国の想定では、江戸川があふれると、千葉県松戸市の旭町一〜四丁目や古ケ崎一〜四丁目など42か所は、町・字の中心が2階も水没する5〜10mの区域に入ります。
ただしこの想定の雨は江戸川の流域ではなく、群馬県など利根川の上流に72時間で491mm降るものです。
先に結論
- ✓ 松戸市は町・字の中心62か所で、0.5m以上の浸水が3日〜1週間続く想定。野田市は8か所で2〜4週間
- ✓ 江戸川の洪水で最大の被害は1947年のカスリーン台風。利根川の決壊で約4.4万haが浸水し、江戸川でも堤防が100m決壊・破壊した
- ✓ 高規格堤防(スーパー堤防)は越水しても壊れない造りだが、松戸市内で整備されたのは下矢切(約450m)と柳原(100m)の2地区
江戸川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は江戸川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
町・字の中心がいちばん深い10〜20mの区域に入るのは野田市の2か所で、うち中戸谷津は田んぼの広がる低地です。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
区域に入る町・字の中心は1,282か所で、市川市125か所、葛飾区120か所、三郷市111か所などです。
1階が浸水する0.5〜3mは856か所で、葛飾区111か所、市川市105か所、三郷市85か所、越谷市77か所などです。
松戸市は247か所のうち72か所が区域に入り、3〜5mが21か所、5〜10mが42か所です。
3m以上の区域に中心が入る町・字は300か所で、松戸市のほか野田市45か所、流山市44か所、吉川市43か所、東京都江戸川区39か所、三郷市25か所などです。
松戸市の水害ハザードマップも、江戸川の浸水は国の想定(2017年7月作成)を載せています。

2〜4週間続くのは、野田市の岡田新田や関宿台町などです。
1〜2週間続く町・字の中心は77か所で、東京都江戸川区の瑞江一〜四丁目など38か所、野田市22か所、葛飾区16か所などです。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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江戸川の過去の水害と最近の大雨

カスリーン台風で堤防が切れたのは埼玉県内の利根川で、水は江戸川の右岸(埼玉・東京側)に沿って南下し、葛飾区や東京都江戸川区まで達しました。
江戸川の堤防が切れて松戸市が浸水した記録は、国の資料(日本の川・過去の洪水被害)と松戸市の浸水履歴一覧には見当たりません。

今の水位を見る場所

国の洪水予報の基準地点は西関宿と野田です。気象庁の基準表で松戸市に割り当てられているのは、約20km上流の野田です。
松戸の観測所には、避難判断水位と氾濫危険水位が設定されていません。松戸市で見るのは野田の水位です。
川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)では、2026年9月の台風第25号で、江戸川の観測所はどれも水防団待機水位に届いていません。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
「江戸川は氾濫しない」は本当か
「スーパー堤防があるから江戸川は氾濫しない」とは言い切れません。松戸市内で整備が済んだ区間は、下矢切の約450mと柳原の100mです。
高規格堤防(スーパー堤防)は堤防の高さの約30倍の幅を持ち、越水しても壊れない造りです。ただし2010年度の事業仕分けで「一旦廃止」となりました。
整備する区間はゼロメートル地帯などに絞り込まれ、江戸川の千葉側はJR京葉線付近から市川市国府台付近までです。
下矢切・柳原の2地区はそれより上流にあり、事業仕分けの前に整備されました。
江戸川河川事務所は「どれだけ河川を整備しても“絶対に安全”はあり得ません」と書き、堤防が切れれば浸水は「昭和22年当時と同様の規模になるはず」としています。
利根川や江戸川で水害が起きると、首都圏の約230万人が被害を受けるとも書いています。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む野田市 河川氾濫/利根川・江戸川と過去の洪水 ›
あわせて読む市川市 河川氾濫/江戸川と真間川の浸水想定 ›
- 松戸市 冠水 どこが危ないの? 市の想定が1時間71ミリから153ミリに変わりました
- 流山市 冠水 どこが危ないの?
- 野田市 冠水 どこが危ないの?
- 三郷市 冠水 どこが危ないの?
- 吉川市冠水 どこが危ないの?
- 葛飾区 冠水 どこが危ないの?
- 江戸川区 冠水 どこが危ないの?
- 市川市 冠水 どこが危ないの?
- 春日部市の冠水|注意したいゆりのき通りアンダーパス
- 幸手市冠水 どこが危ないの?
- 浦安 冠水 どこが危ないの?
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
ここで扱った浸水想定は、国が江戸川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 江戸川河川事務所「過去の洪水被害」
- 江戸川河川事務所「もし、利根川や江戸川で水害が起きると…」
- 国土交通省「日本の川 江戸川 主な災害」
- 関東地方整備局「カスリーン台風の被害」
- 江戸川河川事務所「洪水浸水想定区域図」江戸川(想定最大規模)
- 松戸市「松戸市水害ハザードマップを作成しました」(2026年4月2日更新)
- 江戸川河川事務所「洪水予報」
- 気象庁「指定河川洪水予報の河川予報区名及び基準観測所名」(千葉県)
- 江戸川河川事務所「令和元年10月 台風第19号(令和元年東日本台風)出水概要 江戸川・中川・綾瀬川」
- 江戸川河川事務所「高規格堤防 整備事業概要」
- 江戸川河川事務所「高規格堤防 全体の整備マップ」
- 江戸川河川事務所「下矢切・柳原地区」
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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