MENU
お役立ち記事
【近日公開】AIが物件資料からSUUMO・at homeの入稿文を作成「入稿メイト」|先行登録受付中(無料)

災害で下水道が壊れた町を、県が代わりに直せます|8月17日スタート、対象になる市町村とならない市町村

🗨️「地震で下水道が壊れたら、職員の少ない小さな町でも早く直してもらえるの?」

2026年8月17日から、都道府県が市町村に代わって復旧工事を行える制度が始まります。ただし対象は県の流域下水道とつながっている公共下水道に限られ、市町村の費用負担がゼロになるわけでもありません。

[災害] この記事の要点

何が起きたか

国土交通省は2026年8月4日、「下水道法等の一部を改正する法律の一部の施行期日を定める政令」と「下水道法施行令の一部を改正する政令」が閣議決定されたと発表した。災害時に都道府県が市町村に代わって公共下水道の復旧工事を行う代行制度の施行期日が、2026年8月17日(月)に定められた。政令の公布は8月7日(金)。

発表日・更新日

2026年8月10日 発表

影響を受ける人
  • 地震や豪雨で下水道が壊れた市町村に住んでいる人
  • 下水道の設計・監督にあたる職員が数人しかいない小規模な市町村の住民
  • 令和8年熊本地震で下水道の応急復旧が続く宇城市・氷川町の住民
  • 自治体の上下水道部門と、下水道工事にかかわる事業者
目次

この記事でわかること

  • 8月17日から始まる「都道府県が市町村の代わりに下水道を直す」制度の中身と、5つの条件
  • 自分の住む町が対象になるかどうかの見分け方(県の流域下水道とつながっているか)
  • 県に代行してもらっても、市町村の費用負担がゼロにならない理由

先に結論

  • 2026年8月17日から、災害のとき都道府県が市町村に代わって公共下水道の復旧工事を行えるようになります。
  • ただし対象は「その県の流域下水道と管理上密接な関連がある公共下水道」だけ。全国の市町村が自動的に使えるわけではありません。
  • 県は勝手に始められません。市町村からの要請が必要です。
  • 県が工事をしても、市町村の費用負担は残ります。肩代わりされるのは費用ではなく、人と工事の実施です。
  • 令和8年熊本地震で応急復旧が続く宇城市の旧小川町、氷川町の旧竜北町は、県の八代北部流域下水道の関係区域にあたります。

8月17日から何が変わるのか

国土交通省は2026年8月4日、下水道法の改正にともなう2つの政令が閣議決定されたと発表しました。そのうち施行期日を定める政令によって、災害時の「都道府県による公共下水道の復旧工事の代行」制度の施行日が2026年8月17日(月)に決まりました。政令そのものの公布は8月7日です。

もとになる改正法は2026年7月23日に公布された令和8年法律第65号で、2025年1月に埼玉県八潮市で起きた大規模な道路陥没事故を受けて、下水道の点検や情報公表を強化する内容が中心です。そのなかで代行制度だけが、法律上「公布の日から3月以内の政令で定める日」から施行すると先行して切り出されていました。

対象になる市町村と、ならない市町村

条文(下水道法 第14条の2第1項)を読むと、代行が成立するには5つの条件がそろう必要があります。1つでも欠けると使えません。

条件中身
代行できる主体流域下水道を管理している都道府県。流域下水道を持たない県は代行できない
きっかけ災害が発生した場合であること
要請市町村からの要請があること。県の判断だけでは始められない
対象の下水道その都道府県が管理する流域下水道と、管理上密接な関連を有する公共下水道に限る
県側の余力県自身の事務の遂行に支障のない範囲内であること

ここでいちばん効くのが4番目です。下水道が壊れても、県の流域下水道とつながっていない町は、この制度では助けてもらえません。全国1,563の下水道事業者のうち都道府県(流域)は134で、残る1,408は市町村や一部事務組合等です。単独の処理場だけで完結している自治体は、対象から外れます。

熊本の被災地は、この線引きの内側にある

熊本県は3つの流域下水道を管理しています。そのうち八代北部流域下水道は、旧小川町・旧竜北町・旧鏡町・旧千丁町を関係区域として平成14年1月に供用を始めました。現在の宇城市・氷川町・八代市にあたる区域です。

国土交通省が2026年8月9日10時時点でまとめた復旧見込みでは、下水道の点検はすでに全区域で完了し、応急復旧作業が続いているのは宇城市の旧小川町、氷川町の旧竜北町・旧宮原町の3地区。いずれも8月中旬に作業完了の見込みです。一方で水道の断水は、宇城市の小川地区が8月末解消見込みのまま残っています。同じ地区でも、下水道のほうが先に片づき、水道があとに残るという順序です。なお国土交通省は、応急復旧作業中の地区でも下水道は使用可能だと明記しています。

県が工事をしても、市町村の負担は残る

「代行」という言葉から、県がお金ごと引き受けてくれる制度だと受け取ると、実際とずれます。条文(第14条の2第4項)が定めているお金の流れはこうです。

誰が何を出すか
都道府県まず自分の費用で工事を施行する
市町村が自分で工事した場合に市町村へ交付するはずだった負担金・補助金と同額を、県に負担または補助する
市町村工事費から国が県に交付する額を差し引いた残りを負担する

つまり県が肩代わりするのは、費用ではなく「工事を回す人と段取り」です。裏を返せば、被災自治体がいちばん詰まっていたのがそこだった、ということでもあります。国土交通省が示した応急復旧の流れにも、被災自治体では調査・計画する職員、工事の設計・監督職員、工事業者がいずれも不足すると書かれています。

あわせて施行令では、県が代行するときは工事の区域などをあらかじめ公示すること、県が市町村に代わって権限を行ったら遅滞なくその市町村へ通知することが定められました(第9条の12)。住民から見て「今この工事は誰がやっているのか」がわかる仕組みです。

私見:これは備えではなく、追いかけだと思う

ここから先は事実ではなく、私の見方です。私はこの制度を、災害への備えというより、壊れたあとを追いかけて整えた仕組みだと考えています。根拠は3つあります。

1つ目は時間差です。八潮市の陥没事故は2025年1月、それを受けた改正法の公布は2026年7月23日で、およそ1年半かかっています。2つ目は施行日の詰め方です。代行制度は法律上「公布から3月以内」で足りたのに、実際に決まったのは公布から25日後の8月17日でした。国土交通省の発表資料に理由の記載はありませんが、公布の5日後にあたる7月28日に令和8年熊本地震が発生しています。

3つ目は、これから来る量です。全国の下水道管路は約50万kmで、標準的な耐用年数の50年を超えたものは現在約4万km(約8%)。それが10年後には約10万km(約20%)、20年後には約21万km(約42%)に増える見込みです。腐食のおそれが大きい箇所の点検実施率も、4年累計でマンホール77%・管渠78%で、全部は見終わっていません。制度が追いつく速さより、老朽化が進む速さのほうが速い、というのが数字の形です。

自分の家の下水道を確かめる3つの手順

制度の話は自治体の仕事ですが、住んでいる側にも確かめられることがあります。

まず、自分の家が公共下水道につながっているのか、浄化槽なのかを見ます。判断は簡単で、水道料金の請求に下水道使用料が含まれていれば公共下水道です。浄化槽なら、災害時の復旧はこの制度の対象外で、自分で業者に依頼する話になります。

次に、市町村の下水道担当課か都道府県の流域下水道のページで、自分の町の処理場が県の流域下水道につながっているかを確かめます。ここでつながっていれば、災害時に代行制度が使える可能性がある側です。

最後に、備蓄です。下水道が復旧するまでの日数は自治体では読めても家庭では読めないので、量で持っておくしかありません。携帯トイレは1人1日5回が目安で、4人家族が7日分なら140回分になります。水道が復旧しても、下水道が別工程で遅れることがある——今回の熊本のように順序が逆のこともありますが、どちらが先かは事前にはわかりません。両方止まる前提で数えておくのが確実です。

生活・仕事にどう効くか

  • 断水が終わっても、下水道の復旧は別に進む:水道管と下水道管は別の管で、復旧の担当も工程も別です。国土交通省の2026年8月9日10時時点のまとめでは、水道の断水は八代市・宇城市・氷川町で約34,800戸(最大時は約108,000戸)。一方の下水道は点検がすべて完了し、宇城市の旧小川町、氷川町の旧竜北町・旧宮原町の3地区で応急復旧作業が8月中旬に完了見込みです。
  • 復旧の速さは、これまで市町村の職員数で決まっていた:全国1,563の下水道事業者のうち、1,408が市町村や一部事務組合等です(令和6年度 下水道管路メンテナンス年報)。工事の設計・監督にあたる職員が確保できない自治体では、他自治体からの応援が到着するまで本格的な工事が動き出しません。
  • 代行してもらっても、市町村がお金を出さなくてよくなるわけではない:工事はいったん都道府県の費用で施行されますが、国が県に払うのは「市町村が自分で工事していたら国が市町村に交付するはずだった額」に相当する分だけです。残りは市町村の負担になります(下水道法 第14条の2第4項)。

結局どうすればよいか

  • 自分の家の排水が公共下水道か浄化槽かを、下水道使用料の請求があるかどうかで確認する
  • 住んでいる市町村が県の流域下水道とつながっているかを、市町村の下水道担当課か都道府県の流域下水道のページで確認する
  • 下水道が止まる期間に備え、携帯トイレを「家族の人数×日数×1日5回」で計算して備蓄する
  • 被災地では、断水の解消と下水道の復旧が別々に案内されるため、自治体の最新の案内をそれぞれ確認する

あわせて読む・調べる

くわしく知る(保存版の記事)

自分の場合を調べる(無料ツール)

公式出典

更新履歴

  • 2026年8月10日 初版を公開

※本記事は2026年8月10日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

コメント

コメントする

目次