NEC(エヌイーシー)は10月28日、2027年3月期の通期の調整後営業利益予想を4,300億円から4,600億円へ引き上げました。ただし、資料が示す調整後の指標と、決算短信の営業利益は別の数字です。今回の中間決算では、買収した会社の連結効果も含めて増収増益となりました。
上期の決算
| 2026年4〜9月 | 実績・前年との比較 |
|---|---|
| 売上収益 | 1兆7,539億円/11.7%増 |
| 調整後営業利益 | 1,883億円/608億円増 |
| 調整後営業利益率 | 10.7%/2.6ポイント改善 |
| 決算の区分 | 2026年度上期(2027年3月期の中間決算) |
発表資料の表題は「2026年度」、決算期の表記は「2027年3月期」です。別々の年度の決算ではなく、同じ会計年度を、年度の開始年と年度末の年月で呼び分けています。今回の上期は2026年4月から9月までです。
会社が説明に使うのは、会計上の営業利益に一定の調整を加えた指標です。「調整後営業利益」は、決算短信の営業利益と同じ指標ではありません。買収に伴う費用などを調整した数値です。本記事の1,883億円と通期4,600億円は、この調整後の指標です。

画像の出典と利用条件
出典:NECの2026年10月28日決算資料3ページ。該当図表を引用。通期予想の変更
通期の調整後営業利益の予想は、従来の4,300億円から4,600億円へ300億円引き上げられました。これは2027年3月までの1年間についての会社予想で、すでに確定した利益ではありません。
中間決算で示した実績と、下期も含めて会社が見込む数字を分けると、今回の発表が読みやすくなります。上期の1,883億円は実績、通期の4,600億円は予想です。両方を同じ期間の利益として比較することはできません。
会社は、足元の業績の進み方に加え、5月から連結に加わった買収先の寄与を織り込んだと説明しています。予想の引き上げを、既存事業だけの需要拡大と読み替えないことが今回の確認点になります。
どの事業が伸びたか
上期の情報技術サービス事業は、売上収益が1兆3,305億円、調整後営業利益が1,604億円でした。社会インフラ事業は売上収益3,565億円、調整後営業利益364億円で、両事業とも前年の同じ時期から増収増益となっています。
国内の情報技術サービスでは、「BluStellar(ブルーステラ)」の拡大と収益性改善が利益増加に寄与しました。社会インフラでは航空宇宙・防衛、海洋システムが引き続き好調だったと説明しています。
買収した「CSG(シーエスジー)」は2026年5月から連結に加わりました。このため、連結対象が増えた効果と、以前からある事業の伸びを分けて見る資料も用意されています。
会社が買収先を前年から含めたと仮定して比べた参考値では、上期の売上収益の伸びは6.6%です。実際の連結決算に基づく11.7%増とは比較の土台が異なります。会社の規模が変わった年は、どちらの比較かを表の注記まで確かめると、伸び方を取り違えずに読めます。
資料を読む順番
決算の全体像を確認するなら、説明資料の3ページ目にある要約から読み、その後に主要指標と事業別の表を照合すると整理できます。数字の単位は、多くの表で「十億円」です。例えば1,753.9という表記は、1,753.9億円ではなく1兆7,539億円になります。
また、利益が増えたという発表と、その後の株価の動きは別の情報です。本記事は10月28日の会社発表を確認したもので、株価の予想や売買の判断を示すものではありません。まず確定した上期の実績、次に通期予想、最後に買収効果と調整後指標の条件を照合する内容です。
表紙写真の出典
表紙は電子基板のイメージ写真。Pexelsの写真素材。結局どうすればよいか
- 決算説明資料の主要指標と、調整後の利益の条件を照合する
公式出典
更新履歴
- 2026年10月29日 公式発表と原資料を確認し初版公開
※2026年10月29日午前に確認した公式情報です。資料の公表日と出来事が起きた日は本文に区別して記載しています。
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