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お盆に実家へ帰る人へ|神戸市の空き家、解体費は最大100万円戻る。ただし契約前に申請

🗨️「実家が空き家のまま。壊すのにお金がかかるから、そのままにしている。」

神戸市内で1986年12月31日以前に建った家なら、床面積に応じて20万〜60万円(3戸以上の共同住宅なら最大100万円)が戻ります。ただし解体業者と契約したあとでは1円も出ません。順番を間違えると全額が自己負担になります。

[不動産] この記事の要点

何が起きたか

神戸市の老朽空家等解体補助制度は、2026年度分の申請を2026年3月2日から2027年1月12日まで受け付けている。対象は市内にある1986年(昭和61年)12月31日以前に建てられた腐朽・破損のある空き家等で、所有者が解体する場合。補助額は登記床面積または課税床面積の合計で決まり、通常の建物で20万〜60万円、用途が共同住宅・寄宿舎で100平方メートル以上かつ3戸以上ある場合は70万〜100万円。工事完了後の実績報告の期限は2027年3月11日で、予算の上限に達すると年度途中で受付が終わる。

発表日・更新日

2026年8月10日 発表

影響を受ける人
  • 神戸市内に空き家の実家を持っている人(市外に住んでいてもよい)
  • 相続したが登記をまだ済ませていない実家がある人
  • お盆に帰省して、実家の傷み具合を久しぶりに見た人
目次

この記事でわかること

  • 床面積ごとの補助額がいくらか(20万〜100万円の刻み)
  • 申請の順番を間違えると全額自己負担になる、たった1つの条件
  • 更地にしたあと、神戸市のどの区なら費用を回収しやすいか

いくら戻るのか。床面積で決まる

補助額は工事費の何割という決め方ではありません。解体する建物の登記床面積または課税床面積の合計で、階段状に決まります。複数棟あるときは各棟の合計です。

床面積の合計補助額共同住宅・寄宿舎(3戸以上)補助額
30㎡未満20万円100㎡以上70万円
30㎡以上30万円110㎡以上75万円
40㎡以上40万円120㎡以上80万円
50㎡以上45万円130㎡以上85万円
60㎡以上50万円140㎡以上90万円
70㎡以上55万円150㎡以上95万円
80㎡以上60万円160㎡以上100万円

面積は建物の登記事項証明書、固定資産課税台帳登録事項証明書、固定資産課税台帳の写しのいずれかに書かれた数字で計算します。ここに落とし穴があります。これらの書類に載っていない未登記の増築部分や別棟の面積は、算入されません。1987年1月1日以降に建てられた別棟も同じく算入されません。

つまり「実際に壊す面積」と「補助の計算に使う面積」はずれます。1階だけ登記して2階を未登記のまま増築した家は珍しくなく、その場合は増築ぶんが数えられないまま補助額が決まります。

対象になる家の条件は3つだけ

神戸市内にあること。1986年(昭和61年)12月31日以前に建てられた建物であること。腐朽・破損のある空き家等で、その所有者が解体すること。この3つです。申請者は個人でも法人でもかまいません。

「いつから空き家である必要があるか」は、補助金の申請日より前であればよい、とされています。長く空いている必要はありません。また、解体後の跡地をどうするか(建て替える・売る)についての要件はありません。

契約してから申請すると1円も出ない

この制度でいちばん多い取りこぼしは、金額でも書類でもなく順番です。市の説明では、解体業者との契約および工事着手より前に補助金の申請が必要と明記されています。

帰省中に実家の傷みを見て、その足で解体業者を呼んで見積りを取り、勢いで契約する。この流れが最も危険です。契約書に判を押した時点で、その工事は対象から外れます。先にすまいるネットへ電話、次に業者。この順番だけは動かせません。窓口は予約制で、老朽空家解体補助専用ダイヤルは078-647-9969です。

相続登記をしていない実家はどうなるか

亡くなった親の家をまだ自分名義にしていない場合でも、基本的な要件を満たせば申請できます。ただし相続後の所有権移転登記をしていないときは、2種類の書類が要ります。

1つは、申請者と登記上の所有者(被相続人)との関係を証する書類。戸籍謄本、除籍謄本、固定資産課税台帳の写しなどです。もう1つは、登記上の所有者が亡くなっていることを証する書類。戸籍謄本、除籍謄本、死亡診断書、住民票などが挙げられています。

さらに、相続人が複数いる場合は相続人全員から解体の同意を得ている必要があります。兄弟が遠方に散っているなら、全員が実家に集まるお盆は同意を取るのに最も現実的な機会です。

門・塀・カーポート・庭木も全部撤去が条件

「母屋だけ壊して物置は残す」はできません。敷地内に附属する建物、道に面する門・塀類、車庫・カーポート、敷地内の立木竹は、原則すべて解体除却することが補助の要件とされています。倉庫も蔵も生垣も対象です。

敷地内に建物が2棟あるときも、原則は全棟の解体が必要です。ただし用途が独立している場合(1棟は自己居住、別棟は賃貸用住宅だったなど)は、1棟のみの解体で建物ごとに申請できることがあります。この判断は書類しだいなので、窓口で先に確認する項目です。

更地にしたあと、その土地はいくらになるか

解体費は区が変わっても大きくは変わりません。変わるのは、更地にしたあとの土地の値段のほうです。当サイトの土地相場ツールに入っている地価公示データから、神戸市9区の住宅地の坪単価(中央値)を出しました。価格時点は2023年1月1日です。

住宅地の坪単価(中央値)地点数
灘区124万9,585円21
中央区115万411円13
東灘区112万3,965円33
兵庫区70万825円15
長田区51万5,702円17
須磨区41万3,223円39
垂水区38万3,470円57
西区24万661円35
北区21万2,727円48

9区をまとめた中央値は40万4,958円です。灘区と北区では5.9倍の開きがあります。30坪の土地なら、灘区は約3,749万円、北区は約638万円という計算になります(中央値による概算で、個別の土地の評価ではありません)。

補助金があるから壊す、という順番は勧めません

私は、補助金の存在を理由に解体を決めるのは順番が逆だと考えています。根拠は2つです。

1つめは、補助額が床面積で頭打ちになること。戸建てなら80平方メートル以上でも60万円が上限で、しかも補助対象事業費が上限になるため、工事費の全額が戻る制度ではありません。60万円で何がどこまで賄えるかは、見積りを取ってからでないと判断できません。

2つめは、更地にしたあとの回収力が区で5.9倍違うこと。北区や西区で30坪の土地を更地にしても、坪20万円台の水準では解体費を土地の売却でまかなえるとは限りません。先に決めるべきは「壊すか残すか」ではなく「売るのか、貸すのか、持ち続けるのか」です。

そのうえで解体すると決めたなら、この補助は使わない手がありません。受付は2027年1月12日までですが、予算の上限に達すると年度の途中でも終わります。工事完了後の実績報告の期限は2027年3月11日です。

お盆のあいだに済ませておく3つのこと

帰省中にしかできないことだけを挙げます。まず、建物の建築年が分かる書類(登記事項証明書、固定資産税の課税明細書など)を家の中から探す。1986年12月31日以前かどうかで、そもそも対象かが決まります。

次に、兄弟や親族がそろっているうちに、解体するかどうかの意向を口頭でそろえておく。相続登記が済んでいなければ、申請の段階で全員の同意が必要になります。

最後に、敷地内にある物置・門・塀・カーポート・庭木を写真に撮っておく。これらも解体除却の対象になるので、見積りを取るときの前提が変わります。連休が明けたら、業者ではなく市の窓口に電話する。順番はそれだけです。

生活・仕事にどう効くか

  • 解体費:床面積80平方メートル以上の戸建てで60万円、3戸以上の共同住宅で床面積160平方メートル以上なら100万円が上限。ただし補助対象事業費が上限になるため、工事費がそれを下回れば工事費までしか出ない。
  • 手続きの順番:解体業者との契約と工事着手より前に申請することが要件。見積りを取って契約してから相談に行くと、その工事は対象外になる。
  • 更地にしたあとの資産:神戸市の住宅地の坪単価は、地価公示の中央値でくらべて灘区と北区で5.9倍の開きがある。同じ100万円の補助でも、更地にしたあとに回収できる区と回収しづらい区がある。

結局どうすればよいか

  • 実家の建築年を確認する。1986年12月31日以前に建った建物かどうかが最初の関門
  • 解体業者に連絡する前に、すまいるネットの老朽空家解体補助専用ダイヤル(078-647-9969)で相談を予約する。窓口は予約制
  • 相続登記がまだなら、戸籍謄本など被相続人との関係を示す書類を帰省のあいだに探しておく。相続人が複数いる場合は全員の同意も要る

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公式出典

更新履歴

  • 2026年8月10日 初版を公開

※本記事は2026年8月10日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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