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栗原市 冠水 どこが危ないの?

宮城県栗原市は、国の「冠水想定箇所」(宮城県内32か所)に1か所も載っていません。市議会の会議録や市・県の資料に道路の冠水が出てくるのは、荒川や小山田川に沿って走る県道と、瀬峰の駅前などです。

県は、荒川の堤防を兼ねる県道築館登米線が「荒川が堤防を越水する被害が頻発し、その都度」通行止めになってきたとして、2024年6月に道を約2メートルかさ上げしました。2022年7月の大雨では、この道を含む3路線が冠水で通行止めになったと市長が答えています。

2019年の東日本台風で水に浸かった家87棟のうち、52棟は瀬峰地区でした。市の地域防災計画の数字を地区ごとに足しました。

この記事でわかること

  •  瀬峰では2009年に駅前の道路、2011年に大水門付近の道路(長さ50メートル・深さ50センチ)の冠水が、市議会の会議録に残っています
  •  瀬峰を通る県道1号は、議員が「大雨のたびに冠水し通行どめ」と繰り返し取り上げてきた道です。市長は上富の霞堤から増水時に逆流すると認めています
  •  2015年9月の豪雨では、市内で軽自動車が流され、40歳代の女性が亡くなりました(内閣府の資料)
目次

雨の日に「今通れない道」を見る公式ページ

市のサイトに、道路の通行止めをまとめたページは見つかりませんでした。雨の日は次のページで確かめてください。

山あいには、雨量が基準に達すると前もって閉まる道があります。2026年7月26日には、県道築館栗駒公園線の耕英〜岩鏡平、県道岩入一迫線、国道398号の花山温湯〜湯浜の3区間が、基準の雨量に達して全面通行止めになりました(宮城県の被害報)。

冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの

JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。

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水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。

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国の一覧は0か所、記録に冠水が出てくる7か所

国土交通省 東北地方整備局の「冠水想定箇所」は宮城県で32か所です。となりの大崎市は7か所ありますが、栗原市は0か所でした。内水(側溝や水路があふれる水)の浸水想定が国土地理院の地図に載っている宮城県の市町村も、多賀城市だけです。

そこで、市の地域防災計画、市議会の会議録、県の資料から、道路の冠水や通行止めが書かれた場所を7つ選びました。

栗原市で道路の冠水・通行止めの記録がある場所の地図
1〜7は市の地域防災計画・市議会の会議録・宮城県の資料で道路の冠水や通行止めが書かれた場所

地図の番号と同じ順です

1 県道1号 古川佐沼線(瀬峰 上富付近)

県道(主要地方道)

栗原市瀬峰(「上富」の地名の近く。点は県道の上)

※ 小山田川の北側。県道の冠水・通行止めは議員の発言で、県や市の発表資料は見つかっていません

1 をGoogleマップで開く

2 瀬峰駅前

駅前の道路

栗原市瀬峰(JR瀬峰駅の前)

※ 市長は駅周辺を「すり鉢状に雨水が集まる形状」と説明(2009年)

2 をGoogleマップで開く

3 県道築館登米線(萩沢 加倉〜曽内)

県道(主要地方道)・荒川の堤防を兼ねる区間

栗原市築館萩沢〜横須賀(点は県道の上)

※ 荒川の堤防を兼ねる区間。2013年7月(市の職員の説明)と2022年7月(市長の答弁)に通行止め

3 をGoogleマップで開く

4 県道築館栗駒公園線(芋埣)

県道(主要地方道)

栗原市 芋埣(点は県道が芋埣川を渡る付近)

※ 2022年7月の大雨で、冠水により通行止め(市長の答弁)。「芋埣地内」は質問した議員が挙げた場所で、市長の答弁は路線名だけでした

4 をGoogleマップで開く

5 市道曽内熊狩線(太田地区)

市道

栗原市築館太田(点は「築館太田」の地名の位置)

※ 2022年7月の大雨で、冠水により通行止め(市長の答弁)。「太田地区」は質問した議員が挙げた場所で、市長の答弁は路線名だけでした

5 をGoogleマップで開く

6 築館 宮野(渋川)

渋川が迫川に合流するあたり

栗原市築館下宮野(点は地名の位置)

※ 2019年の台風19号で、冠水に備えて合流点のゲート前でポンプを運転(市長の答弁)。2015年の豪雨では下宮野の一部で浸水被害があったと市長も答えています(道路が約30センチ冠水したというのは議員の発言)

6 をGoogleマップで開く

7 栗駒 岩ケ崎 下小路

町なかの道路

栗原市栗駒岩ケ崎(点は「下小路」の地名の位置)

※ 「短時間の集中豪雨の場合において冠水が発生する場合がある」(2009年の市長の答弁)

7 をGoogleマップで開く

Googleマップは、国土地理院の地図の地名の位置か、OpenStreetMap(オープンストリートマップ)の県道の位置で開きます。冠水した地点そのものではありません。

県道築館登米線は、荒川が越水するたびに通行止めになってきた

番号3の県道築館登米線は、築館の萩沢で荒川と並んで走り、道が川の堤防を兼ねています。県の事業のページは「近年、荒川が堤防を越水する被害が頻発し、その都度県道築館登米線の通行止めが生じている」と書いています。

市の記録では、2013年7月27日の午前1時ごろにも通行止めでした(市の職員の説明)。2019年の台風19号では荒川と照越川が決壊し、県が国から借りた排水ポンプ車で10日間、水をくみ出しています(市長の答弁)。

県は2015年と2022年の被害を受け、堤防の強化とあわせて道を約2メートルかさ上げし、2024年6月28日から新しい道を暫定で使い始めました。2025年9月の事業通信では、護岸と橋の工事が続いています。

2022年7月に冠水で通行止めになった残りの2路線は、県道築館栗駒公園線(番号4)と市道曽内熊狩線(番号5)です。市長が答えたのは路線名までで、場所は質問した議員が「芋埣地内」「太田地区」と挙げています。市長の答弁によると、県は築館栗駒公園線について「内水対策が重要」としています。

市の記録に道路の冠水や通行止めが出てくる日は、アメダス築館の日降水量の歴代10位のうち6日です。

アメダス築館の日降水量の歴代10位
赤は市の地域防災計画・市議会の会議録・県の資料に道路の冠水や通行止めが出てくる日
i
築館左足下の1地点の値で、冠水した場所の雨ではありません。2015年9月11日は、山あいのアメダス駒ノ湯で1時間72.0ミリの観測史上1位でした。

読者

かさ上げした築館登米線は、もう通れなくならないんですか?

おかあさん

県は「洪水時における、安全な通行の確保が期待される」と書いています。ただ工事は続いていて、かさ上げ後の大雨でどうだったかは、読んだ資料には出てきませんでした。

瀬峰は、駅前と県道1号に記録が重なる

2019年の東日本台風で浸水した家を地区別に並べると、瀬峰が2位の金成(22棟)を大きく上回ります。床上浸水22棟のうち19棟も瀬峰でした。

2019年の東日本台風で栗原市の地区別の浸水した住家の数
床上・床下浸水の住家87棟のうち52棟が瀬峰

道路の冠水も記録に残っています。2009年10月の台風18号では、瀬峰駅前のマンホールのポンプが停電で止まり、発電機を置こうとしても「道路及びマンホールが冠水のため作業ができず」、汚水が地表に流れ出ました。市長は駅周辺を「すり鉢状に雨水が集まる形状」と説明しています。2011年9月の台風15号では、大水門付近の道路が長さ50メートル、深さ50センチ冠水しました(総務部長の報告)。

高清水と瀬峰を結ぶ県道1号(古川佐沼線)について、議員は「大雨のたびに冠水し通行どめ」(2015年)、「およそ70ミリの降雨で逆流が始まります」(2023年)と話しています。市長は2023年12月、上富地区にある幅約30メートルの霞堤について「増水時に逆流することは市でも把握しております」と答えました。何ミリで冠水するかを県や市が発表した資料は見つかっていません。

市の防災マップ2022の詳細図No.23では、高清水から瀬峰へ向かう県道1号が、小山田川沿いの「浸水実績」の斜線の中を通っています。

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2015年9月の豪雨では、流された軽自動車の女性が亡くなった

2015年9月11日の関東・東北豪雨で、栗原市では2人が亡くなりました。内閣府の資料には「軽自動車が流され、乗っていた40歳代女性が救出されたが、搬送先の病院で死亡を確認」とあります。もう1人は60歳代の男性で、行方不明になった後、熊川で見つかりました。

議員は市議会で、1件は県道築館栗駒公園線の熊川橋が増水で水没・落下したこと、もう1件は鳥矢崎地区の鍛冶屋線で車ごと流されたことによると述べています。市の発表資料で、場所までは確かめられませんでした。

この豪雨の夜、招集された市の職員も道路の浸水に気づかず、車を水没させています。市長は2022年、浸水が想定される場所を避けて迂回するよう職員に指示していると答えました。

町なかでは、岩ケ崎の下小路と築館の宮野

栗駒の岩ケ崎下小路(番号7)について、市長は2009年、地元に出向いて調べたところ「短時間の集中豪雨の場合において冠水が発生する場合がある」との情報を受けたと答えています。議員は「1時間に30ミリぐらい降ると、すぐ道路に冠水する」と話していますが、この雨量は市の資料では確かめられていません。

築館の宮野地区(番号6)では2019年の台風19号のとき、市が渋川と迫川の合流点のゲート前にポンプを置き、迫川からの逆流を確かめた午前1時30分ごろから約2時間動かしました。2015年の豪雨のあとも市長は「築館下宮野地区の一部におきましても浸水被害が生じておりました」と答え、排水先の迫川の水位が上がったためとしています。道路が「深いところで30センチぐらい」冠水したというのは、議員の発言です。

読者

大きな川が近くになければ、冠水の心配はいりませんか?

おかあさん

市長は下小路の冠水の原因を「流末の経路や通水断面の能力により生じるもの」と説明しています。雨水の流れ先の道筋と、水路が流せる量の話で、川の氾濫とは別の原因です。

内水の地図は無い。家のまわりを調べる3つ

市のハザードマップの一覧に、内水の地図はありません。市の防災マップ2022は洪水・土砂災害・火山の地図で、詳細図には過去に浸水した範囲が「浸水実績」の斜線で描かれています。

  • 防災マップ2022の詳細図で、家と通勤の道に「浸水実績」の斜線や浸水の深さの色がかかっていないかを見る
  • 雨の日は、県の道路管理GISで通る道の規制を、河川流域情報システムで近くの川の水位を見る
  • 水につかった道には、車でも歩きでも入らない

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ほかの市の冠水記事

公式出典

この記事の数値は公表資料を集計したものです(2026年9月23日取得)。避難や通行の判断は、必ず栗原市と宮城県の最新の発表を確認してください。

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この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

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