SUUMOで通した原稿を、そのままATBBのおすすめコメント欄に貼り付けると、登録できないことがあります。文章の出来が悪いからではなく、「4LDK」の4が半角だからです。
書き直しになっている間、その物件の掲載は止まったままです。検索で見つかる物件紹介文の例文の多くは「どの媒体に貼るか」を決めずに書かれているため、文章としてはきれいでも、貼った先の仕様でこの種のやり直しが起きます。
この記事の例文8本は、先に貼る先を決めて作りました。ATBB用は全角の文字だけ・仲介手数料の表記なし・100文字以内。SUUMOに流用するときの先頭37文字の組み替え例もつけています。コピペして、数字と固有名詞をお手元の資料の値に差し替えて使ってください。
先に結論
- 例文8本はすべてコピペ可。ただし架空の物件で数字はダミー。資料の実数値に差し替えてから使う
- ATBB用の英数字が全角なのは仕様対応。半角に直すと登録できなくなる
- SUUMOに流用するときは、先頭37文字だけで伝わる並びに組み替える
- 仲介手数料と禁止語(最高・格安など)は例文に入れていない。追記するときも入れない
- 土地・事業用・一括登録経由の物件はATBBのAI生成の対象外。例文の出番はむしろここ
例文を貼る前に、媒体ごとの上限だけ確認する
例文より先に、貼る先のルールを1分だけ確認します。ここを飛ばすと、どんな例文もやり直しになるからです。
| 貼る先 | 上限 | 例文を貼るときに引っかかる点 |
|---|---|---|
| ATBB おすすめコメント | 全角100文字 | 半角文字が登録できない。仲介手数料の表記は禁止 |
| ATBB エンド向けアピール | 500文字 | 箇条書きにする。全角に統一しておくのが安全 |
| SUUMO メインキャッチ | 入力84文字 | 検索結果一覧に載るのは先頭37文字 |
ATBBの入稿マニュアルには、おすすめコメントについて「100文字まで入力できます。半角文字は登録できません。」と明記されています。入力欄のヘルプには「※仲介手数料に関する表記は登録しないでください。」とも表示されます(2026年7月に入力画面で確認)。掲載範囲が契約で変わる話も含めた欄ごとの仕様は、アットホーム(ATBB)のおすすめコメントは100文字。つまずきやすい4つの落とし穴にまとめてあります。
SUUMOのメインキャッチは入力欄こそ84文字ですが、検索結果の一覧に載るのは先頭の37文字だけです。詰め方の考え方はSUUMOのキャッチコピーは何文字まで? 84文字と37文字、どちらが正解かで扱っているので、この記事では組み替えた結果の形だけ示します。
物件紹介文の例文8本(コピペして数字を差し替える)
例文の英数字がすべて全角なのは、誤植ではなくATBBの仕様に合わせたためです。半角に「直して」しまうと、その時点でATBBには登録できなくなります。
例文1|駅近ワンルーム(単身向け賃貸)
駅距離+帰宅動線+設備1つ、の三点構成です。「通勤路に何があるか」は資料に載らない現地情報なので、ここが埋まると他社の同型文と差がつきます。
SUUMOに流用するなら先頭37文字はこうなります。「○○駅徒歩5分・浴室乾燥機つきワンルーム、通勤路にスーパー2軒」。SUUMOは半角英数字が使えるので、ここは全角に直す必要がありません。
例文2|郊外2LDK(ファミリー向け賃貸)
学区に触れるときは、町名からの思い込みで学校名を書かないでください。同じ町名でも約3割は小学校が割れることを実データで確認しています(物件広告の「学区」はなぜ事故るのか)。通学区域は自治体の指定で必ず裏を取ります。
例文3|築浅戸建(売買・ファミリー向け)
築年・居室の向き・収納・前面道路と、資料で裏の取れる事実だけで組んだ型です。SUUMOの先頭37文字なら「築12年4LDK・南向き3居室、駐車並列2台 ○○小学校徒歩8分」のように数字を前に出します。残りの例文も同じ要領で、先頭だけで伝わる並びに組み替えます。
例文4|駅近マンション(売買・共働き向け)
マンションは専有部の設備だけでなく、管理の頻度を1つ入れると文章が具体になります。管理人の勤務形態と清掃回数は重要事項調査報告書などで確認できる情報です。
例文5|築古リノベ済み(売買)
築古は「新築同様」と書きたくなる場面ですが、この言い換えは誤認を招きます。工事の時期と範囲という事実に置き換えるのがこの型です。「新築」と表示できるのは建築後1年未満かつ未入居の物件だけです。
例文6|土地(AI生成の対象外)
土地は建物の描写ができないぶん、接道・インフラ・現況の3つを順に書くと文章になります。後述のとおり、土地はATBBのコメント自動生成の対象外なので、例文が最も働く種目です。
例文7|店舗・事業用(AI生成の対象外)
事業用は住み心地ではなく、商売の条件(間口・残置設備・人の流れ)で書きます。人通りのような定性的な情報は、見た曜日と時間帯を添えると誇大になりません。
例文8|ペット可(条件で選ばれる賃貸)
ペット可・楽器可・二人入居可のような条件物件は、条件を先頭に置きます。条件で検索している人は、立地より先にそこを確かめるからです。
エンド向けアピール500文字は、行の型だけ決めておく
ATBBのエンド向けアピール欄(500文字)は、文章にせず1行1ポイントの箇条書きにします。行の順番をテンプレートにしておくと、物件が変わっても迷いません。
・2025年3月に外壁と屋根の塗装を実施済み。工事明細は店頭でご覧いただけます。
・○○小学校まで徒歩8分。通学路の信号は2か所です。
・徒歩4分にスーパー、駅までの道にドラッグストアと内科があります。
・現地のご案内は平日の夕方以降もご相談いただけます。
1行目に数字(面積・間取り)、2行目に更新履歴、3行目に学区、4行目に買い物環境、5行目に案内方法。おすすめコメントと同じ内容を繰り返さず、コメントは一言・アピールは詳細と役割を分けます。
AIが標準で書く時代に、人が書くのはどの物件か
ATBBには「かんたんコメント生成」が標準で付いていて、文体2種とイメージ3種、6つのアピールポイントの組み合わせで36種類のコメントを自動生成できます。それでも例文を用意したのは、この機能に対象外がはっきりあるからです(2026年7月確認のATBB入稿マニュアルによる)。
- 対象は居住用物件だけ(賃貸居住用・売戸建・売マンション)。土地と事業用は対象外
- ATBBで直接登録した物件だけ。一括登録システム・ファクトシート図面・賃貸管理システム経由の物件は対象外
- SUUMOなど他媒体の原稿はカバー外
- 生成ボタンを押すたびに、それまでの文章は上書きされて消えます。自分で直した文はメモ帳などに控えてから押す
つまり土地を扱う会社、一括登録システムで入稿している会社、複数媒体に出している会社は、AIが標準になった後も自分で書く場面が残ります。例文6と7を土地・事業用にしたのはこのためです。
もう1つ、物件種目とは別の線引きがあります。AIは登録された資料の中の情報しか並べられません。資料に載っていない現地の情報だけが、AIには書けない部分です。
撮影で現地に行った日、駅からの帰り道で見たものを5分だけメモしてください。スーパーの閉店時刻、坂の有無、信号を渡らずに行ける公園。例文1の「通勤路にスーパー」や例文8の「信号を渡らずに」は、この種のメモからしか書けない一文です。
私は、例文集の役目は「うまい文章の見本」から「貼る先の仕様に通る見本」へ変わったと考えています。文章の巧拙はAIでほぼ差がつかなくなったので、残る差は媒体仕様への適合と現地情報の2つだからです。
なお、AIが生成した文章をそのまま載せてよいかは別の確認が要ります。資料に無い情報の追加や数字の自作など、起きやすい間違いと入稿前チェック7項目はAIが書いた物件紹介文はそのまま掲載できる?入稿前に確認する7項目にまとめてあります。
例文を使う前の広告規約チェック
例文には最初から入れていませんが、差し替えや追記のときに戻ってきやすい表現があります。不動産の表示に関する公正競争規約で使用が禁止・制限されている語の代表は次のとおりです。
- 断定:完全、絶対、万全
- 最上級・優位:最高、日本一、当社だけ
- 価格:格安、激安、破格
- 選別:特選、厳選
徒歩分数は道路距離80メートルにつき1分で算出し、「新築」は建築後1年未満かつ未入居に限られます。細かな可否の判断は、所属する不動産公正取引協議会と各ポータルの掲載基準で確認してください。
あわせて、文章が適正でも広告自体が違反になる場合があります。同規約は、実在しない物件、実在するが取引の対象になり得ない物件(成約済みなど)、実在するが取引する意思のない物件の広告をおとり広告として禁止しています。例文を使う場面で最も起きやすいのは成約後の落とし忘れです。紹介文を整えるのと同じ重さで、掲載の終了日も管理してください。
そして媒体のAIで生成した文章であっても、広告の内容に責任を負うのは、生成した機能ではなく掲載する不動産会社です。例文もAIも下書きにすぎず、資料と突き合わせる工程は消せません。
出典:不動産の表示に関する公正競争規約(不動産公正取引協議会連合会)
差し替える時間が取れないときは
例文を仕様に合わせて調整する時間そのものが取れない場合は、媒体ごとの文字数・文字種・表記ルールの確認込みで入稿を代行しています。
よくある質問
例文をそのまま掲載に使ってもいいですか
そのままは使えません。例文は架空の物件で、徒歩分数・築年・面積はすべてダミーです。数字と固有名詞をお手元の資料の実数値に差し替え、資料で裏の取れない一文(現地情報など)は自分で確認してから載せてください。
ATBBのAIが書いてくれるので、例文は不要ではないですか
居住用をATBBで直接登録している範囲では、自動生成から始めるのが早いです。ただし土地・事業用・一括登録システム経由の物件・他媒体の原稿は対象外なので(2026年7月確認時点のマニュアルによる)、そこは自分で書くことになります。この記事の例文はその場面用です。
同じ紹介文を複数の媒体に使い回せますか
そのままの使い回しは、どこかの媒体で止まります。ATBBは半角文字が登録できず仲介手数料の表記が禁止、SUUMOは検索結果に載るのが先頭37文字と、仕様が食い違っているからです。本文の対応表のとおり、媒体の数だけ形を変えてください。
この記事の情報について
ATBBの欄仕様(おすすめコメント全角100文字・半角不可・仲介手数料の表記禁止)と「かんたんコメント生成」の対象範囲は、ATBB入稿マニュアル(118・119ページ)および入力画面で2026年7月に確認した内容です。媒体の仕様は変更されることがあるため、入稿前に最新のマニュアルでご確認ください。例文はすべて架空の物件であり、実在する物件・実在する店舗とは関係ありません。広告表現に関する記載は不動産の表示に関する公正競争規約の一般的な内容の整理で、実際の可否は所属する不動産公正取引協議会および各媒体の掲載基準の判断によります。


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