草加市の地域防災計画では、国が管理する区間で綾瀬川があふれると、市域の71%が浸水し、深さは最大1.6mとされています。
ただし市内に水が届くまでの時間は「直ちに」で、草加市のハザードマップは「自宅の2階以上へ避難をお願いします」と書いています。
先に結論
- ✓ 0.5m以上の浸水が3日〜1週間続く町・字の中心は52か所。葛飾区23か所、足立区16か所、草加市8か所、八潮市5か所(国の想定)
- ✓ 草加市で最大の水害は1986年8月の台風10号。床上浸水2,132世帯・床下浸水10,531世帯で、市は災害救助法を適用した
- ✓ 綾瀬川放水路は2019年の台風19号で、谷古宇(やこう)の水位を約73cm下げた(国のシミュレーション)。それでも氾濫危険水位を2時間超えた
綾瀬川が氾濫したら浸水する町

色が付いていない場所でも、浸水しないとは限りません。この地図は綾瀬川があふれた場合だけの想定で、支川の決壊、高潮、下水があふれる内水、ほかの川の氾濫は入っていません。
国の区間(越谷市・草加市から足立区まで)で、流域に48時間で596mmの雨が降った場合の想定です。
上流の埼玉県の区間と、下流の東京都の区間(足立区の内匠橋から中川との合流点まで)からあふれた場合は入っていません。
町・字の中心が入るのは0.5〜3mまでで、3m以上の区域に中心が入る町・字はありません。

町・字の数は、町・字の中心1点が区域に入るかで数えています。中心が区域の外にある町・字でも端は浸かることがあり、同じ丁目の中でも深さは場所で違います。面積や世帯数ではありません。
町・字の中心が区域に入るのは212か所で、足立区69か所、草加市68か所、葛飾区50か所、八潮市24か所、越谷市1か所です。
草加市は115か所のうち68か所が入り、1階が浸水する0.5〜3mが32か所、床下の0.5m未満が36か所です。越谷市で入るのは蒲生愛宕町の1か所で、0.5m未満です。

草加市で3日〜1週間続くのは、草加五丁目、瀬崎七丁目、栄町一丁目、松江一丁目、松原二〜四丁目、手代一丁目です。1〜3日続く町・字の中心も20か所あります。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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綾瀬川の過去の水害と最近の大雨

1947年9月のカスリーン台風では、八潮市八條で中川の堤防が幅約300mにわたって決壊し、濁流は約1時間で草加の境に届きました。
草加市は土のうを使い果たし、川口・安行・浦和などの応援を得て、綾瀬川の西岸に土のうを積みました(草加市地域防災計画)。
綾瀬川では1979年から1991年までに4度、激甚災害対策特別緊急事業が採択されました。1991年のあとは、堀切菖蒲水門や綾瀬排水機場のポンプの増設が進められました。

今の水位を見る場所

国の洪水予報は草加市の谷古宇、埼玉県の綾瀬川中流部の洪水予報は同じ草加市の一の橋が基準地点です。越谷市から葛飾区までに出る国の洪水予報は、谷古宇の水位で決まります。
川の防災情報の10分ごとの記録(速報値)では、2026年9月21日の台風第25号で、谷古宇は水防団待機水位を一時超えましたが、氾濫注意水位には届いていません。
この間、綾瀬川に洪水予報は出ていません(気象庁が配信した指定河川洪水予報の記録)。
観測所ごとの水位は国土交通省の川の防災情報、雨による川の危険度は気象庁の洪水キキクルで見られます。
「放水路があるから綾瀬川は氾濫しない」は本当か
「綾瀬川放水路があるから綾瀬川は氾濫しない」とは言い切れません。2019年10月の台風19号でも、谷古宇は氾濫危険水位を2時間超えました。
綾瀬川放水路は、外郭環状道路と一緒に造られた約4,040mの水路です。洪水の一部を、八潮排水機場から中川へ最大毎秒100m³ポンプで排水します。
国のシミュレーションでは、放水路が無ければ氾濫危険水位を超える時間は25時間続き、約7,400戸の住宅が浸水していたと推定されています。
国の整備計画(おおむね30年間)の流量の配分では、谷古宇で川が流す量が毎秒60m³、放水路が受け持つ量が毎秒150m³です。
今の八潮排水機場は最大毎秒100m³で、計画には増強が入っています。
一方、国の区間の堤防(左右岸の合計18.9km)のうち、計画どおりの形に仕上がっているのは3.5kmです(2022年12月時点)。

流域の町のページ
道路の冠水(下水があふれる内水)は、この記事の地図に入っていません。流域の市区町村ごとの冠水・河川氾濫のページは次のとおりです。
あわせて読む草加市 冠水 どこが危ないの? ›
あわせて読む足立区 冠水 どこが危ないの? ›
ここで扱った浸水想定は、国が綾瀬川について作った想定最大規模の想定です。今の状況は、市区町村の避難情報と川の防災情報を優先してください。
出典
2026年9月23日に確認
- 草加市「草加市地域防災計画<風水害対策編>第1章 総則」
- 草加市「草加市ハザードマップ(そうか災害地図)」(2026年3月13日更新)
- 国土交通省「日本の川 中川・綾瀬川 主な災害」
- 江戸川河川事務所「綾瀬川放水路・八潮排水機場」リーフレット(令和2年3月更新)
- 国土交通省「利根川水系中川・綾瀬川河川整備計画【大臣管理区間】」(令和5年11月)
- 国土交通省ほか「中川・綾瀬川流域水害対策計画」(令和7年3月)
- 江戸川河川事務所「洪水浸水想定区域図」(中川・綾瀬川ほか)
- 江戸川河川事務所「洪水予報」
- 埼玉県「洪水予報河川・水位周知河川の指定」
- 気象庁 指定河川洪水予報の配信記録(2026年9月16日〜23日)
- 国土交通省「川の防災情報」の10分ごとの記録(速報値)をart-piで集計
- 国土交通省「国土数値情報 洪水浸水想定区域データ(河川単位)」令和7年度
- 国土交通省「位置参照情報」(町・字の代表点)
- 国土地理院「地理院タイル」(淡色地図・全国最新写真)
- 国土交通省「川の防災情報」
- アイキャッチ:国土地理院「地理院タイル(全国最新写真)」を加工して作成
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