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お盆に実家へ帰ったら、前の道の幅を測ってください|道幅4m未満の土地は、駅から遠い地域ほど3割安い

実家の前の道が幅4m未満だと、その土地は同じ市区町村の相場より安く評価されます。全国の住宅地10,413地点を集計したところ、駅から徒歩20分を超える地域では、道幅4m未満の地点の坪単価が周辺の中央値より33.3%低いという結果でした。

道幅は、家の中を見ても、権利証を見ても分かりません。その場に立ってメジャーを当てるのが一番早い。だからお盆の帰省は、年に一度の測定日になります。

道幅4m未満の住宅地は周辺相場より、徒歩10分以内で8.6%、徒歩10〜20分で4.9%、徒歩20分超で33.3%安い

目次

実家に立てる機会は、思っているより少ない

エイブルホールディングスの調査(2026年7月3日実施、20〜49歳の男女約1,100名)では、ひとり暮らしの人のうちお盆に帰省すると答えたのは25.8%でした。帰省しないと答えたのは67.3%で、前年より6.2ポイント増えています。

帰省は減っています。そして実家の前の道は、Googleマップのストリートビューでは幅が読めません。写真に写る道幅は撮影レンズと道路の勾配で大きく変わるからです。

登記簿にも道幅は載りません。載っているのは土地の面積と所有者で、接している道が建築基準法上の道路かどうかは書いてありません。つまり、現地に立った人だけが確かめられる情報です。

4mが分かれ目になるのは、建て替えのときだけ

建築基準法は、原則として幅員4m以上の道を「道路」として扱います。4m未満でも、法の適用時点で建物が立ち並んでいた幅1.8m以上の道は、自治体の指定を受ければ道路とみなされます。これが42条2項道路、通称2項道路です。

2項道路に接する敷地で建て替えるときは、道の中心線から水平距離2mの位置まで敷地を後退させます。この線が新しい道路境界線とみなされ、後退した部分には建物も塀も置けません。敷地面積にも算入されないので、建ぺい率と容積率の計算からも外れます。

もうひとつが43条です。敷地は道路に2m以上接していなければ建物を建てられません。旗竿地で通路の幅が1.8mしかない、といった場合はここに引っかかります。

幅4m未満の道に接した敷地は、道の中心線から2mまで後退して建てる必要があり、後退部分は敷地面積に算入されない

今住んでいる分には、道が3.6mでも何も起きません。効いてくるのは建て替えるときと、売るときです。

全国10,413地点で調べたら、駅から遠いほど差が開いた

国土交通省の地価公示から、用途が「住宅」で前面道路の幅が記録されている10,413地点を取り出しました。うち幅4m未満は349地点、全体の3.4%です。

単純に平均を比べると誤読します。4m未満の地点は郊外に偏っていて、土地の面積の中央値も245.5平方メートルと、4m以上の187平方メートルより広い。地域の相場そのものが違うからです。

そこで市区町村ごとの住宅地の中央値を100として、各地点がその何%かに直しました。対象は1市区町村あたり5地点以上ある492市区町村、9,563地点です。さらに駅からの距離帯で分けています。

駅からの距離 道幅4m未満 道幅4m以上
徒歩10分以内 102 112 −8.6%
徒歩10〜20分 98 103 −4.9%
徒歩20分超 60 90 −33.3%

駅から徒歩10分以内なら、道が4m未満でも周辺との差は1割弱です。ところが徒歩20分を超えると、差は33.3%に開きます。同じ市区町村の相場が坪18万円の地域で、道の狭い土地は坪8万円という水準です。

40坪なら、坪10万円の差は400万円になります。

私は、これは価格の差ではなく買い手の数の差だと考えています

駅近で差が小さく、駅から遠いほど差が開くのは、買い手の顔ぶれが違うからだと見ています。

駅から徒歩10分以内の土地なら、道が狭くても買う人がいます。立地そのものに値段が付いているからです。一方、駅から徒歩20分の土地を買う人は、たいてい自分で家を建てるつもりで探しています。建て替えの条件に引っかかる土地は、そこで候補から外れます。

つまり道幅は、値段を1割引きにするというより、買い手の母数を削る条件だと考えています。値段を下げれば売れるという性質のものではない、というのが私の見方です。実家を売る場面では、価格交渉より先に「この土地はどの条件の道に接しているか」を確定させたほうがいい。

事実として言えるのはここまでです。誰が買うかまでは地価公示のデータには入っていないので、上の段落は集計結果から私が立てた解釈です。

帰省中の30分でやること

道幅を測ります。使うのはメジャー1本です。

  • 道の端から端まで測る。側溝がある場合は側溝の外側までが道の幅
  • 縁石やガードレールがあるなら、その内側ではなく道路として扱われている範囲を測る
  • 玄関前だけでなく、道の入口側と奥側でも測る。途中で狭くなっている場合がある
  • 敷地が道に接している長さも測る。ここが2m未満だと43条に引っかかる

測ったら、その場で写真を撮っておきます。メジャーの目盛りが読める距離で1枚、道全体が入る引きで1枚。あとで役所に相談するとき、この2枚があるだけで話が早くなります。

家の中では、建築確認済証と検査済証を探します。仏壇の引き出しや押し入れの書類箱に入っていることが多い。検査済証がない家は、建て替えの相談で必ず聞かれます。

4m未満だった場合に、次に確認すること

測って4m未満だったとしても、それ自体は問題ではありません。確認するのは、その道が建築基準法上の何にあたるかです。

窓口は市区町村の建築指導課、または都道府県の建築事務所です。住所を伝えると、接している道の種別を教えてもらえます。2項道路の指定を受けているのか、そもそも法上の道路ではない通路なのかで、この先の話がまったく変わります。

道路種別を地図で公開している自治体もあります。「◯◯市 指定道路図」で検索して出てくれば、窓口に行かずに種別まで確認できます。出てこなければ電話で足ります。帰省先から戻ってからでも調べられるので、現地で押さえるのは寸法と写真だけで足ります。

実家の相場そのものを知りたい場合は、市区町村ごとの土地相場で近隣の水準を確認できます。売却まで具体的に考えている段階なら、土地・戸建ての査定もあわせて見てください。

よくある質問

実家の前の道が何m必要かは、どこで決まっていますか

建築基準法42条です。原則は幅員4m以上ですが、特定行政庁が指定する区域では6m以上とされる場合があります。実家のある自治体の建築指導課で確認できます。

4m未満だと、必ず建て替えられないのですか

いいえ。42条2項道路の指定を受けている道なら、中心線から2mまで後退することで建て替えられます。建て替えられないのは、接している幅が2m未満の場合や、そもそも建築基準法上の道路に接していない場合です。

セットバックすると、敷地はどれくらい減りますか

道の幅と間口で決まります。幅3.6mの道に間口12mで接している敷地なら、片側0.2m×12mで2.4平方メートルです。向かい側が既に後退しているなど、片側だけで4mまで下げる扱いになる場合は倍になります。

帰省したとき、道幅のほかに見ておくといいものはありますか

境界標です。敷地の角にある金属鋲やコンクリート杭で、これが見当たらない土地は売るときに測量が必要になります。あわせて、実家じまいの進め方空き家を放置したときのリスクも参考にしてください。

駅からの距離と土地の値段の関係も知りたいです

駅から1分遠いだけで土地はいくら安くなるのかで、同じ地価公示のデータから徒歩1分あたりの下がり方を市区町村別に集計しています。

出典と集計条件

地価の集計は、国土交通省の地価公示(国土数値情報 L01-23/2023年公示)を使いました。用途が「住宅」で前面道路幅の記録がある10,413地点が母集団です。市区町村ごとの中央値を100に正規化したうえで、1市区町村あたり5地点以上ある492市区町村・9,563地点を距離帯別に比較しています。徒歩分数は駅からの距離を80m/分で換算しました。

道路の扱いは建築基準法42条・43条、および自治体が公開している2項道路の解説(白岡市、高石市、江南市、鳥取市ほか)を参照しています。個別の土地がどの道路種別にあたるかは自治体の判断になるので、必ず窓口で確認してください。

帰省の割合は、エイブルホールディングス「ひとりぐらし研究所」による「ひとり暮らしのお盆の実家帰省調査2026」(2026年7月3日実施、国内在住の20〜49歳男女 約1,100名、インターネット調査)によります。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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