MENU
お役立ち記事
【近日公開】AIが物件資料からSUUMO・at homeの入稿文を作成「入稿メイト」|先行登録受付中(無料)

浸水の罹災証明は「床上か床下か」だけではありません——千葉の大雨、床から10cmの間に境目が2つあります

🗨️「千葉の大雨で家が浸水しました。水が引いたので片づけたいのですが、その前にやることはありますか。」

壁に残っている水の跡を、床からの高さで測って撮ってください。罹災証明の区分は浸水の深さで決まり、床から10cmの間だけで境目が2つあります。

[災害] この記事の要点

何が起きたか

2026年8月13日夜から14日未明にかけて千葉県で記録的な大雨となり、13日夜に発表された大雨特別警報・土砂災害特別警報は14日5時15分に大雨危険警報・土砂災害危険警報などへ切り替わりました。県内では浸水や道路の冠水が相次ぎ、人的被害も出ています。

発表日・更新日

2026年8月14日 発表

影響を受ける人
  • 床上・床下が浸水して、これから片づけを始める人
  • 浸水した家を借りている人、貸している人
  • 帰省先で実家が浸水し、数日で自宅へ戻る予定の人
目次

この記事でわかること

  • 罹災証明の区分は浸水の深さで決まり、床から10cmの間に境目が2つある
  • 外観を見るだけの第1次調査では、どれだけ深く浸かっても「全壊」は出ない
  • 内閣府の指針は、スマホの写真から深さを算出してよいと明記している

水が引いて、床に泥が残っている。とりあえずホースで流したい——その手を1回止めてください。壁に残っている水の跡が、このあとの手続きのほぼすべてを決めます。

浸水した家の罹災証明は、「床上か床下か」の一本線では決まりません。内閣府の基準を開くと、床の高さから10cmの間だけで区分の境目が2つ入っています。

先に結論

  • 洗い流す前に、玄関内・掃き出し窓・外壁に残った水の跡を、床からの高さが分かるように撮る
  • 床まで届かなければ一部損壊、床上10cm未満は準半壊、床上10cm以上は半壊。10cmの間に境目が2つある
  • 外観だけを見る第1次調査では、どれだけ深く浸かっても上限は「大規模半壊」で全壊は出ない
  • 水流やがれきで外壁と建具が壊れている家は別の表になり、区分が1段階上がる
  • 内閣府の指針は「スマホで撮った画像から算出した深さを使ってよい」と明記している

千葉で降った雨の量を、気象庁の10分値から数え直しました

13日夜に千葉県へ出された大雨特別警報と土砂災害特別警報は、14日5時15分に大雨危険警報・土砂災害危険警報などへ切り替わりました。雨のピークは越えましたが、地盤がゆるんだ状態は続いています。

どれくらい降ったのかを、気象庁アメダスの10分ごとの値から自分で集計しました。13日0時から14日8時までの全192コマを取り、10分刻みでずらしながら最大値を出したものです。

地点最大1時間最大3時間最大6時間最大12時間
千葉111.5mm188.5mm293.0mm348.0mm
佐倉96.5mm189.5mm211.5mm235.0mm
我孫子61.0mm93.5mm170.5mm194.5mm

集計は当サイトによるものです。ここで1つ注意があります。3時間188.5mm・6時間293.0mmという数字は、佐倉ではなく千葉の値でした。佐倉の3時間は189.5mmで千葉よりわずかに多いものの、6時間は211.5mmで、293.0mmとは別の地点の話です。自分の家の近くがどれだけ降ったかを調べるときは、市の名前ではなく観測地点で見てください。

降っている最中の避難については、前夜に別途まとめています(夜7時30分、千葉に大雨特別警報)。ここから先は、雨が上がったあとの話です。

床から10cmの間に、区分の境目が2つあります

罹災証明の判定に使われるのは、内閣府(防災担当)の「災害に係る住家の被害認定基準運用指針」です。水害の場合、木造・プレハブの戸建て(1〜2階建て)は、外観を見る第1次調査で浸水の深さだけで区分が決まります

浸水の深さ損害割合区分
床上1.8m以上40%以上50%未満大規模半壊
床上1m以上1.8m未満30%以上40%未満中規模半壊
床上10cm以上1m未満20%以上30%未満半壊
床上10cm未満10%以上20%未満準半壊
床下浸水10%未満準半壊に至らない(一部損壊)

下から3行を見てください。床に届かない・床上10cm未満・床上10cm以上で、区分が3つに分かれています。玄関のたたきから上がりかまちまでの段差より狭い範囲に、2つの境目が入っているということです。「うちは床下だから」と自己判断して測らないと、この差は取り戻せません。

外観だけの調査では「全壊」は出ません

上の表をもう一度見ると、いちばん上が大規模半壊で止まっています。第1次調査の浸水深による判定からは、全壊が出ない作りになっています。

全壊が出るのは別の入口です。1つは外観による判定で、住家が全部倒壊している、一部の階が全部倒壊している、全部流失している、または基礎のいずれかの辺が全部壊れていて、その基礎の真下の地盤が流出・陥没している場合。もう1つが、次の節の別表です。

外壁と建具が壊れている家は、同じ深さでも1段階上がります

津波や河川の氾濫にともなう水流、がれきの衝突などで外壁と建具(サッシ・ガラス・ドア)が壊れている場合は、指針が別の表を用意しています。目安は、外壁と建具のそれぞれ1か所以上で、浸水によるものを除いた損傷が50〜100%に達していることです。

浸水の深さ通常の判定外壁と建具が壊れている場合
床上1.8m以上大規模半壊全壊
床上1m以上1.8m未満中規模半壊大規模半壊
床上60cm半壊中規模半壊
床上30cm半壊半壊

同じ「床上60cm」でも、割れた窓や壊れたドアがあるかどうかで区分が変わります。だから撮るのは水の跡だけではありません。割れたガラス、外れたドア、へこんだ外壁も、直す前に撮っておく必要があります。

いちばん危ないのは、床下だと思い込んで測らないことだと考えています

ここからは私の見方です。この基準でもっとも損をしやすいのは、判定が厳しいことではなく、測る前に片づけてしまうことだと考えています。理由は3つあります。

1つ目は、境目が10cm刻みで置かれていることです。目で見て「たいして上がっていない」と思う高さに、区分の線が2本走っています。

2つ目は、跡が消えるものだからです。指針は、深さを玄関内や掃き出し窓に残った浸水痕で測ることを想定しています。泥を流し、扇風機を回した翌日には、その線はもう読めません。

3つ目は、指針自体が写真からの算出を認めていることです。「スマートフォン等の撮影画像から算出した浸水深を用いることも可能」と、注記にはっきり書かれています。つまり、その場でメジャーを当てられなくても、跡が写った1枚が残っていれば後から出せます。逆にいえば、写真が1枚もない家は、そこで手段が尽きます。

片づけを止める必要はありません。撮ってから始めれば十分です。スマホを持って、玄関の内側、掃き出し窓、外壁の順に3枚。それだけで、このあと役所と話すときの土台ができます。

生活・仕事にどう効くか

  • 片づけを始めた瞬間:浸水の深さは玄関内や掃き出し窓に残った水の跡(浸水痕)で測ります。拭いてしまうと跡は消えるので、洗い流す前に撮っておく必要があります。
  • 床上10cmの前後:床まで達していなければ「準半壊に至らない(一部損壊)」、床上10cm未満なら「準半壊」、床上10cm以上なら「半壊」です。床の高さから10cmの範囲に2つの境目が入っています。
  • 同じ深さでも区分が変わる場合:水流やがれきの衝突で外壁と建具(サッシ・ガラス・ドア)が壊れている場合は、別の表が使われて1段階上がります。床上60cmなら、通常は半壊、この場合は中規模半壊です。
  • 受け取れる支援:区分が1段階違うと、受けられる支援制度と金額が変わります。金額の一覧は当サイトの被害区分の記事にまとめてあります。

結局どうすればよいか

  • 洗い流す前に、浸水の跡が残っている場所を撮る。玄関内の壁、掃き出し窓のサッシ、外壁の3か所。メジャーや新聞紙など長さの分かるものを一緒に写し、床からの高さが読めるようにする
  • 家の外を4方向から、部屋ごとに全景と被害箇所の寄りを撮る。撮り方は罹災証明の写真の記事にまとめてある
  • 市区町村の窓口に罹災証明書を申請する。判定に納得できないときは、再調査を依頼できる

あわせて読む・調べる

くわしく知る(保存版の記事)

自分の場合を調べる(無料ツール)

公式出典

更新履歴

  • 2026年8月14日 初版を公開

※本記事は2026年8月14日時点で公表されている情報にもとづきます。数値・制度・進路などは今後変わる可能性があるため、最新の内容は各公式発表をご確認ください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

ハウスメーカー2社で営業職を経験し、不動産・建築の基礎を習得。
その後、地域密着型の不動産会社にて営業事務として勤務し、
契約書作成、ポータルサイト管理、物件情報の入力・更新など、
実務全般に携わってきました。

特に、ポータルサイトを「より魅力的に見せる工夫」や、
反響につながる「分かりやすい間取り図作成」を得意としています。
自分が関わった物件に反響があった時の喜びが、今の原動力です。

現在は子育てのため一線を退いていますが、
これまでの実務経験を活かし、
フリーランスとして不動産会社様向けの
バックオフィスサポート業務を開始しました。

現場目線を大切にしながら、
「早く・正確に・伝わる」業務サポートを心がけています。

コメント

コメントする

目次