※ 本ページには広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。
相続した神戸の実家を「もう少し待てば高く売れるはず」と保留にしている人は、その間に資産が目減りしているかもしれません。2023年から2025年の実取引データで確かめると、神戸市で上がったのは主にマンション(+16.0%)で、実家の典型である戸建ては市全体で+2.0%、9区のうち5区ではむしろ下がっていました。
先に結論
- 2023年→2025年の神戸市9区で上がったのはマンション(+16.0%・年1,412件→1,478件)。土地は+9.1%、戸建ては+2.0%でほぼ横ばい
- 区で真逆。長田区は土地−40.6%・戸建て−29.7%、中央区の土地は+51.2%
- 待つあいだも固定資産税・維持費は確定で出ていく。相続空き家の3,000万円控除は2027年12月31日が制度の期限
- この記事は将来予測をしない。過去3年の実数と、待つと確定で発生するコストだけを並べる
神戸市全体の3年実数|上がったのはマンション、戸建ては+2%
国土交通省の不動産情報ライブラリに登録された実取引をもとに、神戸市9区の坪単価を2023年と2025年で比べました。数値は四半期ごとの中央値を取引件数で加重平均した近似値です(2026年1〜3月分は暫定データのため集計から除外しています)。
- マンション:坪51.4万円 → 59.6万円(+16.0%)。年間件数も1,412件→1,478件と厚く、3種別の中で最もブレにくい数字です
- 土地:坪58.4万円 → 63.7万円(+9.1%)
- 戸建て:坪101.5万円 → 103.5万円(+2.0%)
「神戸も上がっている」は、マンションを売る人にとっては実数どおりです。問題は、相続する実家の典型が戸建てであること。市全体で3年かけて+2.0%なら、そのあいだに払い続ける固定資産税と維持費、後で触れる特例の期限を考えると、値上がり分は待つコストに食われる構図になります。
しかも戸建ての+2.0%は9区の平均にすぎません。区ごとに割ると、上がったのは4区だけ。5区は下がっています。次の表で自分の実家がある区を見てください。
相続税がかかるかどうか分からないまま待っていませんか
相続税の申告期限は、相続を知った日の翌日から10か月。売り時を迷っているあいだも期限は進みます。基礎控除を超えそうか、空き家の特例と取得費加算のどちらが有利かは、相続に強い税理士に無料で相談して数字で確かめられます。
※ 上記リンクは広告(アフィリエイト)を含みます。
9区×3種別の坪単価一覧(2023年→2025年)
坪単価は万円単位、件数はその年の取引数です。土地と戸建ては年間の件数が22〜144件の区がほとんどで、少数の高額・低額取引に平均が引っ張られやすい数字です。変化率は「方向の傾向」として読んでください。±数%の差を精密に比べられる精度はありません。
土地(更地・古家付き土地)
| 区 | 2023年 | 2025年 | 変化率 | 件数(23→25) |
|---|---|---|---|---|
| 東灘区 | 127.8万円 | 141.0万円 | +10.3% | 58→62 |
| 灘区 | 114.7万円 | 157.2万円 | +37.1% | 33→32 |
| 中央区 | 122.6万円 | 185.4万円 | +51.2% | 23→22 |
| 兵庫区 | 78.8万円 | 59.1万円 | −25.0% | 44→31 |
| 長田区 | 39.6万円 | 23.5万円 | −40.6% | 38→39 |
| 須磨区 | 42.7万円 | 57.4万円 | +34.4% | 51→51 |
| 垂水区 | 41.2万円 | 38.7万円 | −6.1% | 86→86 |
| 北区 | 22.0万円 | 20.1万円 | −8.7% | 84→90 |
| 西区 | 28.3万円 | 30.6万円 | +8.1% | 74→72 |
| 9区合計 | 58.4万円 | 63.7万円 | +9.1% | 491→485 |
戸建て(中古住宅)
| 区 | 2023年 | 2025年 | 変化率 | 件数(23→25) |
|---|---|---|---|---|
| 東灘区 | 146.8万円 | 170.5万円 | +16.1% | 80→80 |
| 灘区 | 147.3万円 | 143.3万円 | −2.8% | 54→66 |
| 中央区 | 148.0万円 | 122.7万円 | −17.1% | 22→28 |
| 兵庫区 | 112.0万円 | 93.2万円 | −16.8% | 29→44 |
| 長田区 | 76.0万円 | 53.4万円 | −29.7% | 56→44 |
| 須磨区 | 113.6万円 | 100.1万円 | −11.9% | 79→67 |
| 垂水区 | 103.2万円 | 113.8万円 | +10.2% | 118→121 |
| 北区 | 65.4万円 | 67.3万円 | +2.9% | 144→138 |
| 西区 | 82.5万円 | 84.4万円 | +2.3% | 105→100 |
| 9区合計 | 101.5万円 | 103.5万円 | +2.0% | 687→688 |
マンション
| 区 | 2023年 | 2025年 | 変化率 | 件数(23→25) |
|---|---|---|---|---|
| 東灘区 | 44.1万円 | 44.6万円 | +1.1% | 278→274 |
| 灘区 | 49.6万円 | 52.0万円 | +4.8% | 124→88 |
| 中央区 | 73.0万円 | 80.5万円 | +10.3% | 467→481 |
| 兵庫区 | 63.1万円 | 90.3万円 | +43.2% | 135→225 |
| 長田区 | 33.1万円 | 34.6万円 | +4.6% | 50→66 |
| 須磨区 | 35.3万円 | 35.3万円 | −0.1% | 67→72 |
| 垂水区 | 27.0万円 | 31.9万円 | +18.2% | 104→122 |
| 北区 | 17.1万円 | 15.7万円 | −8.0% | 69→53 |
| 西区 | 30.1万円 | 28.3万円 | −6.0% | 118→97 |
| 9区合計 | 51.4万円 | 59.6万円 | +16.0% | 1,412→1,478 |
土地は中央区+51.2%・灘区+37.1%・須磨区+34.4%と大きく上がった区がある一方、長田区は−40.6%、兵庫区は−25.0%。戸建ては9区のうち5区(灘・中央・兵庫・長田・須磨)で下がり、市全体の+2.0%は東灘区(+16.1%)と垂水区(+10.2%)が平均を支えた結果です。同じ市内でここまで開く価格差の背景は、神戸市の区ごとの坪単価格差を比べた記事で詳しく扱っています。
「待つ」あいだに確定で出ていくお金
将来の価格は読めませんが、待つあいだに確定で発生する側は今日の時点で分かります。
- 固定資産税・都市計画税 — 誰も住んでいなくても毎年課税されます。管理が行き届かず「管理不全空家」として勧告を受けると、住宅用地の税負担軽減から外れることがあります
- 維持費 — 火災保険、水道・電気の基本料金、庭木や郵便物の管理、遠方なら見に行く交通費
- 建物の経年 — 空き家は換気されず傷みが早く、戸建ての査定は建物の状態がそのまま価格に響きます
- 税の特例の期限 — 次の節で説明します。待つほど使える枠が狭まります
値下がりリスクの大きさは、長田区の戸建てが実例になります。坪単価は3年で76.0万円→53.4万円。仮に坪単価がこのとおり動いた30坪の物件なら、単純計算で約2,280万円相当が約1,600万円相当になり、差は約680万円です(近似値どうしの機械的な試算で、個別の物件価格を示すものではありません)。逆に兵庫区のマンション(+43.2%)のように、待った人が結果的に得をした区・種別もあります。どちらに転ぶかを事前に当てる方法は、ありません。
空き家の3,000万円控除は「相続から3年目の年末」と「2027年12月31日」の早い方
相続した空き家を売るとき、条件を満たせば譲渡所得から最高3,000万円を差し引ける特例があります(国税庁タックスアンサーNo.3306)。売却益がこの範囲に収まれば税金はかかりません。ここで効いてくるのが、期限が2つあることです。
- 個別の期限 — 相続開始日から3年を経過する日の属する年の12月31日までに売ること
- 制度の期限 — 2027年(令和9年)12月31日までの譲渡が対象
たとえば2025年に相続した場合、個別の期限は2028年12月31日ですが、制度が2027年12月31日で終わるため、先に来る2027年12月31日が実質の期限になります。買主探しから引き渡しまでは数か月、取り壊すなら工事期間も上乗せです。「あと2年ある」ではなく「動き出しの余裕はあと1年ほど」と読むのが実態に近い数字です。
主な要件も待つほど重くなる方向です。
- 昭和56年5月31日以前に建築された家屋であること(区分所有建物登記がされている建物=分譲マンションは対象外)
- 売却代金が1億円以下であること
- 譲渡の日の属する年の翌年2月15日までに、耐震基準を満たすか、家屋の全部を取り壊すこと(2024年1月1日以後の譲渡の場合)
- 控除額は最高3,000万円。ただし2024年1月1日以後の譲渡で、家屋と敷地を相続した相続人が3人以上いる場合は1人あたり2,000万円
古い実家なら、解体費の実額を先に取っておく
控除の要件は「耐震基準を満たして売る」か「取り壊して売る」。昭和56年以前の家で更地にして売る道を考えるなら、判断材料は解体費の実額です。複数の解体業者から無料で一括見積もりを取れるサービスを使うと、金額を並べて比べられます。
※ 上記リンクは広告(アフィリエイト)を含みます。
売るか待つかを決める前にやること3つ
「待てば上がる」を信じて何もしないのが一番の悪手です。売ると決めていなくても、次の3つは今日できます。
1. 今の相場を数字で見る。かんたん相場検索(神戸市)を開くと、その場で神戸市の実取引ベースの相場が表示されます。実家の区・種別に絞れば、この記事の表を自分のケースに引き寄せられます。
2. 控除の入口だけ先に確認する。登記事項証明書を取れば、建築時期(昭和56年5月31日以前かどうか)と登記の種類が分かります。ここで対象外なら、3,000万円控除の期限に急かされる理由は消え、判断はシンプルになります。
3. 売る場合の段取りを把握しておく。相続した不動産は名義変更(相続登記)を済ませないと売却活動に入れません。手順は相続した不動産を売るときの流れに5ステップでまとめています。
私は、相続した実家が神戸の戸建てで、住む予定も貸す予定もないなら、「待てば上がる」を先延ばしの根拠にはできないと考えています。過去3年の実数が市全体+2.0%・9区中5区で下落だったこと、待つコストは確定で発生すること、空き家の控除に2027年12月31日という期限が切られていることが理由です。一方で中央区や灘区の土地のように大きく上がった区があるのも同じデータが示す事実です。だからこそ、判断の軸は将来の予想ではなく、「今いくらか」と「待つといくら出ていくか」に置くべきだと考えます。
データの出典と読み方
出典:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引価格データ(2023年〜2025年、神戸市9区)。坪単価は四半期ごとの中央値を取引件数で加重平均した近似値であり、個別の物件の価格を保証するものではありません。土地・戸建ては区ごとの年間件数が22〜144件と少なく、変化率のブレが大きい点に留意してください。2026年1〜3月分は暫定データのため集計から除外しています。税制の記述は国税庁タックスアンサーNo.3306(2026年8月時点)に基づきます。適用の可否は個別の事情で変わるため、最終判断は税務署または税理士に確認してください。
※ 本記事には広告(アフィリエイトリンク)が含まれます。紹介している商品・サービスは、記事の内容に関連するものを編集方針にもとづいて選んでいます。


コメント