相続した実家を売るときの必要書類一覧|取り寄せ先と集める順番
相続した家は、名義が亡くなった方のままでは売れません。売却手続きに入る前に相続登記(名義変更)を済ませる必要があり、その登記のためにまとまった書類が必要になります。
このページでは、必要書類を「どこで取れるか」で整理し、集める順番まで示します。書類の名前だけ並べられても動けないので、取り寄せ先ごとにまとめるのが実務では一番早いです。
取り寄せ先は3か所だけ
必要書類は数が多く見えますが、行き先は次の3か所に集約されます。
| 取り寄せ先 | 主な書類 |
|---|---|
| 市区町村の役所 | 戸籍謄本、除籍謄本、改製原戸籍、住民票の除票、印鑑登録証明書、固定資産評価証明書 |
| 法務局 | 登記事項証明書(登記簿謄本) |
| 自宅で探すもの | 固定資産税の納税通知書、権利証、境界確認書、建築確認済証など |
役所の書類は郵送で請求できます。遠方の本籍地でも窓口に行く必要はありません。
ステップ1:相続人を確定させる書類(役所)
最初に集めるのはここです。誰が相続人かが確定しないと、話し合いも登記も進みません。
- 被相続人(亡くなった方)の出生から死亡までの連続した戸籍
- 戸籍謄本・除籍謄本・改製原戸籍をつなげて、出生までさかのぼる必要があります
- 結婚や転籍をしている場合、複数の市区町村にまたがります。古い方へ順にたどっていくのがコツです
- 被相続人の住民票の除票(最後の住所地の役所)
- 相続人全員の戸籍謄本
- 相続人全員の住民票
ここが一番時間のかかる工程です。戸籍をさかのぼる作業だけで数週間かかることもあるため、売却を考え始めた時点で着手して構いません。
法定相続情報一覧図を作ると後が楽になる
法務局に戸籍一式を提出して「法定相続情報一覧図の写し」を発行してもらうと、以後は戸籍の束の代わりにこの1枚で足りる場面が増えます。金融機関の手続きでも使えるため、相続手続きが複数ある場合はほぼ確実に元が取れます。発行手数料はかかりません。
ステップ2:不動産を特定する書類(法務局・自宅)
- 登記事項証明書(登記簿謄本) — 法務局。窓口・郵送・オンラインで請求できます
- 固定資産税の納税通知書 — 毎年春に届くもの。自宅で探します
- 固定資産評価証明書 — 市区町村。登記の登録免許税の計算に使います
この段階で確認しておきたいのが、登記されている面積・地目・建物の有無が実際と合っているかです。建物を解体済みなのに登記が残っている、私道の持分が別登記になっている、といったズレは実務でよく出ます。ズレがあると売却直前に手続きが止まるので、早めに気づいておくほど有利です。
ステップ3:遺産分割協議書(相続人が作る)
遺言書がない場合、誰がその不動産を相続するかを相続人全員で決め、遺産分割協議書にまとめます。
- 相続人全員が実印で押印します
- 全員の印鑑登録証明書を添付します
- 相続人が遠方でも郵送でやり取りできますが、往復するため日数を見込んでおきます
遺言書がある場合は、この協議は不要です。ただし自筆証書遺言は家庭裁判所の検認が必要な場合があります(法務局の保管制度を使っていた場合は検認不要)。
ステップ4:相続登記(名義変更)
ステップ1〜3が揃ったら法務局へ申請します。相続登記は2024年4月から義務化され、相続を知った日から3年以内の申請が求められています。
登記が完了すると、はじめて売却の手続きに進めます。
ステップ5:売却時に追加で必要になる書類
売買契約の段階では、次のものが加わります。
- 登記識別情報通知または権利証(相続登記後に交付されます)
- 本人確認書類・実印・印鑑登録証明書
- 土地測量図・境界確認書 — あれば買主の安心材料になり、無いと測量が必要になることがあります
- 建築確認済証・検査済証 — 建物を残して売る場合
- 管理規約・維持費関連の書類 — マンションの場合
「あれば出す」ものは、無いからといって売れないわけではありません。ただし無い場合は代わりの調査費用が発生するため、あるかないかを先に確認しておくと見積もりの精度が上がります。
査定は書類が揃う前でもできます
ここまで読んで「先に書類を全部揃えないと動けない」と思われたかもしれませんが、査定だけは登記前でも受けられます。
むしろ順番としては、査定を先に取っておく方が合理的です。理由は3つあります。
- 売却額の見込みが立たないと、相続人同士の話し合い(ステップ3)が進まない
- 解体やリフォームに費用をかけるべきかを、金額で比較できる
- 相続空き家の3,000万円特別控除には期限がある(相続開始から3年を経過する日の属する年の12月31日まで)ため、逆算して動く必要がある
書類集めに数週間かかる工程がある以上、待っている間に査定を進めておくのが実務的です。
売る前に、実家がいくらになるか確かめる
リフォームや解体を判断する前に、まず今の状態でいくらの評価になるかを知っておくと、費用をかける意味があるかどうかを金額で比べられます。相続した不動産の査定・相談に対応しているサービスです。
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まとめ|順番を守れば二度手間にならない
- 役所で戸籍をさかのぼり、相続人を確定する(最も時間がかかる)
- 法務局で登記事項証明書、自宅で納税通知書を確認する
- 遺産分割協議書を作り、全員の印鑑証明を添える
- 相続登記を申請する(2024年から義務化)
- 売買契約時の追加書類を揃える
先に集めるのは「人」の書類、次が「不動産」の書類です。この順番を守れば、同じ役所に二度行く手間が減ります。
売却の流れそのものは相続した不動産を売るときの流れ|名義変更から3,000万円特別控除までで、相続全体の進め方は実家じまい完全ガイドで整理しています。
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本ページは一般的な手続きの流れを整理した参考情報です。必要書類は個別の事情(相続人の人数、遺言の有無、不動産の所在地や種類)によって変わります。登記や相続税の具体的な判断については、司法書士・税理士等の専門家にご確認ください。
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