国と京都府の想定では、桂川があふれると京都市伏見区の久我東町や南区の上鳥羽清井町などは、町・字の中心が2階も水没する5〜10mの区域に入ります。
2013年9月の台風18号では、嵐山で渡月橋の橋面を水が越え、93戸が浸水しました。
先に結論
- ✓ 0.5m以上の浸水が3日〜1週間続くのは、伏見区横大路の北ノ口町・西海道・神宮寺など7か所。京都市内のほかの町・字は3日以内に0.5mを下回る想定
- ✓ 戦後最大の洪水は1953年9月の台風13号。2013年の台風18号では、伏見区の羽束師で観測史上最高の水位を記録し、計画高水位を約10時間超えた
- ✓ 日吉ダムは2013年、嵐山付近の水位を約50cm下げたと推定されている。ただ国は2022年1月の資料で、桂川を「三川のうち最も治水安全度が低く」と書いている
桂川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は桂川があふれた場合の想定で、京都府の分には園部川(南丹市)など支川の想定も入っています。高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
国の区間は嵐山から下流、京都府の区間は亀岡市・南丹市などです。
想定の雨は、国の区間が羽束師より上流の12時間で341mm、京都府の日吉ダムから保津峡までの区間が24時間で394mmです。
5〜10mの色が集まるのは下流の南区と伏見区で、桂川の両岸に出ています。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
伏見区は町・字の中心132か所が区域に入り、5〜10mが37か所、3〜5mが53か所、0.5〜3mが38か所、0.5m未満が4か所です。
南区は163か所で、0.5〜3mが91か所、3〜5mが53か所、0.5m未満が16か所、5〜10mは上鳥羽清井町など上鳥羽の3か所です。
西京区は93か所で、嵐山茶尻町などは0.5〜3mです。

1〜3日続くのは伏見区84か所、南区62か所です。西京区は町・字の中心68か所がどれも1日以内です。亀岡市と南丹市には、継続時間のデータが無い区域があります。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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桂川の過去の水害と最近の大雨

2013年9月16日、伏見区の久我橋下流の右岸では、7時過ぎに水が堤防を越え始めました。
越えた深さは10〜20cmほどで土のうを積むことができ、堤防は切れずに済みました。越水が止まったのは10時20分です。
国の試算では、日吉ダムが無く、ここで堤防が切れていたら約13,000戸が浸水し、約1.2兆円の被害が生じていたと推定されています。
嵐山の中之島では、濁流で逃げられなくなった住民12人を、京都市消防局がロープを使って助け出しました。

今の水位を見る場所

京都市の区間の洪水予報「桂川下流」は、西京区の桂の水位で出ます。亀岡市は、京都府の「桂川中流・園部川」洪水予報の保津橋を見ます。
嵐山の天竜寺に決められているのは水防団待機水位だけです。天竜寺・桂の水位と日吉ダムの貯水率は「嵐山地区浸水情報共有ツール」に並びます。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
桂川は2026年に氾濫したか
水文水質データベースの時刻水位(暫定値)では、2026年は9月23日まで、桂・天竜寺・納所の3観測所とも水防団待機水位に届いていません。
いちばん上がったのは6月26日で、桂は水防団待機水位の手前でした。
台風第25号でも、川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)で、水防団待機水位が決まっている観測所は、どれも届いていません。
国立情報学研究所が集めた気象庁の電文で数えると、2026年の桂川には洪水予報が1件も出ていません。
「2013年のあと対策が進んだから、桂川はもうあふれない」とは言い切れません。
国の目標は、2013年と同じ規模の洪水(羽束師で毎秒4,300m³)を安全に流すことです。
2022年1月の資料では、大下津とその上流で、1953年の台風13号の洪水を安全に流せるよう川底を掘っている段階です。
嵐山では、渡月橋上流の左岸約260mに、洪水時に80cm立ち上がる可動式止水壁(嵐山左岸溢水対策)が2022年3月に完成しています。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む渡月橋 通行止め/雨ではなく水位で決まる ›
あわせて読む京都市 冠水 どこが危ないの? 44か所のうち34か所は、線路の下をくぐる道です ›
ここで扱った浸水想定は、国と京都府が桂川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 京都府「淀川水系桂川上流圏域河川整備計画」(平成30年8月)
- 近畿地方整備局河川部「平成25年9月 台風18号洪水の概要」
- 淀川河川事務所「桂川緊急治水対策のお知らせ」
- 淀川水系流域委員会 資料3(平成26年12月10日)
- 国土交通省「平成25年9月 台風18号「日吉ダム」」
- 京都市「台風18号における本市の災害対応に係る総括について」(平成25年12月)
- 淀川河川事務所「桂川嵐山地区左岸溢水対策が概成」(令和3年6月15日)
- 近畿地方整備局・京都府・京都市 記者発表資料(令和4年11月10日)
- 淀川水系流域委員会 資料1「進捗点検結果説明資料(構成案)」(令和4年1月)
- 淀川河川事務所「淀川水系桂川洪水浸水想定区域図(想定最大規模)」(平成29年6月14日指定)
- 京都府「桂川洪水浸水想定区域図」(平成30年10月5日指定)
- 淀川河川事務所「水位情報」
- 淀川河川事務所「嵐山地区浸水情報共有ツール」
- 国立情報学研究所「指定河川洪水予報データベース」(桂川。気象庁の電文)
- 国立情報学研究所「指定河川洪水予報データベース」の桂川の電文(2026年分)をart-piで集計
- 国土交通省「水文水質データベース」の時刻水位(2026年・暫定値)をart-piで集計
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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