🗨️「物価、そんなに上がっていないと言われるのはなぜですか?」
総合指数の前年同月比が1.9パーセントだからです。ただし中身を開けると偏っています。上げているのは菓子類6.1パーセント、生鮮魚介12.4パーセント、生鮮野菜6.6パーセント。品目ではポテトチップス13.3パーセント、まぐろ20.4パーセント、トマト13.5パーセント。逆に押し下げているのが教育で、私立高校の授業料が73.2パーセントの下落です。買い物で上がったものだけを見ている人の実感と、全体の数字がずれるのはこのためです。
[暮らし] この記事の要点
2026年9月17日 発表
- 「全体では1.9パーセント」と聞いて実感と違うと感じている人
- 食費の予算を決めている家庭
- 高校生の子どもがいる家庭(授業料の扱いが指数を大きく動かしています)
総合は1.9パーセント。中身は均等ではありません
総務省統計局が出している消費者物価指数の、2026年7月分です。2025年を100とした指数で見ます。
| 指数 | 水準 | 前年同月比 |
|---|---|---|
| 総合 | 102.0 | +1.9% |
| 生鮮食品を除く総合 | 102.1 | +1.8% |
| 生鮮食品およびエネルギーを除く総合 | 102.1 | +1.9% |
3つともほぼ同じ1.8から1.9パーセントです。数字だけ見れば「そんなに上がっていない」になります。ところが買い物をしている実感はそうではない、という人が多いはずです。ずれの正体は、中身の偏りにあります。
子どもにかかるお金を通しで見るなら
給食費は子育ての費用のごく一部です。市町ごとの差を調べ始めた人ほど、助成金や学費の全体像が先に要ります。
給食費や医療費のような自治体の助成は、調べる場所がばらばらで全体像がつかめません。助成金・保険・進学費用をまとめて1冊で見渡せるので、市町ごとの差を調べる前の下地になります。
書き込みながら自分の家の数字を出す形式です。中学の給食費が年5万円かかる市とかからない市で、家計にどう響くかを手を動かして確かめられます。
共働き世帯を想定した配分の話が中心です。住む場所を変えると教育費だけでなく通勤費や保育の使い方も変わるので、引っ越しを含めて考えるときに読みやすい1冊です。
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上げているのは、菓子と魚と野菜
総合指数の前年同月比に、どの品目がどれだけ効いたか。統計局が名指しで出しているものを並べます。
| 中分類 | 前年同月比(寄与度) | 代表的な品目 |
|---|---|---|
| 菓子類 | +6.1%(0.16) | ポテトチップス +13.3% |
| 生鮮魚介 | +12.4%(0.12) | まぐろ +20.4% |
| 生鮮野菜 | +6.6%(0.11) | トマト +13.5% |
まぐろは20.4パーセントです。総合の1.9パーセントに対して10倍以上あります。同じ「物価」でも、買うものによって体感が10倍違うということです。
菓子類・生鮮魚介・生鮮野菜は、どれも買い物かごに毎週入るものです。だから目につきます。一方で、価格が動いていない品目は記憶に残りません。
押し下げているのは、私立高校の授業料です
ここが今回いちばん意外なところだと思います。総合指数を下げる方向に、いちばん効いていたのは教育でした。
| 中分類 | 前年同月比(寄与度) | 品目 |
|---|---|---|
| 教育 授業料等 | −6.4%(−0.14) | 高等学校授業料(私立)−73.2%(−0.15) |
私立高校の授業料が、前年同月比で73.2パーセントの下落です。これは値下げ競争が起きたのではなく、就学支援金の拡充によって家庭が支払う額が下がったことが指数に反映された形です。
寄与度はマイナス0.15。菓子類のプラス0.16とほぼ同じ大きさで、逆向きに効いています。つまり「お菓子が上がった分」と「私立高校の授業料が下がった分」が、指数の上では打ち消し合っています。
高校生がいない家庭にとっては、下がった側の恩恵がありません。総合の1.9パーセントが実感と合わないのは、この打ち消し合いの片側だけを受け取っているからです。
数字の使い方を変える
総合指数は国全体の平均で、政策の判断には使えますが、自分の家計の物差しにはなりません。使うなら品目別のほうです。
生鮮魚介と生鮮野菜は、天候で月ごとに大きく振れます。1か月の数字を見て献立を変えるより、上がっている中分類(菓子・魚・野菜)を把握して、買い方の順番を決めるほうが現実的です。
同じ条件でやりくりしている人の記録を3本
数字の話はここまでです。実際に食費をどう組み立てているかは、やっている人の記録のほうが早いので、立場の違う3本を置いておきます。
作り置きで平日の食事をつないでいる回です。体調と家事の両方を抱えたままの組み立て方が出てきます。
5人家族で食費が週6000円という家庭に密着した報道です。一般的な家庭のおよそ4分の1にあたります。
高校生男子がいる4人家族の1週間献立。毎日お弁当を作って月3万円台という記録です。
生活・仕事にどう効くか
- 総合1.9パーセントに対し、まぐろは20.4パーセント上がっています。同じ「物価」でも、買うものによって体感は10倍違います。
- 総合を押し下げているのは教育で、私立高校の授業料がマイナス73.2パーセント。指数はこれを含んだ平均です。
- 生鮮食品を除いた指数も1.8パーセント、エネルギーも除いた指数も1.9パーセント。数字の低さは、一部の品目だけで説明できるものではありません。
結局どうすればよいか
- 総合の数字ではなく、自分がよく買う品目の伸び率を見る
- 生鮮魚介と生鮮野菜は月ごとの振れが大きいので、1か月の数字で献立を決めない
- 私立高校の授業料が下がっているのは制度による変化なので、家計の実感とは切り分ける
公式出典
- 総務省統計局 消費者物価指数(CPI)全国 2026年7月分(2026年8月21日公表)(2026年8月21日発表)
- 総務省統計局 消費者物価指数 全国 2026年7月分(PDF)(2026年8月21日発表)
更新履歴
- 2026年9月17日 初版を公開。数値は総務省統計局の消費者物価指数(2025年基準)2026年7月分から取得。指数は2025年を100としている。
※本記事は2026年9月17日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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