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実家を空き家のまま放置するとどうなる?管理不全空家と固定資産税のリスク

実家を空き家のまま放置するとどうなる?管理不全空家と固定資産税のリスク

💬 Aさん「正直、実家をどうするか決めきれなくて。しばらくそのままにしておくのは、そんなに悪いことなのかな?」
💬 経験者Bさん「気持ちはすごく分かる。ただ、2023年に法律が変わって、”手入れをしていない空き家”に対する行政の目がかなり厳しくなったんだ」

相続した実家を、すぐに売るか貸すか決められない。荷物もそのままで、とりあえず年に数回だけ様子を見に行っている——これは非常によくある状態です。

しかし空き家の放置は、時間が経つほど不利になります。今回は具体的に何が起きるのかを整理します。

目次

1. 固定資産税の優遇が外れることがある

いちばん経済的な影響が大きいのがこれです。

住宅が建っている土地は住宅用地の特例により、固定資産税の課税標準が6分の1(200㎡以下の部分)に減額されています。空き家でも建物が建っていれば、原則としてこの特例は適用されます。

ところが、2023年12月施行の改正空家法により、この前提が変わりました。

「管理不全空家」という新しい区分

従来は、著しく危険な状態の「特定空家」に指定され、勧告を受けた場合にのみ特例が解除されました。改正後は、その手前の段階として「管理不全空家」が新設されています。

  • 管理不全空家 — そのまま放置すれば特定空家になるおそれのある状態
  • 特定空家 — 倒壊のおそれ、著しく衛生上有害、景観を著しく損なうなどの状態

管理不全空家も、指導を経て勧告を受けると住宅用地の特例が解除されます。つまり「まだ倒れそうではないけれど、明らかに手入れされていない」というレベルでも、固定資産税が数倍になり得るということです。

💬 Aさん「手入れって、具体的にどのくらいすればいいの?」
💬 経験者Bさん「窓が割れたまま、雑草が伸び放題、屋根の一部が飛んでいる——このあたりが放置されていると危ないね」

さらに進むと

特定空家に指定され、勧告に従わないと命令(従わなければ50万円以下の過料)、最終的には行政代執行により行政が強制的に解体し、その費用が所有者に請求されます。解体費用を自分で選んだ業者に払うより高くつくのが通常です。

2. 建物の傷みは加速度的に進む

人が住まなくなった家は、住んでいる家よりはるかに早く傷みます。

  • 換気されないため湿気がこもり、カビと木材の腐朽が進む
  • 通水しないため排水トラップの水が蒸発し、下水の臭気と害虫が侵入する
  • 雨漏りに気づかず、構造材まで腐る
  • シロアリの被害が発見されないまま拡大する

傷みが進むほど売却価格は下がり、解体費用は上がります。「決められないから待つ」ことの代償は、思っているより大きいということです。

3. 近隣トラブルと管理責任

  • 庭木が越境して隣家に迷惑をかける
  • 雑草・害虫・野良猫の発生源になる
  • 不法投棄の場所にされる
  • 放火や不審者侵入のリスク

そして重要なのが所有者としての責任です。建物の管理に不備があり、瓦や外壁が落下して通行人がけがをした場合、所有者が損害賠償責任を負う可能性があります(土地工作物責任)。

なお、火災保険は空き家だと「住宅物件」ではなく「一般物件」扱いとなり、保険料が上がったり、そもそも加入を断られたりすることがあります。相続後に契約内容を必ず確認してください。

4. 時間が経つほど相続関係が複雑になる

これは意外と見落とされがちですが、深刻な問題です。

名義変更をしないまま相続人の誰かが亡くなると、その人の相続人がさらに権利者として加わります(数次相続)。放置が長引くほど関係者が増え、全員の合意を取ることが困難になります。何十人もの相続人を戸籍で追う羽目になるケースも実際にあります。

相続登記は2024年4月から義務化されました。3年以内、施行前の相続については2027年3月31日が期限です。

👉 実家じまいは誰に相談する?司法書士・税理士・不動産会社の役割分担と依頼する順番

どうしても今すぐ決められないときは

「決断は先送りしたいが、リスクは避けたい」という場合、最低限これだけはやっておきましょう。

1. 相続登記だけは先に済ませる — 決断とは切り離せます。むしろ義務です

2. 月1回程度の通風・通水 — 窓を開け、水を流すだけで劣化はかなり遅くなります。訪問の間隔が空くなら、押し入れや床下収納にタンクタイプの除湿剤をまとめて置いておくとカビの進行を抑えられます

3. 草刈りと庭木の剪定 — 外観の手入れは「管理不全空家」判定を避けるうえで効きます

4. 火災保険の契約内容を確認する

5. 人の気配をつくる — 不法投棄や不審者対策には、配線工事のいらないソーラー式の屋外人感センサーライトのような手軽なものでも抑止効果があります

6. 遠方なら管理代行サービスを検討する — 月数千円程度で見回りを委託できます

そのうえで、売る場合の金額感だけは把握しておくことをおすすめします。かんたん相場検索でおおよその価値が分かれば、「いくらなら手放してもいい」という判断基準ができます。

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まとめ

1. 管理不全空家でも勧告を受ければ固定資産税の特例が外れる(2023年12月〜)

2. 特定空家で命令に従わなければ過料、最終的には行政代執行と費用請求

3. 空き家の劣化は速い。売却価格は下がり、解体費用は上がる

4. 落下事故などでは所有者が賠償責任を負う可能性がある

5. 放置が長引くと相続人が増えて手がつけられなくなる

6. 決められなくても、相続登記と最低限の管理だけは先に

「決めない」ことは、実質的に「価値が下がる方を選ぶ」ことになります。まずは相場を知るところから始めてみてください。

👉 実家じまい完全ガイド|相続した家をどうするか、順番に整理する

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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