津幡町は、石川県が大雨で冠水のおそれがあるとして台帳を出している道路の一覧(127か所)に、1か所も入っていません。それでも2023年7月12日の夜の大雨では、県内の床上浸水136棟が、すべて津幡町でした(7月21日時点の県の速報。気象庁の資料に掲載)。
町は2024年12月22日の住民説明会で、被害が密集したのは津幡地区(津幡・清水・庄)だったとし、要因に八反田川と総門川からの溢水、川尻雨水ポンプ場の排水量不足を挙げています。
この記事でわかること
- ✓ 竹橋の津幡川は、2023年7月に「越水」、2025年8月7日に「氾濫」と県の資料に2回出ています
- ✓ 潟端は河北潟の岸の地区です。河北潟の水位は観測所「潟端」で見られ、氾濫危険水位は1.1メートルです
- ✓ 2026年8月27日からの大雨では、県の最新の第21報(9月18日14時現在)に津幡町の家の被害は載っていません
大雨の日に、いま通れない道と川を見るページ
「津幡町 冠水情報」を探しているなら、まずここです。
- 石川みち情報ネット(県道の通行規制)
- みちナビ石川(国道8号など国の道路)
- 川の防災情報(津幡川の観測所「津幡川」「新道橋」、河北潟の「潟端」、能瀬川の「御門橋」の水位)
- 石川県河川総合情報システム(県の雨量・水位・河川カメラ)
- 津幡町メール配信サービス(町の防災メール)
- キキクル(気象庁の危険度分布)
町道の相談は町の都市建設課(076-288-6703)、県道は津幡土木事務所(076-289-4161)です。
石川県の冠水一覧に、津幡町は0か所
石川県は、大雨で冠水のおそれがある道を「道路冠水想定箇所」として127か所挙げ、1か所ずつ台帳を出しています。一覧に市町の列は無いので、県の地図データの位置を国土地理院の逆ジオコーダで1か所ずつ確かめると、津幡町の箇所はありませんでした。
名前に「津幡」が入る場所は2つあります。国道8号 津幡バイパスの「二日市ボックス」は、台帳の地先名が金沢市二日市です。2026年8月27日に冠水で通行止めになった県道 高松津幡線も、県の報告の場所はかほく市横山でした。
読者
一覧に1か所もないなら、津幡町の道は冠水しにくいんですか?
そうとは言えません。県の一覧は、線路や道路の下をくぐるアンダーやボックスが中心です。2023年7月の津幡町の浸水は、町の検証では主に町の中の川や水路からあふれた水でした。一覧に載っていないことは、冠水しないことの証明にはなりません。
2023年7月12日、県の速報で床上浸水136棟はすべて津幡町
2023年7月12日の夜、気象庁は、かほく市・津幡町・内灘町付近に線状降水帯の雨域を解析し、21時39分に、2021年6月の運用開始以降、石川県で初めての「顕著な大雨に関する石川県気象情報」を出しました。
町の資料では、津幡土木事務所の観測所で1時間80ミリ以上の雨を観測しています。
7月21日時点の県の速報で、津幡町の家の被害は床上浸水136棟・床下浸水278棟(あわせて414棟)、半壊・一部破損を含めて425棟。津幡小学校と刈安小学校も昇降口などが床上まで浸かりました。
北陸中日新聞は、津幡署前の県道 中尾津幡線などで道路が冠水し、立ち往生する車があったと伝えています(町と県の発表資料では確認できていません)。

県の136棟・425棟は、大雨から9日後の速報です。町の被災状況のページでは住家被害は373棟で、全壊7棟、大規模半壊1棟、中規模半壊43棟、半壊75棟などです(2025年2月末現在)。消防庁の第34報(2024年3月6日)の石川県の全壊7棟・半壊119棟と、町の全壊7棟・半壊119棟(大規模・中規模を含む)は同じ数です。
冠水した道で車が動けなくなったときに要るもの
JAFのテストでは、セダンが走れなくなる水深と、ドアが開かなくなる水深がほぼ同じでした。つまり止まった時点で、窓を割る以外に外へ出る方法がなくなります。車に置いておくものから挙げます。
水に浸かった車は、外からの水圧でドアが開かなくなります。割れるのは側面のガラスで、フロントガラスは合わせガラスなので割れません。グローブボックスの奥ではなく、座ったまま手が届く場所に置いてください。
119番も家族への連絡も、スマホが生きていることが前提です。水に落とすと沈んで探しようがなくなるので、浮く型かどうかがそのまま連絡手段の有無になります。入れたまま操作できます。
鍵につけて持ち歩けるサイズ。停電や夜道、内見での床下確認にも使えます。備えは「持ち歩けるかどうか」で使用率が変わります。
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町の検証:八反田川・総門川と、川尻雨水ポンプ場
説明会で町は、11の地区ごとに浸水の要因を検証した結果を出しています。津幡地区については「八反田川及び総門川からの溢水が浸水被害の主要因と判断できる」とし、川尻雨水ポンプ場の排水量不足を「要因の一つ」としています。
町の資料は、八反田川は全体に断面が小さく水位が上がりやすい、総門川は断面が小さく道路の下で断面が平たい所が多い、としています。八反田川が津幡川につながる所について、町は説明会で「普段閉まっていて雨水を排水することはありません」と答え、つながって描いた資料を「資料の誤り」としました。津幡川の水位が上がるとゲートで遮断し、ポンプで排水しているとも答えています。

地図の番号と同じ順です
A 潟端(河北潟の東の岸)
河北潟の水位観測所「潟端」(潟端南排水機場)
ピン:潟端の代表点
※ 2013年8月23日に潟端地内の農地が冠水(農林水産省 北陸農政局の事務所の広報)。潟端の道路が冠水したという県や町の発表は見つかっていない
リンクは国土地理院の住所検索の大字の代表点で、浸水した地点そのものではありません。町の地図は複製・転用の前に町への相談が必要なため、色や印の位置は写していません。
2023年7月の雨を使った町の計算(流出解析)では「津幡町全域にて浸水が発生している」とされ、町は雨水路の能力が全体的に足りないと書いています。この計算に河北潟は入っていません。
竹橋の津幡川は2023年に越水、2025年に氾濫
竹橋(地図の8)について、町は津幡川を横断する町道沿いに被害が集中し、町道の橋の所で断面が大きく平たくなっていて「ここから溢水したと考えられる」としています。県の資料では、2023年7月は津幡川(新道橋)の越水、2025年8月7日は津幡川(津幡町字竹橋)の氾濫です。
2025年8月7日は、町が9時45分に4地区へ避難指示を出し、14時30分に解除しました。この大雨で県が最後に出した第15報(8月18日14時現在)では、津幡町の家の被害は床下浸水3棟です。
家が洪水の想定区域や土砂災害の警戒区域に入っているかは、住所から確かめられます。
\住所だけ・1分で公的データを確認できます/
土砂災害警戒区域・洪水の浸水想定・地盤の揺れやすさを公的データでまとめて出します
潟端は河北潟の岸、農地の冠水の記録がある
「津幡町 潟端 冠水」と調べている人へ。潟端は、河北潟の東の岸にある地区です。河北潟の水位は、潟端南排水機場にある観測所「潟端」で測っていて、川の防災情報で見られます。
農林水産省 北陸農政局の事務所の広報には、「津幡町潟端地内 農地の冠水(H25.8.23)」という写真の見出しがあります。2023年7月も、県の速報に「農地の一部で冠水〔河北潟(金沢市、津幡町、内灘町)〕」とあります。河北潟のまわりでは国が排水機場の改修を進めていて、最初に完成した潟端南排水機場はポンプの排水能力を約3倍にし、2024年11月に引き渡されました。
町の内水ハザードマップ(南部)でも、河北潟沿いの田に色が付いています。一方で、潟端の道路が冠水したという県や町の発表は見つかっていません。
内水ハザードマップは1時間130ミリで作られている
町は2025年4月に内水ハザードマップを公表しました。前提の雨は1時間130ミリです。町はこの地図に、下水道は1時間55ミリを排水できるよう整備していると書き、説明会の資料では雨水施設の整備の基準を1時間50ミリとしています。

町は川尻雨水ポンプ場(説明会の時点で2台)に1台を足して2027年(令和9年)に動かす予定で、それで60ミリの雨まで対応できる計画だとし、80ミリの雨には八反田川を改修しなければ対応できないと思われると答えています。
読者
内水の地図で色が付いていない所なら、大丈夫ですか?
町は地図に「着色されていない箇所において必ず浸水が発生しないということではありません」と書いています。家と、ふだん通る道の両方を見てください。
町には、止水板や宅地のかさ上げなどの費用の2分の1(上限50万円)を出す住宅浸水対策補助金があります(条件あり・都市建設課)。
内水(下水道で雨を流しきれずにあふれる水)は次の診断には出ないので、町の内水ハザードマップで見てください。
\引っ越し先を選ぶときも、候補の住所で/
洪水の浸水想定区域・土砂災害警戒区域・地震の揺れやすさを住所1つで並べて出します(内水は出ません)
よくある質問
津幡駅は冠水しますか
津幡駅そのものが冠水したという県・町・気象庁の資料は見つかっていません。2023年7月は、JR七尾線が13日に全線で運転を取りやめました。
2026年8月27日の大雨で、津幡町は浸水しましたか
県の最新の第21報(9月18日14時現在)に、津幡町の家の被害は載っていません。国道8号の津幡町九折〜小矢部市安楽寺は、冠水ではなく雨量規制で翌朝まで閉まりました。
石川県のほかの市はどうなっているか
- 道路冠水マップ どこで見られるの?(全国の一覧と、市区ごとの記事のまとめ)
- 金沢市 冠水 どこが危ないの?
- 小松市 冠水 どこが危ないの?
- 羽咋市 冠水 どこが危ないの?
- 加賀市 冠水 どこが危ないの?
箇所・被害・雨量は、県・町・気象庁・農林水産省の公表資料から自分で数えました。
公式出典
- 石川県「道路冠水想定箇所一覧」(127か所の台帳。2026年9月23日取得)・同「道路冠水想定箇所マップ」
- 石川県「令和8年8月27日からの大雨に関する情報」(被害等の状況 第1〜21報。最新の第21報は2026年9月18日14時現在。2026年9月23日取得)
- 石川県「令和7年8月6日からの低気圧と前線による大雨に関する情報」(被害等の状況 第4報・第15報)
- 金沢地方気象台「令和5年7月12日から13日の大雨に関する石川県気象速報」(石川県の被害状況は7月21日15時現在の速報)・同「令和8年8月26日から30日の大雨に関する石川県気象速報」
- 津幡町「住民説明会(令和5年7月豪雨)」(説明会資料・別紙・議事概要。令和6年12月22日開催)
- 津幡町「被災状況について(令和5年梅雨前線による大雨災害)」(令和7年2月末現在)
- 津幡町「ハザードマップ等」(内水ハザードマップ 令和7年4月・洪水ハザードマップ・石川県 浸水実績図(県央地区))
- 津幡町「住宅浸水対策補助金」(2026年4月1日更新)・同「防災に関する情報」
- 農林水産省 北陸農政局 西北陸土地改良調査管理事務所 広報(調査地区紹介「河北潟周辺地区」)・農林水産省「国営総合農地防災事業 河北潟周辺地区」
- 北陸農政局 河北潟周辺農地防災事業所(潟端南排水機場引渡し式・進捗状況。2026年9月23日取得)
- 消防庁「令和5年6月29日からの大雨等による被害及び消防機関等の対応状況(第34報)」(2024年3月6日17時00分)
- 国土交通省「川の防災情報」観測所の情報(潟端・新道橋・津幡川・御門橋。2026年9月23日取得)
- 北陸中日新聞「石川県内大雨 冠水や土砂崩れ 津幡など 線状降水帯が発生」(2023年7月13日)
- 国土地理院 住所検索API・標高API(標高)/地理院タイル(地図)
この記事の数値は公表資料を集計したものです。避難や通行の判断は、必ず津幡町と石川県の最新の発表を確認してください。
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