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奥州市 冠水 どこが危ないの?

岩手県奥州市で、国の「冠水想定箇所」に載っているのは3か所です。水沢区花園町(はなぞのちょう)、前沢区の赤面(あかつら)と古城(こじょう)で、3か所ともJR東北本線の下をくぐる市道です。

ただ、2026年8月2日に前沢の白鳥舘(しろとりだて)で13世帯37人が一時孤立したとき、市が原因に挙げたのは「北上川の増水による道路の冠水」でした。

この日、県の報告では3時に、北上川沿いの県道一関北上線が「北上川水位上昇による冠水のため」全面通行止めになりました。大曲橋(おおまがりばし)観測所(前沢区白山=しらやま)で氾濫危険水位に達したとして、北上川上流にレベル4氾濫危険警報が出たのは7時10分でした(岩手日報の8月2日の記事。岩手河川国道事務所と盛岡地方気象台の発表の原文は見つかっていません)。道の通行止めは、その4時間10分前に始まっていました。

この記事でわかること

  •  市の都市整備部長は、前沢の市道福養線を「真っ先に冠水して毎回被害を受ける」道に挙げています(2020年9月の答弁)
  •  2018年5月は雨の中心が盛岡など北上川の上流でしたが、前沢で市道福養線と赤生津橋の県道が冠水で通行止めになりました(市議会の委員会報告)
  •  市のハザードマップの情報ページは、「支川の氾濫および内水の氾濫は考慮されていない」と書いています
目次

雨の日に、奥州市で「通れない道」と北上川の水位を見るページ

「奥州市 冠水情報」と調べている人は、まず次の公式ページを開いてください。

北上川が氾濫危険水位を超えたときなどは、国の緊急速報メールが奥州市全域の携帯電話に届きます(市の案内・登録不要)。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。

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鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。

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国の一覧の3か所(水沢区花園町・前沢区赤面・前沢区古城)と連絡先

国土交通省 東北地方整備局の「冠水想定箇所」は岩手県で80か所、奥州市は3か所です。説明表の管理者は3か所とも奥州市です。

Aは水沢駅の北、Bは前沢駅の南で白鳥川の近く、Cは陸中折居(りくちゅうおりい)駅の南にあります。

奥州市の冠水想定箇所と、前沢の冠水・孤立の記録がある場所の地図
A〜Cが国の一覧の3か所。1〜3は市・県の記録に出てくる場所、4・5は水位観測所

地図の記号と同じ順です

A 大町杉ノ堂線(国の一覧)

市道がJR東北本線の下をくぐる所 管理番号 岩手県-02-042

住所:奥州市水沢区花園町1丁目1番4号地先(説明表)。水沢駅の北

管理: 奥州市都市整備部土木課 0197-24-2111 / 警察: 水沢警察署 0197-25-0110 / 消防: 水沢消防署 0197-24-7211

※ 説明表の写真では、入口の上に「徐行区間」の表示があります

A をGoogleマップで開く

B 高畑赤面線(国の一覧)

市道がJR東北本線の下をくぐる所 管理番号 岩手県-02-043

住所:奥州市前沢区字赤面20-1地先(説明表)。前沢駅の南、白鳥川の北

管理: 奥州市前沢総合支所地域整備課 0197-56-2111 / 警察: 水沢警察署 / 消防: 水沢消防署

B をGoogleマップで開く

C 小山新山線(国の一覧)

市道がJR東北本線の下をくぐる所 管理番号 岩手県-02-044

住所:奥州市前沢区古城字舘合下49-21地先(説明表)。陸中折居駅の南、国道4号の東

管理: 奥州市前沢総合支所地域整備課 0197-56-2111 / 警察: 水沢警察署 / 消防: 水沢消防署

※ 説明表の写真では、道の脇に電光表示の板が立っています

C をGoogleマップで開く

1 前沢 白鳥舘

2026年8月2日に一時孤立(市長のメッセージ・県の報告)

ピンは住所検索の「前沢白鳥舘」の代表点。孤立した家の場所ではありません

1 をGoogleマップで開く

2 県道長坂束稲前沢線 赤生津橋

2018年5月19日・2020年7月28日・2026年8月2日に冠水で通行止め(市議会の委員会報告・県の報告)

ピンは赤生津橋。2026年の通行止めの区間は前沢字八幡〜前沢生母字荒谷

管理: 岩手県

2 をGoogleマップで開く

3 県道一関北上線(前沢生母〜水沢黒石町)

2026年8月2日3時〜17時30分、北上川水位上昇による冠水で全面通行止め(県の報告)

ピンは区間の途中の県道の上。区間は前沢生母字天王〜水沢黒石町字鶴城

管理: 岩手県

3 をGoogleマップで開く

4 大曲橋水位観測所(北上川・国)

前沢の北上川の水位を見る基準観測所

所在地:奥州市前沢区白山字船橋(岩手河川国道事務所)

4 をGoogleマップで開く

5 白鳥橋水位観測所(白鳥川・県)

白鳥川の水位を見る観測所。氾濫危険水位は設定されていません

所在地:奥州市前沢区字川内(かわうち)24-1(川の防災情報)

5 をGoogleマップで開く

Googleマップは、A〜CはOpenStreetMap(オープンストリートマップ)の線路の下の道、1は住所検索の代表点、2・3は県道の上の点、4・5は観測所の位置で開きます。住所の代表点が線路の脇に落ちるため、標高は載せていません。

2010年12月の市議会では前沢の議員が、2002年の豪雨でアンダーパスの排水がうまくいかず「自動車が突っ込んで」と話し、市の部長は「前沢区の大桜ガード」のことだろうと答えました。Bと同じ場所かどうかは、資料からは分かりません。

岩手日報(9月19日)によると、県は管理するアンダーパス9か所で、冠水が起きる前に通行止めにする「事前通行規制」の導入を決めました。県の発表資料は見つかっておらず、9か所の場所も記事の無料部分には書かれていません。A〜Cは説明表では市の管理です。

2026年8月2日、前沢の白鳥舘が一時孤立した日

市長のメッセージによると、この大雨の降り始めからの雨は胆沢若柳(いさわわかやなぎ)で244ミリ、江刺(えさし)で181ミリでした。どちらも前沢で降った量ではありません。孤立した場所は「前沢字白鳥舘地内」と書かれています。県の報告では、奥州市の避難指示は2日7時20分から3日8時15分までで、対象は孤立と同じ世帯数でした。

県の第9報兼最終報(8月3日17時15分現在)に載る、奥州市内の北上川沿いの県道の通行止めは次の3区間です。理由の欄は3つとも「北上川水位上昇による冠水のため」でした。この後に出た8月20日15時の版は、解除された区間を載せていません。

区間 閉まった時刻 解除
県道一関北上線 前沢生母(せいぼ)字天王〜水沢黒石町(くろいしちょう)字鶴城 8月2日3時00分 2日17時30分
県道一関北上線 水沢黒石町字内堀〜羽田町(はだちょう)字沼尻 8月2日4時30分 2日17時30分
県道長坂束稲前沢線 前沢字八幡(やわた)〜前沢生母字荒谷 8月2日5時15分 3日11時30分(一部片側交互通行)

この大雨で、奥州市全体の家の被害は床上浸水4棟・床下浸水8棟でした(県の8月20日15時の版。町名は書かれていません)。県は、奥州市の白鳥川と小田代川を「溢水・越水」した川に挙げ、区分を「外水(背水含む)」としています。

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孤立も県道の通行止めも、原因は北上川の水位と書かれています。雨水が道にたまる冠水(内水)とは別の記録です。

読者

白鳥舘の孤立は、どの道が水に浸かったからですか?

おかあさん

市のメッセージにも県の報告にも、道の名前は書かれていません。

前沢の冠水で市議会に名前が出る市道福養線

市議会で、前沢の冠水の場所として繰り返し出てくるのが市道福養線です。2013年2月の市長答弁は、この道が「JR東北本線と白鳥川に挟まれた区域」にあり、北上川の側が無堤地区のため「洪水時には北上川の増水とそれに伴う白鳥川への逆流などにより冠水し、その都度通行が不可能」になると説明しています。

2020年9月には都市整備部長が、前沢の福養線を「白鳥舘の遺跡へ向かう鉄道沿いの道路の区間」と説明しました。根本的な対策は「道路をかさ上げするしかない」ものの、事業費がネックで実現していないと答えています。その後かさ上げされたかどうかは、確かめられませんでした。

読者

福養線はどこからどこまでですか?

おかあさん

答弁の言葉は「白鳥舘の遺跡へ向かう鉄道沿いの道路の区間」までで、起点と終点は書かれていないので、地図にもピンは立てていません。

北上川の大曲橋の水位と、前沢の道の通行止め

市議会の委員会報告によると、2018年5月18日は盛岡市など北上川の上流域を中心に、24時間で100ミリを超える雨でした。19日3時、大曲橋観測所の水位が氾濫注意水位の3メートルを超えて3.2メートルに達し、赤生津(あこうづ)開田地区の農道と市道が冠水。6時に市道福養線、正午には赤生津橋の生母側の県道が冠水して、通行止めになりました。

大曲橋観測所の北上川の基準の水位と、前沢の道が冠水した日の記録
2018年は3.2メートルに達した3時間後に福養線が通行止め。2026年8月2日9時は5.62メートル

赤生津橋の県道は、2016年度からの県の報告と2018年の市議会の委員会報告で3回(2018年5月・2020年7月・2026年8月)、冠水で閉まっています。2020年7月28日は12時40分から翌朝8時30分まで、理由は「路面冠水のため」でした(県の報告)。

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2026年8月2日の最高水位の値は、公開されているデータから取れませんでした。共同通信が配信した洪水予報第11号(2日9時20分発表)では、9時の大曲橋の水位は5.62メートルでした。

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奥州市で家が浸水した大雨は、2016年度からの県の報告で9回

県の防災情報ポータルに2016年度から公開されている大雨・台風の報告を読むと、奥州市の家の浸水(床上・床下)が載っていたのは9回でした。最も多いのが2026年8月1日からの大雨の12棟です。

奥州市で家が浸水した大雨(県の報告・2016年度から)
2026年8月1日からの大雨の12棟が最多。場所が書かれた回では前沢が4回出てくる

場所が書かれた回では、前沢が4回出てきます(2018年6月、2020年7月、2022年8月、2023年8月)。

アメダス若柳(胆沢若柳付近)では、2026年8月1日の1日の雨が147.0ミリで、1976年からの記録で2位でした。8月8日の1時間52.0ミリは1位です。県の報告では、8月8日に奥州市で床下浸水2棟が出ています。どちらも若柳の雨量計1か所の値で、浸水した場所で降った量ではありません。

読者

前沢でどれだけ降ったかは分かりますか?

おかあさん

2020年9月の市議会で、前沢地域に雨量計が無いことが取り上げられ、市は近くの観測地点の値から推定していると答えました。前沢の冠水は北上川の水位でも起きるので、雨だけでなく大曲橋の水位も見てください。

住む前・借りる前に見る地図

奥州市のハザードマップは、市内19の中小河川の洪水浸水想定区域などが指定されたのを受けて、2026年3月に改訂されました。

情報ページには「支川の氾濫および内水の氾濫は考慮されていない」とあり、浸水想定区域に入っていない場所でも浸水することがあると書いています。国土地理院の重ねるハザードマップで内水の浸水想定区域が見られる市町村の一覧にも、岩手県の市町村はありません。

  • 家や通勤の道が、北上川の洪水の浸水想定区域の色の中にあるかを見る
  • 前沢の北上川沿い(白鳥舘・赤生津・生母)は、大曲橋の水位が上がりはじめたら、県道の通行止めを先に確かめる
  • 線路の下をくぐる道は、大雨の日は手前で止まり、水がたまっていないかを見てから通る

\洪水の浸水想定に家が入るかを住所で確認/

住所で洪水と土砂の公的データを見てみる ▶

洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に、その住所が入っているかを出します(道路の冠水や内水は出ません)

岩手県のほかの市はどうなっているか

公式出典

この記事の数値は公表資料を集計したものです(2026年9月23日取得)。避難や通行の判断は、必ず奥州市と岩手県の最新の発表を確認してください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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