歴や医師の管理下にあることも見るべきだ」という意見が出て、過去の処方実績を確認する期間は少なくとも6か月程度とし、そのうえで医師が年間を通じた使用が必要と判断すれば対象外にできる、と整理し直されました。
アトピー性皮膚炎も同じ日に変わっています。もとの案ではステロイド外用薬は負担の対象でしたが、再燃を防ぐために週2回ほど塗り続けるプロアクティブ療法のように、通年で定期的に使っている場合は対象外とする、となりました。
SNSで回っている話と、資料に書いてあること
この見直しは、ニュース番組や薬剤師の解説でも取り上げられています。言い方がそれぞれ違うので、並べて見ると輪郭がつかみやすくなります。
動画のタイトルは「保険適用の除外」「保険外に」と強めですが、9月16日の資料にあるのは4分の1の別途負担です。言葉の強さと制度の中身にはずれがあります。
なお厚生労働省は、中間とりまとめに対してパブリックコメントを実施し、897件の意見が寄せられたとしています。医療保険部会には全国がん患者団体連合会、日本難病・疾病団体協議会、日本アレルギー友の会、ささえあい医療人権センターCOML(コムル)の代表者が専門委員として参加しました。施行後は、制度の導入が受診行動にどう影響したかを把握・分析するとされています。
生活・仕事にどう効くか
- いつから:令和9年(2027年)3月から。処方箋の様式にも「一部保険外療養」の欄が追加される。
- いくら:対象の薬の薬剤費の4分の1を、保険外の別途の負担として支払う。長期収載品の選定療養のような特別の料金は、制度が複雑になるのを避けるため重ねてかからない。
- 外れる人:こども、がん患者や難病患者など配慮が必要な慢性疾患の人、低所得者、入院患者、医師が長期使用などを医療上必要と認めた人は別途の負担を求めない。
結局どうすればよいか
- いま続けている薬が77成分に入るかどうか、次の受診でかかりつけ医か薬剤師に聞く
- 長く使っている薬なら、医師が「年間を通じて必要」と判断できる材料(いつから・どのくらい使っているか)を伝えておく
- 市販薬で代えられるものは、値段を一度見比べておく
公式出典
- 厚生労働省保険局「OTC類似薬の保険給付の見直しの実施について」(令和8年9月16日 第216回社会保障審議会医療保険部会 資料1)(2026年9月16日発表)
- 厚生労働省「第1回OTC類似薬の保険給付の見直しの実施に向けた技術的検討会 資料」(2026年9月19日発表)
更新履歴
- 2026年9月19日 初版を公開
※本記事は2026年9月19日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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