流山市で、大雨のときに水がたまるおそれがある道は6か所です。
ただ、この記事でいちばん使えるのは国の6か所ではありません。流山市は、11年分の浸水の記録を年度ごとにすべて公開しています。数えると206件。どの町で、いつ、何センチ浸かったかまで書いてあります。
この記事でわかること
- ✓ 市の記録は206件。そのうち185件、9割が道路冠水です
- ✓ 深さがセンチで書いてあるのが84件。いちばん深いのは野々下6丁目の70センチです
- ✓ 国の6か所は標高3.4メートルから20.7メートル。南流山とおおたかの森で14メートル違います
箇所の数・種別・住所は国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所マップ【千葉県】」95か所と箇所ごとの説明表から、浸水の記録は流山市「浸水等の履歴」の年度別PDF(2008年度・2013〜2023年度)を自分で数えました。ハザードマップの扱いは市のよくある質問から、標高は国土地理院の住所検索APIと標高APIです。
6か所のうち、説明表があるのは4か所だけです
国土交通省の一覧で千葉県内を数えると95か所。千葉市16、松戸市10、船橋市9と続き、市原市・市川市・我孫子市と並んで流山市が6か所です。
ところが地図側の一覧を開くと、流山市は4か所しか出てきません。差の2か所は、県の一覧には載っているのに個別の説明表が用意されていない箇所でした。おおたかの森西4丁目の守谷流山線と、木地区のつくばエクスプレスガード下です。
| 管理番号 | 種別 | 路線 | 名称・地先 | 住所 | 標高 |
|---|---|---|---|---|---|
| 千葉県-02-028 | 市道 | 106号線 | 南流山駅ガード下 | 南流山1丁目 | 4.0m |
| 千葉県-02-029 | 市道 | 109号線 | 馬場下ガード | 南流山4丁目 | 3.6m |
| 千葉県-02-030 | 市道 | 114号線 | 中・駒木線ガード下 | 西初石6丁目/県の一覧はおおたかの森東一丁目 | 20.7m/17.7m |
| 千葉県-02-031 | 県道 | 松戸野田線(流山有料道路) | (名称なし) | 流山市南 | 3.9m |
| (一覧のみ) | 県道 | 守谷流山線 | (名称なし) | おおたかの森西4丁目 | 18.9m |
| (一覧のみ) | 市道 | 315号 | つくばエクスプレスガード下 | 木 | 3.4m |
呼び名はガードが3つ、名前が付いていないものが3つ。「アンダーパス」も「地下道」も1つもありません。
管理者も分かれます。流山有料道路の1か所だけが千葉県道路公社で、市道は流山市道路管理課、もう1つの県道は千葉県柏土木事務所です。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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南流山とおおたかの森で、14メートル違います

6か所の住所を標高の資料に当てると、はっきり2つに割れました。
南流山1丁目が4.0メートル、南流山4丁目が3.6メートル、流山市南が3.9メートル、木が3.4メートル。いっぽう、おおたかの森西4丁目は18.9メートル、西初石6丁目は20.7メートル。同じ市の中で、上と下が17メートル離れています。
低いほうは江戸川と利根運河に近い側、高いほうは台地の上です。つくばエクスプレスの開業で人が増えたおおたかの森は、標高の面では高い側にあります。ただし高い側にも冠水注意箇所はあるので、「高いから大丈夫」にはなりません。掘り下げた道があるかどうかは、標高とは別の話です。
なお中・駒木線ガード下は、資料によって住所が「西初石6丁目」と「おおたかの森東一丁目」に分かれ、標高が3メートル変わります。どちらが正しいかは資料からは決められません。

市は11年分の記録を、年度ごとに全部出しています

流山市の土木部河川課は「浸水等の履歴」というページで、年度別の「浸水等発生状況」をPDFで公開しています。2008年度と、2013年度から2023年度まで。数えると206件ありました。
内訳を見ると、道路冠水が185件。床下浸水が13件、床上浸水が7件です。9割が「道路が浸かった」記録です。市が「冠水」で検索される理由が、この比率に出ています。
市区分では北部が70件、中部が61件、南部が51件、東部が24件。町名でまるめると南流山が15件で最多で、東深井と東初石が11件、西深井と駒木台が9件と続きます。国の一覧にある南流山1丁目と4丁目は、市の記録でも町別の1位でした。国と市で答えが重なる市は、実はそれほど多くありません。
深さがセンチで書いてあります
この資料のいちばんありがたいところは、状況の欄です。「道路冠水(深さ15センチ)」「道路冠水(深さ20〜50センチ)、床下・床上浸水」。206件のうち84件に、深さがセンチで書かれています。
いちばん深いのは2008年度の野々下6丁目で70センチ。次が同じ年度の野々下5・6丁目で50センチ、2019年度の宮園・思井・芝崎で50センチ、2020年度のこうのす台で45センチでした。
70センチという数字がどれくらいかというと、乗用車のドアの下端をはるかに超えて、車内に水が入ってくる高さです。歩いて渡るにも、流れがあれば足を取られます。「冠水」とひとことで言っても、15センチと70センチではまったく別のことが起きます。

この住所は浸水しやすい場所ですか
ここまでは市全体の話です。知りたいのは自分の住所がどうかだと思います。
2023年6月2日に、何が起きたか

年度別に並べると、2023年度の49件が突出しています。2位は2013年度の27件、3位は2008年度の25件。
49件の中身を見ると、33件が「台風2号」でした。2023年6月2日です。この日は台風2号から変わった低気圧と梅雨前線で、関東南部に長時間の大雨が降りました。
おもしろいのは、同じ日を隣の県でも見つけたことです。茨城県取手市の記録では、2023年6月2日から3日の大雨だけで115件。取手市の全記録430件の27%が、この2日間に集中しています。県境をまたいで、同じ日に同じことが起きていました。
事由でまとめると、集中豪雨が74件、台風2号が33件、台風26号が24件、局地的大雨が21件。台風の名前がついた日より、名前のない「集中豪雨」のほうが多いのが流山市の特徴です。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
市が自分で「水防法に基づくものではありません」と書いています
流山市には、よくある質問にこんな項目があります。「洪水・内水ハザードマップは水防法に基づいて作成されていますか。」
答えが具体的でした。洪水ハザードマップは「水防法第14条に記載のある『想定し得る最大規模の降雨』により指定された」もので、水防法に基づいて作成されたもの。いっぽう内水ハザードマップは、市が管理する排水施設が「水防法第14条の2に基づく、雨水出水浸水想定区域に指定されていない」ため、「水防法に基づくものではありません」。
この違いは不動産の取引に効きます。物件の説明で示す義務があるのは、水防法に基づいて作られた地図だけだからです。同じ千葉県でも、松戸市と市原市の内水の地図は水防法に基づくものへ変わっています。流山市はまだそちら側ではありません。条番号まで書いて自分から説明している市は、これまで調べた中で流山市が初めてでした。
ただし、法に基づかないからといって中身が薄いわけではありません。内水ハザードマップは過去の浸水履歴をもとに作られていて、そのもとになった206件が別ページで全部読めます。書き方はむしろ丁寧なほうです。
「報告なし」の年が2回あります
年度別の一覧を見ると、平成30年度と令和6年度に「報告なし」と書かれています。件数がゼロだった年です。
これは読み方に注意がいります。市の記録は通報や報告があったものを集めたものなので、「報告なし」は「その年は何も起きなかった」と同じではありません。大きな雨が来なかった年でもあり、記録として上がってこなかった年でもあります。
逆にいえば、11年のうち2年は静かだったということでもあります。毎年必ず起きるわけではないぶん、起きる年に備えがあるかどうかで差がつきます。
もし車で水に入ってしまったら

6か所は、どれも上を線路か道路が通るくぐる道です。手前から見ると水面は平らに見えて、いちばん深い底は見えません。市の記録に70センチという数字があることを思い出してください。
JAF(ジェイエーエフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
水深がひざ下でも、流れがあれば大人でも歩けなくなります。50センチより深いときは、無理に移動せず、高いところで助けを待つほうが安全です。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 柏市 冠水 どこが危ないの?(千葉県) 3か所とも県道で、市の水害履歴は1,804行あります
- 松戸市 冠水 どこが危ないの? 市の想定が1時間71ミリから153ミリに変わりました(千葉県)
- 千葉市 冠水 どこが危ないの? 16か所のうち11か所が中央区で、進入を止められるのは4か所だけです(千葉県)
- 船橋市 冠水 どこが危ないの? 市の記録には、総雨量11ミリで浸かった日があります(千葉県)
- 習志野市 冠水 どこが危ないの? 国のリストは4か所、8月13日に浸かったのは29の町丁でした(千葉県)
この記事のまとめ
流山市で道路が冠水しやすい場所は6か所。ただし説明表があるのは4か所で、2か所は県の一覧にしか載っていません。標高は3.4メートルから20.7メートルで、南流山と木は3メートル台、おおたかの森と西初石は18メートルから20メートルと、同じ市の中で14メートル以上違います。
市は2008年度と2013年度から2023年度までの記録を年度ごとに公開していて、数えると206件。そのうち185件、9割が道路冠水です。深さがセンチで書いてあるのが84件で、いちばん深いのは野々下6丁目の70センチでした。内水ハザードマップは、市自身が「水防法に基づくものではありません」と書いています。
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