🗨️「住宅ローンを繰り上げ返済したいのですが、いくらからできるのか、手数料がかかるのかが分かりません」
ネットの手続きなら、調べた8行とフラット35はどこも手数料が0円でした。窓口やチャットは5,500円から33,000円かかる銀行があります。最低額が分かった銀行は1円〜1万円からで、フラット35だけがネットで10万円、窓口で100万円からです。
[不動産] この記事の要点
2026年10月14日 発表
- ボーナスなどのまとまったお金を、繰り上げ返済に回すか考えている人
- フラット35で借りていて、ネットと窓口の最低額の違いを知りたい人
- 住宅ローン控除を受けている最中に、繰り上げ返済を考えている人
最低額と手数料を銀行別に比べる
最低額と手数料は、借りている銀行と、ネット・窓口・チャットのどれで手続きするかで決まります。各社の公式ページを開いて書き写した結果が下の表です。
| 金融機関 | 最低額 | ネットの手数料 | 窓口・チャットなど |
|---|---|---|---|
| フラット35(住宅金融支援機構) | ネットの住・My Note(すまいのーと)は10万円以上、窓口は100万円以上 | 0円 | 0円(窓口) |
| 三菱UFJ(ユーエフジェイ)銀行 | 確認できていません | 0円 | 16,500円(店頭) |
| 三井住友銀行 | 最低額の記載なし(「任意の金額」と案内) | 0円 | 16,500円(窓口・書面) |
| みずほ銀行 | 確認できていません | 0円 | 33,000円(店舗) |
| りそな銀行 | 1万円以上(1万円単位) | 0円 | 5,500円(店頭・テレビ電話)。固定金利選択型の特約期間中は33,000円 |
| ドコモSMTB(エスエムティービー)ネット銀行(旧住信SBI(エスビーアイ)ネット銀行) | 1円以上(1円単位) | 0円 | 記載なし |
| auじぶん銀行 | 金額の制限なし | 0円 | 記載なし |
| PayPay(ペイペイ)銀行 | 約定返済減額は1万円以上(1円単位)。返済期間短縮は1か月分以上の元金 | 0円 | 5,500円(チャット) |
| 楽天銀行(金利選択型) | 1万円以上(1万円単位) | 0円(マイページ) | 0円(電話) |
手数料は税込です。2026年10月14日に公式ページを開いて確かめました。ページ内の日付は、古いもので2025年3月(三井住友銀行)、新しいもので2026年10月(auじぶん銀行)です。ページに日付の表示があるものは、記事末尾の出典の名前の後ろに書きました。ネットで手続きできない契約や、別の手数料が決まっている商品もあります(三菱UFJ銀行・三井住友銀行・楽天銀行の案内)。自分の契約の説明書で確かめます。
三菱UFJ銀行とみずほ銀行は、最低額を公式ページで確認できていません。申込画面か借入先の窓口で、金額の欄を見てから決めます。
最低額の刻みにも差があります。りそな銀行と楽天銀行は1万円単位なので、23万5,000円のような端数は出せません。1円単位と書いてあるのは、ドコモSMTBネット銀行と、PayPay銀行の約定返済減額です。
手数料で差が出るのは、窓口やチャットを使うときだけです。同じ一部繰り上げでも、りそな銀行の店頭は5,500円から、三菱UFJ銀行と三井住友銀行は16,500円、みずほ銀行は33,000円です。
手数料が0円なら、少しずつ何回も繰り上げていいですか?
回数の決まりも銀行で違います。auじぶん銀行は回数も金額も制限なしと案内しています。三井住友銀行のネットバンキングは、ローン1口座につき月4回までです。フラット35の住・My Noteは、前回の繰り上げ日の翌々営業日以降でないと次を申し込めず、最短でも1か月おきになります。
期間短縮型と返済額軽減型の差
一部繰り上げには2つのやり方があります。毎月の返済額を変えずに返済期間を縮める「期間短縮型」と、返済期間を変えずに毎月の返済額を下げる「返済額軽減型」です。三菱UFJ銀行は「最終返済期限繰上方式」「返済額再計算方式」、PayPay銀行は「返済期間短縮」「約定返済減額」と呼んでいます。
2つの差を自分で計算しました。前提は、借入3,000万円・35年・元利均等・ボーナス返済なしで、金利は返済中ずっと同じです。返済を始めて10年(120回)たった直後に、100万円か500万円を繰り上げます。金利の1%・2%・4%は現在の金利ではなく、仮定です。繰り上げる前の毎月返済額は、1%で84,685円、2%で99,378円、4%で132,832円です。
| 金利 | 繰り上げ額 | 期間短縮型(短縮される期間/減る利息) | 返済額軽減型(毎月の減額/減る利息) |
|---|---|---|---|
| 1% | 100万円 | 1年3か月/27.6万円 | 月3,768円/13.1万円 |
| 1% | 500万円 | 6年1か月/122.7万円 | 月18,843円/65.3万円 |
| 2% | 100万円 | 1年4か月/62.7万円 | 月4,238円/27.2万円 |
| 2% | 500万円 | 6年5か月/272.5万円 | 月21,192円/135.8万円 |
| 4% | 100万円 | 1年7か月/163.0万円 | 月5,278円/58.4万円 |
| 4% | 500万円 | 7年4か月/669.7万円 | 月26,392円/291.7万円 |
減る利息は、期間短縮型が返済額軽減型のおよそ2〜3倍です。2%・500万円なら、期間短縮型は6年5か月短くなって利息が272.5万円減り、返済額軽減型は毎月21,192円下がって利息が135.8万円減ります。三井住友銀行も、期間短縮型のほうが返済総額を軽減できると書いています。
利息が多く減るなら、期間短縮型を選べば間違いありませんか?
利息だけ見ればそうですが、毎月の返済額は変わりません。三井住友銀行と三菱UFJ銀行は、いったん短縮した期間は延ばせないと書いています。毎月の余裕を作りたい人に合うのは返済額軽減型で、2%・500万円なら月21,192円下がります。
変動金利で借りている人は、この計算の前提「金利は返済中ずっと同じ」が成り立ちません。三菱UFJ銀行は、金利が上がっている時期は、繰り上げても返済期間が短くならない場合や、返済額が増える場合があると書いています。自分の数字は、三菱UFJ銀行や三井住友銀行のネット画面にあるシミュレーションで出せます。

繰り上げる時期で変わる利息
同じ100万円を期間短縮型で繰り上げても、返済を始めて何年目かで効き方が変わります。期間短縮型と返済額軽減型を比べた表と同じ前提で、繰り上げる年だけを変えました。
| 繰り上げる時期 | 金利2%(短縮される期間/減る利息) | 金利4%(短縮される期間/減る利息) |
|---|---|---|
| 3年目(36回払った直後) | 1年6か月/86.8万円 | 2年1か月/244.2万円 |
| 10年目 | 1年4か月/62.7万円 | 1年7か月/163.0万円 |
| 20年目 | 1年1か月/33.6万円 | 1年1か月/78.3万円 |
| 30年目 | 11か月/9.6万円 | 9か月/20.5万円 |
ボーナスで100万円ができた年が、返済を始めて3年目か20年目かで、金利2%なら減る利息が2.6倍違います。3年目の86.8万円に対して30年目は9.6万円で、約9倍の差です。元利均等は、はじめのうちほど毎月の返済に占める利息が大きいからです。金利2%の1回目の返済99,378円のうち、利息は50,000円。4%なら132,832円のうち100,000円です。
これは利息だけの比べ方です。繰り上げた現金は手元に戻らず、三井住友銀行は、取引が成立したあとの取消は受け付けないと案内しています。手元に残しておく現金の額は、繰り上げ額を決める前の条件になります。
住宅ローン控除との関係
住宅ローン控除を受けている間は、繰り上げで年末の残高が減ると控除額も減ります。国税庁によると、控除額は年末残高に0.7%を掛けた額で、住宅の区分と居住した年ごとに年額の上限があります(令和8年4月1日現在の法令等)。100万円の残高が1年間残るとき、利息と控除がいくらになるかを並べます。
| 金利(仮定) | 100万円にかかる1年の利息(概算) | 同じ100万円に付く控除(0.7%) |
|---|---|---|
| 1% | 約10,000円 | 7,000円 |
| 2% | 約20,000円 | 7,000円 |
| 4% | 約40,000円 | 7,000円 |
表ではどの金利でも利息のほうが大きく出ます。ただし、これで繰り上げが得と決まるわけではありません。控除は年額の上限や納めている所得税の額、残りの控除期間で変わり、控除期間が終われば比べる相手がなくなります。手元に残す現金や、ほかの借入の金利も答えを動かします。試算は借入先の窓口で出してもらい、税の取り扱いは税務署の相談窓口か税理士に確認します。
期間短縮型には、控除が外れる条件があります。国税庁の質疑応答事例は、繰り上げて返済期間が短くなっても、最初に返済した月から最後の返済月までが10年以上なら控除を続けられるとし、10年未満になると、その年分以後は受けられないとしています。3,000万円・35年・金利2%で5年返済した時点なら、約2,130万円以上を期間短縮型で繰り上げると、最後の返済月が9年11か月目になります。返済を始めて10年を過ぎていれば、この数え方で10年を切ることはありません。
数え方には差があります。国税庁は最初に返済した月から数えますが、ドコモSMTBネット銀行の案内ページは「借入日」から数えると書いています。ぎりぎりになる繰り上げは、借入先に確かめます。
申し込む前に確かめること
手数料の表に出てこない確認が4つあります。
- 保証料の戻り:保証料を最初に一括で払った人は、繰り上げた分の未経過保証料が戻ることがあります。窓口では、戻る額から保証会社手数料11,000円(銀行によっては振込手数料も)が差し引かれ、戻る額が少なければ戻りません(三井住友銀行・三菱UFJ銀行・りそな銀行の案内)。三菱UFJ銀行とりそな銀行は、ネットなら保証会社手数料が無料です。
- 融資手数料:融資手数料型で借りた人は、一部繰り上げても融資手数料は戻りません(三井住友信託銀行の案内)。
- 申込の締切:三菱UFJ銀行はネットが繰上返済日の2営業日前、店頭が10営業日前です。フラット35は窓口が1か月前まで、住・My Noteが2か月前から1か月前の日の前営業日までです。楽天銀行は希望の引落日の1か月前までです。
- 年末残高等証明書:銀行から年末残高等証明書が届く人は、10月から12月に繰り上げると、三菱UFJ銀行の場合は年末予定残高が変わるため、お取引店で証明書の再発行手続きが必要になります。
調書方式に対応した金融機関で借りている人は、控除で出す書類が違います。年末調整の出し方は、こちらの記事にまとめています。
生活・仕事にどう効くか
- ネットで手続きする:調べた8行とフラット35は手数料が0円
- 窓口・チャットで手続きする:5,500円から33,000円かかる銀行がある
- フラット35の最低額:ネットの住・My Noteは10万円以上、窓口は100万円以上
- 控除を受けている人:期間短縮型で返済期間が10年未満になると、その年分以後は控除が受けられない
結局どうすればよいか
- 借入先の繰上返済ページで、ネットと窓口の手数料・最低額・申込の締切を確かめる
- 期間短縮型と返済額軽減型の試算を、借入先のネット画面で出して見比べる
- 控除を受けているなら、繰り上げ後の返済期間が10年未満にならないか借入先に確かめる
- 年内に繰り上げるなら、年末残高等証明書の扱いを借入先に聞く
あわせて読む・調べる
くわしく知る(保存版の記事)
公式出典
- 三井住友銀行「住宅ローン 繰上返済」(2025年3月10日現在の表示)(2026-10-14確認発表)
- 三井住友銀行「ローン手数料(住宅ローン等)」(2025年10月1日現在の表示)(2026-10-14確認発表)
- みずほ銀行 FAQ「住宅ローン金利方式切換・一部繰上返済の手数料を知りたい」(FAQ更新日 2026年9月24日)(2026-10-14確認発表)
- りそな銀行「住宅ローンの手数料・諸費用」(2026-10-14確認発表)
- りそな銀行「住宅ローンの返済方法(繰上返済)」(2026-10-14確認発表)
- ドコモSMTBネット銀行「WEB申込コース手数料・諸費用」(2026-10-14確認発表)
- ドコモSMTBネット銀行「住宅ローンのご案内」(PDF)(2026-10-14確認発表)
- ドコモSMTBネット銀行「はじめての住宅ローン 繰上返済」(2026-10-14確認発表)
- auじぶん銀行「手数料・諸費用」(2026年10月14日現在の表示)(2026-10-14確認発表)
- auじぶん銀行 よくあるご質問「一部繰上返済の回数、金額の制限はありますか」(2026-10-14確認発表)
- PayPay銀行「手数料」(2025年11月7日現在の表示)(2026-10-14確認発表)
- PayPay銀行「繰上返済」(2026-10-14確認発表)
- 楽天銀行「住宅ローン 繰上返済」(2026-10-14確認発表)
- 三井住友信託銀行「住宅ローン 繰上返済(一部繰上返済)」(2026-10-14確認発表)
- 国税庁 タックスアンサー No.1211-1「住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」(2026-10-14確認発表)
- 国税庁 タックスアンサー No.1225「住宅借入金等特別控除の対象となる住宅ローン等」(2026-10-14確認発表)
- 国税庁 質疑応答事例「繰上返済等をした場合の償還期間」(2026-10-14確認発表)
更新履歴
- 2026年10月14日 初版を公開(最低額・手数料は各社の公式ページ、住宅ローン控除は国税庁の原文で確認。比較表は当サイトで計算)
※本記事は2026年10月14日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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