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東京でマンホールから水が噴き出す 記録的大雨で浮かび上がる「内水氾濫」住宅選びで確認したい浸水リスク

🗨️「川なんて近くにないのに、マンホールから水が噴き出すって、どういうことですか?」

短時間に集中した雨が下水道へ一気に流れ込み、さばききれなくなった水が逆流してあふれたためです。8月22日の板橋区付近は1時間に120mm以上——東京の下水道が整備の基準とする1時間50mmの2倍を超える雨でした。この「内水氾濫」は、川から離れた住宅地でも起こります。

[災害] この記事の要点

何が起きたか

2026年8月22日夕方、東京都内と埼玉県南部で局地的な猛烈な雨が降った。気象庁は板橋区付近で17時までの1時間に120mm以上の雨が降ったと解析し、気象防災速報(記録的短時間大雨。2026年5月までの名称は「記録的短時間大雨情報」)を発表。北区付近と埼玉県戸田市付近でも約100mmが解析された。墨田区では17時ごろ、マンホールから大量の水が吹き上がる様子が確認され、杉並区荻窪では住宅街の道路が冠水。練馬区を流れる白子川では水位が急上昇し、警戒レベル5に相当する「氾濫発生情報」が発表された(22日夕方時点)。

発表日・更新日

2026年8月22日 発表

影響を受ける人
  • 川から離れた市街地・住宅街に住んでいて、水害を自分ごとと考えてこなかった人
  • 坂の下・くぼ地・周辺道路より低い土地に家がある人、半地下の部屋や地下駐車場を使っている人
  • 地下や低層部に電気設備・給水設備があるマンションの居住者
  • これから東京都内やその周辺で家を買う・借りる予定の人
目次

この記事でわかること

  • マンホールから水が噴き出す仕組み——雨水はどこで行き場を失うのか
  • 川があふれる「外水氾濫」と、今回の「内水氾濫」の違い
  • 川から離れた住宅地でも浸水する場所の条件(坂下・くぼ地・地下)
  • 住宅購入・賃貸の前に確認する4つのポイント(内水の地図・地形・地下設備・浸水履歴)

先に結論

  • マンホールからの水の噴出は故障ではなく、下水道が雨をさばききれないときに起こる「内水氾濫」の現象のひとつです
  • 8月22日の板橋区付近は1時間120mm以上。東京の下水道が基準とする1時間50mmの2倍を超えました
  • 内水氾濫は川から離れた住宅地でも、坂の下・くぼ地・半地下で起こります
  • 家探しでは洪水ハザードマップだけでなく「内水」の地図も開いてください

「川もないのに、道路から水が噴き出している」——2026年8月22日の夕方、東京・墨田区で撮影されたマンホールの映像です。この現象、川の近くに住んでいない人にこそ関係があります。同じ仕組みの浸水は、坂の下やくぼ地であれば、川から離れた住宅地でも起こるからです。

同じ日、杉並区荻窪では住宅街の道路が冠水し、板橋区付近では1時間に120mm以上の猛烈な雨が解析されました。映像のインパクトの裏にあるのは、都市部特有の水害「内水氾濫」です。仕組みから、家を買う・借りる前に確認したい浸水リスクまでまとめました。

8月22日、東京で猛烈な雨

8月22日の夕方、東京都内と埼玉県南部で雨雲が急発達しました。気象庁は、板橋区付近で17時までの1時間に120mm以上の雨が降ったと解析し、「気象防災速報(記録的短時間大雨)」(2026年5月までの名称は「記録的短時間大雨情報」)を発表しました。同じ1時間には、北区付近と埼玉県戸田市付近でも約100mmが解析されています。

解析地点17時までの1時間雨量
東京都板橋区付近120mm以上
東京都北区付近約100mm
埼玉県戸田市付近約100mm

気象庁の解析による(ウェザーニュース・tenki.jp報道)。東京の下水道の整備基準は1時間50mm

練馬区を流れる白子川では水位が急上昇し、警戒レベル5に相当する「氾濫発生情報」が発表されました。報道によると、東京の9つの区と埼玉県和光市には「レベル4大雨危険警報」も出ています(いずれも22日夕方時点の発表です)。

墨田区ではマンホールから水が噴き出す

午後5時ごろ、墨田区では大雨の影響とみられるマンホールから、大量の水が吹き上がる様子が確認されました。TBS NEWS DIGの映像には、噴き上がった水が住宅街の道路へ広がる様子が写っています。

実際の映像は上の投稿、または元記事(TBS NEWS DIGYahoo!ニュース)で見られます。

なぜマンホールから水が噴き出したのか

マンホールが壊れたわけでも、下水道の欠陥でもありません。起きたことを順に並べると、こうなります。

① 短時間に雨が集中する
② 道路や屋根に降った雨水が、一気に下水道へ流れ込む
③ 下水道だけでは流しきれなくなる
④ 行き場を失った水が管の中で圧力を高め、マンホールなど低い出口や道路へあふれ出す

規模感を数字で見ます。東京の下水道は、区部全域で「1時間50mmの雨」に対応することを基準に整備されています(大規模地下街など重点地区は75mm)。22日の板橋区付近は、その2倍を超える120mm以上。あふれた原因は設備の故障ではなく、整備の想定を超えた降り方です。

都市部で注意したい「内水氾濫」とは

川の水があふれるタイプの水害は「外水氾濫」と呼ばれます。大雨で河川の水位が上がり、堤防を越えたり決壊したりして市街地に水が流れ込むもので、ハザードマップの「洪水」はこちらを指します。

一方、今回のように川があふれていなくても市街地側で水があふれるのが「内水氾濫」です。東京都下水道局は、内水氾濫を「下水道の雨水排水能力を上回る、または河川水位の上昇により下水道から河川へ放流できずに発生する氾濫」と説明しています。

定義の後半が示すとおり、川の水位が上がると下水道から川へ雨水を出せなくなり、内水氾濫はさらに起きやすくなります。川の氾濫と内水氾濫は、別物でありながら連動するのです。

川から離れた住宅でも浸水する可能性

「川から離れていれば、水害とは無関係」ではありません。物件探しでよく聞く判断ですが、内水氾濫の水は川からではなく、足元の下水道と道路からあふれてきます。

起きやすいのは、水が集まる場所です。坂道の一番下、くぼ地、周辺道路より低い敷地、地下・半地下の部屋や地下駐車場。東京都下水道局も、都市化で雨水が地中にしみ込みにくくなり下水道へ流れ込む量が増えているとしたうえで、坂下・窪地など浸水のおそれのある土地では半地下の家や地下室をできるだけ設置しないよう呼びかけています。

マンションでは、住戸より先に建物の足元が水に負けることがあります。地下や低層部の受変電設備・給水設備・機械式駐車場が浸水すると、部屋は無事なのに、停電と断水で住めない状態になりえます。

住宅購入・賃貸前に確認したい4つのポイント

① 内水のハザードマップを開く

洪水ハザードマップは「川があふれた場合」の地図です。内水の想定はそれとは別の地図に描かれ、名称も自治体によって「内水ハザードマップ」「浸水ハザードマップ」「雨水出水浸水想定区域図」「浸水予想区域図」と違います。東京都は石神井川・白子川流域や隅田川・新河岸川流域など、流域ごとの浸水予想区域図を公表しており、物件の住所で「洪水」と「内水」の両方を開くのが基本です

② 土地の高さ・地形を自分の目で見る

地図で色を確かめたら、内見のときに周辺の道路まで歩いてみてください。見るのは3つ。周辺道路より敷地が低くないか、坂の一番下ではないか、くぼ地になっていないか。雨の日に見に行くと、水が流れる方向と溜まる場所がそのまま分かります。

③ マンションは地下設備の場所と対策を聞く

受変電設備・非常用発電機・給水ポンプ・機械式駐車場がどこにあるか。地下や1階なら、止水板や防水扉などの対策があるか。管理会社への質問で確認できます。上層階の住戸でも、電気と水が止まれば生活は止まります。

④ 過去の浸水履歴を調べる

自治体が「浸水実績図」や過去の浸水被害の記録を公開していることがあります。ハザードマップは「想定」、実績図は「事実」。「色がついていないから安全」とは限りませんし、ついているから住めないわけでもありません。想定を超える雨は、今回のように実際に降ります。

大雨が増える時代、住宅選びでも「内水」を確認

マンホールから噴き出した水は、容量の限界を超えた下水道の悲鳴でした。基準は1時間50mm、降ったのは120mm以上。この差がある限り、同じ光景はどこの街でも起こりえます。

私は、住宅選びの水害チェックが「川からの距離」だけで語られてきたことが、内水氾濫を盲点にしてきたと考えています。川から離れた家を選んでも、そこが坂の下なら水は来ます。物件情報には書かれない浸水リスクこそ、契約の前に自分の手と足で確かめてください。

※本記事は2026年8月22日20時時点の報道・公的発表に基づいています。警報・河川情報は状況が変わるため、最新の情報は気象庁や自治体の発表で確認してください。

生活・仕事にどう効くか

  • 住まい選び:洪水ハザードマップで色がついていない場所でも、内水の地図では浸水が想定されていることがある。内水の地図は自治体によって「内水ハザードマップ」「浸水ハザードマップ」「雨水出水浸水想定区域図」「浸水予想区域図」と名称が違い、洪水の地図とは別に開く必要がある。
  • マンション:住戸が上層階でも、地下の受変電設備・給水設備・機械式駐車場が浸水すれば、停電・断水で「部屋は無事なのに住めない」状態になりうる。建物全体の浸水対策が資産価値と生活の両方に関わる。
  • 今住んでいる家:半地下・地下室は下水道からの逆流と道路からの流入の両方のリスクを受ける。東京都下水道局は、坂下・窪地など浸水のおそれのある土地では、できるだけ半地下家屋や地下室を設置しないよう呼びかけている。

結局どうすればよいか

  • 検討中の物件と自宅の住所で、洪水ハザードマップに加えて内水(雨水出水)のハザードマップを開く。東京都内は流域ごとの「浸水予想区域図」で確認できる
  • 内見時は物件の前だけでなく周辺の道路を歩き、坂の一番下・くぼ地・周辺より低い敷地でないかを自分の目で確かめる
  • マンションは受変電設備・給水設備・機械式駐車場の位置と、止水板などの浸水対策を管理会社に確認する
  • 自治体が公開する浸水実績図・過去の浸水履歴があれば、ハザードマップとあわせて見る

あわせて読む・調べる

くわしく知る(保存版の記事)

自分の場合を調べる(無料ツール)

公式出典

更新履歴

  • 2026年8月22日 初版を公開(22日20時時点の報道・発表に基づく)

※本記事は2026年8月22日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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