国の木曽三川の想定をまとめたデータでは、一宮市の北方町中島や乾町などは、町・字の中心が2階も水没する5〜10mの区域に入ります。
ただし一宮市にかかる木曽川の想定は、国が「想定最大規模」として置いた、流域の2日間で527mmの雨の場合です。
先に結論
- ✓ 一宮市で0.5m以上の浸水が3日〜1週間続くのは町・字の中心28か所。347か所は1日以内に0.5mを下回る想定
- ✓ 戦後最大の洪水は1983年9月の台風10号。堤防が切れたのではなく、美濃加茂市・坂祝町などで水が堤防を越え、被害家屋4,588戸、死者・行方不明者4名
- ✓ 丸山ダムは2021年8月の大雨で犬山の水位を約0.2m下げた。ただ新丸山ダムは建設中で、2020年の河川整備計画は洪水調節機能が「十分確保されていない状況がある」と書いている
木曽三川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は国の木曽川・長良川・揖斐川(木曽三川)の想定をまとめたデータで、高潮、下水があふれる内水、そのほかの川の氾濫は入っていません。
10〜20mの区域に町・字の中心が入るのは、美濃加茂市・坂祝町の木曽川沿いと、犬山の対岸の各務原市です。一宮市は、木曽川に近い北部と西部ほど深くなります。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
一宮市は町・字の中心420か所のうち416か所が区域に入ります。0.5〜3mが357か所、3〜5mが53か所、5〜10mが3か所、0.5m未満が3か所です。
5〜10mは、乾町・北方町中島など3か所です。
グラフの数は、長良川・揖斐川があふれた場合の浸水も含みます。

3日〜1週間続くのは、一宮市の乾町・北方町中島などです。下流の弥富市南部には、2〜4週間続く区域もあります。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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木曽川の過去の水害と最近の大雨

1983年9月は弱い堤防の区間から水があふれ、深い所では4m以上浸かりました。
1976年9月に安八町で堤防が切れた「9.12豪雨」は、隣の長良川の右岸です。
2026年9月9日には、上流の今渡観測所が氾濫注意水位に届く予測で、木曽川上流河川事務所が警戒体制に入りました。
台風第25号では、川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)で、本川の11観測所とも水防団待機水位に届いていません。

今の水位を見る場所

一宮市に近い本川の観測所は、対岸の笠松と、上流側の犬山です。どちらも氾濫危険水位までの4つの線が決まっています。
市内の起(一宮市)に決まっているのは、水防団待機水位と氾濫注意水位の2つだけです。洪水予報は「木曽川中流」の名前で出ます(気象庁の記録)。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
一宮市で木曽川が氾濫する可能性
一宮市の側には江戸時代に御囲堤(おかこいづつみ)が築かれましたが、「御囲堤があるから一宮市は浸からない」とは言い切れません。
国の水害リスクマップ(令和7年度末の川で計算)では、毎年1%の確率で起きる規模の洪水(2日間の雨で276mm)で、一宮市の北部に色が付きます。
市の大部分に色が付くのは、毎年0.5%の規模(同295mm)からです。
御囲堤は1608年、尾張を守るため犬山から弥富までの約48キロに築かれ、対岸の美濃は大きな堤防を築くことを禁じられていました。
木曽川・庄内川・日光川などの想定を重ねた一宮市の洪水ハザードマップでは、避難場所61校のうち、使える階が「屋上」なのは5校、「4階以上」は10校です。
屋上の起小学校と北方中学校は家屋倒壊等氾濫想定区域の中にあり、マップは「状況によっては使用できない場合があります」と書いています。
新丸山ダムの工期は、1990年5月の計画では平成14年度、事業費は約1,800億円でした。
2024年8月の変更で、工期は令和18年度、事業費は4,100億円になっています。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
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ここで扱った浸水想定は、国の木曽川・長良川・揖斐川(木曽三川)の想定最大規模の想定をまとめたデータです。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 木曽川上流河川事務所「木曽三川の歴史」
- 国土交通省「木曽川水系河川整備計画」本文(令和2年3月変更)
- 木曽川上流河川事務所「水災害の備え 木曽川の主な災害」
- 新丸山ダム工事事務所「昭和58年災害の記録【リメンバー1983】」
- 木曽川上流河川事務所「令和3年8月の大雨による木曽川水系の出水状況(第3報)」(令和3年9月2日)
- 木曽川上流河川事務所「令和8年度 事業概要」(長良川の9.12豪雨)
- 木曽川上流河川事務所「緊急情報」(2026年9月9日 17:00 警戒体制への移行)
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 木曽川上流河川事務所「木曽川水系洪水浸水想定区域図」(令和2年4月24日変更)
- 木曽川上流河川事務所「水害リスクマップ【短期河道】木曽川」(令和4年9月30日公表)
- 木曽川下流河川事務所「治水の歩み 江戸時代前期」
- 一宮市「洪水に備えて」(2026年8月26日更新)
- 一宮市「洪水ハザードマップ(想定最大規模)」地図面(令和3年3月25日発行)
- 中部地方整備局ダム事業費等監理委員会 新丸山ダム建設事業部会資料(令和8年7月29日)
- 気象庁「指定河川洪水予報の発表状況」(令和2年7月)
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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