国の想定では、筑後川があふれると、久留米市の小森野二〜七丁目や北野町今山など50か所は、町・字の中心が2階も水没する5〜10mの区域に入ります。
ただし2023年7月に国が久留米市内の中央橋観測所で氾濫を確認したのは、筑後川の本川ではなく支川の巨瀬川でした。
先に結論
- ✓ 0.5m以上の浸水が3日〜1週間続く町・字の中心は189か所で、うち久留米市が101か所。柳川市15か所、小郡市14か所、鳥栖市13か所、大川市と神埼市が各10か所など
- ✓ 国が「現在の治水計画の目標となっている洪水」とするのは1953年6月の洪水(筑後川3大洪水の1つ)。流域で死者147人、被災者数約54万人
- ✓ 1953年の洪水を受けて上流に松原ダム・下筌ダムを整備。ただ久留米市は、2021年8月の総雨量896.5mmが1953年の564mmを「大きく上回っています」としている
筑後川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は筑後川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
国の想定の雨は、荒瀬より上流の48時間総雨量810mmです。
5〜10mの色が広がるのは朝倉市から久留米市・鳥栖市にかけての中流で、下流の柳川市・大川市・佐賀市は3m未満が中心です。上流の日田市の盆地にも色が付いています。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
町・字の中心が区域に入るのは、久留米市167か所(229か所のうち)、柳川市76か所、佐賀市57か所、大川市33か所(すべて)、大分県日田市32か所です。
続いて朝倉市28か所、神埼市24か所、うきは市20か所、鳥栖市と小郡市が各18か所、大木町14か所、大刀洗町13か所などです。
5〜10mは久留米市50か所、小郡市7か所、鳥栖市6か所、朝倉市3か所、大刀洗町2か所などです。

3日〜1週間続く区域には、久留米市の小森野・北野町・東合川など5〜10mの町・字が入ります。
柳川市の大浜町・久々原・古賀、大川市の大字九網・大字小保などは、深さ0.5〜3mでも3日〜1週間続く想定です。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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筑後川の過去の水害と最近の大雨

1953年6月の洪水では、当時の国の管理区間だけで26か所が破堤し、右岸の朝倉堤防の破堤は約600mに及びました。
2020年7月は、上流の日田市で、筑後川の右岸の堤防を越える氾濫(越水)が起きました。
久留米市の住家被害は、2020年7月が1,955棟、2021年8月が2,712棟、2023年7月が3,700棟(推計・速報値)でした。
2023年7月10日には、国が久留米市内を流れる支川の巨瀬川で氾濫の発生を確認しました。筑後川の本川は、片ノ瀬で氾濫危険水位を9時間20分にわたって超えています。

今の水位を見る場所

筑後川の洪水予報は、筑後川河川事務所と福岡管区気象台が下流部と上中流部に分けて出します。川の防災情報では、荒瀬・片ノ瀬・瀬ノ下などが洪水予報の観測所です。
久留米市内の筑後川の観測所は、田主丸町の片ノ瀬と瀬下町の瀬ノ下です。
久留米市の東部は片ノ瀬、市街地から下流は瀬ノ下の水位が、避難判断水位を超えるかを見ます。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
久留米で浸水する場所と筑後川の治水の歴史
「筑後川の本川があふれなければ久留米は浸からない」とは言い切れません。
久留米市は、2018年7月の豪雨で、市街部周辺の筑後川と支川の合流部に床上・床下浸水の甚大な被害が出たとしています。
国・県・市はその後、金丸川・池町川流域などの「総合内水対策計画」を2020年3月に作りました。
筑後川の治水は1953年6月の水害を受けて見直され、上流の松原ダム・下筌ダムや大石分水路が造られました。
その後の計画で、原鶴分水路(朝倉市)、久留米市東櫛原の引堤、筑後大堰(久留米市)も整備されています。
2006年7月に作った概ね30年間の整備計画は、1982年7月洪水と同じ規模(概ね50年に1回)の洪水を安全に流すことを目標にし、久留米市の宮ノ陣町や太郎原町などで堤防を整備しました。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
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あわせて読む佐賀市 冠水 どこが危ないの? 10か所のうち6か所が、兵庫町という1つの町にあります ›
ここで扱った浸水想定は、国と熊本県が筑後川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 国土交通省「日本の川 筑後川」主な災害
- 国土交通省「日本の川 筑後川」治水の歴史
- 筑後川河川事務所「氾濫(堤防越水)発生情報」(令和2年7月7日)
- 筑後川河川事務所「令和5年7月9日(日)〜10日(月)出水概要(速報版)」
- 久留米市「令和5年7月 大雨被害と対応」(市長記者会見資料)
- 久留米市「近年の降雨状況」
- 久留米市「平成30年7月豪雨後に実施した対策について」
- 久留米市「浸水対策」(総合内水対策計画)
- 筑後川河川事務所「洪水浸水想定区域図(筑後川)」(令和元年7月1日)
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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