🗨️「予報円が大きくなっているのは、台風が大きくなるから?」
違います。予報円は台風の大きさではなく、台風の中心がどこに来るかの「迷いの幅」です。気象庁の定義では、予報した時刻にこの円の中に中心が入る確率が70%。先の予報ほど円が大きいのは、それだけ外れやすいからで、2025年の実績では5日先の予報が平均512kmずれています。
[災害] この記事の要点
2026年10月7日 発表
- 台風の進路図を見て、自分の町に来るかを考えている人
- 数日先の旅行・帰省・船や飛行機の予定を動かすか迷っている人
- 島や海沿いに家族が住んでいる人
進路図の4つの円と線
| 表示 | 何を表すか |
|---|---|
| 予報円(白い点線の円) | 予報した時刻に、台風の中心がこの円の中に入る確率が70%の範囲 |
| 暴風警戒域(赤い線) | 中心が予報円の中に進んだ場合に、5日先までに暴風域に入るおそれのある範囲全体 |
| 暴風域(赤い円) | いま風速25m/s以上の風が吹いている範囲 |
| 強風域(黄色い円) | いま風速15m/s以上の風が吹いている範囲 |
色は気象庁の台風情報の地図での表し方です。暴風域と強風域は「いま」の範囲で、予報円と暴風警戒域は「この先」の範囲。同じ地図に重なっているので、ここを取り違えると距離感がずれます。
台風シーズンが始まる前に、家へ置いておくもの
風で割れるのは窓、家に入ってくるのは水です。この2つは、進路が決まってから買いに走っても店の棚から消えています。
窓が割れるのを防ぐ道具ではありません。割れたあとの破片を膜で押さえるものです。飛散率を約1%まで落とせるのは防災安全合わせガラスですが、そちらは発注から施工まで日数がかかって台風の前には間に合いません。今日のうちに手を動かせるのはこちらです。貼るのは室内側です。
土のうは砂を詰める前提の道具ですが、住宅街ではその砂が手に入りません。水で膨らむ型なら平たいまま棚にしまえて、玄関の段差にも、下水が逆流してくる風呂・トイレの排水口の上にも置けます。
一から集めると抜けが出ます。まずセットで用意して、家族の人数分と常備薬だけ足すのが早いです。
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予報円は台風の大きさではない
「予報円がどんどん大きくなっているから、台風もどんどん大きくなる」と受け取る人は少なくありません。気象庁は、予報円の大きさは台風の大きさの変化ではなく、進路予報の不確実性を表すものだと説明しています。
2026年10月7日に発表された台風29号(コグマ)の予報を並べると、こうなります。
| 何時間先 | 予報円の半径 | 暴風警戒域の半径 |
|---|---|---|
| 12時間先 | 75km | 130km |
| 24時間先 | 105km | 180km |
| 45時間先 | 185km | 280km |
| 69時間先 | 260km | 370km |
| 93時間先 | 320km | 440km |
| 117時間先 | 460km | 570km |
予報円は5日で6倍に広がりますが、台風が6倍に膨らむわけではありません。5日先になるほど、中心が来る場所の候補が広がるということです。
70%は「30%は円の外」
予報円の中に中心が入る確率は70%です。言いかえると、10回に3回は中心が円の外を通ります。円の端から少し外れた町でも、予報が外れれば台風の中心が近くを通ることがある、という数字です。
だから進路図を見るときは、予報円の中心を結んだ線ではなく、円の端から自分の町までの距離を見ます。中心線から遠くても、円の端から近いなら、まだ外れたとは言えません。
何日先で何kmずれるか
| 予報 | 2025年 | 2024年 | 2023年 |
|---|---|---|---|
| 1日先(24時間) | 66km | 71km | 61km |
| 2日先(48時間) | 104km | 106km | 110km |
| 3日先(72時間) | 180km | 152km | 165km |
| 4日先(96時間) | 304km | 245km | 249km |
| 5日先(120時間) | 512km | 424km | 356km |
気象庁が毎年出している、予報円の中心と実際の中心位置との距離の年平均です。1日先なら60〜70kmですが、5日先では2025年に512km。東京から大阪までより遠い距離が、平均でずれていたことになります。年によって差が大きいのは、その年の台風の進み方に左右されるためです。
表を見ると、ずれが200km前後に収まるのは3日先まで。旅行・帰省・船や飛行機の予定は、5日前の予報で決めつけず、3日前の発表で決め直すのが目安になります。
このとき一緒に見るのが、気象庁の「暴風域に入る確率」です。自分の地域の数字が発表ごとに上がっているかで、予報円が自分の側に寄ってきているかが分かります。見方は暴風域に入る確率 見方/低い数字でも入るにまとめました。
暴風警戒域に入ったら
暴風警戒域の内側に入ったら、台風の中心が予報円のどこかを通ったときに、暴風域に入るおそれがある範囲にいるということです。2026年10月の台風29号では、12日3時の予報で父島が暴風警戒域の内側に入りました(台風29号 進路/非常に強く小笠原へ)。
このときにやることは、ベランダや庭の物を中に入れる、雨戸を閉める、停電に備えてスマホとモバイルバッテリーを満充電にする、の3つです。暴風域に入ってからでは外に出られないので、確率の山の時間帯から逆算して、その前に終わらせます。
島に住んでいる場合は、もう一つ。船が止まると食料が届かなくなります。2026年10月には八丈島で夜行の大型客船が3晩続けて欠航し、島のスーパーの棚が空きました(八丈島 食糧危機/船が3晩続けて欠航)。予報円が島にかかった時点で、日持ちする食品を多めに置いておくと慌てずに済みます。
生活・仕事にどう効くか
- 予定を決めるとき:5日先の予報円の端にいるなら、まだ「来ない」とは言えない。予報円が小さくなる3日先の発表を待って判断する。
- 備えの時間:暴風警戒域に入ったら、暴風域に入る確率の時系列で山の時間帯を見て、片づけと買い出しをその前に終える。
結局どうすればよいか
- 進路図では、予報円の中心を結んだ線ではなく、円の端から自分の町までの距離を見る
- 自分の町が暴風警戒域(赤い線)の内側か外側かを、発表のたびに確かめる
- 3日先までは予報が大きく動くので、旅行や船の予定は3日前の発表で決め直す
公式出典
- 気象庁「台風情報の種類と表現方法」(2026年10月7日発表)
- 気象庁「台風進路予報の年平均誤差の一覧表」(2026年10月7日発表)
- 気象庁 台風第29号の実況と予報(2026年10月7日7時15分発表)(2026年10月7日発表)
更新履歴
- 2026年10月7日 初版を公開
※本記事は2026年10月7日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。
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