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賃貸・店舗の借入金利は約30年ぶりの高さ|住宅ローンのニュースでは見えない年3.15%の基準

🗨️「住宅ローンの金利は上がったと聞くけど、アパートや店舗の借入も同じ?」

別の数字で動いています。事業用の長期借入の基準になる長期プライムレートは年3.15%で、1996年9月以来の高さです。

[金利] この記事の要点

何が起きたか

みずほ銀行が公表する長期プライムレートは、2026年6月10日から年3.15%が続いている。日本銀行の推移表でこの水準を上回っていたのは1996年9月10日までで、約29年9か月ぶりの高さになっている。

発表日・更新日

2026年8月9日 発表

影響を受ける人
  • アパート・マンションを建てる、または買うために長期で借入をする人
  • 店舗や事務所の取得・改装で設備資金を借りている個人事業主・法人
  • すでに賃貸経営をしていて、借換えや追加融資を考えている人
目次

この記事でわかること

  • 長期プライムレートが年3.15%になり、住宅ローンの変動金利とは別の系統で上がっていること
  • 8,000万円を25年で借りた場合、1年前の水準との差が年46万円になること
  • 自分の借入がどちらの金利に連動しているかを、契約書のどこで確かめるか

8,000万円を借りると、1年前より年46万円多く払う

アパート1棟を8,000万円・25年で借りるとします。1年前にあたる2025年7月の長期プライムレート2.20%で試算すると毎月の返済は346,927円、いまの3.15%なら385,640円です。差は毎月38,713円、1年で464,556円になります。家賃を1戸6万円で貸しているなら、8戸のうち0.6戸ぶんの家賃が金利の上昇で消えるという金額です。

借入額と期間ごとの差は次のとおりです。元利均等・全期間同じ金利が続いた場合の概算で、実際の適用金利は長期プライムレートに各行の上乗せ幅が加わります。

借入額・期間2.20%(2025年7月)3.15%(2026年6月〜)年間の差
8,000万円・25年月346,927円月385,640円+464,556円
5,000万円・20年月257,705円月281,068円+280,361円
3,000万円・15年月195,828円月209,346円+162,214円

長期プライムレートとは|住宅ローンの変動金利とは別の数字

日本銀行の説明では、長期プライムレートは「金融機関が優良企業向けの長期貸出(1年以上の期間の貸出)に適用する最優遇金利」です。これに対して短期プライムレートは「1年未満の期間の貸出」の最優遇金利で、多くの銀行が変動金利型住宅ローンの基準金利をここから決めています。

決まり方も違います。短期プライムレートは各行がそれぞれ決めるため、日本銀行は都市銀行のなかで最も多くの銀行が採用した値(最頻値)と最高・最低を並べて掲載しています。一方の長期プライムレートはみずほ銀行が決定・公表した値を日本銀行が掲載する形です。公表は毎月9日前後で、2026年は1月8日・2月9日・3月9日・4月9日・5月7日・6月9日・7月9日に出ています。

短期プライムレート長期プライムレート
対象の貸出1年未満1年以上
いまの水準2.375%(三井住友銀行・8月3日より)3.15%(6月10日より)
動く頻度日銀の政策金利が動いたとき毎月見直し(据え置きの月もある)
主に連動するもの変動金利型の住宅ローン事業用の長期借入

住宅ローンの固定金利は、このどちらでもなく10年国債利回りなどの市場金利をもとに決まります。ニュースで「金利が上がった」と流れても、上がったのがどの系統かで自分に効くかどうかが変わります。

直近1年の推移|一本調子で上がっているわけではない

日本銀行の推移表から、2025年7月以降の長期プライムレートを並べます。2025年7月の2.20%から2026年6月の3.15%まで0.95%上がりましたが、2026年3月10日には2.90%から2.80%へ下がっています。据え置きの月もあり、2025年8月と2026年7月は変更がありませんでした。

適用開始日長期プライムレート前回比
2025年7月10日2.20%−0.05%
2025年9月10日2.30%+0.10%
2025年10月10日2.40%+0.10%
2025年11月11日2.45%+0.05%
2025年12月10日2.60%+0.15%
2026年1月9日2.75%+0.15%
2026年2月10日2.90%+0.15%
2026年3月10日2.80%−0.10%
2026年4月10日3.00%+0.20%
2026年5月8日3.05%+0.05%
2026年6月10日3.15%+0.10%

この3.15%がどれくらいの水準かは、もっと古い表を見ると分かります。日本銀行の1989年〜2000年の推移表で3.15%を上回っていたのは1996年6月12日からの3.3%が最後で、同年9月11日に3.0%へ下がりました。2001年以降で最も高かったのは2008年11月11日の2.45%です。つまりいまの3.15%は、1996年9月以来、約29年9か月ぶりの高さにあたります。

自分の借入がどちらに連動しているか確かめる3つの手順

「日銀が利上げしたのに、うちの返済額は変わっていない」という状態は珍しくありません。基準金利が長期プライムレート連動で見直しが年1回なら、短期プライムレートが動いた月にすぐ反応しないのは仕組みどおりです。次の順で確認します。

  1. 金銭消費貸借契約書の「利率」「基準金利」の条項を開く。ここに連動先の名前が書かれています
  2. 「短期プライムレート」なら年2回程度、「長期プライムレート」なら毎月または年1回、「TIBOR」「市場金利」なら3か月ごとなど、見直しの周期が条項に併記されています
  3. 周期が読み取れないときは、返済予定表に記載された適用金利の変更履歴を見る。過去2年で何回変わったかで実際の周期が分かります

固定金利で借りているなら、固定期間中は今回の水準は関係しません。効いてくるのは固定期間が満了して切り替わるときです。満了年月を返済予定表で確認しておくと、そのときの手取りを先に計算できます。

私はここを見ています

私は、賃貸や店舗の借入を抱えている人にとって、いま押さえるべきは3.15%という水準そのものではなく、この数字が毎月動くという性質のほうだと考えています。理由は3つあります。

1つ目は、実際に毎月動いているからです。2025年7月から2026年6月までの12か月で、据え置きだったのは2025年8月だけでした。2026年7月も据え置きでしたが、その前の11か月はほぼ毎月改定されています。年2回程度しか動かない短期プライムレートの感覚で構えていると、想定より早く条件が変わります。

2つ目は、下がる月があるからです。2026年3月10日の0.10%引き下げは、上昇局面でも一方通行ではないことを示しています。借換えを「金利が落ち着いてから」と待つ判断は、動く頻度が高いぶん、待っている間の総額差のほうが大きくなりやすいと私は見ています。

3つ目は、報じられ方の偏りです。8月3日の短期プライムレート改定は各紙が扱いましたが、長期プライムレートが1996年以来の高さにあることは、住宅ローンの記事の陰でほとんど扱われていません。事業用の借入を持つ人ほど、自分で数字を取りに行く必要があるという状況です。

なお、次の公表はこれまでの間隔どおりなら2026年8月10日前後です。みずほ銀行のサイトに掲載されるので、借入がある方はその日に一度開いてみてください。

生活・仕事にどう効くか

  • 新しく借りるとき:8,000万円・25年・元利均等で試算すると、1年前の2.20%なら月346,927円、いまの3.15%なら月385,640円。差は月38,713円、年464,556円。25年の総額では約1,161万円違う。
  • 利回りの計算:表面利回り7%の物件でも、返済比率が上がるぶん手残りは減る。金利0.95%の差は、8,000万円の借入で年46万円ぶんの家賃収入が消えるのと同じ意味になる。
  • 借換えの判断:長期プライムレートは毎月9日前後に見直され、2026年3月10日には2.90%から2.80%へ下がった月もある。年2回しか動かない短期プライムレートとは、借換えを検討するタイミングの考え方が変わる。

結局どうすればよいか

  • 金銭消費貸借契約書か返済予定表を開き、基準金利が「短期プライムレート」「長期プライムレート」「市場金利」のどれと書かれているかを確認する
  • 長期プライムレート連動なら、次の見直し時期と、見直しが年1回か数年ごとかを金融機関に聞く
  • 新規に借りる予定があるなら、いまの3.15%だけでなく1年前の2.20%との差額(8,000万円25年で年46万円)を返済計画に入れておく

あわせて読む・調べる

くわしく知る(保存版の記事)

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公式出典

更新履歴

  • 2026年8月9日 初版を公開

※本記事は2026年8月9日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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