江東区で中古マンションを探すと、1㎡あたり128.0万円の部屋と71.4万円の部屋が同じ一覧に並びます。同じ広さでも総額がまるで変わるので、築年帯を決めないまま予算だけで探すと、値段の理由が読めないまま候補だけが増えていきます。
国土交通省が公表している江東区の中古マンションの成約は1,029件(2024年4Q〜2025年4Q)。中央値は1㎡あたり116.3万円です。ただし、この116.3万円がそのまま当てはまる築年帯はありません。築11〜20年は124.0万円、築21〜30年は107.3万円。区全体の中央値は、この2つの帯のあいだに落ちています。
件数の並びにも江東区の形が出ています。いちばん多いのは築11〜20年の374件で、次が築0〜10年の275件、その次が築21〜30年の227件。築31〜40年は89件、築41年以上は64件と薄くなります。取引は築30年より新しい側に集まっています。
先に結論
- 江東区の中古マンションは1㎡あたり116.3万円(中央値・1,029件)。この数字がそのまま当てはまる築年帯はありません
- 築0〜10年は128.0万円、築11〜20年は124.0万円。最初の20年はほとんど横並びです
- 築21〜30年は107.3万円、築31〜40年は76.0万円。いちばん大きな段差はこの2つの帯のあいだにあります
- 築21〜30年は1996年から2005年、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です(2026年基準)
- 広さ別では70〜90㎡が218件で1㎡あたり121.4万円。50〜70㎡の106.7万円より高い数字です
江東区の中古マンションは築年数でいくら変わるのか
1,029件を築年数の帯で分けて並べました。
江東区の中古マンション成約価格(1㎡あたりの中央値・2024年4Q〜2025年4Q・全1,029件)
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は江東区全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため区全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
新しい側から古い側へ、順番どおりに下がります。途中で順序が入れ替わる帯はありません。ただし下がり方は一定ではありません。
築0〜10年の128.0万円と築11〜20年の124.0万円は、ほとんど横並びです。築10年を超えても、江東区では1㎡あたりの水準がすぐには変わらないということです。築8年の部屋と築18年の部屋を見比べているなら、単価の上では同じ土俵に乗っています。
江東区で予算を組むときは、区全体の116.3万円ではなく、狙う築年帯の数字を使ってください。 116.3万円は築11〜20年より低く、築21〜30年より高い、どの帯にも属さない数字です。この数字で売り出し価格の高い安いを判定すると、築浅は全部「安い」、築古は全部「高い」という答えしか出てきません。
新築と並べるとこうなります。江東区の新築マンションは12件で1㎡あたり132.0万円、中古の築0〜10年は128.0万円です。ただし新築は12件しかないので、数件の取引で動く数字として読んでください。
値段の落ち方が変わるのは築30年を過ぎてから
帯と帯の間隔を見ます。いちばん大きな段差は、築21〜30年の107.3万円から築31〜40年の76.0万円へ移るところです。そこから築41年以上の71.4万円までは、ふたたび落ち方が小さくなります。
江東区の中古マンションで値段の落ち方が変わるのは、築30年を過ぎたあたりです。 築0〜10年から築21〜30年までは128.0万円、124.0万円、107.3万円と並び、築31〜40年でいきなり76.0万円まで下がります。
私は、江東区で予算を組むときの分かれ目は築30年だと見ています。根拠は2つあります。1つは、築30年より新しい3つの帯どうしの段差より、築21〜30年から築31〜40年へ移るときの段差の方が大きいこと。もう1つは、築30年より新しい3つの帯にはそれぞれ227件以上の成約があるのに対して、築31〜40年は89件、築41年以上は64件しかないことです。比べる相手が揃っているのは築30年より新しい側です。
築41年以上の64件についても書いておきます。この64件は、1982年(新耐震基準)以降に建った物件だけです。それより前の建物は元のデータの段階で除外されています。江東区で売られている古いマンションのすべてが、この64件に入っているわけではありません。1982年より前の建物を見ているなら、この記事の71.4万円は使えません。
「築25年」は何年に建った物件か。西暦に直して確かめる
帯の境目は西暦で覚えた方が早いです。この記事の築年数は2026年を基準に数えています。築21〜30年は1996年から2005年、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です。
物件情報に「築25年」と書いてあれば2000年前後の建物で、1㎡あたり107.3万円の帯に入ります。「築33年」なら1990年代前半の建物で、76.0万円の帯です。物件広告の築年数をそのまま帯に当てはめる前に、西暦に直して確かめてください。 広告の築年数は建物の完成年から数えるので、この記事の帯と1年ずれることがあります。
境目をまたぐと、見るべき水準が107.3万円から76.0万円へ移ります。同じ広さの部屋を並べていても、帯が1つ違えば総額の前提が変わります。売主の希望価格が高いか安いかを見るときは、まず相手がどの帯にいるかを確かめてから数字を当ててください。
広さ別に見ると70〜90㎡が1㎡あたり121.4万円で高い
同じ1,029件を、今度は専有面積の帯で分けます。
| 広さ | 件数 | 1㎡あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 30㎡以下 | 413件 | 120.0万円 |
| 30〜50㎡ | 70件 | 120.0万円 |
| 50〜70㎡ | 298件 | 106.7万円 |
| 70〜90㎡ | 218件 | 121.4万円 |
| 90㎡以上 | 30件 | 115.0万円 |
1,029件のうち413件が30㎡以下の部屋です。取引がいちばん多いのはこの帯で、次が50〜70㎡の298件、その次が70〜90㎡の218件と続きます。
単価の並びは単純ではありません。30㎡以下と30〜50㎡がどちらも120.0万円、50〜70㎡がいちばん低い106.7万円、そして70〜90㎡が表のなかで最も高い121.4万円。90㎡以上は115.0万円です。広い部屋ほど1㎡が安くなる、という関係にはなっていません。
70〜90㎡を探しているなら、物差しは121.4万円です。 区全体の116.3万円で計算すると、必要な額を少なめに見積もったまま候補を絞ることになります。逆に50〜70㎡を探しているなら物差しは106.7万円で、116.3万円は高すぎる前提です。
30〜50㎡の70件と90㎡以上の30件は件数の少ない帯です。この2つを狙うなら、近い条件の成約と見比べる材料が足りません。売り出し価格が妥当かどうかは、現地に出ている売り出し価格を自分で集めて判断することになります。
築年帯の表と広さの表は、同じ1,029件を別々の切り口で分けたものです。築21〜30年の227件のなかにも30㎡以下の部屋は入っています。「築25年でこの広さならいくら」という数字は、この2つの表を掛け合わせても出てきません。
築31年を超える部屋は、工事費を足した総額で比べる
築31〜40年は89件で1㎡あたり76.0万円、築41年以上は64件で71.4万円です。物件の値段が下がるぶん、給湯や水まわりの設備は建物と一緒に年を取っています。
物件価格だけを並べると、古い部屋はいつでも安く見えます。工事費を足した総額で並べ直したときに、築21〜30年の107.3万円の部屋を買って軽く直す案と、築31〜40年の76.0万円の部屋を買って大きく直す案のどちらが安いかが決まります。比べる単位は物件価格ではなく、住める状態にするまでの総額です。
見積もりは、気になる部屋を2つか3つに絞ってから取るのが早いです。間取りと設備の状態で金額が変わるので、物件が決まっていない段階の概算はあまり当たりません。
工事費が分かると、築年数の違う部屋を総額で比べられます
借入額が変われば返済も変わります。金利が1%動いたときに総返済額がどれだけ増えるかは住宅ローンの金利が1%上がると総返済額がいくら増えるかを試算した記事にまとめています。予算の上限そのものは年収から先に決めておくと物件選びが速くなるので、年収と家族の人数から住宅ローンの上限を出す早見表もあわせて見てください。
江東区の土地・戸建て・賃貸の数字。分母が違うので引き算はしない
マンション以外の数字も並べておきます。単価の分母が種別ごとに違うので、先に断っておきます。
- 土地:84件・1坪あたり302.5万円(成約総額 ÷ 土地面積)。1区画の面積の中央値は75㎡=22.7坪
- 中古戸建て:64件・1坪あたり249.9万円(成約総額 ÷ 建物の延床面積)
- 新築戸建て:36件・1坪あたり242.0万円(成約総額 ÷ 建物の延床面積)
- 中古マンション:1,029件・1㎡あたり116.3万円(成約総額 ÷ 専有面積)
- 新築マンション:12件・1㎡あたり132.0万円(成約総額 ÷ 専有面積)
土地の坪単価と戸建ての坪単価は分母が違うので、引き算できません。 江東区は土地の302.5万円が戸建ての249.9万円を上回っていますが、これを「建物に値段が付いていない」と読むことはできません。土地は土地面積で割った値、戸建ては建物の延床面積で割った値だからです。比べてよいのは中古戸建てと新築戸建て(どちらも延床坪)、中古マンションと新築マンション(どちらも専有㎡)のあいだだけです。
その範囲で見ると、中古戸建ての249.9万円に対して新築戸建ては242.0万円で、中古の方が高く出ています。中古戸建ての真ん中50%は218.9万円から288.3万円、新築戸建ては223.1万円から276.4万円。ただし中古戸建ては64件、新築戸建ては36件しかありません。この順序は幅を持って読んでください。
土地は84件で、1坪あたりの中央値が302.5万円。1区画の面積の中央値は75㎡(22.7坪)です。この2つを掛けると概算で6,862.5万円になりますが、坪単価の中央値と面積の中央値は別々に取った値なので、実在する1件の価格ではありません。坪単価そのものも36.4万円から1,190.1万円まで開いています。
町による差も出ています。土地の坪単価を、取引が3件以上ある9町で並べるとこうなります。
| 町 | 件数 | 1坪あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 東陽 | 3件 | 462.8万円 |
| 古石場 | 5件 | 429.8万円 |
| 亀戸 | 14件 | 342.1万円 |
| 森下 | 3件 | 330.6万円 |
| 潮見 | 3件 | 330.6万円 |
| 大島 | 15件 | 224.8万円 |
| 東砂 | 8件 | 191.7万円 |
| 南砂 | 3件 | 178.5万円 |
| 北砂 | 7件 | 168.6万円 |
取引が5件以上ある町どうしで比べると、古石場(5件)の429.8万円と北砂(7件)の168.6万円で2.5倍の開きです。表のいちばん上にある東陽は3件しかなく、1件の取引で数字が跳ねます。倍率を見るときは、件数の多い町どうしで比べてください。
地価公示は住宅地37地点で、1坪あたりの中央値が238.7万円。成約の302.5万円との差は+26.7%です。公示は住宅地の標準地、成約は実際に売れた土地で、母集団がそもそも違います。この+26.7%から値上がりや値下がりを読み取ることはできません。
貸す側の数字も1つ置いておきます。江東区の募集賃料の中央値は1㎡あたり3,079円です(139,600件)。㎡単価で賃料が相場から外れていないかを確かめる手順は募集賃料を㎡単価で検証する4手順の記事にあります。
江東区で中古マンションを見に行く前に決める3つのこと
ひとつめ。築年帯を先に決めます。1㎡あたり128.0万円から71.4万円まで動くので、予算から入ると築年帯が定まらず、値段の理由が読めないまま候補だけが増えます。築30年より新しい側で探すのか、そこを越えるのかで前提が変わります。
ふたつめ。広さの帯で数字を選び直します。区全体の116.3万円ではなく、30㎡以下なら120.0万円、50〜70㎡なら106.7万円、70〜90㎡なら121.4万円。自分が探している広さの数字を使ってください。30〜50㎡の70件と90㎡以上の30件は、比べる相手が少ない帯です。
みっつめ。築31年を超える部屋を候補に入れるなら、工事費を足した総額で並べます。76.0万円は物件の値段だけの数字です。工事の見積もりが出るまで、築21〜30年の部屋とどちらが安いかは決まりません。
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江東区の種別ごとの成約価格は江東区の不動産相場ページにも一覧でまとめています。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。中古マンション1,029件、新築マンション12件、土地84件、中古戸建て64件、新築戸建て36件
- 地価公示:江東区の住宅地37地点。1坪あたりの中央値は238.7万円
- 中古マンションは1982年(新耐震基準)以降に建てられた物件に限定。1982年より前の物件は元データから除外されています
- 築年数は2026年を基準に数えています。築21〜30年は1996年から2005年、築31〜40年は1986年から1995年に建った物件です
- 築年帯・面積帯の中央値は、帯ごとに別々に取った値です。区全体の中央値116.3万円と足し引きしても一致しません
- 新築マンションの12件、90㎡以上の30件、中古戸建ての64件、新築戸建ての36件は件数が少なく、数件の取引で動きます。順序は幅を持って読んでください
- 土地の坪単価は成約総額を土地面積の坪数で、戸建ての坪単価は成約総額を建物の延床坪数で割った値です。マンションの1㎡あたりの単価とは分母が違うので、そのまま比べることはできません
- 土地の概算6,862.5万円は、坪単価の中央値302.5万円と面積の中央値22.7坪を掛けたものです。実在する1件の価格ではありません
- 町別の坪単価は、取引が3件以上ある9町を集計したものです。3件や4件の町は1件の取引で数字が動くので、倍率は件数が5件以上ある町どうし(古石場と北砂)で取っています
- 賃貸:不動産情報ライブラリの賃貸募集情報から、1㎡あたりの募集賃料の中央値(139,600件)


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