山形県米沢市で、国の「冠水想定箇所」に載っているのは5か所です。そのうち通町(とおりまち)ガード、花沢ガード、塩井(しおい)アンダーパスの3か所は、市の被害報告に「道路冠水」で通行止めになった記録があります。2022年8月3日からの大雨では、花沢ガードと塩井アンダーについて「車両水没」と書かれています。
国の一覧に無い道も止まっています。万世町桑山(ばんせいちょうくわやま)の「桑山アンダー」は、2022年と2023年の大雨でどちらも冠水し、通行止めになりました。
この記事でわかること
- ✓ アメダス米沢で1日の雨が多かった上位3日(2022年8月3日・2019年10月12日・2023年6月28日)は、どれもその大雨・台風の市か県の報告に、米沢市の道路の冠水か家の浸水が載っています
- ✓ 2015年からの県の報告で、米沢市の家の浸水がいちばん多かったのは2022年8月の25棟です
- ✓ 市は2026年3月、下水道の区域に1時間150ミリの雨が降った場合に内水で浸水する区域を指定し、深さの図を公表しています
雨の日に「米沢の冠水情報」を見る公式ページ
通れない道は、道の管理者ごとにページが分かれています。
- 山形県の通行規制情報(県が管理する国道・県道。米沢市は「置賜」の地域)
- 国土交通省 山形河川国道事務所「リアルタイム道路情報」(国道のライブカメラと交通規制)
- 米沢市「通行規制情報」(市道)
- 山形県 河川・砂防情報・川の防災情報(最上川・羽黒川などの水位とカメラ)
- 気象庁 キキクル(浸水害・洪水の危険度)
市の公式LINEは、受信設定をしないと「災害等の重要情報しか受け取れなくなります」と市が案内しています。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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国の一覧は5か所。4か所は線路や道路の下をくぐる道
国土交通省 東北地方整備局の「冠水想定箇所」は、山形県で78か所。米沢市は5か所で、県道が3か所、市道が2か所です。説明表の番地と備考の欄は、5か所とも空いています。
AからCは線路の下です。Aの市野々ガードは山の中で、位置図では県道が線路の下をくぐります(地理院地図ではJR奥羽本線)。Bの通町ガードはJR米坂線、Cの花沢ガードは米沢駅の北でJR奥羽本線(山形新幹線)の下です。Eの塩井アンダーパスは、道路(OpenStreetMap(オープンストリートマップ)では国道121号)の下をくぐる市道です。
Dの「六部跨線橋(こせんきょう)東側」だけは、下をくぐる道ではありません。県道米沢高畠線が線路を越える橋の、東側の区間です。

地図の記号と同じ順です
A 市野々ガード(国の一覧)
県道 板谷米沢停車場線が線路(地理院地図ではJR奥羽本線)の下をくぐる道 管理番号 山形県-02-260
住所:米沢市市野々(番地の記載なし)。説明表の位置図に「大石沢」と400メートルの等高線がある山の中
管理: 山形県置賜総合支庁 0238-26-6080 / 警察: 米沢警察署
※ 今回読んだ市と県の被害の報告に、市野々ガードの名前は出てきません
B 通町ガード(国の一覧)
県道 板谷米沢停車場線がJR米坂線の下をくぐる道 管理番号 山形県-02-261
住所:米沢市通町(番地の記載なし)
管理: 山形県置賜総合支庁 0238-26-6080 / 警察: 米沢警察署
※ 説明表の写真では、壁に黄色と赤の帯と「最深部 50cmライン」の表示があります
C 花沢ガード(国の一覧)
市道 花沢バイパス松川橋線がJR奥羽本線(山形新幹線)の下をくぐる道 管理番号 山形県-02-462
住所:米沢市駅前一丁目(番地の記載なし)。米沢駅の北
管理: 米沢市役所 0238-22-5111 / 警察: 米沢警察署
※ 説明表の写真では、入口に高さ制限の標識があります
D 六部跨線橋東側(国の一覧)
県道 米沢高畠線が線路を越える橋の東側の区間 管理番号 山形県-02-263
住所:米沢市下花沢三丁目(番地の記載なし)。国道13号の手前
管理: 山形県置賜総合支庁 0238-26-6080 / 警察: 米沢警察署
※ 説明表の写真は、くぐる形ではない曲がった道です。ピンは区間の目安
E 塩井アンダーパス(国の一覧)
市道 坊中町春日三丁目線が道路の下をくぐる道(上の道はOpenStreetMapでは国道121号) 管理番号 山形県-02-464
住所:米沢市塩井町塩野(番地の記載なし)
管理: 米沢市役所 0238-22-5111 / 警察: 米沢警察署
※ 説明表の写真では、入口に「高さ制限」の表示があります
1 万世町桑山(桑山アンダー・桑山ボックス)
市の報告の呼び名は「桑山アンダー」(市道 桑山住宅1号線外)と「桑山ボックス」(市道 桑山南廻り西線)
ピンは万世町桑山の住所検索の代表点です。市の答弁では「万世町桑山地内の国道13号のアンダーパス」ですが、番地は無く、アンダーの位置ではありません
管理: 米沢市
3 花沢町(県道 米沢高畠線)
県の報告に場所は「米沢市花沢町」とだけ書かれています
ピンは花沢町の住所検索の代表点です。県の報告に番地は無く、Dと同じ場所かは分かりません
管理: 山形県
Googleマップのリンクは、A〜Eは説明表の位置図を国土地理院の地図と道路地図OpenStreetMapに重ねて合わせた点、1〜3は町の代表点で開きます。住所検索に「市野々」が無いため、標高は載せていません。
2022年8月3日:花沢ガードと塩井アンダーで「車両水没」
市の被害報告(第17報、2022年12月9日17時現在)の市道の表で、「道路冠水」で全面通行止め(一部全面を含む)になったのは次の7か所です(ほかに市道落合線が一部区間を通行止め)。時刻は通行止めを解いた時刻で、始まった時刻は書かれていません。
| 市の報告の場所 | 路線 | 報告の中身 | 解除 |
|---|---|---|---|
| 花沢ガード(国の一覧C) | 市道 花沢バイパス松川橋線 | 道路冠水、車両水没 | 8月4日5時 |
| 塩井アンダー(国の一覧E) | 市道 坊中町春日三丁目線 | 道路冠水、車両水没 | 8月5日10時30分 |
| ケーズデンキ前 | 市道 春日三丁目美女塚線 | 道路冠水、車両水没(一部全面通行止) | 8月4日3時30分 |
| 桑山アンダー | 市道 桑山住宅1号線外 | 道路冠水、大雨による水路閉塞 | 8月4日11時30分 |
| 桑山ボックス | 市道 桑山南廻り西線 | 道路冠水、大雨による水路閉塞 | 8月4日11時30分 |
| 外ノ内公民館付近 | 市道 外ノ内住宅3号線 | 道路冠水 | 8月4日6時 |
| 浄水管理センター付近 | 市道 金内橋中田町線 | 道路冠水 | 8月4日13時 |
県道も止まりました。県の報告によると、米沢高畠線の花沢町(はなざわちょう)が路面冠水で、8月3日13時から14時15分までと、18時15分から翌4日1時10分までの2回、全面通行止めになっています。県の報告に番地は無く、国の一覧のD(下花沢三丁目)と同じ場所かどうかは分かりません。
2023年6月28日:通町ガードと桑山アンダーが通行止め
市の報告(第5報、2023年7月10日17時現在)では、国の一覧のBの通町ガードが道路冠水で全面通行止めになり、6月28日17時50分に解除されています。桑山アンダーは29日12時、「米工東側」の市道は29日8時に解除。花沢ガードと塩井アンダーは、規制は「無」で「点検実施」と書かれています。
この日、アメダス米沢(アルカディア一丁目付近)の1時間の雨は51.5ミリで、1976年からの記録で2位でした(1位は1983年9月8日の55ミリ)。通町ガードなどで降った量ではありません。
国の一覧に無い「桑山アンダー」
万世町桑山の市道は、2016年8月30日の台風10号でも、桑山南廻り西線(2022年の「桑山ボックス」と同じ路線)が歩道冠水で、歩道が通行止めになりました(県の報告)。
市の建設部長は2023年6月13日の市議会で、アンダーパスは「周辺地盤より道路が低い状況のため、雨水がたまりやすく」、車が水没する事故が起きやすいと説明しました。そのうえで「交通量の多い桑山アンダーパス部では、通行者への注意喚起のため、エアー遮断機を設置し、道路冠水時には各所に誘導員を配置し、交通誘導により安全対策を図ることとしております」と答えています。
遮断機はすでに付いています。2022年9月28日の市議会の決算特別委員長報告によると、市は、遮断機は「万世町桑山地内の国道13号のアンダーパスに設置」したもので、冠水10センチで作動し、2022年7月17日と8月3日に作動したと答えています。
読者
2022年に冠水した場所が多かった理由を、市はどう見ているんですか?
建設部長は同じ答弁で、「道路側溝、集水ますや水路の土砂堆積で排水機能を十分に発揮できていないため、冠水が発生している箇所が多い状況」だったと話しています。前年9月には市民環境部長が「想定外のところで浸水なり冠水なりというのが至るところで起こった」と答えました(どちらも市の答弁)。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します
米沢の大雨被害:1日の雨と浸水した家(県の報告)
2022年8月3日、アメダス米沢の1日の雨は239.0ミリで、1976年からの記録で1位でした。2位の2019年10月12日(台風19号)より54ミリ多い雨です。

県の災害情報のページがある2015年以降、県の報告に米沢市の家の浸水が出たのは4回です。2022年8月は床上4棟・床下21棟で、2019年の台風19号(床下4棟)の6倍を超えます。

市の報告では、床上浸水は窪田町窪田(くぼたまちくぼた)が2棟、下小菅(しもこすげ)と長手(ながて)が1棟ずつ。床下浸水は下新田(しもにいだ)の5棟が最も多く、大町五丁目・矢来二丁目・中央五丁目でも1棟ずつありました。
この日は川の水位も上がりました。市は広幡・六郷・窪田の3地区、3,104世帯に避難指示を出し、誕生川(たんじょうがわ)の堀金の水位計は避難判断水位の2.40メートルを超える3.63メートル。県の報告には誕生川(広幡町)と最上川(上新田)の溢水も載っていますが、どちらにも「家屋浸水あり」の印は付いていません。市の報告は、家に入った水が川からか雨水かを書いていません。
雨の値はアメダス米沢1か所のもので、浸水した家やアンダーパスの場所で降った量ではありません。
米沢市の浸水想定区域:洪水の図と内水の図
浸水想定区域の地図は2種類です。川があふれた場合の洪水の地図と、下水道や側溝で雨水を流しきれない場合の内水の地図です。
内水の地図は、市の下水道課が「雨水出水浸水想定区域図」として公表しています。水防法に基づき2026年3月に指定したもので、下水道の区域に総雨量362.0ミリ、ピークの1時間に150ミリの雨を想定しています。市のページは「令和4年8月に発生した豪雨の約1.4倍の雨」と説明しています。
内水の図を見るときの注意は3つです。色が付くのは赤線で囲んだ「公共下水道等の排水区域」の中だけで、外は「対象外」です。川の氾濫は入っていません。雨水ますの詰まりで起きる浸水は、計算に反映しきれないと書かれています。国土地理院の「重ねるハザードマップ」の内水の一覧に米沢市は無いので、市のPDFで見てください。
洪水は市の防災マップで、最上川・羽黒川・鬼面川(おものがわ)・誕生川などの浸水の深さが見られます。2025年5月に追加指定された区域は、防災マップの更新まで県のページで見るよう市が案内しています。市は2026年2月の市政運営方針で、「内水浸水実績区域」も加えて防災マップを更新するとしています。
読者
借りる部屋が内水の図で色の付いていない場所なら、安心ですか?
市の図は「雨の降り方によってはこの図に示されていない場所でも浸水する可能性があり」と書いています。家の前の道がどちらへ下っているか、通勤の道にくぐる所がないかも見ておいてください。
\内水の図とは別に、洪水と土砂の区域を住所で見る/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に、その住所が入っているかを出します
山形県のほかの市はどうなっているか
- 道路冠水マップ どこで見られるの?(全国の一覧と、市区ごとの記事のまとめ)
- 山形市 冠水 どこが危ないの?(国の一覧で山形県最多の15か所)
公式出典
- 国土交通省 東北地方整備局「道路防災情報Webマップ」冠水想定箇所 山形県(一覧と説明表 yamagataken-02-260・261・263・462・464。2026年9月23日取得)
- 米沢市「令和4年8月3日からの大雨に関する被害情報等」(被害報告 第17報・令和4年12月9日17時現在)・「令和5年6月28日からの大雨に関する被害情報等」(第5報・令和5年7月10日17時現在)
- 山形県「災害情報」(8月3日からの大雨(令和4年)・台風第19号に係る被害状況(令和元年)・台風10号(平成28年)・台風9号(平成28年)・9月9日からの大雨(平成27年))。各回の最新報。令和4年は令和5年3月22日17時現在
- 山形県「7月27日からの大雨に関する災害対策本部員会議」(令和2年。第7回資料・8月16日9時現在の住家被害の表)
- 気象庁「過去の気象データ」米沢 観測史上1〜10位の値
- 米沢市議会 会議録(令和4年9月5日・令和5年6月13日の一般質問、令和4年9月28日の決算特別委員長報告、令和8年2月24日の市政運営方針)
- 米沢市「雨水出水浸水想定区域図を公表します」「米沢市防災マップ(ハザードマップ)」「通行規制情報」「公式SNS」
- 国土地理院「重ねるハザードマップ」内水(雨水出水)浸水想定区域 掲載状況一覧
- 国土地理院 地理院タイル(地図)・住所検索API(町の代表点)
- 道路・線路の位置:OpenStreetMap(© OpenStreetMap contributors)
この記事の数値は公表資料を集計したものです(2026年9月23日取得)。避難や通行の判断は、必ず米沢市と山形県の最新の発表を確認してください。
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