春日部市の土地を地価公示の坪単価で見積もっている人は、金額を低く置いています。国土交通省のデータで春日部市の成約153件を集計すると、土地の坪単価の中央値は33.1万円/坪。住宅地の地価公示35地点の中央値29.0万円/坪に対して、実際に売れた土地は13.9%高い位置にありました。
先に断っておくと、この13.9%は「春日部市の土地が値上がりした」という意味ではありません。地価公示は国が選んだ住宅地の標準地を鑑定した価格、成約価格は実際に売買が成立した土地の値段で、数えている土地そのものが違います。母集団の違う2つを引き算しても、値動きは出てきません。
そして、市の数字より効くのは町の数字です。成約が5件以上あった町どうしで比べると、中央の62.8万円/坪と新宿新田の17.5万円/坪で3.6倍。公示との13.9%より、町を1つ動かしたときの差のほうがはるかに大きくなります。この記事では、2024年4Qから2025年4Qまでに春日部市で売れた土地153件と、住宅地の地価公示35地点を同じ縮尺で並べます。
先に結論
- 春日部市の土地の成約中央値は33.1万円/坪(153件)。住宅地の地価公示35地点の中央値29.0万円/坪より13.9%高い位置にあります
- この13.9%は値動きではありません。公示は住宅地の標準地だけ、成約には条件のよい土地も悪い土地も混ざります
- 町別は、成約5件以上の町どうしで中央62.8万円/坪 ÷ 新宿新田17.5万円/坪=3.6倍。予算を動かすのはこちらの差です
- 1区画の面積の中央値は165㎡(49.9坪)。坪単価の中央値と掛け合わせた概算は1650.0万円で、実在する1件の価格ではありません
- 赤沼2.0万円/坪や西親野井2.1万円/坪は、市街化調整区域や農地が混ざっている疑いがあります。住宅地の最安値としては読まないでください
春日部市の土地は33.1万円/坪。公示価格は29.0万円/坪
成約が3件以上あった町は26町ありました。そのうち11町を抜き出し、比較のために市全体の中央値と地価公示の中央値を同じ縮尺で並べています。市の中央値の4分の1を下回る5町は、住宅地の相場として読める数字ではないためグラフから外しました(この5町は後の節で説明します)。
春日部市の土地の坪単価(中央値・2024年4Q〜2025年4Q)。町別の集計は成約3件以上の26町で、グラフはそこから11町を抜粋しました。色の濃い2本は市全体の中央値と、住宅地の地価公示35地点の中央値です
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。グラフに載せたのは26町のうち11町だけなので、候補地の住所で確かめてください。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
色を濃くした2本が、この記事の主題です。春日部市全体の成約の中央値が33.1万円/坪、地価公示の中央値が29.0万円/坪。その差が13.9%にあたります。
並べてみると、公示の29.0万円/坪は緑町の29.4万円と米島の25.0万円のあいだに沈みます。抜粋した11町のうち8町が公示より上、下は米島・西金野井・新宿新田の3町だけです。中央の62.8万円や豊町の43.0万円を候補にしている人にとって、公示価格は予算の目安として働いていません。逆に新宿新田の17.5万円は公示より低いので、公示を基準にすると土地代を多めに見積もることになります。
成約がいちばん多かったのは粕壁の13件で、34.7万円/坪。市全体の中央値33.1万円のすぐ上です。次に多い一ノ割の8件も34.0万円で、ほぼ同じ位置にいます。春日部市の相場を1点で言うならこのあたり、という町が2つ並んでいる形です。
公示価格と成約価格がずれる理由
地価公示は、国が選んだ標準地を不動産鑑定士が評価して毎年公表する価格です。春日部市の住宅地は35地点あり、その中央値が29.0万円/坪。選ばれるのは道路に接していて、形が整っていて、住宅地として普通に使われている土地です。毎年同じ地点を同じ条件で見続けるための地点なので、極端な土地はそもそも選ばれません。
成約データのほうは、選びません。売買が成立した土地をそのまま数えます。春日部市の153件には、間口の狭い土地も、傾斜のある土地も、家を建てる前提になっていない土地も混ざります。しかもこの153件は、坪単価が極端に離れた23件をあらかじめ外したあとの数字です。それでも残った幅は3.0万円/坪から135.5万円/坪まであります。
母集団が違う2つの数字を引き算しても、値上がり・値下がりは出てきません。公示価格と成約価格は、同じ土地を別の年に測った数字ではなく、別の集団を測った数字です。
事実として、公示の中央値は29.0万円/坪、成約の中央値は33.1万円/坪、その差は13.9%です。そのうえで私は、この13.9%を街の評価が上がった証拠ではなく、公示の35地点が拾いきれていない土地が成約データに入っている結果だと見ています。値上がりが理由なら公示を下回る成約は少ないはずですが、町別に降りると米島25.0万円、西金野井17.9万円、新宿新田17.5万円、下柳15.2万円、内牧14.2万円、不動院野11.9万円と、公示の29.0万円より低い町が並んでいるからです。上に外れる取引と下に外れる取引の両方が、同じ153件に入っています。
1区画は49.9坪。土地だけで概算1650.0万円
春日部市で成約した土地1区画の面積の中央値は165㎡、坪に直すと49.9坪です。坪単価の中央値33.1万円と掛け合わせると、土地代は概算で1650.0万円になります。
これはあくまで概算です。49.9坪と33.1万円は別々に取った中央値なので、この値段で売れた1件が実在するわけではありません。桁を確かめるための数字として使ってください。ここに仲介手数料と登記費用が乗り、建物の代金は別に必要になります。
同じ49.9坪を公示の29.0万円/坪で見積もれば、当然これより低い額が出ます。土地を買って家を建てる計画では、土地代がずれたぶんを吸収する先が建物側しかありません。土地の価格は交渉の幅が小さく、後から動かせるのは建物の仕様だからです。設計の打ち合わせに入ってから土地代の見込み違いに気づくと、削る先は間取りと設備になります。
町別に並べると中央と新宿新田で3.6倍
町別の集計は成約3件以上の26町ぶんあります。このうち成約が5件以上あった町どうしで比べると、中央(5件)の62.8万円/坪と新宿新田(5件)の17.5万円/坪で3.6倍です。春日部市で予算を左右するのは、公示との13.9%ではなくこの3.6倍のほうだと考えてください。
3件の町まで含めると差はもう少し開いて、中央(5件)と不動院野(3件)で5.3倍になります。ただし成約3件の中央値は、1件の取引が入れ替わるだけで動きます。だからこの記事は見出しにも結論ボックスにも、件数のそろっている3.6倍を置いています。
赤沼の2.0万円/坪、西親野井の2.1万円/坪、西宝珠花の2.4万円/坪、椚の2.8万円/坪、東中野の3.6万円/坪は、住宅地の相場として読まないでください。いずれも市の中央値33.1万円の4分の1を大きく下回る水準で、農地や山林、市街化調整区域の取引が混ざっている疑いがあります。ここを「春日部市でいちばん安い町」として候補に入れると、そもそも家を建てられない土地を見に行くことになります。売り出し中の土地で周辺よりはっきり安いものを見つけたときは、地目と都市計画上の区分を先に確かめる順番です。どちらも市の窓口か仲介会社に聞けばその場で分かります。
グラフに入れなかった町も書いておきます。上の帯には備後東(3件・43.0万円)、大衾(4件・39.7万円)、大場(3件・39.7万円)、南中曽根(3件・39.7万円)、大枝(3件・39.7万円)、粕壁東(3件・31.7万円)が並びます。下の帯は増戸(3件・21.5万円)、下柳(4件・15.2万円)、内牧(4件・14.2万円)、不動院野(3件・11.9万円)です。いずれも成約3〜4件なので、順位は幅を持って読んでください。
市全体をならした数字と種別ごとの内訳は春日部市の不動産相場に置いています。町名から通学先を確かめたいなら春日部市の学区のほうが早いです。
春日部市の実家を相続した人が、公示価格で見当をつけると起きること
春日部市の家を相続して、売るか持ち続けるかを決めかねている人にとって、この記事の数字は出発点になります。土地だけなら33.1万円/坪、49.9坪で概算1650.0万円。ここで地価公示の29.0万円/坪を使って計算すると、紙に載る金額はこれより低くなります。
困るのは、その紙の金額を「うちの土地の値段」だと思い込んだままで話が進むことです。兄弟で集まった席で、公示価格から出した額を前提に分け方まで決めてしまう。あとから査定額が出てきて数字が動き、分け方の話からやり直しになる。逆に、実際には新宿新田の17.5万円/坪に近い町なのに市の中央値で見当をつけていれば、売り出してから値段を下げ続けることになります。最初に置いた見当が市全体の1点だったときに、この揉め方をします。
建物が残っているなら、中古戸建ての中央値は97.4万円/坪(130件・建物の延床坪あたり)で、真ん中の半分は77.5万円から113.0万円のあいだに散らばっています。同じ広さの家でも、この幅のどこに乗るかで手取りが変わります。中央値は市全体をならした1点であって、相続した家がその線の上か下かは、建物の状態と土地の条件を見ないと決まりません。
相続では、値段を調べる前に手続きのほうで止まる人もいます。戸籍の収集から不動産・預貯金の名義変更、相続税の申告までを、税理士と司法書士が連携して一括で代行するサービスがあります。オンラインと郵送で全国に対応しています。自分で進める時間が取れない場合や、遠方で動けない場合の選択肢です。
基本料金68万円(税込)からの有料の代行です。自分で動く時間が取れない人向けの選択肢として見てください
実家をどうするか全体の順番は実家じまいの進め方に整理しました。売らずに置いておく選択をするなら、その間に何が起きるかは空き家を放置したときのリスクにまとめています。
春日部市の中古戸建てと新築戸建てはいくらで売れたか
土地以外の種別も出しておきます。単価の分母が種別ごとに違うので、表の右側に何で割った数字かを書きました。
| 種別 | 中央値 | 件数 | 単価の分母 |
|---|---|---|---|
| 土地 | 33.1万円/坪 | 153件 | 土地の面積(坪) |
| 中古戸建て | 97.4万円/坪 | 130件 | 建物の延床面積(坪) |
| 新築戸建て | 102.5万円/坪 | 87件 | 建物の延床面積(坪) |
| 中古マンション | 22.5万円/㎡ | 56件 | 専有面積(㎡) |
| 賃貸 | 1,785円/㎡ | 24,600件 | 専有面積(㎡) |
縦に並んでいますが、種別をまたいだ引き算はできません。土地の33.1万円は土地の広さで割った値、戸建ての97.4万円は建物の延べ床の広さで割った値です。同じ「坪」という言葉でも、数えている面積が違います。「戸建てのほうが坪単価が高いから、差が建物のぶん」という読み方は成立しません。土地から買う案と中古を買う案を比べるときは、坪単価どうしではなく総額どうしで並べてください。
比べてよいのは、分母が同じもの同士です。春日部市の中古戸建ては97.4万円/坪、新築戸建ては102.5万円/坪。中古は真ん中の半分が77.5万円から113.0万円、新築は95.7万円から121.8万円に収まっていました。中古の上側113.0万円は、新築の下側95.7万円を上回っています。2つの価格帯は重なっていて、坪単価だけでは新旧が分かれません。中古のほうが幅が広いのは、築年数と傷み方で値段の付き方が家ごとに変わるからです。
春日部市の中古マンションは築年数で1㎡あたりが変わる
中古マンションは56件で、中央値は1㎡あたり22.5万円でした。築年で分けると景色が変わります。
| 築年帯 | 件数 | 中央値 |
|---|---|---|
| 築11〜20年 | 6件 | 42.3万円/㎡ |
| 築21〜30年 | 14件 | 32.7万円/㎡ |
| 築31〜40年 | 28件 | 18.6万円/㎡ |
| 築41年以上 | 8件 | 15.0万円/㎡ |
成約が集まっているのは築31〜40年の28件で、1㎡あたり18.6万円。市全体の中央値22.5万円より下です。春日部市の中古マンション市場の中心はこの帯にあり、市の中央値はもう少し新しい帯に引き上げられた位置にあると読めます。1つ上の築21〜30年は32.7万円なので、帯を1つまたぐだけで1㎡あたりが大きく動きます。逆に築41年以上は15.0万円で、築31〜40年との差は帯をまたぐ割に小さめです。
この築年は2026年を基準にした区切りです。築21〜30年は1996年から2005年に建った物件、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件を指します。1982年(新耐震)より前に建った物件は元のデータから外してあるので、この表には入っていません。春日部市で築古のマンションを見るときは、表の外側にもう1段あることを頭に置いてください。
広さで分けると、様子がまるで違います。
| 面積帯 | 件数 | 中央値 |
|---|---|---|
| 50〜70㎡ | 30件 | 25.6万円/㎡ |
| 70〜90㎡ | 22件 | 24.2万円/㎡ |
25.6万円と24.2万円で、2つの帯はほとんど同じ値に並びました。春日部市の中古マンションでは、広さは1㎡あたりの単価をほとんど動かしていません。動かしているのは築年数のほうです。部屋の広さを1段階変えるより、築年帯を1つ動かすほうが単価への効き方が大きい、という形になっています。ただし6件や8件という件数は、相場というより事例の並びです。町の数字も築年帯の数字も、件数とセットでしか読めません。
春日部市で値段を決める前にやる3つのこと
- 公示価格を予算や見込み額の土台にしない。春日部市では成約の中央値33.1万円/坪と公示の中央値29.0万円/坪に13.9%の差があります。ニュースで見た側ではなく、成約側の数字で組んでください。
- 町名まで下ろして、その町の件数とセットで見る。市の33.1万円/坪は、中央の62.8万円/坪では足りず、新宿新田の17.5万円/坪では余ります。成約3件の町の中央値は1件の取引で入れ替わるので、資金計画の基準には成約5件以上どうしの3.6倍を使ってください。
- 安すぎる町は理由を確かめる。赤沼の2.0万円/坪のように市の中央値の4分の1を下回る町は、市街化調整区域や農地・山林が混ざっている可能性があります。値段だけで候補にせず、家を建てられる土地かどうかを先に確かめてください。
公示価格は、市全体の桁を確かめるところまでで手放す数字です。春日部市では公示29.0万円/坪に対して成約33.1万円/坪。町別に降りれば中央の62.8万円から新宿新田の17.5万円まで開き、成約3件の町まで入れれば不動院野の11.9万円まで下がります。公示の1点で予算を組むと、上の帯の町では候補が出てこず、下の帯の町では土地に払いすぎます。
春日部市の土地相場を住所から調べる(無料)
売って手元にいくら残るかを計算する
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この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。土地153件、中古戸建て130件、新築戸建て87件、中古マンション56件
- 土地153件は、坪単価が極端に離れた23件を除いた集計です。除いたあとの幅は3.0万円/坪から135.5万円/坪
- 地価公示:国土交通省の地価公示。春日部市内の住宅地35地点の坪単価の中央値です
- 地価公示と成約価格は母集団が違います。公示は住宅地の標準地、成約は実際に売れた土地で、条件の悪い土地や住宅地以外の使われ方をする土地も含まれます。この記事では、両者の差を値上がり・値下がりの判断には使っていません
- 町別の集計は成約3件以上の26町のみ。グラフはそこから11町に絞って抜粋しました。見出しに使った3.6倍は、成約が5件以上ある町どうし(中央5件・新宿新田5件)の比較です
- 赤沼・西親野井・西宝珠花・椚・東中野のように市の中央値の4分の1を下回る町は、農地・山林・市街化調整区域の取引が混ざっている可能性があります
- 坪単価の中央値と面積の中央値は別々に取った値です。掛け合わせた1650.0万円は概算で、実在する1件の価格ではありません
- 単価の分母は種別ごとに違います。土地は土地面積(坪)あたり、戸建ては建物の延床面積(坪)あたり、マンションは専有面積(㎡)あたりです
- マンションの築年帯はデータ生成時(2026年)が基準です。1982年より前に建てられた物件は元データから除外されています
- 賃貸:春日部市の24,600件について、1㎡あたりの賃料の中央値です
- 数字はすべて中央値です(平均値は一部の高額・低額の取引に引っ張られるため使いません)


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