🗨️「フラット35が過去最高と聞いたけど、3,000万円借りたらいくら増えるの?」
2026年9月のフラット35(返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)は年3.460%です。8月の3.290%から0.170ポイント上がり、団信の保険料が金利に含まれる形になった2017年10月以降で最も高くなりました。3,000万円を35年で借りると毎月2,928円・総返済で約123万円ふえます。ただし全員が3.460%になるわけではなく、融資率・返済期間・金融機関・団信の種類・金利引下げ制度で変わります。
[金利] この記事の要点
2026年9月1日 発表 (2026年9月2日 更新)
- これからフラット35など全期間固定型で住宅ローンを借りる人
- 9月以降に住宅ローンの融資実行(資金受取)を予定している人
- フラット35Sや子育て世帯向けの金利引下げ制度を使うつもりの人
- 変動金利で返済中で、固定への借り換えを考えている人

フラット35の9月金利は3.460%、8月から0.170ポイント上がった
住宅金融支援機構が毎月第1営業日に出しているのは、1つの数字ではありません。商品と融資率ごとに「金利の範囲」と「最も多い金利」の2つが並びます。2026年9月資金受取分・新機構団信付きの一覧がこれです。
| 商品・返済期間 | 融資率 | 金利の範囲 | 最も多い金利 |
|---|---|---|---|
| フラット35(21年以上35年以下) | 9割以下 | 年3.460%〜年5.690% | 年3.460% |
| 同上 | 9割超 | 年3.570%〜年5.800% | 年3.570% |
| フラット20(20年以下) | 9割以下 | 年3.140%〜年5.370% | 年3.140% |
| 同上 | 9割超 | 年3.250%〜年5.480% | 年3.250% |
| フラット50(36年以上50年以下) | 9割以下 | 年3.700%〜年5.620% | 年3.700% |
| 同上 | 9割超 | 年3.810%〜年5.730% | 年3.810% |
ニュースが伝えている3.46%は、この表のいちばん左上、返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下の欄です。最も多い金利であると同時に、金利の範囲の下限でもあります。つまり3.460%は「いちばん安い側」の数字で、上は5.690%まであります。この一覧は2026年9月1日に更新されました。
頭金を1割用意できるかどうかで0.110ポイント差がつく点は、前の月から変わっていません。3,000万円の借入なら、この0.110ポイントだけで総返済に約79万円の差が出ます。
8月に申し込んだ場合は、8月の3.290%で借りられるんですか?
いいえ。フラット35で適用されるのは、申し込んだ月ではなく資金を受け取った月の金利です。引き渡しが9月にずれた人は、9月の3.460%になります。
3.460%は現行制度で過去最高 9年前の初回は1.360%だった
「過去最高」と言えるのは2017年10月以降です。この月からフラット35は団体信用生命保険の保険料を金利に含める形になり、それ以前の金利とは中身が違って比べられません。機構が公表している推移のPDFも、この月を境に分けて作られています。
その2017年10月以降で、機構のPDFに載っている最低金利を並べるとこうなります。いずれも返済期間21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付きです。
| 時点 | 最低金利 | 3,000万円・35年の毎月返済 |
|---|---|---|
| 2017年10月(現行制度の初回) | 1.360% | 89,812円 |
| 2025年9月(1年前) | 1.890% | 97,694円 |
| 2025年12月(2026年に入る直前) | 1.970% | 98,918円 |
| 2026年1月 | 2.080% | 100,861円 |
| 2026年8月 | 3.290% | 120,365円 |
| 2026年9月 | 3.460% | 123,293円 |
1年前と同じ3,000万円を借りると、毎月の返済は25,599円ふえます。年に直すと307,188円、35年ぶんでは約1,075万円です。今回の0.170ポイントだけを見ると小さな変化ですが、比べる相手を1年前にすると桁が変わります。
なぜ上がったのか — 長期金利との関係
ニュースが長期金利と呼んでいるのは、新しく発行された償還期間10年の国債が、市場でいくらの利回りで売買されているかという数字です。国が10年借りるときの金利なので、銀行が10年・20年・35年という長い期間で貸すときの金利も、これを土台にして決まります。住宅ローンのうち全期間固定型が影響を受けるのはこのためです。
財務省は毎営業日、主要国債の流通利回りを公表しています。実際の数字はこうです。
| 日付 | 10年債 | 20年債 | 30年債 |
|---|---|---|---|
| 2025年8月29日 | 1.613% | 2.596% | 3.096% |
| 2026年7月31日 | 2.801% | 3.690% | 3.982% |
| 2026年8月31日 | 2.943% | 3.815% | 4.092% |
| 2026年9月1日 | 一時3.0%(報道値) | — | — |
7月末から8月末で10年債は0.142ポイント上がり、フラット35は8月から9月へ0.170ポイント上がりました。動く方向も幅もほぼ同じです。フラット35の金利が毎月1日に決まるのは、前の月の長期金利をなぞっているからだと考えると理解しやすくなります。
住宅ローン3,000万円なら、月々いくら増える?
「0.170ポイントくらい、たいして変わらないでしょう」と感じる人がいるところです。月々の返済額で見ればそのとおりで、3,000万円でも3千円足らずしか動きません。総返済額に直すと、話が変わります。元利均等返済・ボーナス返済なし・全期間同じ金利が続いた場合の概算です。
| 借入額・期間 | 8月 3.290% | 9月 3.460% | 月の差 | 総返済の差 |
|---|---|---|---|---|
| 3,000万円・35年 | 120,365円 | 123,293円 | +2,928円 | 約+123万円 |
| 3,500万円・35年 | 140,426円 | 143,842円 | +3,416円 | 約+143万円 |
| 4,000万円・35年 | 160,486円 | 164,391円 | +3,904円 | 約+164万円 |
| 3,000万円・30年 | 131,221円 | 134,044円 | +2,823円 | 約+102万円 |
比較の幅を広げると、3,000万円・35年の総返済額は金利2.0%なら約4,174万円、3.460%なら約5,178万円です。同じ家を買うのに、金利だけで1,000万円ぶんの差がつく水準になっています。
「3.46%」がそのまま適用されない人のほうが多い
ここが報道ではほとんど省かれるところです。フラット35は機構が1つの金利を決めて全国一律で貸す商品ではありません。実際に自分に適用される金利は、次の5つで動きます。
| 変わる理由 | 9月の実際の差 | 3,000万円・35年での効き方 |
|---|---|---|
| 融資率(頭金が1割あるか) | 9割以下 3.460% / 9割超 3.570% | 月+1,914円・総返済+約80万円 |
| 返済期間 | 20年以下 3.140% / 36年以上 3.700% | 期間が違うので返済額の単純比較はできない |
| 取扱金融機関 | 年3.460%〜年5.690% | 上限で借りると月+41,565円 |
| 団信の種類 | デュエット +0.18% / 新3大疾病付 +0.24% | 月+3,140円 / 月+4,196円 |
| 金利引下げ制度 | 当初5年間 最大 年▲1.0% | 当初5年は月−16,687円 |
いちばん幅が大きいのは金融機関です。同じ9月の同じフラット35でも、年3.460%で出している金融機関と年5.690%で出している金融機関があり、その差は2.230ポイント。3,000万円・35年なら毎月41,565円の違いになります。機構のサイトでは都道府県と融資率を選んで金融機関ごとの金利を検索できます。
金利引下げ制度は「当初5年間」に効く
省エネルギー性や耐震性の基準を満たす住宅を買う場合はフラット35S、夫婦や子どもの人数などに応じてポイントが加算されるポイント制があり、当初の一定期間だけ金利が下がります。
| 引下げメニュー | 引下げ期間 | 引下げ幅 |
|---|---|---|
| フラット35S(ZEH) | 当初5年間 | 年▲0.75% |
| フラット35S(金利Aプラン) | 当初5年間 | 年▲0.5% |
| フラット35S(金利Bプラン) | 当初5年間 | 年▲0.25% |
| ポイント制の組み合わせ(機構が示す例:夫婦+こども1人+ZEH=計4ポイント) | 当初5年間 | 年▲1.0% |
機構のサイトは、この計4ポイントを適用した場合の9月の金利を当初5年間 年2.46% / 6年目以降 年3.46%と表示しています。3,000万円・35年で計算すると、当初5年は月106,606円、5年後の残債2,712万円を残り30年で組み直して月121,191円。総返済は約5,003万円で、引下げなしの約5,178万円より約176万円少なくなります。
じゃあ引下げ制度を使えば、金利が上がってもそんなに困らない?
下がるのは当初5年間だけで、6年目からは3.46%に戻ります。しかもフラット35Sには予算があって、予算に達する見込みになると受付が終わります。終了日は約3週間前に機構のサイトで告知されるので、使う前提で資金計画を立てるなら受付状況を先に見てください。
変動金利で返済中の人に、今回の3%は直接は効かない
変動金利型の基準金利は、短期プライムレートに一定の幅を上乗せする形で決められています。短期プライムレートは日本銀行の政策金利に連動する短期の指標で、10年国債の利回りとは別ものです。今回のように長期金利だけが動いた日は、変動金利の基準金利は動きません。
ただし長期の金利が上がっている局面では、事業用の借入に使われる長期プライムレートも同時に上がっています。賃貸物件や店舗の借入がある人は、住宅ローンのニュースとは別に自分の契約の指標を確認してください。

「借りられる額」と「無理なく返せる額」は同じではありません
金利が上がったから今すぐ買うべきだ、あるいは買うのをやめるべきだ、と言い切れる材料はありません。決めるときに見るのは金利そのものではなく、毎月いくら出ていくかです。そのときに、審査が通る額をそのまま予算にしないでください。
機構が2026年7月に公表したフラット35利用者調査(2025年度・借換えを除く35,553件)の実数がこうなっています。
| 項目 | 2025年度の実績 |
|---|---|
| 平均世帯年収 | 715.9万円 |
| 平均所要資金(物件価格+諸費用) | 4,202.9万円 |
| 年収倍率(所要資金÷世帯年収) | 6.6倍 |
| 1か月当たり予定返済額 | 123.8千円 |
| 総返済負担率 | 22.8% |
この「総返済負担率22.8%」の分子に入っているのは、住宅ローンと既に借りている借入だけです。管理費・修繕積立金・固定資産税・駐車場代は1円も入っていません。国土交通省の令和5年度マンション総合調査では、管理費の平均が月17,103円、修繕積立金の平均が月13,378円で、合計すると月30,481円になります。
マンションを3,000万円・35年で買った人が9月の3.460%で借りると、返済は月123,293円。ここに管理費と修繕積立金の平均を足すと月153,774円で、固定資産税はまだ入っていません。審査で見られる負担率と、口座から実際に出ていく額はこれだけずれます。
金利のニュースを見て動く前に、まず自分の側の数字を並べてください。毎月いくらまでなら生活が回るか。頭金をいくら入れて融資率を9割以下にできるか。金利引下げ制度の対象になる住宅か。借入可能額は、その後に確かめるもので構いません。
私はこの0.170ポイントを「月2,928円」ではなく「1年で25,599円」で見ています
ここからは事実ではなく私の考えです。金利改定のニュースは月々いくら増えるかで語られることが多く、3,000万円で月2,928円と聞けば、外食を数回減らせば足りる額に思えます。ただ全期間固定は35年その金利を持ち続ける契約なので、実際に払うのは123万円です。
そして比べる相手を前の月にすると、必ず小さく見えます。1年前の1.890%と比べれば、同じ3,000万円で月25,599円ふえています。前月比で見るか前年比で見るかで、印象は10倍変わります。私は固定金利を選ぶかどうかを月々の負担で判断すると、この局面では判断を誤りやすいと考えています。比べるなら総返済額です。
そして総返済額で比べると、借入額を200万円減らすほうが、金利0.170ポイントぶんより大きく効くことがあります。金利のニュースを見て動く前に、借りる額そのものを見直す余地があるかを先に確かめるほうが確実です。
まとめ|2026年9月のフラット35でわかっている5つ
- 2026年9月のフラット35(21年以上35年以下・融資率9割以下・新機構団信付き)は年3.460%
- 8月の3.290%から0.170ポイント上がった
- 団信の保険料が金利に含まれる形になった2017年10月以降では過去最高(初回は1.360%)
- 3,000万円・35年なら8月実行より毎月2,928円・総返済で約123万円多い
- 3.460%は最も多い金利かつ下限で、融資率・返済期間・金融機関・団信の種類・金利引下げ制度で変わる
生活・仕事にどう効くか
- 毎月の返済:3,000万円・35年・元利均等なら、8月実行の120,365円に対して9月実行は123,293円。3,500万円で143,842円、4,000万円で164,391円。
- 1年前との差:2025年9月の1.890%なら同じ3,000万円で97,694円だった。1年で毎月25,599円、35年で約1,075万円ふえた計算になる。
- 引下げ制度を使った場合:ポイント制で当初5年間 年1.0%引下げなら、当初5年は月106,606円、6年目以降は月121,191円。総返済は引下げなしより約176万円少ない。
結局どうすればよいか
- 融資実行が何月になるかを確認する(フラット35の金利は申込月ではなく資金受取月のものが適用される)
- 自分が対象になる金利を、融資率・返済期間・団信の種類・金利引下げ制度の4点で確かめる。機構のサイトで金融機関ごとの金利も検索できる
- 返済額に管理費・修繕積立金・固定資産税を足した額で、毎月出ていく総額を出す。審査の返済負担率にはこれらが入っていない
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
- 住宅ローンは年収の何倍まで? 審査が数えていない住居費
- 固定金利と変動金利、2026年はどう選ぶ?住宅ローン金利の見方と家計チェック
- フラット35の9月金利は上がる? 値決めの日の長期金利は7月より0.23ポイント高い
- 「住宅ローン控除があるから、借りたほうが得」は終わりました
ほかに使える無料ツール
公式出典
- 住宅金融支援機構【フラット35】最新の金利情報(2026年9月資金受取分)(2026年9月1日発表)
- 住宅金融支援機構【フラット35】借入金利の推移(令和8年9月1日現在・PDF)(2026年9月1日発表)
- 住宅金融支援機構【フラット35】S(金利引下げメニューと引下げ幅)(2026年9月2日発表)
- 住宅金融支援機構「金利の決定時期は?」(実行時金利の説明)(2026年9月2日発表)
- 財務省 国債金利情報(主要国債流通利回り・jgbcm.csv)(2026年8月31日発表)
- 住宅金融支援機構「2025年度 フラット35利用者調査」(2026年7月24日発表)
- 国土交通省「令和5年度マンション総合調査」(2024年6月21日発表)
- NHK「長期金利 3%に上昇 約30年ぶり 日銀の早期利上げ観測など背景」(2026年9月1日発表)
- 共同通信「フラット35、金利3.46% 9月分、過去最高更新」(2026年9月1日発表)
更新履歴
- 2026年9月1日 初版を公開
- 2026年9月2日 機構の推移PDF(2017年10月以降)で過去最高を裏取りし、金利引下げ制度・団信の種類・金融機関による差・借入額別の試算・利用者調査の実数を追記。タイトルを返済額の観点に変更
※本記事は2026年9月2日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。


コメント