選挙に立候補する人は、決まった額のお金(供託金)を先に預けます。得票が一定の票数に届かないと、このお金は返ってこず、国や自治体のものになります。この線を「没収点」と呼び、決めているのは公職選挙法93条です。
開票結果を見て「最下位の人のお金はどうなるの?」と気になった人も多いはずです。2026年10月25日の那覇市長選では、4人のうち2人が没収点に届きませんでした。
先に結論
- ✓ 市長・知事・町村長の選挙は、得票が有効投票の10分の1に届かないと没収
- ✓ 議員の選挙は、有効投票を定数で割った数の10分の1が線(参議院の選挙区は8分の1)
- ✓ 市長選の供託金は100万円、政令指定都市の市長選は240万円、県議選は60万円
- ✓ 没収されたお金は、国政選挙なら国、地方選挙ならその県や市町村のものになる
選挙ごとの供託金の額
| 選挙 | 供託金(1人あたり) |
|---|---|
| 衆議院(小選挙区) | 300万円 |
| 参議院(選挙区) | 300万円 |
| 衆議院・参議院(比例代表) | 名簿の1人につき600万円 |
| 都道府県知事 | 300万円 |
| 都道府県議会議員 | 60万円 |
| 政令指定都市の市長 | 240万円 |
| 政令指定都市の市議会議員 | 50万円 |
| そのほかの市の市長 | 100万円 |
| そのほかの市の市議会議員 | 30万円 |
| 町村長 | 50万円 |
| 町村議会議員 | 15万円 |
出典:公職選挙法92条(e-Gov法令検索で2026年10月26日に確認)。衆議院の比例代表で、小選挙区にも立候補している人は300万円です。現金のほか、同じ額面の国債証書でも預けられます。
没収される票数(没収点)
| 選挙 | 没収点 |
|---|---|
| 知事・市長・町村長 | 有効投票の総数の10分の1 |
| 衆議院(小選挙区) | 有効投票の総数の10分の1 |
| 参議院(選挙区) | 有効投票の総数を定数で割った数の8分の1 |
| 都道府県議会・市町村議会 | 有効投票の総数を定数で割った数の10分の1 |
出典:公職選挙法93条1項。得票がこの数に「達しないとき」に没収なので、ちょうど同じ票数なら返ってきます。議員の選挙は定数で割るので、定数が多い市議選ほど線は低くなります。
10月25日の選挙に当てはめると

| 選挙 | 有効投票 | 没収点 | 届かなかった人 |
|---|---|---|---|
| 那覇市長選(供託金100万円) | 88,417票 | 8,841.7票 | 2人(1,419票・1,412票) |
| 福島県議補選 郡山市選挙区(定数1・60万円) | 88,401票 | 8,840.1票 | 1人(8,157票) |
| 新潟市長選(政令指定都市・240万円) | 225,262票 | 22,526.2票 | なし(最下位も34,900票) |
出典:那覇市選挙管理委員会「開票速報」(最終確定)、福島県選挙管理委員会「福島県議会議員補欠選挙 開票速報」(確定)、新潟市選挙管理委員会「開票速報」(確定)。没収点は有効投票から計算しました。那覇市の2人の供託金は那覇市に、郡山市選挙区の1人の供託金は福島県に入ります。
各選挙の得票と投票率は、那覇市長選 結果、福島県議補選 結果、新潟市長選 結果にまとめています。
読者
途中で立候補をやめたら、お金は返ってくるの?
それも返ってこないの。届出を取り下げたときや、候補者を辞めたとき、届出が却下されたときも、没収と同じ扱いになるのよ(公職選挙法93条2項)。
没収されたお金はどこへ行くか
公職選挙法93条1項は、行き先も決めています。衆議院の小選挙区と参議院の選挙区は国(国庫)、地方議会の議員や知事・市長・町村長の選挙は、その選挙を行った都道府県や市町村のものになります。
没収点を上回った人の供託金は、選挙のあとに返されます。得票数には、開票で按分(あんぶん)された小数の票も入ります。按分のしくみは無効票になる書き方に、補欠選挙で当選した人の任期は補欠選挙 任期にまとめています。
出典
アイキャッチ写真の出典
大阪市長選挙で使われた投票箱(2005年)。撮影 MASA/クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0(ウィキメディア・コモンズ)。
Googleで「おかあさんのおうち」の新着を優先表示する
災害・道路・住まいの新しい記事がGoogleのトップニュースに出やすくなります。ボタン1回で登録できます。










コメント