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相続した神戸のマンションを「とりあえずそのまま」にしている間も、値段と税金の条件は動いています。神戸市9区のマンションの取引価格は、2023年→2025年の2年間で坪あたり51.4万円→59.6万円。ただし兵庫区は+43.2%、北区は−8.0%と、同じ市内で真逆でした。どの区のマンションを相続したかで、急ぐかどうかの答えが変わります。
先に結論
- 神戸市9区のマンションは2023→2025年で坪単価+16.0%(年1,412→1,478件の実取引)
- ただし区で真逆。兵庫区+43.2%・垂水区+18.2%に対し、北区−8.0%・西区−6.0%
- 分譲マンションは「相続空き家の3,000万円控除」が最初から対象外(国税庁No.3306)
- 相続税を払った人は、おおむね相続から3年10か月以内の売却で使える別の特例がある
- 持ち続ける場合、管理費・修繕積立金は空室でも毎月出ていく
先に「今いくらか」を見てから読むと早い
この記事の表は区ごとの平均です。相続したマンションの住所まで絞った今の相場は、開くだけで神戸市のマンション相場が出ます。
神戸市のマンションは2023→2025年で+16%。戸建て・土地とは動きが違う
国土交通省の実取引データで神戸市9区を集計すると、マンションの坪単価の目安は2023年の51.4万円から2025年の59.6万円へ、+16.0%動きました。年間の取引件数は1,412件→1,478件。件数が細って平均だけ跳ねた数字ではなく、取引の厚みを保ったままの上昇です。
同じ期間・同じ神戸市9区で、戸建ては+2.0%、土地は+9.1%。マンションだけ動きの幅が別物です。「不動産が上がっている」というニュースの主語は、神戸では実質的にマンションでした。相続したのが戸建てや土地なら、この記事の前提はそのまま使えません。
9区の坪単価一覧(2023年→2025年)
変化率の大きい順に並べます。単位は万円/坪、右の列は年間の取引件数です。
| 区 | 2023年 | 2025年 | 変化率 | 件数(2023→2025) |
|---|---|---|---|---|
| 兵庫区 | 63.1万円 | 90.3万円 | +43.2% | 135件→225件 |
| 垂水区 | 27.0万円 | 31.9万円 | +18.2% | 104件→122件 |
| 中央区 | 73.0万円 | 80.5万円 | +10.3% | 467件→481件 |
| 灘区 | 49.6万円 | 52.0万円 | +4.8% | 124件→88件 |
| 長田区 | 33.1万円 | 34.6万円 | +4.6% | 50件→66件 |
| 東灘区 | 44.1万円 | 44.6万円 | +1.1% | 278件→274件 |
| 須磨区 | 35.3万円 | 35.3万円 | −0.1% | 67件→72件 |
| 西区 | 30.1万円 | 28.3万円 | −6.0% | 118件→97件 |
| 北区 | 17.1万円 | 15.7万円 | −8.0% | 69件→53件 |
| 9区合計 | 51.4万円 | 59.6万円 | +16.0% | 1,412件→1,478件 |
兵庫区は+43.2%で、件数も135件→225件と約1.7倍に増えています。中央区は年467件→481件と市内で群を抜いて取引が厚く、その中央区でも+10.3%。一方で北区・西区・須磨区はマイナス圏です。同じ「神戸のマンション」でも、区が違えば起きていることが逆です。
ただし読み方に前提が2つあります。この表は四半期ごとの坪単価の中央値を取引件数で加重平均した年間の近似値で、個々の部屋の査定額ではありません。また北区は年53件、長田区は年66件、灘区も2025年は88件と取引が薄く、件数の薄い区は年ごとの数字のブレが中央区より大きくなります。
私は、「神戸のマンションは上がっている」という市全体の平均を、自分の区にそのまま当てはめて判断するのは危ないと考えています。同じ市内に+43.2%と−8.0%が同居している以上、見る単位は市ではなく区、できれば町名です。かんたん相場検索(開いた瞬間に神戸市の相場が出ます)で、物件の住所まで絞って確かめられます。
上がっている区なら「直してから売る・貸す」も選択肢に入る
高く売る・貸すために室内を直すかどうかは、リノベ費用の実額を取ってからでないと比較になりません。マンションリノベーションの見積もりを複数社からまとめて集めて、かける費用と回収の見込みを金額で並べられるサービスです。
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マンションだと「実家を売ったときの3,000万円の控除」が使えない
相続した空き家を売るとき、利益から最高3,000万円を差し引ける特例があります。ただし国税庁の要件には「区分所有建物登記がされている建物でないこと」と明記されていて、分譲マンションはこの控除の対象外です(国税庁タックスアンサーNo.3306)。昭和56年5月31日以前の建築という条件もあり、そもそも古い一戸建てを想定した制度です。「実家を売ると3,000万円まで非課税」という話を聞いてマンションの売却計画を立てると、税金の見込みがまるごと狂います。
実家が戸建て・土地なら、この控除が使えるかどうかで手取りの計算も売り時の判断も変わります。そちらのケースは姉妹記事の相続した神戸の実家(戸建て・土地)の売り時で、同じ実取引データを使って整理しています。
相続税を払った人は「3年10か月」の期限を先に数える
マンションでも使える制度はあります。「相続財産を譲渡した場合の取得費加算の特例」(国税庁タックスアンサーNo.3267)で、要件は3つ。①相続や遺贈で財産を取得した人であること、②その人に相続税が課税されていること、③相続開始のあった日の翌日から「相続税の申告期限の翌日以後3年を経過する日」までに売ること。相続税の申告期限は相続開始を知った日の翌日から10か月なので、売却の期限はおおむね相続から3年10か月です。
この特例が使えると、払った相続税のうち一定額を売却時の取得費に上乗せでき、譲渡所得にかかる税金が減ります。裏を返すと、相続税を払っていない人は対象外で、期限を1日でも過ぎれば上乗せはゼロです。「いつか売る」と思っているなら、相場より先にこの日付を確認して、カレンダーに入れておくのが順番です。
3年10か月の期限内かどうか、先に確かめる
取得費加算の特例が使えるか、使えたらいくら税負担が変わるかは、相続税の申告内容ごとに計算が要ります。相続にくわしい税理士を無料で紹介してもらえるので、期限が近い人ほど先に確認しておくと売り時を金額で比べられます。
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置いておくコストは、空室でも毎月確定で出ていく
戸建てとの一番の違いはここです。戸建ての維持費には自分で増減できる部分がありますが、分譲マンションの管理費と修繕積立金は誰も住んでいなくても毎月同じ額が確定で出ていきます。金額は物件ごとの管理規約で決まっているので、まず直近の引き落とし額と、修繕積立金の改定予定が総会資料に載っていないかを確かめてください。固定資産税も毎年かかります。
「上がっている区だから、もう少し持つ」という判断自体はあり得ます。ただしその場合も、毎月のコスト×持つ月数という確定の支出と、過去3年の実数を並べて比べたうえでの話です。将来の値動きは誰にも分かりません。確定している数字だけで組み立てるのが、後悔の少ない決め方だと私は考えます。
まとめ|市の平均ではなく、区の実数と期限で決める
- 神戸市9区のマンションは2023→2025年で坪単価+16.0%。ただし兵庫区+43.2%から北区−8.0%まで区で真逆
- 分譲マンションは相続空き家の3,000万円控除が対象外。戸建てとは税金の入口が違う
- 相続税を払った人は、おおむね相続から3年10か月以内の売却で取得費加算の特例が使える
- 持ち続けるなら、管理費・修繕積立金の実額を確かめてから「持つ月数」を決める
売ると決めたら、名義変更から確定申告までの手順は相続した不動産を売るときの流れにまとめています。名義変更が終わっていないと売却活動そのものが始められないので、迷っている段階でも手続きだけは先に進められます。
※ 本記事の価格は、国土交通省「不動産情報ライブラリ」の実取引データをもとに、四半期ごとの坪単価(円/坪)の中央値を取引件数で加重平均した年間の目安です(2026年1〜3月分は暫定のため集計から除外)。個々の物件の成約価格ではなく近似値であり、取引件数の少ない区は年ごとのブレが大きくなります。税制は国税庁タックスアンサーNo.3306・No.3267(2026年8月確認)にもとづく概要で、要件は税制改正で変わることがあります。適用可否の最終判断は税理士または税務署にご確認ください。
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