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八戸市の土地は公示価格どおりに売れる?町で3.4倍の差

八戸市で相続した土地を売るとき、地価公示の坪単価から見込み額を出しても、市全体で見るかぎり大きくは外れません。国土交通省のデータで八戸市の成約217件を集計すると、土地の坪単価の中央値は11.9万円/坪で、住宅地の地価公示39地点の中央値11.8万円/坪との差は1.1%でした。

ただしこれは、市をまるごと1つの数字にまとめたときの話です。町の単位まで下ろすと、城下は21.5万円/坪、吹上は6.3万円/坪。同じ八戸市のなかで3.4倍の開きがあります。公示価格から計算した金額は、市の真ん中としては合っていても、あなたの土地の値段としては合いません。

先に断っておくと、成約が公示より1.1%高いことは「八戸市の土地が値上がりした」という意味ではありません。地価公示は国が選んだ住宅地の標準地、成約価格は実際に売れた土地で、数えている土地そのものが違います。この記事では、2024年4Qから2025年4Qまでに八戸市で売れた土地217件の実データで、町別の坪単価・1区画の広さ・公示価格との差の中身を並べます。

先に結論

  • 実際に売れた土地の坪単価の中央値は11.9万円/坪(217件)。住宅地の地価公示39地点の中央値11.8万円/坪との差は1.1%です
  • 差が小さいことは値動きの話ではありません。公示は住宅地の標準地、成約は実際に売れた土地で母集団が違うため、値上がり・値下がりの判断には使えません
  • 町別は、件数が5件以上ある町どうしで城下21.5万円/坪 ÷ 吹上6.3万円/坪=3.4倍。市の数字と町の数字は別物です
  • 1区画の面積の中央値は260㎡(78.7坪)。坪単価の中央値と掛け合わせた概算は936.0万円で、実在する1件の価格ではありません
  • 大字大久保の2.8万円/坪は農地や市街化調整区域が混ざっている疑いがあります。住宅地の最安値としては読まないでください
目次

八戸市の土地は町ごとにいくらで売れたか

成約が3件以上あった町は34町ありました。そのうち件数が6件以上ある9町を抜き出し、比較のために市全体の中央値と公示価格の中央値を並べています。件数が3件や4件の町は、条件のよい1件が入るだけで中央値が動くため、グラフからは外しました。

城下21.5万円
根城19.2万円
大字尻内町18.2万円
大字中居林15.2万円
小中野12.2万円
市全体11.9万円
公示価格11.8万円
大字長苗代10.6万円
大字新井田9.3万円
吹上6.3万円
大字大久保2.8万円

八戸市の土地の坪単価(中央値・2024年4Q〜2025年4Q・成約6件以上の町を抜粋。薄い色は市全体と公示価格、および調整区域の混入が疑われる町)

自分の町の相場を調べる

この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。

このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。

八戸市の土地相場を住所から調べる(無料)

グラフの読み方を順に書きます。いちばん上の城下は6件で21.5万円/坪、下から2番目の吹上は7件で6.3万円/坪。どちらも件数の裏づけがあり、この2町の差が3.4倍です。市の中央値11.9万円/坪は、この幅の内側にあるだけで、どの町にもそのまま当てはまる数字ではありません。

件数3件の町まで含めると、いちばん高い内丸は23.1万円/坪、低いほうの大字白銀町は3.0万円/坪で、倍率は7.7倍まで開きます。ただしどちらも3件です。3件の中央値は、条件のよい1件が入るか抜けるかで順位ごと入れ替わります。この記事で見出しに使ったのは、件数がそろっている側の3.4倍のほうです。

グラフのいちばん下、大字大久保の2.8万円/坪は住宅地の相場として読まないでください。市の中央値11.9万円/坪の1/4を下回る水準で、農地や山林、市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあります。10件あるので、たまたま1件安いものが売れたという話ではなく、その地域で売買されている土地の性格そのものが宅地と違うと考えたほうが実態に近いはずです。大字市川町2.0万円/坪、大字鮫町1.5万円/坪、大字妙0.8万円/坪、大字沢里0.5万円/坪も同じ性格の数字です。こちらは件数が3〜4件なのでグラフには入れていません。

町名の見分けにも一言そえておきます。八戸市の集計には、白銀12.9万円/坪と大字白銀町3.0万円/坪、田向19.8万円/坪と大字田向12.6万円/坪のように、似た名前で水準が別々に出る町があります。自分の土地の登記上の表記がどちらなのかを確かめないと、相場を二倍近く読み違えます。

市全体で見ると、坪単価は1.2万円から39.7万円まで散らばっていました。しかもこれは、坪単価が極端な19件を外したあとの幅です。同じ「八戸市の土地」という名前で、これだけ性格の違うものがひとまとめに集計されています。

公示価格との差が1.1%でも、自分の土地には当てはまらない

数字を並べます。住宅地の地価公示は39地点で11.8万円/坪、実際の成約は217件で11.9万円/坪。成約のほうが1.1%高い位置にあります。

この1.1%を「八戸市の土地が1年で少し上がった」と読むと間違えます。2つの数字は、測っている対象が違うからです。

地価公示は、国が土地の値段の目安を示すために、住宅地として代表的な地点を選んで鑑定評価するものです。選ばれるのは道路に接していて、形が整っていて、住宅地として普通に使われている土地です。毎年同じ地点を同じ条件で見続けるための地点なので、極端な土地はそもそも選ばれません。

成約データのほうは、選びません。売買が成立した土地をそのまま数えます。217件のなかには、間口の狭い土地も、傾斜のある土地も、家を建てる前提になっていない土地も混ざります。大字大久保の2.8万円/坪が集計に入っているのは、その表れです。

つまり11.8万円と11.9万円は、同じ土地を2つの方法で測った数字ではありません。条件のそろった39地点の真ん中と、売れたもの217件の真ん中が、たまたま近い位置に来ているだけです。公示価格は市の真ん中には近くても、あなたの土地が売れる値段ではありません。

実家を相続した人が、地価公示を調べて坪単価に自分の土地の坪数を掛け、紙にメモする。ここまでは誰でもできます。困るのは、その紙の金額を「最低ライン」だと思い込むことです。吹上の土地を持っている人が市の真ん中の数字で計算すれば、その町で実際に売れている水準からかけ離れた金額が紙に載ります。査定額がそれを下回った瞬間に、買い叩かれていると感じて話が止まります。

私は、八戸市の1.1%という小さな差を「公示価格が使える証拠」ではなく、「市全体の真ん中どうしが近い位置に来ている」だけの状態だと見ています。根拠は3つあります。成約217件の坪単価が1.2万円から39.7万円まで散らばっていること。件数がそろった町どうしでも3.4倍の開きがあること。公示の地点が市内に39しかないことです。市の真ん中が合っていることと、あなたの土地に使えることは別の話です。

八戸市で売れた土地は1区画78.7坪。総額はいくらか

八戸市で売れた土地の面積の中央値は260㎡(78.7坪)でした。坪単価の中央値11.9万円と掛け合わせると936.0万円になりますが、これは概算です。面積の中央値と坪単価の中央値は別々に取った数字なので、936.0万円という価格で売れた土地が実在するわけではありません。

78.7坪という広さは、住宅を建てる区画としては広い部類に入ります。坪単価が同じでも、面積が大きければ買い手が用意する現金と借入は増えます。八戸市の土地は坪11.9万円と高い水準ではありませんが、78.7坪ぶんを掛けた概算は936.0万円です。坪単価が控えめでも、総額で見たときに手が届く人はそこまで増えません。

売る側にできるのは、まず自分の土地が78.7坪より広いのか狭いのかを確かめることです。広ければ、坪単価の相場観だけで値段を置くと総額が跳ね上がって買い手が離れます。狭ければ総額は下がりますが、そのぶん「その広さで家が建つか」が値段を決めます。分けて売れる広さなのか、分けられない形なのかも効いてきます。

相続した土地は、売る前に名義と家財の始末が要る

八戸市の実家を相続して売ろうとする人が最初につまずくのは、値段ではなく手続きのほうです。土地は亡くなった人の名義のままでは売れません。相続人が複数いれば、誰の名義にするか、売った代金をどう分けるかを先に決める必要があります。ここが決まらないうちに買い手が現れると、話がまとまる前に相手が別の物件へ移ります。

もう一段やっかいなのが、家財です。実家に長く住んでいた家ほど、家具も仏壇も衣類も残ります。内見に来た買い手が玄関で立ち止まり、「この荷物はどうなるんですか」と聞く場面があります。ここで「そのままです」と答えると、買い手は自分の頭のなかで片付け費用を高めに見積もって、その分を値引き交渉に持ち込みます。手続きの費用も片付けの費用も、売主が出すか買主が値引きとして飲むかの違いだけで、最終的な手取りから引かれます。

順番としては、売り出す値段を決める前です。名義をどうするか、家財をどこまで自分で片付けるかが決まっていれば、査定額から何が引かれるのかを自分で計算できます。決まっていない状態で売り出すと、相手の出した見積もりに合わせるしかなくなります。

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名義と分け方が決まってから、売り出す値段を決めます

実家をどうするか全体の順番は実家じまいの進め方に整理しました。売らずに置いておく選択をするなら、その間に何が起きるかは空き家を放置したときのリスクのほうにまとめています。

八戸市の戸建てとマンションはいくらで売れたか

土地以外の種別も出しておきます。単価の分母が種別ごとに違うので、表の右側に何で割った数字かを書きました。

種別 中央値 件数 単価の分母
土地 11.9万円/坪 217件 土地の面積(坪)
中古戸建て 69.6万円/坪 87件 建物の延床面積(坪)
新築戸建て 86.0万円/坪 30件 建物の延床面積(坪)
中古マンション 12.9万円/㎡ 7件 専有面積(㎡)
賃貸 1,502円/㎡ 19,870件 専有面積(㎡)

縦に並んでいますが、種別をまたいだ引き算はできません。土地の11.9万円は土地の広さで割った値、戸建ての69.6万円は建物の延べ床の広さで割った値です。「戸建てのほうが坪単価が高いから、差が建物のぶん」という読み方は成立しません。

比べてよいのは、分母が同じもの同士です。八戸市の中古戸建ては69.6万円/坪(87件)、新築戸建ては86.0万円/坪(30件)。中古は真ん中の半分が41.3万円から86.0万円のあいだ、新築は79.3万円から101.1万円のあいだに収まっていました。新築のほうが幅が狭く、中古は同じ市内でも上下に開きます。築年数と傷み方で、値段の付き方が家ごとに変わるからです。

中古マンションは7件で12.9万円/㎡でした。ただし7件です。これは相場というより、この期間に売れた部屋の並びだと思ってください。1件が抜けるだけで真ん中の値が動きます。新築マンションは集計できる件数がなく、この記事では扱っていません。町の数字も種別の数字も、件数とセットでしか読めません。

賃貸だけは件数の桁が違い、19,870件で1㎡あたり1,502円でした。売買の判断にそのまま使える数字ではありませんが、貸すという選択肢を残すなら、こちらは件数の裏づけがある側の数字です。

売り出す前に確認する3つの数字

  1. 自分の町の坪単価と、その町の件数。市の中央値11.9万円/坪は、城下の21.5万円と吹上の6.3万円の内側にあるだけの数字です。町名まで下ろして、その町で何件売れたのかとセットで見てください。件数が3件しかない町なら、その数字は目安にもなりません。
  2. 自分の土地の坪数。八戸市で売れた土地の真ん中は260㎡(78.7坪)です。これより広ければ総額が上がって買い手が絞られ、狭ければその広さで家が建つかどうかが値段を決めます。
  3. 名義が誰になっているかと、家財をどうするか。相続人が複数いるなら、分け方が決まるまで売買の話は前に進みません。片付けの費用も、売主が出すか買主が値引きとして飲むかの違いだけで、手取りから引かれます。

八戸市の種別ごとの成約価格は八戸市の不動産相場ページにも一覧でまとめています。

この記事の数字の出どころ

  • 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地217件(うち坪単価が極端な19件を除外)、中古戸建て87件、新築戸建て30件、中古マンション7件
  • 地価公示:国土交通省の地価公示。八戸市内の住宅地39地点の坪単価の中央値です
  • 地価公示と成約価格は母集団が違います。公示は住宅地の標準地、成約は実際に売れた土地で、条件の悪い土地や住宅地以外の使われ方をする土地も含まれます。この記事では、この差を値上がり・値下がりの判断には使っていません
  • 町別の集計は成約3件以上の町のみ(34町)。グラフは件数6件以上の9町に絞って抜粋しました。見出しに使った3.4倍は、件数が5件以上ある町どうし(城下6件・吹上7件)の比較です
  • 大字大久保・大字市川町・大字鮫町・大字妙・大字沢里のように市の中央値の1/4を下回る町は、農地・山林・市街化調整区域の取引が混ざっている可能性があります
  • 坪単価の中央値と面積の中央値は別々に取った値です。掛け合わせた936.0万円は概算で、実在する1件の価格ではありません
  • 単価の分母は種別ごとに違います。土地は土地面積(坪)あたり、戸建ては建物の延床面積(坪)あたり、マンションは専有面積(㎡)あたりです
  • 中古マンションは7件しかありません。相場としては読めない件数です
  • 賃貸:八戸市の19,870件について、1㎡あたりの賃料の中央値です
  • 数字はすべて中央値です(平均値は一部の高額・低額の取引に引っ張られるため使いません)

八戸市で土地を売るときに覚えておく数字

八戸市で実際に売れた土地217件の坪単価の中央値は11.9万円/坪、面積の中央値は260㎡(78.7坪)、掛け合わせた概算は936.0万円。住宅地の公示価格の中央値11.8万円/坪との差は1.1%しかありません。市全体で見れば、公示価格は実際の取引から遠くない位置にあります。

それでも、公示価格を自分の土地の見込み額に使えるとは限りません。同じ市内で城下と吹上のあいだに3.4倍の開きがある以上、市の真ん中が当たっていることと、あなたの町で当たることは別の話です。値段を決める前に、数字を自分の町と自分の広さまで下ろします。

八戸市の土地相場を住所から調べる(無料)

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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