宝塚市の土地は1坪62.8万円、尼崎市は76.0万円です。坪単価だけ見れば宝塚のほうが17%安い。ところが実際に成約した1区画の総額は、宝塚3,150万円に対して尼崎2,810万円。宝塚のほうが340万円高くつきます。
理由は区画の広さです。宝塚で売買された土地は1区画54.5坪、尼崎は33.3坪。坪単価が安くても、買う面積が1.6倍あれば総額は逆転します。国土交通省が公表している阪神間5市の成約データで、この入れ替わりを確かめました。
先に結論
- 宝塚市の土地は坪62.8万円(中央値・103件)で阪神間5市の最安。ただし総額では最安ではありません
- 1区画の広さは54.5坪。芦屋の52.9坪より広く、6市でいちばん大きい区画です
- 1区画の成約総額は3,150万円。尼崎2,810万円、明石2,040万円より高くつきます
- 町別の差は2.4倍で阪神間でいちばん小さい。町を変えても予算はあまり動きません
- 地価公示は坪52.9万円。実際の成約はそれより18.7%高い値段で決まっています
坪単価は5市で最安、1区画の総額では3番目
同じ期間・同じ集計方法で、阪神間5市と明石市を並べました。
| 市 | 土地の坪単価 | 1区画の広さ | 1区画の成約総額 | 件数 |
|---|---|---|---|---|
| 芦屋市 | 119.0万円 | 52.9坪 | 7,140万円 | 35件 |
| 西宮市 | 112.4万円 | 46.9坪 | 3,990万円 | 171件 |
| 伊丹市 | 79.3万円 | 37.8坪 | 3,200万円 | 97件 |
| 尼崎市 | 76.0万円 | 33.3坪 | 2,810万円 | 212件 |
| 宝塚市 | 62.8万円 | 54.5坪 | 3,150万円 | 103件 |
| (参考)明石市 | 42.9万円 | 42.4坪 | 2,040万円 | 253件 |
坪単価の順番と総額の順番が、宝塚と尼崎のところで入れ替わっています。坪単価が安い街は、総額まで安いとはかぎりません。
宝塚の54.5坪という区画は、芦屋の52.9坪より広い数字です。売りに出る土地の性格が違います。尼崎は市街地の33.3坪、宝塚は山手の造成地を含む54.5坪。同じ「一戸建て用の土地」でも中身が別物です。
区画が広いと、そのあとに建てる家も大きくなります。建築費は延床面積に比例するので、土地代で340万円多く払ったところで話は終わりません。総予算は土地の坪単価ではなく、区画の広さから逆算してください。
町を変えても2.4倍まで。阪神間でいちばん差が小さい
取引が3件以上あった11の町を、坪単価の高い順に並べました。
宝塚市の宅地成約価格(坪単価の中央値・2024年4Q〜2025年4Q・取引3件以上の町)
いちばん高い中筋の112.4万円と、いちばん安い安倉中の46.3万円で2.4倍。同じ40坪なら4,496万円と1,852万円です。
この2.4倍という数字は、阪神間で最も小さい開きです。西宮市は25.8倍、明石市は4.3倍、尼崎市は3.9倍、伊丹市は2.9倍。宝塚は町を変えても値段があまり動きません。
物件探しのやり方に直結します。西宮なら安い町を探す価値がありますが、宝塚で同じことをしても、坪単価で拾える差は限られます。時間をかけるなら町名探しより、区画の広さと建物の仕様のほうに効きます。
山手台東は9件すべてが坪46.3万円から59.5万円に収まった
町別で取引がいちばん多かったのは山手台東の9件です。この9件は坪46.3万円から59.5万円のあいだに全部が収まりました。区画が整えられた造成地なので、値段のばらつきが小さくなります。
反対に、中筋は3件で坪21.2万円から132.2万円、千種は4件で52.9万円から396.7万円まで開いています。件数が少ない町の中央値は、1件の特殊な取引で大きく動きます。この記事の順位も、上位の数町については幅を持って読んでください。
値段が読めるという意味では、山手台東のようなまとまった造成地は買いやすい土地です。相場からいくら離れているかを、その場で判断できます。
中古戸建ては坪151.8万円。芦屋・西宮に次ぐ高さです
宝塚市の他の種別も並べておきます。
| 種別 | 成約価格(中央値) | 件数 |
|---|---|---|
| 宅地(土地) | 62.8万円/坪 | 103件 |
| 中古戸建て | 151.8万円/坪(延床) | 78件 |
| 新築戸建て | 160.1万円/坪(延床) | 46件 |
| 中古マンション | 36.9万円/㎡ | 177件 |
| 賃貸 | 1,906円/㎡ | 21,820件 |
中古戸建ての坪151.8万円は、芦屋195.6万円、西宮157.4万円に次ぐ3番目です。土地の坪単価では5番目だったのに、順位が上がります。
ここは読み方に注意がいるところです。戸建ての坪単価は、取引の総額を建物の延床坪数で割った数字です。土地が広ければ、その土地代が建物の坪数に乗ってきます。宝塚の中古戸建てが高く見えるのは、建物が高価だからとはかぎりません。
中古マンションは36.9万円/㎡で177件。うち70〜90㎡が103件と、6割近くがファミリー向けの広さです。築31〜40年に絞ると22.7万円/㎡まで下がるので、70㎡で1,587万円。土地だけで3,150万円かかる案と、1,587万円で部屋ごと手に入る案では、出発点が2倍違います。
工事費が分かると、土地を買って建てる案と総額で比べられます
私はこう見ています
宝塚市の地価公示(住宅地53地点)の中央値は坪52.9万円です。実際の成約価格の中央値は62.8万円で、18.7%高い水準でした。この乖離は伊丹の33.3%、尼崎の21.7%より小さく、阪神間では落ち着いているほうです。
私は宝塚を、坪単価で比較されると損をする街だと考えています。ポータルサイトの絞り込みは坪単価や総額で並ぶので、54.5坪の区画は「高い物件」として弾かれます。実際には1坪あたりでは阪神間でいちばん安いのに、です。
これは私の見方で、データがそこまで語っているわけではありません。ただ、坪単価が最安なのに総額が3番目という数字は事実です。宝塚を候補から外すなら、坪単価と総額のどちらを見て外したのかを確かめてからにしてください。
予算を決める前にやる3つのこと
1. 坪単価ではなく区画の広さから逆算する。 宝塚の中央値は54.5坪です。尼崎の33.3坪を前提に組んだ予算では、同じ土地は買えません。
2. 建物の延床面積も先に決める。 区画が広い土地は、建てる家も大きくなりがちです。新築戸建ての成約は坪160.1万円(延床)。延床30坪なら4,802万円が目安になります。
3. 町名探しに時間をかけすぎない。 町別の差は2.4倍で、阪神間でいちばん小さい開きです。同じ時間を使うなら、区画の形と接道、造成地かどうかを見たほうが金額に効きます。
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町ごとの差が大きい街と比べたい人は西宮は高くて無理と外す前にと尼崎の中古マンションは築30年で1,500万円下がりますをどうぞ。同じデータを別の切り口で見ています。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。宅地103件、中古戸建て78件、新築戸建て46件、中古マンション177件
- 坪単価・区画の広さ・成約総額は、それぞれ独立に中央値を取った数字です。3つを掛け算しても一致しません
- 町別の集計は取引3件以上の町のみ。宝塚市は取引件数が103件と少なく、11町しか表に出せていません。件数の少ない町の中央値は1件の影響を受けやすいので、順位は幅を持って読んでください
- 中古戸建て・新築戸建ての坪単価は、取引総額を建物の延床坪数で割った値です。土地の坪単価とは分母が違います
- 中古マンションは1982年以降に建てられた物件に限定。築年数は2026年を基準に数えています
- 地価公示:国土交通省の地価公示。宝塚市内の住宅地53地点の中央値


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