秋田県横手市で、国の「道路冠水想定箇所」に載っているのは3か所です。山内(さんない)のJR北上線の下をくぐる小田こ道橋下(おだこどうきょうした)と相野々(あいのの)地下道、それに十文字ICアンダーパス。2013年度からの県の報告で家の浸水がいちばん多かったのは、2017年7月22日からの大雨です。床上160棟・床下491棟で、県は場所を「大森ほか」と書いています。
この日、横手町付近にあるアメダス横手は、1日262.0ミリを観測しました。1976年からの記録で1位、2位(2001年8月1日の178ミリ)より84ミリ多い雨です。大森で降った量ではありません。同じ県の報告で横手市の家の浸水が出た大雨は、3回だけ。残る2回は2024年7月の49棟と、2015年9月の1棟です。
この記事でわかること
- ✓ 黒川には2017年に避難勧告(406世帯)、2024年に避難指示(392世帯)が出ました(県の報告)。2026年7月30日も避難指示の対象でした(秋田魁新報)
- ✓ 2024年7月25日、道が冠水して避難できなくなった11人を、市の消防がボートで救助しました(内閣府)
- ✓ 市のハザードマップのページにあるのは川の洪水や土砂の地図で、内水(川があふれなくても雨がたまる水)だけの地図は見当たりません
大雨の日に、横手で「いま通れない道」と川の水位を見るページ
「横手市 冠水情報」と調べている人は、まず次の公式ページを開いてください。
- 横手市Web(ウェブ)版ハザードマップ(通行止め箇所と避難所の開設状況も出ます)
- あきたのみち情報(秋田県。通行規制とライブカメラ)
- 国土交通省「道路情報提供システム」(国道・県道の規制)
- 秋田県河川砂防情報システム(横手川など県が管理する川の水位と雨量)
- 川の防災情報(雄物川など全国の川の水位とカメラ)
- 気象庁 キキクル(浸水害・洪水の危険度)
避難の呼びかけは、市の「よこて安全・安心メール」で届きます。消防車がどこへ出動しているかは、市の災害情報案内サービス(0570-091-019)の自動音声で聞けます。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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国の一覧に載るのは、山内の2か所と十文字ICの1か所
国土交通省 東北地方整備局の「道路冠水想定箇所」は、秋田県で72か所。大仙市33・秋田市17が多く、横手市は3か所です。
Aの小田こ道橋下とBの相野々地下道は、どちらも山内土渕(さんないつちぶち)にあります。説明表の位置図と道路地図OpenStreetMap(オープンストリートマップ)で見ると、Aは国道107号のすぐそばでJR北上線の下を、Bは相野々駅の東で線路の下をくぐる道です。
Cの十文字ICアンダーパスは、十文字ICと国道13号の間の道の下です。国の一覧は「市道 梨木側道1号線」、説明表は「農道」と書いていて、呼び方がそろっていません。説明表の写真では、入口に「大雨時 冠水注意」の看板が付いています。

地図の記号と同じ順です
A 小田こ道橋下(国の一覧)
市道小田線(おだせん) 管理番号 秋田県-02-466
住所:横手市山内土渕字小田(番地の記載なし)。JR北上線の下で、国道107号のすぐそば
管理: 横手市建設部建設監理課 / 警察: 横手警察署
※ 説明表の備考欄は空欄です
B 相野々地下道(国の一覧)
市道駅前鶴ヶ池線(えきまえつるがいけせん)がJR北上線の下をくぐる地下道 管理番号 秋田県-02-467
住所:横手市山内土渕字中島(番地の記載なし)。JR相野々駅の東、約60メートル
管理: 横手市役所 / 警察: 横手警察署
C 十文字ICアンダーパス(国の一覧)
説明表の種別は「農道」 管理番号 秋田県-02-470
住所:横手市十文字町梨木字沖野(番地の記載なし)。十文字ICと国道13号の間
管理: 横手市建設部建設課 / 警察: 横手警察署
※ 国の一覧の路線名は「市道 梨木側道1号線」。説明表の写真では、入口に「大雨時 冠水注意」の看板があります
1 大森地域
2017年7月22日からの大雨で、県の報告に浸水の場所として名前が出る地域
ピンは大森地域局前のバス停の位置(OpenStreetMap)。浸水した家の場所ではありません
2 県道二井山大森線 大森町上溝(うわみぞ)
2017年7月22日19時10分から、4.0キロが土砂崩落と冠水で通行止め(県の報告)
ピンは上溝の代表点に最も近い県道の上
管理: 秋田県
3 県道御所野安田線 睦成(むつなり)〜幸町(さいわいちょう)
2017年7月22日20時20分〜22時40分、1.5キロが冠水で通行止め(県の報告)
ピンは区間の途中(明永町)の県道の上
管理: 秋田県
4 県道金沢吉田柳田線 平鹿町醍醐(だいご)〜柳田(やなぎだ)
2024年7月24日22時20分〜25日19時15分、0.7キロが冠水で通行止め(県の報告)
ピンは県道が平鹿町醍醐から柳田に入るあたり
管理: 秋田県
5 県道植田平鹿線 平鹿町浅舞(あさまい)館廻
2024年7月24日22時20分〜23時、0.1キロが冠水で通行止め(県の報告)
ピンは館廻の代表点に最も近い県道の上(平鹿町浅舞)
管理: 秋田県
Googleマップのリンクは、A〜Cは説明表の位置図に合わせたOpenStreetMapの地下の道、1と6はバス停と地名の点、2〜5は県道の上の点で開きます。県の報告には区間の番地が無いため、2〜5は区間の目安です。横手市は大字が山まで広く、住所の代表点が集落から外れるため、標高は載せていません。
横手市で家の浸水が出た大雨は、2013年度からの県の報告で3回
3回のうち、2017年7月22日からの大雨が651棟で、2024年7月の49棟の13倍を超えます。

2017年7月22日は、1時間の雨も68.5ミリ(19時58分まで)で、横手のアメダスの1位です。2026年8月1日の123.0ミリは6位でした。

雨の値は、横手市横手町付近にあるアメダス1か所のものです。浸水した場所で降った雨の量ではありません。
読者
アメダスの雨が多い日ほど、家の浸水も多いんですか?
2017年7月22日は、アメダスの雨も、県が数えた家の浸水もいちばんでした。6位の2026年8月1日の大雨には県の被害報がありません。分かっているのは、2日16時の時点で建物の浸水が4棟という報道の途中の数だけです(秋田魁新報)。雨量計1か所の順位だけでは、浸水の多い少ないは決められません。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します
2017年7月22日:県の報告は「大森ほか」、避難勧告は1,924世帯
半壊3棟は大森町でした(県の報告)。市社会福祉協議会の報告では、ボランティアの活動111件のうち109件が大森地域でした。同じ報告は、市の確定報(9月14日)として床上浸水211件、床下浸水442件、道路冠水34件、土砂崩れ74件を載せています。県の報告とは数が合わず、単位も県は「棟」、この資料は「件」です。違いの理由を書いた資料は見つかっていません。
県の7月23日16時の報告によると、市は22日の夕方から夜に、金沢(かねざわ)・大森町・百万刈(ひゃくまんがり)・黒川の8地区の1,924世帯5,550人に避難勧告を出しました。いちばん多いのは大森町八沢木(やさわぎ)の778世帯です。大森町八沢木の大平と中ノ又では、県道横手大森大内線の土砂崩れと冠水で、計29世帯95人が一時孤立しました。
冠水で通行止めになった県道(県の報告)
県の報告に出てくる、横手市内の県道の「冠水」による通行止めです。2017年と2024年の分で、どれも国の一覧には入っていません。
| 閉まった日 | 路線と区間 | 延長 | 通行止めの時間 |
|---|---|---|---|
| 2017年7月22日 | 県道二井山大森線 大森町上溝 | 4.0キロ | 19時10分〜(土砂崩落と冠水。24日18時55分に解除) |
| 2017年7月22日 | 県道御所野安田線 睦成吉沢上台〜幸町 | 1.5キロ | 20時20分〜22時40分 |
| 2017年7月22日 | 県道横手大森大内線 大森町坂部〜上溝 | 13.0キロ(7月23日の報告。25日の報告では1.1キロと30メートル) | 19時15分〜(土砂崩れと冠水。大平・中ノ又が孤立) |
| 2024年7月24日 | 県道金沢吉田柳田線 平鹿町醍醐〜柳田新藤 | 0.7キロ | 22時20分〜25日19時15分 |
| 2024年7月24日 | 県道植田平鹿線 平鹿町浅舞館廻 | 0.1キロ | 22時20分〜23時 |
| 2024年7月25日 | 県道金沢吉田柳田線 平鹿町上吉田中山〜上吉田朴田 | 0.2キロ | 4時30分〜11時40分 |
2024年7月25日には、道が冠水して避難できなくなった住民11人を、横手市消防本部がボートで救助しました(内閣府の7月25日17時の資料)。救助した場所は書かれていません。この大雨の県の最新報(8月30日)で、横手市の家の浸水は床上3棟・床下46棟です。
黒川と横手川:2026年7月30日と8月1〜2日の避難指示
2026年7月30日の朝、市は横手川が増水して氾濫の恐れがあるとして、朝倉町・八幡・黒川など約1,870世帯に避難指示を出しました(秋田魁新報)。秋田魁新報は30日夜の記事で、横手川の支流の大戸川が越水した影響などで、建物の床下浸水が10件あったと伝えています。
8月1日の深夜から2日にかけては、上内町・羽黒町・朝倉町・山内大松川など約2,560世帯に避難指示が出ました(同紙)。同紙によると、山内黒沢の瀬野ケ台橋が崩落し、建物の浸水は2日16時までに床上1棟・床下3棟でした。
市は「令和8年7月29日からの大雨」として、り災証明の相談窓口や証明手数料の免除を設けています。ただ、避難指示の対象地区や被害の数をまとめた市の発表資料は見つかっていません。県の防災ポータルにも、この2回の被害報のページはありません。
| 年 | 黒川で出たこと | 出どころ |
|---|---|---|
| 2017年7月22日 | 避難勧告 406世帯1,262人 | 県の報告 |
| 2024年7月25日 | 避難指示(黒川地区全域) 392世帯1,068人。3時45分〜26日16時45分 | 県の報告 |
| 2026年7月30日 | 横手川の増水で避難指示の対象(朝倉町・八幡などと合わせて約1,870世帯) | 秋田魁新報 |
2024年7月25日は、黒川のほか12時に、雄物川町の沼館(ぬまだて)・里見・福地・館合(たてあい)、大森町の大森・川西、大雄阿気(あげ)の7地区にも避難指示が出ました(県の報告)。
「横手市 黒川 浸水」と調べる人もいます。今回調べた県の被害報告(2013〜2026年度)と市の資料に、黒川の家の浸水を名指しした記録は見当たりませんでした。
読者
黒川で部屋を借りるなら、何を見ればいいですか?
市のWeb版ハザードマップで、その住所に浸水想定の色が付いていないかを確かめてください。雨の日は、よこて安全・安心メールの避難情報と、県の河川砂防情報システムで横手川の水位を見ます。
住む前・借りる前に見る地図
横手市のハザードマップのページによると、Web版ハザードマップは横手川・雄物川・皆瀬川など20の川の洪水浸水想定区域(想定最大規模)を載せています。横手川は、2日間の総雨量503ミリを想定した洪水ハザードマップもPDFで出ています(令和3年3月)。大森町の上溝川にも専用のマップがあります(令和5年10月)。
上溝川のマップは「内水による氾濫を考慮していない」と書いています。市のハザードマップのページに、内水だけの地図は見当たりません。色が付いていない場所でも、A〜Cのような道路の下は国が冠水を想定しています。地図は写さず、見方だけを案内します。洪水の浸水想定は、国土地理院の重ねるハザードマップでも確かめられます。
\借りる前に、洪水と土砂の区域を住所で確かめる/
洪水の浸水想定区域と土砂災害警戒区域に、その住所が入っているかを出します
秋田県のほかの市はどうなっているか
- 道路冠水マップ どこで見られるの?(全国の一覧と、市区ごとの記事のまとめ)
- 秋田市 冠水 どこが危ないの?(市が名指しする地下道17か所)
- 大仙市 冠水 どこが危ないの?(国の一覧で秋田県最多の33か所)
- 能代 冠水 どこが危ないの?(2025年の床上浸水31棟を町名で)
- 大館 冠水 どこが危ないの?(松木地下道など、国の一覧の2か所)
- 秋田県のアンダーパス・冠水の注意箇所の記事(県内の一覧)
公式出典
- 国土交通省 東北地方整備局「道路防災情報Webマップ」道路冠水想定箇所 秋田県(一覧と説明表 akitaken-02-466・467・470。2026年9月23日取得)
- 気象庁「過去の気象データ」横手 観測史上1〜10位の値・同 2015年9月、2017年7月、2024年7月、2026年7月・8月の日ごとの値
- 秋田地方気象台「秋田県災害時気象資料」平成29年7月22日から23日の大雨・令和6年7月24日から26日の大雨
- 秋田県防災ポータルサイト「被害状況」(平成27年9月10日からの大雨・平成29年7月22日からの大雨・平成30年5月18日からの大雨・令和6年7月24日からの大雨・令和8年8月27日からの大雨)。平成29年は9月12日の最新報のほか、7月23日16時と7月25日16時の報告の避難・道路規制の表
- 内閣府「令和6年7月25日からの大雨に係る被害状況等について」(7月25日17時00分現在)
- 横手市社会福祉協議会「平成29年秋田県大雨災害に伴う横手市ボランティアセンター対応状況」
- 横手市「横手市のハザードマップをお知らせします。」「横手市Web版ハザードマップ」「大雨災害に関する市の相談窓口」「よこて安全・安心メール」「災害情報案内サービス」
- 秋田魁新報「横手、仙北市の川が氾濫の恐れ 一部地域に一時避難指示」「秋田県南部で大雨、住宅浸水など相次ぐ 6500人に一時避難指示」「大雨で土砂災害や横手川氾濫の恐れ 横手市内約2560世帯に避難指示」「横手市山内黒沢で橋崩落、地区の7世帯断水 秋田県南部中心に大雨」(2026年7月30日・8月2日)
- 国土地理院 地理院タイル(地図)
- 道路・地名の位置:OpenStreetMap(© OpenStreetMap contributors)
この記事の数値は公表資料を集計したものです(2026年9月23日取得)。避難や通行の判断は、必ず横手市と秋田県の最新の発表を確認してください。
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