空き家の古民家をカフェにしたい、住宅の1階を雑貨屋にしたい。そんなときに出てくるのが「用途変更」です。建物の使い道を店や飲食店などに変えるとき、役所や検査機関の確認(確認申請)がいるのは、その使い道の部分の床面積が200平方メートルをこえる場合です。200平方メートル以下なら申請はいりませんが、法律を守らなくてよいわけではありません。
横浜市港北区では、市の歴史的建造物に認定された古民家をベーカリーとビストロに直した新綱島MICCA(ミッカ)が10月28日に開きます。古い家を店に変えるときの決まりを、国の通知と条文で整理します。
先に結論
- ✓ 確認申請がいるのは、店・飲食店・ホテルなど「特殊建築物」に変え、その部分が200平方メートルをこえるとき
- ✓ 2019年6月25日の法改正で、100平方メートルから200平方メートルに広がった
- ✓ 200平方メートル以下でも、建築基準法と消防法は守る。役所や消防に先に相談するのが安全
- ✓ 似た使い道どうしの変更(政令で決まった組み合わせ)は、200平方メートルをこえても申請はいらない
申請がいるのは2つそろったとき
川崎市は、用途変更で確認申請がいるのは、次の2つに両方あてはまる場合だと案内しています。
| 条件 | 中身 |
|---|---|
| ① 変えたあとの使い道 | 建築基準法の別表第一(い)欄にある「特殊建築物」になる |
| ② 広さ | その使い道に変える部分の床面積の合計が200平方メートルをこえる |
出典:川崎市「建物の用途変更の手続きについて」(2026年8月31日更新)、建築基準法第6条第1項第1号・第87条第1項。根拠は、用途を変えて特殊建築物にする場合に、新しく建てるときの確認申請の決まりを当てはめる第87条です。
売る・継ぐ・片付ける、を決めるときに読むもの
値段が分かったあとにやることは、売る・名義を変える・その前に中の物を片付ける、で人によって違います。相続登記は2024年4月から義務になり、相続を知った日から3年以内に申請しないと過料の対象になるので、放っておける手続きではなくなりました。
買い取る側にいた人が、売る側に向けて書いた本です。公示地価や基準地価は「いくらで出すか」の目安にしかならず、手元に残る額は業者の選び方と交渉で変わります。地方ほど売りにくくなる前提で書かれています。
葬儀・年金・保険・相続の届出を、期限つきで並べた図解のムックです。年度版なので税制改正のぶんが毎年入れ替わります。何をいつまでにやるのかが分からない段階なら、ここから入るのがいちばん早いです。
名義変更を司法書士に頼まず自分でやる人向けの手順書です。第2版で義務化・相続人申告登記・戸籍の広域交付に対応しています。登記簿と戸籍の読み方から入るので、書類集めの段階で止まっている人でも進められます。
親が元気なうちに片付ける前提で、家族会議の開き方や「捨てる」と言わない進め方をマンガで扱っています。売るにも貸すにも、中の物が残ったままでは査定も見学も先に進みません。
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店や飲食店は「特殊建築物」
特殊建築物は、たくさんの人が集まったり、泊まったり、火を使ったりする建物のことです。法律の表には、病院・ホテル・学校・劇場・百貨店などが並びます。
街の小さな店も入ります。建築基準法施行令第115条の3は、表の(四)項に似た使い道として「公衆浴場、待合、料理店、飲食店又は物品販売業を営む店舗」を挙げています(床面積10平方メートル以内の店は除く)。カフェ、レストラン、パン屋、雑貨屋は、ふつうこれにあたります。
読者
じゃあ、事務所にするのは?
事務所は特殊建築物の表に入っていないの。だから家を事務所にするだけなら、広さにかかわらず、この用途変更の確認申請はいらないのよ。ただ、建物の決まりを守るのは同じね。
2019年に100㎡から200㎡へ
この広さの線は、2019年に変わりました。国土交通省は、都道府県にあてた通知で次のように説明しています。

- 建築確認がいる特殊建築物の広さが、100平方メートルをこえるものから200平方メートルをこえるものに変わった
- そのため、200平方メートル以下の特殊建築物への用途変更は、確認申請がいらなくなった
- 確認申請や消防の同意がいらなくても、建築基準法と消防法を守ることは前と変わらない
- 店などを始める人には、先に役所の建築の窓口や消防に相談するよう勧めてほしい
法改正の施行日は、2019年(令和元年)6月25日です。通知の中では、空き家を福祉の施設に変える例も挙げています。
申請がいらなくても守ること
名古屋市は、200平方メートル以下で申請がいらない場合でも、建築基準法などに合っているかを建築士に確かめてもらうよう案内しています。店に変えると、住宅のときにはなかった決まりがかかることがあるからです。
- 火事に備えた壁や天井の材料、逃げ道の幅や階段
- 非常用の照明や、煙を外に出すための窓
- 消防法の消火器・火災報知器などの設備
- その場所で店を開いてよいかという、都市計画の用途地域
どれが必要になるかは、建物の広さ、階の数、使い道で変わります。古い家ほど、今の決まりに合っていないところが出やすいので、工事の前に確かめておくと、あとで直す手間が減ります。
200㎡をこえるときの流れ
- 建築士に、今の建物が法律に合っているか、店にすると何が足りないかを調べてもらう
- 工事の前に、役所か指定の検査機関に確認申請を出し、確認済証を受け取る
- 工事が終わったら、役所などに「工事が完了した」と届け出る
新しく建てるときは工事のあとに検査を受けますが、用途変更では、この検査の申請が「届出」に読みかえられています(建築基準法第87条第1項)。古い建物で、建てたときの検査済証が見つからない場合は、名古屋市のように、建物の状態を報告する別の手続きを用意している市もあります。
家を売ったり貸したりするときも、接道など建物のもともとの条件は変わりません。接道義務の2メートルのように、使い道を変える前に確かめておきたい決まりは、ほかにもあります。
アイキャッチ写真の出典
古民家の外観(イメージ)。撮影 アストゥリオ・カンタブリオ/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 4.0(ウィキメディア・コモンズ)。本文の施設とは関係ありません。
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