
9月8日、名古屋市千種区で1時間に104.5ミリ降りました
東海に集まった理由は、9月8日にさかのぼります。
この日、愛知県西部で線状降水帯が発生し、名古屋市千種区で1時間に104.5ミリを観測しました。2000年の東海豪雨を超える、観測史上最大の時間雨量です。
愛知県西部では道路が冠水し、複数の車が水に浸かって立ち往生しました。名古屋国道事務所は同じ日の19時に、災害対策基本法にもとづいて国道19号・22号・302号の愛知県内の区間、あわせて116.6キロを指定しています。放置された車を動かして、緊急車両が通れる道を確保するためでした。
今回アンダーパスが追加された路線を見ると、国道22号の一宮市丹陽町と、国道302号の清須市一場町は、その日に車両の移動作業が行われた路線そのものです。
何ミリで閉めるかは、まだ公表されていません
ここが、このニュースでいちばん抜け落ちている部分です。
発表の資料には、規制基準について「防災気象情報や時間雨量を踏まえて設定することとしていますが、詳細は、追って、各地方整備局から記者発表します」とだけ書かれています。9月17日の朝の時点で、中部地方整備局の記者発表資料に基準の発表は出ていません。
つまり今日の段階では、22か所が何ミリで閉まるのかを、運転する側から知る方法がありません。閉めることは決まったけれど、いつ閉まるかは分からない、という状態です。
基準が分からないなら、閉まっているかどうかはどう知るんですか?
道路情報板と、各事務所の交通情報です。ただ大雨の最中に調べるのは難しいので、降る前に迂回路を1本決めておくほうが早いです。
大曽根では、68台を入れたまま地下駐車場を先に閉めました
「先に閉める」が実際にどう効くかは、同じ名古屋国道事務所が9月10日に出した別の発表で分かります。
国道19号の大曽根(おおぞね)国道駐車場(名古屋市北区)は、9月8日の15時40分に止水板を立てて閉鎖しました。中には68台が停まったままでした。解除は翌9日の朝7時です。周辺の道路が約50センチ冠水するなか、駐車場の中への浸水はゼロで、68台とも無事でした。
この地下駐車場の予防的閉鎖も、2025年9月に四日市市の地下駐車場が浸水した事案を受けて、2026年3月にガイドラインができたばかりのものです。浸水してから動くのではなく、警報の段階で閉める。アンダーパスの22か所も、この考え方を道路へ広げたものだと私は見ています。
全国3,841か所のうちの、22か所です
最後に規模の話をします。国土交通省が数えた全国のアンダーパスは、2025年3月末の時点で3,841か所あります。国と自治体が管理する道路の合計です。
| 県 | アンダーパスの箇所数 | 今回、先回りで閉まる箇所 |
|---|---|---|
| 新潟県 | 231 | 1 |
| 愛知県 | 175 | 4 |
| 大阪府 | 171 | 2 |
| 岐阜県 | 145 | 2 |
| 京都府 | 113 | 2 |
| 三重県 | 106 | 1 |
| 千葉県 | 95 | 1 |
| 秋田県 | 72 | 1 |
| 広島県 | 69 | 1 |
| 全国 | 3,841 | 22 |
22を3,841で割ると0.57パーセント、約175か所に1か所です。新潟県は231か所あって、対象は新潟西バイパスの1か所だけ。「対策が拡大した」と聞いて自分の通勤路も入ったと思うと、まず外れます。
水がたまったアンダーパスは、入口から見ても深さが分かりません。手前が浅く見えても、いちばん低いところは50センチを超えていることがあります。車が止まってしまうと、ドアは水圧で開きません。入口に水が見えたら、深さを見きわめようとせずに引き返す——これだけは、22か所に入っていてもいなくても同じです。
生活・仕事にどう効くか
- アンダーパスは、水がたまってから気づくと引き返せません。先回りして閉める場所が7か所から22か所に増えたのは、閉める判断を現場の目視から気象情報に移したということです。
- ただし基準は今のところ公表されていません。「防災気象情報や時間雨量を踏まえて設定する」とあるだけで、詳細は各地方整備局から追って発表されます。
- 全国のアンダーパスは3,841か所あります。今回の22か所は約175か所に1か所で、自分の通勤路が入っている可能性は高くありません。
結局どうすればよいか
- 自分が毎日くぐるアンダーパスが、この22か所に入っているかを確かめる
- 入っていないほうが多いので、市区町村が出している冠水しやすい場所の一覧も見る
- 水がたまっている入口を見たら、深さを見きわめようとせずに引き返す
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 国土交通省 道路局 国道・技術課「直轄国道のアンダーパス 予防的な事前通行規制の導入拡大について」(2026年9月16日発表)
- 同 別紙「直轄国道の予防的な事前通行規制の導入拡大箇所」(PDF)(2026年9月16日発表)
- 国土交通省 中部地方整備局 名古屋国道事務所「令和8年9月名古屋市周辺の道路冠水災害に係る交通マネジメント検討会(第1回)の開催結果について」(2026年9月9日発表)
- 国土交通省 中部地方整備局 名古屋国道事務所「地下駐車場の予防的閉鎖により浸水被害を未然防止」(2026年9月10日発表)
- 国土交通省 中部地方整備局 道路防災情報Webマップ 道路冠水注意箇所一覧(愛知県)(2026年9月8日発表)
- 国土交通省「全国のアンダーパス部の箇所数(都道府県別)」(令和7年3月31日時点)(2026年9月17日発表)
- Yahoo!知恵袋 2026年9月6日の投稿(2026年9月6日発表)
更新履歴
- 2026年9月17日 初版を公開。22か所の一覧と読み方は国土交通省の2026年9月16日の報道発表の別紙から、名古屋市の被災状況と大曽根国道駐車場の閉鎖実績は中部地方整備局名古屋国道事務所の記者発表から、全国と県別のアンダーパス箇所数は国土交通省の一覧(令和7年3月31日時点)から取りました。規制基準は各地方整備局から追って発表されます。
※本記事は2026年9月17日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。









コメント