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在宅避難の備えは「トイレ→水→電気」の順|4人家族で必要な量を計算しました

在宅避難の備えは「トイレ→水→電気」の順|4人家族で必要な量を計算しました

🙋
💬 Aさん「避難所は人がいっぱいだし、家は一応建ってるから在宅避難にしたよ。でも何をどれだけ用意すればいいのか、正直よくわからない…」
🏠
💬 防災士Bさん「在宅避難でいちばん先に行き詰まるのは、食べ物じゃなくてトイレなんだ。断水すると水洗トイレは使えない。次が水、その次が電気。この順番で数えると、必要な量がはっきり出るよ。」

大きな地震のあと、家が倒れていなければ、多くの人は自宅にとどまります。避難所が満員だったり、感染症やプライバシーが気になったり、ペットがいたり、理由はさまざまです。

ただ、在宅避難は「家にいるだけ」ではありません。ライフラインが止まった家で生活を続けるという意味です。そして止まる順番と、困る順番は決まっています。

この記事では、トイレ → 水 → 電気の順に、4人家族で何がどれだけ必要になるかを実際に計算します。備蓄リストを眺めても量の感覚がつかめない、という人向けです。

目次

なぜ「トイレ」が最初なのか

食料は数日食べなくても命に直結しませんが、排泄は止められません。そして断水・停電・下水道の被害のどれか一つでも起きると、水洗トイレは使えなくなります。

そのうえで、トイレを我慢しようとすると何が起きるか。水分を控えます。すると脱水になり、血液が濃くなって、エコノミークラス症候群や熱中症、脳・心臓の疾患のリスクが上がります。

🙋
💬 Aさん「たしかに、避難所のトイレが汚いと聞いて、水を飲むのをためらう気持ちはわかる…」
🏠
💬 防災士Bさん「そこが本当に危ないところ。トイレの見通しが立っていることが、水を飲める条件なんだよ。だから備蓄の一番目に置く。」

災害による死者は、地震の揺れそのもの以外の原因で亡くなる「災害関連死」の割合が大きくなることがあります。このあたりは別記事で詳しく扱っています。

👉 真夏の避難生活で気をつけること7つ|熊本地震の犠牲者の約8割は「地震のあと」に亡くなった

1. トイレ:1人1日5回 × 日数で数える

必要な回数の計算

内閣府の「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」では、発災当初のトイレの使用回数を1人1日5回として計画することが示されています。備蓄の計算はこの5回を基準にします。

世帯 1日 3日分 7日分
1人 5回 15回 35回
2人 10回 30回 70回
3人 15回 45回 105回
4人 20回 60回 140回

4人家族で1週間分なら140回分です。「携帯トイレを10個買っておいた」では2日目の午前で終わります。ここが最も過小に見積もられやすいところです。

何を用意するか

災害用トイレは、便器にかぶせる、水分を固める凝固剤、においを閉じ込める防臭袋の組み合わせでできています。回数のまとまったセットを一箱買うのがいちばん確実です。

たとえばBOS非常用トイレ(Bセット)100回分は、防臭袋・凝固剤・汚物袋・便座カバーが100回分そろっているタイプで、4人家族なら5日分に相当します(1人1日5回で計算)。1週間分にするなら、これに40回分ほど足す形になります。

ポイントは「回数」で買うことです。商品によって「〇個入り」「〇回分」と表記が違うので、家族の人数×日数×5回で必要回数を出してから比べます。

凝固剤は使用期限(保存期間)があります。10年・15年保存とうたう製品もありますが、買ったら箱に購入年を書いておき、防災の日などに確認する習慣をつけると失効を防げます。

「風呂の残り湯で流す」の落とし穴

断水時にバケツで流す方法が紹介されることがありますが、地震のあとは安易にやらないでください

排水管や下水道の本管が壊れていると、流した汚水が自宅や下の階に逆流します。マンションでは、下階の部屋に汚水があふれる事故が実際に起きています。下水道の被害状況が確認できるまでは、水を流さず災害用トイレを使うのが原則です。

集合住宅の場合は、管理会社・管理組合からの排水使用可否の連絡を待ちます。

2. 水:1人1日3リットル × 日数

飲料水の計算

飲料と調理に使う水は、1人1日3リットルが目安です。備蓄は最低3日分、できれば1週間分が推奨されています。

世帯 3日分 7日分 2Lペットボトル換算(7日分)
1人 9L 21L 約11本
2人 18L 42L 21本
3人 27L 63L 約32本
4人 36L 84L 42本

4人家族の1週間分で84リットル、2リットルのペットボトルで42本です。段ボール1箱6本入りなら7箱分。これも「なんとなく数本」では届かない量だとわかります。

日常的に飲んでいるミネラルウォーターを多めに買い、古いものから飲んで買い足すローリングストックにすると、期限切れを気にせず量を維持できます。長期保存タイプを使うなら、5年保存の保存水のように賞味期限の長いものを組み合わせます。

生活用水は別に考える

上の3リットルは飲む・作る用です。手を洗う、体を拭く、食器をすすぐといった生活用水は別枠で、実際にはこちらのほうが量を食います。

  • 風呂の水を抜かずに残しておく(地震の直後にまず浴槽に水を張るのも有効)
  • ポリタンクやウォーターバッグに汲んでおく
  • 給水車・給水所から運ぶ

給水所まで行く場合、水は1リットル=1キログラムです。20リットルのタンクは20キロになり、女性や高齢者が手で提げて運ぶのはまず無理です。背負えるタイプの給水袋や、キャリーカートを併用する前提で考えてください。

🙋
💬 Aさん「20キロ…考えたこともなかった。何往復もできないね」
🏠
💬 防災士Bさん「だから「運ぶ手段」まで含めて備蓄なんだよ。タンクだけ買っても運べない。」

3. 電気:止まると何が困るかで優先順位を決める

停電したとき、家の中で困る順番はだいたい決まっています。

優先 用途 消費電力の目安 備え
1 スマホの充電 小さい モバイルバッテリー
2 明かり 小さい LEDランタン・懐中電灯
3 情報(ラジオ) 小さい 手回し・乾電池ラジオ
4 冷蔵庫 ポータブル電源
5 扇風機・サーキュレーター ポータブル電源
6 エアコン 大きい 家庭用ポータブル電源では基本的に厳しい

スマホと明かりはモバイルバッテリーで足りる

スマホの充電が最優先です。安否確認、被害の写真、給水所や罹災証明書の案内、すべてスマホから入ってきます。電池の持たせ方は別記事に詳しくまとめました。

👉 災害時のスマホ対策|00000JAPANの使い方と3つの注意点、電池を長持ちさせる設定7つ

明かりは、懐中電灯よりも面で照らせるランタンが生活向きです。手がふさがらないので、片付けや調理をしながら使えます。

ポータブル電源は「Wh(ワットアワー)」で選ぶ

冷蔵庫や扇風機まで動かしたいなら、モバイルバッテリーでは足りません。ポータブル電源の容量はWh(ワットアワー)で表示されます。

計算は単純です。消費電力(W)× 使う時間(h)= 必要なWh

  • 扇風機(30W)を10時間 → 300Wh
  • 家庭用冷蔵庫(平均40〜50W前後)を1日 → 約1,000Wh前後

つまり、700Wh級のポータブル電源で「扇風機を一晩+スマホを何回か充電」は十分に賄えますが、「冷蔵庫を丸一日」は届きません。冷蔵庫は開けなければ数時間は保つので、保冷剤・氷を入れて開閉を減らすほうが現実的です。

家族で使うなら、Jackery ポータブル電源 708のような700Wh級が、価格と重さのバランスが取りやすいところです。ソーラーパネルを足せば、停電が長引いたときに充電手段が残ります。

エアコンは家庭用ポータブル電源ではほぼ動きません。 起動時に大きな電力を必要とするためです。真夏の停電は「エアコンを動かす」ではなく、風を作る・濡らして冷やす・日射を遮るで乗り切る前提で考えます。

真夏の停電中の過ごし方は、避難生活の記事にまとめてあります。

👉 真夏の避難生活で気をつけること7つ|熊本地震の犠牲者の約8割は「地震のあと」に亡くなった

4. 置き場所は1か所にまとめない

備蓄をすべて同じ場所に置くと、その部屋が使えなくなった時点でゼロになります。

  • 水は分散して置く(キッチン、押し入れ、車のトランクなど)
  • 玄関に近い場所に、持ち出す前提のセットを1つ
  • 2階建てなら1階と2階に分ける(1階が浸水・倒壊した場合に備える)
  • 家具の転倒で取り出せなくならない場所を選ぶ

そして備蓄より先に効くのが、家具の固定です。倒れた家具でけがをしたり、通路がふさがれたりすると、備蓄があっても取り出せません。転倒防止の突っ張り棒やL字金具は、備蓄の前に手を付ける価値があります。

5. 4人家族・1週間分の早見表

ここまでを1枚にまとめます。

項目 4人家族・7日分 備考
災害用トイレ 140回分 1人1日5回
飲料水 84L(2L×42本) 1人1日3L
生活用水 浴槽+タンク 運ぶ手段も用意
主食(米・パン・麺類) 1人1日3食×7日=84食相当 ローリングストック
カセットこんろ ボンベ6本前後 1本あたり約60〜90分
モバイルバッテリー 1人1台 スマホ2〜3回分の容量
明かり 部屋数+1 ランタン中心
ポータブル電源 700Wh級1台 扇風機・充電用

この表を「全部いま買う」必要はありません。トイレ140回分と水84Lの2つだけ先に埋めれば、在宅避難の最初の1週間はかなり違います。

自分の家がどのリスクを持っているか、先に知っておく

在宅避難ができるかどうかは、そもそも家が住み続けられる状態かどうかで決まります。地震の揺れやすさ、液状化、洪水の浸水想定、土砂災害の警戒区域——住んでいる場所の条件によって、在宅避難が現実的かどうかは変わります。

undefined では、住所を入力するだけで地震・土砂災害・洪水などのリスクをまとめて確認できます。

被害が出たあとの手続きは、こちらにまとめています。

👉 罹災証明書は「片付ける前の写真」で決まる|撮り方のポイントと、全壊・半壊を分ける損害割合

👉 地震保険はいくら出る?全損・大半損・小半損・一部損の認定基準と、請求の流れ5ステップ

👉 借りている家が地震で壊れたら家賃はどうなる?民法611条の「当然減額」と、退去・敷金の扱い

まとめ

  1. 在宅避難で最初に行き詰まるのはトイレ。備えの優先順位はトイレ → 水 → 電気
  2. 災害用トイレは1人1日5回で計算する。4人家族の1週間分は140回分
  3. 断水時に風呂の残り湯で流さない。排水管や下水道が壊れていると逆流する
  4. 飲料水は1人1日3L。4人家族の1週間分は84L(2Lペットボトル42本)
  5. 生活用水は別枠。20Lタンクは20kgになるので、運ぶ手段まで含めて備える
  6. ポータブル電源はWhで選ぶ。消費電力(W)×時間(h)で計算。エアコンは基本的に動かない
  7. 備蓄は1か所にまとめない。その前に家具の固定を済ませる

必要量は家族構成・季節・住まいの条件で変わります。最終的にはお住まいの自治体が出している備蓄の案内も確認してください

参考:内閣府(防災担当)「避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン」/内閣府「防災情報のページ」/首相官邸「災害に対するご家庭での備え」
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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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