日立市で大雨のときに水がたまるおそれがある道は、茨城県の一覧で4か所です。4か所とも、JR(ジェイアール)の線路の下をくぐる道でした。
その4か所は2026年9月7日から、雨の前に閉める道になりました。県が選んだ9か所のうち、4か所が日立市です。
同じ「冠水しやすい道」を国の資料で数えると、日立市は3か所にも11か所にもなります。
この記事でわかること
- ✓ 国の県別PDFにだけある8か所は、7か所が国道6号です
- ✓ 留町は標高2.2メートル。市内256町丁目のうち下から2番目です
- ✓ 市役所を沈めたのは久慈川ではなく、庁舎の脇の数沢川と平沢川です
箇所の数・道路種別・路線名・地先名は、茨城県「道路冠水危険箇所一覧」(2026年9月11日更新)と、国土交通省 関東地方整備局「道路冠水注意箇所」の茨城県分から数えました。地図から開ける一覧が31か所、令和8年9月8日更新の県ごとのPDFが63か所です。雨の前に閉める規制は茨城県土木部の2026年9月7日の資料提供、市役所の浸水と対策は日立市の本庁舎浸水対策ワーキングと庁舎安全対策計画、ハザードマップと情報配信の内容は日立市の公表ページ、雨の観測は日立市天気相談所から取りました。標高は国土地理院の標高データで、町丁目の代表点で引いた値です。
9月7日から、雨の前に閉める4か所になりました
茨城県土木部が2026年9月7日に出した資料の題が「アンダーパス部における予防的事前通行規制の導入について」です。
きっかけは2026年8月の「令和8年8月千葉豪雨」。「アンダーパスの冠水により人的被害等が発生したことを踏まえ」「冠水のおそれがある県管理道路のアンダーパス9箇所において、9月7日から予防的な事前通行規制を導入いたしました。」
水がたまってから止めるのではなく、たまる前に閉める。9か所の内訳は日立市4、守谷市2、つくば市2、筑西市1です。

閉める条件は3つ。「(1)レベル4の大雨危険警報が発表された場合(2)1時間雨量が 50mm に到達した場合(予測を含む)(3)県または県警が冠水の可能性があると判断した場合」。
2つ目には「予測を含む」が付きます。降り切ってからではなく、降る前に条件へ入るということです。
導入した日の未明には、もう動いています。「9月7日未明の豪雨では、県管理道路のアンダーパス4箇所で規制条件に達したため、事前通行規制を実施しました(現在は全て解除済み)」。この4箇所がどこかは、資料に書かれていません。聞く先は茨城県土木部道路維持課(029-301-4467)です。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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4か所とも、JRの下をくぐる道です
県の「道路冠水危険箇所一覧」に載る日立市の4か所です。道路の管理は高萩工事事務所。
| 番号 | 道路種別 | 路線名 | 地先名又は通称名 |
|---|---|---|---|
| 1 | 国道 | 245号 | 日立市幸町(JR高架下) |
| 2 | 県道 | 日立笠間線 | 日立市多賀町(JR高架下) |
| 3 | 国道 | 293号 | 日立市留町(JR高架下) |
| 4 | 県道 | 日立常陸太田線 | 日立市国分町・鮎川町(JR常磐線下) |
地先名の欄は「JR高架下」が3つと「JR常磐線下」が1つ。例外がありません。
市は「市街地が南北に長く、海と山にはさまれた地形上、狭い範囲に市街地が集積している」と書いています。南北25.9キロ、東は太平洋、西は多賀山地です。
その帯を、国道6号と国道245号とJR常磐線が並んで走ります。東西へ動けば線路をくぐるしかなく、くぐる場所が全部、冠水しやすい道として並びます。

同じ調査なのに、3か所にも11か所にもなります
国土交通省 関東地方整備局も「道路冠水注意箇所」を出しています。地図から1か所ずつ説明表を開ける一覧と、県ごとのPDFの2つです。
茨城県は一覧が31か所、令和8年9月8日更新のPDFが63か所。日立市は一覧で3か所、PDFでは11か所で県の最多でした。
県の一覧は4か所、国の地図は3か所、国のPDFは11か所。同じ市の同じ道路なのに、3つとも数が違います。

差はPDFにだけある8か所で、そのうち7か所が国道6号です。大みか町6丁目、諏訪五差路、池の川さくらアリーナ入口、国土交通省前など、6つの名前に「交差点」が付きます。
交差点は、くぐる道ではありません。理由は表題にあります。茨城県版のPDFは1行目が「道路冠水注意箇所マップ【茨城県】 アンダーパス部以外含む」。同じ関東地方整備局が出している栃木県版・神奈川県版に、この但し書きはありません。

国の説明は「アンダーパス部や過去に冠水が発生した低い土地に位置する道路の情報をとりまとめたもの」。アンダーパス部は「前後に比して道路の高さが局部的に急低下している箇所」を指します。
掘り下がっていない交差点が6つ並ぶのは、日立市の国道6号が後ろ半分の「低い土地」で入っているからだと読めます。

留町は標高2.2メートル、市内で下から2番目です
日立市の町丁目は256。国土地理院の標高データを代表点で引くと、いちばん低いのが久慈町三丁目の1.9メートル、高いのが十王町黒坂の405.3メートルです。
同じ方法で引くと、国道293号がくぐる留町は2.2メートル。256のうち低いほうから2番目でした。
幸町二丁目は26.8メートル、国の説明表が多賀町側の住所に書く東多賀町二丁目は23.8メートル。同じ「JRの下」でも、20メートル以上ちがいます。

ただし標高は町丁目の代表点で引いた値で、道路の底の高さではありません。くぐる道は前後より低いので、路面はこれより下にあります。
この住所は浸水しやすい場所ですか?
住所を入れるだけ。ハザードマップの指定(浸水・土砂・津波)と地盤の強さが5秒で出ます。会員登録も電話番号も要りません。
沈んだのは久慈川ではなく、市役所の脇の川でした
令和5年9月8日、台風第13号の線状降水帯の雨で、日立市役所の本庁舎が浸水しました。
市の「本庁舎浸水対策に関する在り方検討ワーキング」第1回で、原因が確認されています。あふれたのは久慈川でも宮田川でもなく、庁舎のすぐ脇の数沢川と平沢川の合流部でした。
浸水量は約10,000立方メートル、市の言い方で「小学校のプール約26杯分」。地下1階の電気室には「床の電線貫通口の隙間から水が逆流」し、そこは「浸水対策は行われておりませんでした」。
同じ資料にもう一行あります。「庁舎の敷地は、数沢川から国道6号に向かって緩やかに傾斜している」。あふれた水の行き先に、国道6号の名前が出てきます。
市は令和6年9月に庁舎安全対策計画を作りました。目標は「1時間当たり153ミリメートル」の国内最大級の豪雨を10%割り増した「168ミリメートルの降雨に対しても、庁舎機能を継続すること」。令和9年3月までの3か年です。
この計画で、本庁舎の執務棟は不動産レジリエンス認証「ResReal(レジリアル)」水害版の計画認証を受けました。公共施設としては国内初、評価は最高の星5です。一度沈んだ庁舎が、水害に強い建物の見本に回りました。
内水の地図は、水防法に基づきません
日立市はWEB(ウェブ)版のハザードマップを公開しています。その掲載情報の一覧表に、根拠の書き分けがあります。
【県管理河川の洪水】の備考は「水防法に基づく」。対象は県が管理する11河川です。いっぽう【内水】の備考は「水防法に基づかない」。津波の行も「津波地域づくり法に基づかない」と書かれています。
内水は、川があふれる前に雨水そのものがあふれる側のこと。道路に水がたまるのは、たいていこちらです。その地図が法律の外にあり、対象も市街化区域だけになっています。

法律に基づく地図かどうかで、家を買うときや借りるときの説明での扱いが変わります。内水の図は、自分で見に行くことになります。
市役所の4階に、気象予報士がいます
日立市天気相談所は昭和27年に生まれ、気象業務法の予報業務許可を第2号で持っています。場所は市役所の4階で、市内7か所に自前の観測所があります。
それだけの観測網を持つ市でも、住民に届く知らせに道路の項目はありません。「安心ひろめーるプラス」で配信されるのは、気象情報、地震・津波情報、土砂災害警戒情報、河川水位情報、避難関連情報、防犯情報。川の水位は飛んできますが、道路の水は飛んできません。
市が道路について出している数字は、山へ入る2本の基準だけです。県道日立山方線の宮田町と県道十王里美線の十王町高原で、時間雨量25ミリ以上かつ連続雨量80ミリ以上、または連続雨量110ミリ以上で通行止めになります。
今の路面を見る手はあります。常陸河川国道事務所が、国道6号の大みか町と十王町のカメラ画像を10分ごとに更新しています。
水に入ってしまった車から出るまで

4か所は、4か所とも線路の下をくぐる道です。手前から見ると水面は平らで、いちばん深い底は見えません。
JAF(ジャフ)のテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほとんど同じでした。止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。割れるのは横の窓です。フロントガラスは合わせガラスなので、脱出用ハンマーでも割れません。
車が動かなくなったら110番と119番へ。ドアの高さの半分を超えると、内側からはほぼ開けられません。外に出られないときは、無理に移動せず高いところで待ってください。
ほかの市はどうなっているか
同じ手順で、ほかの市も1つずつ調べています。同じ資料でも、出てくる答えは場所ごとに変わります。
- 道路冠水マップ どこで見られるの?
- 水戸市 冠水 どこが危ないの?(茨城県)
- 取手市 冠水 どこが危ないの?(茨城県) 市の記録は430件・47地区で、道路冠水が4分の3を占めます
- つくば市 冠水 どこが危ないの?(茨城県)
- 福島市 アンダーパス/雨の前に閉める4か所
- アンダーパス 冠水/15か所追加、基準は未公表
この記事のまとめ
日立市で道路が冠水しやすい場所は、茨城県の一覧で4か所。幸町・多賀町・留町・国分町と鮎川町で、4か所ともJR常磐線の下です。2026年9月7日から、レベル4の大雨危険警報か1時間50ミリで雨の前に閉める道になりました。
国の資料では、地図の一覧で3か所、県ごとのPDFで11か所。PDFの表題に「アンダーパス部以外含む」とあり、差の8か所のうち7か所が国道6号でした。標高は留町が2.2メートルで市内256町丁目の下から2番目。市役所を沈めたのは久慈川ではなく、庁舎の脇の数沢川と平沢川です。
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