上尾市で中古マンションを探すと、1㎡あたり67.6万円の部屋と32.1万円の部屋が同じ市内で成約しています。予算だけを先に決めて見始めると、目の前の売り出し価格が高いのか安いのかを判断できないまま、候補だけが増えていきます。
国土交通省が公表している上尾市の中古マンションの成約は55件(2024年4Q〜2025年4Q)。市全体の中央値は1㎡あたり37.5万円です。ただしこの37.5万円をそのまま当てはめられる部屋は限られます。築5年の部屋にも築35年の部屋にも、この数字は使えません。
先に断っておきたいのは、55件という母数の小ささです。築年数の帯に分けると、1つの帯に入る取引は6件から18件になります。この記事の数字は「その帯で成約した数件の真ん中」であって、上尾市の相場そのものではありません。帯どうしの順序や差は、幅を持って読んでください。
先に結論
- 上尾市の中古マンションは1㎡あたり37.5万円(中央値・55件)。築年帯ごとに見ると別の数字になります
- 築0〜10年だけが67.6万円と離れています。築11〜20年は45.6万円で、ここが一段目の落ち込みです
- 取引がいちばん多いのは築31〜40年の18件で32.1万円。1986年から1995年に建った部屋です
- 築41年以上は33.3万円で、築31〜40年の32.1万円と並びます。ただし13件と18件どうしの比較です
- 専有面積で分けると35.4万円と40.7万円。広さでは1㎡あたりの値段がほとんど動きません
上尾市の中古マンションは築年帯でいくら違うか
55件を築年数の帯で5つに分けて、1㎡あたりの成約価格の中央値を並べました。
上尾市の中古マンション成約価格(専有面積1㎡あたりの中央値・2024年4Q〜2025年4Q・全55件)
自分の町の相場を調べる
この記事の数字は市全体の中央値です。町ごとの相場は住所を入れるとその場で出ます。
このツールは農地や山林が混ざった極端な取引も除かずに集計します。そのため市全体の数字はこの記事より低く出ます。町ごとの傾向を見るのに使ってください。
上から1本目と2本目の落ち方が、この並びでいちばん急です。築0〜10年の67.6万円と築11〜20年の45.6万円。上尾市で1㎡あたりの値段が一段変わるのは、この境目です。
そこから下はゆるやかになります。築11〜20年の45.6万円、築21〜30年の40.7万円、築31〜40年の32.1万円。帯を1つ古い側へ進めるたびに下がりますが、築0〜10年から築11〜20年へ移るときのような落差はありません。
件数も見ておきます。取引がいちばん集まっているのは築31〜40年の18件、次が築41年以上の13件、その次が築11〜20年の10件です。築21〜30年は8件、築0〜10年は6件しかありません。上尾市で売買されている中古マンションは、古い側の帯に寄っています。
上尾市で売り出し価格の高安を判断する起点は、いちばん取引の多い築31〜40年の1㎡あたり32.1万円です。 ここより新しい部屋なら高く、同じくらいの築年数なら近い水準で、という位置関係で他の帯を読むと迷いません。
新築マンションの成約は2件で、1㎡あたり77.7万円でした。中古の築0〜10年の67.6万円と同じ専有面積あたりの単価なので数字としては並べられますが、2件では目安になりません。上尾市で新築と築浅の中古を比べるなら、実際の販売価格を自分で集めることになります。
築31〜40年は1986年から1995年に建った部屋です
この5つの帯は2026年を基準に数えたものです。築21〜30年なら1996年から2005年、築31〜40年なら1986年から1995年に建った部屋になります。物件情報に「築33年」と書いてあれば、それは築31〜40年の帯、つまり1986年から1995年に建った建物で、上尾市でいちばん売買されている帯だということです。
数え方を先に揃える理由は、広告に出ている築年数の表示と1年ずれることがあるからです。帯の境目にある部屋は、数え方ひとつで45.6万円の帯と40.7万円の帯を行き来します。内見の予約を入れる前に、物件情報の築年月を西暦で書き出してください。「築20年くらい」という覚え方のままだと、自分がどちらの帯の部屋を見ているのか分かりません。
もうひとつ、この55件は1982年(新耐震基準)以降に建った部屋だけを集めたものです。 それより前に建った建物は、元のデータの段階で除外されています。上尾市でそれより古いマンションを検討している場合、この記事の数字は当てはまらないと考えてください。
築40年を超えた部屋の値段が、1つ上の帯より下がっていません
帯を古い側へ進めるたびに数字は下がっていきますが、いちばん古い側で止まります。築31〜40年は1㎡あたり32.1万円、築41年以上は33.3万円。古い側の2つの帯は並んでいます。
ここで「上尾市の古いマンションは値下がりが止まる」と読むのは早すぎます。築31〜40年が18件、築41年以上が13件です。数件の取引で順序が入れ替わる規模で、私はこの並びを上尾市の性質として受け取るべきではないと考えています。
年代の下限もあります。築31〜40年が1986年から1995年なので、築41年以上はそれより前に建った部屋です。ただし1982年より前が除外されているため、この13件は1982年から1985年ごろに建った、幅の狭い集まりです。上尾市で売られている古いマンションのすべてがここに入っているわけではありません。
それでも持ち帰れることはあります。築年数が1年増えるごとに一定額ずつ下がる、という下がり方ではないということです。築40年を超えた部屋を、築年数だけを理由に候補から外さない。 逆に「築40年超だから安いはず」と決めてかかると、売り出し価格を見て驚くことになります。
部屋の広さでは、1㎡あたりの値段がほとんど動きません
同じ55件を専有面積で分けると、築年数とは景色が変わります。件数がまとまっている面積帯は2つです。
| 専有面積 | 件数 | 1㎡あたりの中央値 |
|---|---|---|
| 50〜70㎡ | 27件 | 35.4万円 |
| 70〜90㎡ | 24件 | 40.7万円 |
50〜70㎡が35.4万円、70〜90㎡が40.7万円。築年帯が32.1万円から67.6万円まで開いていたのと比べると、この2つはほとんど横一線です。広さを1段落とせば1㎡あたりが下がる、という関係にもなっていません。
上尾市では、部屋の広さは1㎡あたりの値段をほとんど動かしません。 単価を動かしたいなら、触るのは広さではなく築年帯です。広さは必要な部屋数で決めて、予算は築年帯で調整する。この順番にすると、候補を絞る作業が1回で済みます。
件数の偏りも見ておいてください。50〜70㎡が27件、70〜90㎡が24件で、取引はこの2つに寄っています。上尾市でこれより狭い部屋やこれより広い部屋を探す場合、売り出し価格が相場から離れているかどうかを見比べる材料が手元にありません。
築30年を超えた部屋は、工事費を足した総額で比べる
築31〜40年の32.1万円と築0〜10年の67.6万円を並べれば、古い部屋を選ぶ理由は分かりやすく見えます。ただし1986年から1995年に建った建物は、給湯器も水まわりの配管も、建物と同じだけ年を取っています。
内見で室内がきれいに使われていても、壁の内側まで新しいわけではありません。物件価格だけで並べるかぎり、古い部屋はいつでも安く見えます。
順番としては、候補を2つか3つに絞ってから工事費の見積もりを取るのが早いです。間取りと設備の状態で金額が変わるので、部屋が決まっていない段階の概算はあまり使えません。物件価格と工事費を足した総額で並べ直したときに、築21〜30年の40.7万円の部屋を軽く直す案と、築31〜40年の32.1万円の部屋を大きく直す案のどちらが安いかが決まります。
工事費が分かると、築年帯の違う部屋を総額で比べられます
戸建てや賃貸と迷っている場合の数字
上尾市は戸建ての取引の方が件数は多いです。中古戸建てが232件で1坪あたり121.8万円、新築戸建てが177件で129.1万円。土地は155件で1坪あたり46.3万円です。
ここで単位の話を挟みます。戸建てのこの坪単価は、成約総額を建物の延床面積の坪数で割った値です。土地の坪単価は土地面積の坪数で割った値、マンションの単価は専有面積で割った値。分母が3つとも違うので、引き算した差を建物の値段として読むことはできません。 この記事で比べているのは、中古戸建てと新築戸建ての間、中古マンションと新築マンションの間だけです。
その中古戸建てと新築戸建ての間で見ると、中古戸建ての真ん中50%は99.2万円から149.6万円、新築戸建ては111.4万円から158.7万円に入っています。中古戸建ての75%地点149.6万円は、新築戸建ての25%地点111.4万円を上回ります。上尾市では、中古だから安いという並びに戸建てもなっていません。
土地を買って建てる案なら、1区画の広さも見ておいてください。上尾市の土地155件の面積の中央値は160㎡(48.4坪)です。坪単価の中央値46.3万円と面積の中央値160㎡から計算すると概算で2240.0万円になりますが、これは別々に取った2つの中央値をかけ合わせた概算であって、実在する1件の価格ではありません。
借りる側の数字も置いておきます。上尾市の募集賃料は1㎡あたり1,766円が中央値です(30,450件)。買うか借りるかを決めかねている段階なら、この数字を出発点にできます。
上尾市の土地は町によって2.2倍の開きがあります
土地の坪単価は町ごとに違います。3件以上の取引があった19の町のうち、件数が5件以上ある町どうしで比べると、愛宕(5件)が1坪66.1万円、大字上(15件)が29.8万円で2.2倍の開きがあります。市全体の中央値は46.3万円なので、町を1つまたぐだけで市全体の数字からは離れます。
件数の少ない町を端に置けばこの倍率はもっと大きく出ますが、3件しかない町は1件の取引で跳ねます。上の2.2倍は、件数が5件以上ある町だけで比べた数字です。
もうひとつ、坪単価が極端に低い町があります。大字平方(8件)が6.6万円、大字畔吉(3件)が6.3万円、大字大谷本郷(5件)が0.6万円。これらは市街化調整区域や農地が混ざっているとみられる水準で、住宅を建てる前提の土地相場としては読めません。「上尾市には坪6万円台の住宅地がある」という受け取り方はしないでください。土地の集計そのものも155件で、坪単価が極端な14件は除いてあります。除外後のレンジは1坪5.6万円から132.2万円です。
上尾市の地価公示は住宅地32地点で、坪単価の中央値は39.2万円です。実際に成約した土地の中央値46.3万円との差は+18.1%。ただし公示は住宅地の標準地を評価した価格、成約は実際に売れた土地の価格で、母集団が違います。この差を「上尾市の土地が値上がりしている」と読むことはできません。
種別ごとの数字と町ごとの相場は上尾市の不動産相場のページにまとめてあります。子どもの学校で候補地を絞るなら上尾市の学区を町名から調べるページも一緒に使ってください。どちらもこのサイトのページで、登録は要りません。
上尾市で中古マンションを見る前に決める3つのこと
- 築年帯を先に決める。1㎡あたり67.6万円から32.1万円まで動きます。予算から入ると築年帯が定まらず、値段の理由が読めないまま候補だけが増えます。
- 件数の少なさを前提に読む。上尾市の中古マンションは55件で、1つの帯に入るのは6件から18件です。この記事の数字は目安の位置を示すもので、1件ごとの適正価格ではありません。売り出し中の同じ築年帯の部屋も並べて判断してください。
- 古い帯を選ぶなら工事費まで足す。築31〜40年の32.1万円は物件価格の話で、住める状態にするまでの金額ではありません。総額で並べ直してから決めてください。
この記事の数字の出どころ
- 成約価格:国土交通省「不動産情報ライブラリ」の不動産取引価格情報。集計期間は2024年第4四半期から2025年第4四半期。中古マンション55件、新築マンション2件、土地155件、中古戸建て232件、新築戸建て177件
- 中古マンション・新築マンションの単価は、成約総額を専有面積(㎡)で割った値です
- 中古マンションは1982年(新耐震基準)以降に建てられた部屋に限定。1982年より前の物件は元データから除外されています
- 築年数は2026年を基準に数えています。築21〜30年は1996年から2005年、築31〜40年は1986年から1995年に建った部屋です
- 築年帯・面積帯の中央値は、帯ごとに別々に取った値です。市全体の中央値である1㎡あたり37.5万円と足し引きしても一致しません
- 中古マンションは全体で55件、各帯は6件から18件と少なく、1件の取引で順序が動きます。新築マンションは2件です
- 戸建ての坪単価は成約総額を建物の延床坪数で割った値、土地の坪単価は土地面積の坪数で割った値です。マンションの1㎡あたりの単価とは分母が違うので、そのまま比べることはできません
- 土地の集計は155件で、坪単価が極端な14件は除外しています。除外後のレンジは1坪5.6万円から132.2万円、1区画の面積の中央値は160㎡(48.4坪)です
- 町別の坪単価は3件以上の取引があった19町を対象にしています。大字平方・大字畔吉・大字大谷本郷は市街化調整区域や農地が混ざっているとみられ、住宅地の相場としては読めません
- 地価公示:住宅地32地点の坪単価の中央値39.2万円。公示は標準地の評価額、成約は実際に売れた土地で母集団が異なります
- 賃貸:不動産情報ライブラリの賃貸募集情報から、1㎡あたりの募集賃料の中央値(30,450件)


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